※本記事は、新潟交通株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、運輸事業を基盤とし、不動産、商品販売、旅行、旅館、航空代理、その他事業と多岐にわたるサービスを展開しています。地域に密着した総合的な事業活動を通じて、人々の生活を支えています。
単体従業員数は551名、連結従業員数は1,174名です。セグメントは運輸、不動産、商品販売、旅行、旅館、航空代理、その他の7つです。
主な国内グループ会社は、(A)、新潟交通佐渡、港タクシー、不動産賃貸業、不動産売買業などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
新潟交通は、地域に密着した多様な事業を展開し、人々の生活を支える企業です。同社グループでは、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力しており、長期的なキャリア形成を支援する取り組みが見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定して働き続けられる環境がうかがえます。平均年齢も高めで、経験豊富な人材が多数在籍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,400,547円 |
| 平均勤続年数 | 15.6年 |
| 平均年齢 | 48.4歳 |
| 単体従業員数 | 551人 |
| 連結従業員数 | 1,174人 |
| 単体のグループ内比率 | 46.9% |
同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付制度を採用しています。退職給付債務は15.5億円、年金資産は13.5億円となっています。
なお、退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、地域社会に密着した多様な事業を通じて持続的な成長を実現するため、「人材は最も重要な経営資源」と位置付けています。少子高齢化や労働力人口の減少といった事業環境の変化に対応し、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織づくりを推進しています。
具体的には、経営計画における「活力ある企業風土の実現」を重要な戦略課題とし、組織の活性化、従業員の成長支援、健康増進に取り組んでいます。人材育成においては、「自ら学び、自ら考え、自らが源となって行動する人材」の育成を基本方針とし、階層別研修や専門教育を通じて、各事業分野の専門性向上と将来を見据えたマネジメント人材の育成を図っています。
また、働きがいと働きやすさの両立を目指し、多様な働き方を可能とする制度整備や業務効率化・DXの推進、健康経営の取り組みを進めています。従業員の給与その他の給付については、グループ全体で一律の制度は定めておらず、各連結会社が事業内容や市場動向、経営状況を総合的に勘案して決定しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は2026年4月1日現在の実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 10.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 85.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 76.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 81.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 77.9% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 新潟交友事業㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 11.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
▼ 新潟航空サービス㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
新潟交通は、地域に根差した多角的な事業を展開しており、運輸事業を基盤として、不動産、商品販売、旅行、旅館、航空代理、その他の事業を手掛けています。同社グループは、地域の公共性と発展に貢献することを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、新潟交通を中核とし、複数の子会社および関連会社で構成されています。基幹事業である運輸事業を中心に、地域社会のニーズに応える幅広いサービスを提供することで収益を上げています。顧客との契約から生じる収益には、運輸事業の定期券や旅行事業の旅行金券など、将来のサービス提供義務を伴うものも含まれています。
同社グループの事業は、主に以下のセグメントに分かれています。
運輸事業
旅客自動車運送業やタクシー業を営んでいます。収益は、一般乗合バス、高速バス、貸切バスの運行による運賃収入から得ています。当連結会計年度では、一般乗合バス部門は減収となりましたが、高速バス部門と貸切バス部門は増収となりました。
不動産事業
不動産の賃貸業や売買業を行っています。収益は、賃貸収入や駐車場収入から得ており、当連結会計年度では賃貸収入・駐車場収入ともに増収となりました。
商品販売事業
食品販売業や物品販売業を展開しています。収益は、観光土産品の卸売販売などから得ており、当連結会計年度では土産需要が堅調に推移し増収となりました。
旅行事業
旅行業を営んでいます。収益は、募集型企画旅行や受注型企画旅行の販売から得ていますが、当連結会計年度では募集型企画旅行は増収となったものの、受注型企画旅行が伸び悩み全体では減収となりました。
旅館事業
旅館業やホテル業を運営しています。収益は、宿泊収入や館内飲食店の売上などから得ており、当連結会計年度では佐渡市内の「国際佐渡観光ホテル八幡館」と新潟市内の「万代シルバーホテル」ともに増収となりました。
航空代理事業
航空代理業を行っています。収益は、航空会社との空港ハンドリング業務における受託手数料などから得ており、当連結会計年度では契約内容の変更により受託手数料が増加し増収となりました。
その他の事業セグメント
広告代理業や清掃・設備・環境業など、報告セグメントに含まれない多様な事業を展開しています。収益は、一般広告収入や清掃・設備・環境業の受託業務などから得ており、当連結会計年度では清掃・設備・環境業が前期比増収となりました。
同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高がなく、特定の主要顧客への売上集中も見られません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 運輸事業 | 85.6億円 | 85.5億円 |
| 不動産事業 | 26.4億円 | 27.1億円 |
| 商品販売事業 | 24.9億円 | 26.6億円 |
| 旅行事業 | 26.2億円 | 25.7億円 |
| 旅館事業 | 16.8億円 | 17.7億円 |
| その他の事業セグメント | 12.2億円 | 12.7億円 |
| 航空代理事業 | 7.9億円 | 8.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結業績は、過去5年間で売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向にあります。特に経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の連結会計年度において前期からさらに伸長しており、堅調な推移を示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 144億円 | 175億円 | 194億円 | 200億円 | 203億円 |
| 経常利益 | △2.3億円 | 9.7億円 | 13.2億円 | 16.1億円 | 17.7億円 |
| 経常利益率 | △1.6% | 5.6% | 6.8% | 8.1% | 8.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △4.3億円 | 9.0億円 | 10.6億円 | 10.9億円 | 11.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △113.06 | 233.72 | 277.21 | 282.98 | 299.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、収益性の改善が進んでいることが示されています。これは、事業活動の効率化や収益構造の強化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 16.6百万円 | 17.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.7百万円 | 1.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
新潟交通は、財務の安定性を維持しながら事業活動を行っています。本業で安定した資金を創出し、将来に向けた投資も継続している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しています。純資産は前期から増加しており、手元資金も一定の厚みを保っています。これらの状況は、同社グループの事業運営における安定性を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 190億円 | 202億円 |
| 自己資本比率 | 33.7% | 35.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.9% | 5.9% |
| 現金及び預金 | 26.6億円 | 26.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは前期から増加しており、税金等調整前当期純利益や減価償却費が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは前期から減少しており、有形固定資産取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは前期から増加し、長期借入れによる収入と長期借入金の返済による支出が主な要因となっています。
本業で安定した資金を創出し、投資活動を賄った上で余剰資金を生み出している状況は、同社グループの安定した事業運営と将来への投資余力があることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 25.7億円 | 28.1億円 |
| 投資CF | △11.9億円 | △9.0億円 |
| 財務CF | △14.3億円 | △19.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 13.8億円 | 19.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、燃油費の動向が業績に影響を与える可能性があると認識しています。地政学リスクや為替変動リスクによる原油価格の変動が要因となります。
また、有利子負債の金利変動も業績に影響を与える可能性があります。急速かつ大幅な金利変動があった場合、業績に影響を与える可能性があるとしています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、労働力の不足を事業リスクとして認識しています。基幹事業である運輸事業をはじめ労働集約型の事業が多いことから、労働力の不足はバス路線の維持が困難になる等、業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
新潟交通は、地域社会との絆を大切にし、安全・安心な社会の実現を目指す企業です。公共性の高い運輸事業を基幹に、多様な事業を展開しながら、企業価値の向上に努めています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
新潟交通は、公共性の高い運輸事業を基幹とし、不動産、商品販売、旅行、旅館、航空代理などの多様な事業を展開しています。
「地域社会との絆」を大切にし、輸送の安全をはじめとする安全・安心な社会の実現を目指しています。
お客様や株主から高い評価と信用を得られるよう、企業価値を高めていくことを基本方針としています。
企業理念(社是)として「和衷協力」を掲げ、令和八年度の経営方針では「新しい経済環境への対応」をテーマに、安定的な黒字体質の継続と新たな収益への挑戦、長期的な視点での事業見直し、そして法令遵守と危機管理体制の徹底による「安全と信頼」の確立を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
新潟交通は、企業理念(社是)である「和衷協力」のもと、日々の業務における行動指針として「親切と安全それが仕事」「思考、礼節そして実行」「信頼と協調で繁栄を」「接客マナー日本一」の綱領を掲げています。
サステナビリティ基本方針では、これらの綱領に基づき、安心・安全なサービス提供を通じて持続可能な社会の形成に貢献することを重視しています。
同社は「人材は最も大切な財産」と認識し、従業員一人ひとりが前向きな意欲を持って働ける職場環境を目指しています。
安全方針として「すべては安全から」を掲げ、安全の確保を最優先とし、関係法令を遵守することで社会に貢献する企業風土を醸成しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
新潟交通グループは、基幹事業である運輸事業において、運転士確保を重要課題と位置付けています。
運転体験会の開催や各種媒体を活用した採用活動、定着施策を推進し、安定的な人材確保を目指しています。
また、地域社会との連携を深め、安定したサービス提供体制の維持・強化に取り組むとともに、安全・信頼の確保を最優先に事業基盤の強化に努めています。
人的資本に関する取り組みとして、従業員の能力開発を促進する研修制度の実施、働き方改革の推進、健康経営の推進、女性活躍推進、専門性の高い人材の創出を重点テーマとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
新潟交通は監査役会設置会社であり、社外取締役および社外監査役を中心とした企業統治制度を採用しています。経営監督体制が十分に機能しているとの認識のもと、公正で透明性の高い経営を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループは、金融機関である第四北越銀行が筆頭株主として名を連ねています。その他にも、ブリヂストンやいすゞ自動車といった事業会社が上位株主として名を連ねており、多様なステークホルダーに支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 第四北越銀行 | 4.55% |
| ブリヂストン | 4.27% |
| いすゞ自動車 | 4.04% |
| 太平興業 | 3.47% |
| みずほ銀行 | 2.73% |
(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性11名・女性-名)で構成され、女性役員比率は-%です。代表取締役社長は星野佳人氏が務めています。社外取締役比率は12.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 星野 佳人 | 代表取締役社長 | 1987年4月同社入社、2012年10月同社執行役員乗合バス部担当、2014年6月同社取締役を経て、2016年6月より同社代表取締役社長現職。 |
| 古川 公一 | 代表取締役常務 | 1987年4月同社入社、2012年10月同社執行役員経営管理室部長、2014年6月同社取締役を経て、2016年6月より同社代表取締役常務現職。 |
| 長沼 哲男 | 常務取締役 | 1987年4月同社入社、2016年6月同社執行役員総務部長、2017年6月同社取締役を経て、2019年7月より同社常務取締役現職。 |
| 髙井 俊幸 | 取締役 | 1991年4月同社入社、2017年12月同社事業部長、2019年6月同社取締役事業部長を経て、2023年4月より同社取締役現職。 |
| 竹内 正喜 | 取締役経営管理室長 | 1991年4月同社入社、2017年4月同社経営管理室長を経て、2019年6月より同社取締役経営管理室長現職。 |
| 今井 敦 | 取締役旅行部長 | 1993年4月同社入社、2020年4月同社旅行部長、2023年4月同社執行役員旅行部長を経て、2025年6月より同社取締役旅行部長現職。 |
社外取締役は、馬場伸行氏(コニカミノルタNC会長)、三部正歳氏(りゅーと法律税務会計事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役および社外監査役が経営全般に対する監督と助言を行う体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、月例の固定報酬と退職時に支給される退職慰労金で構成されています。報酬額は、役位や職責に加え、同社グループの業績や従業員給与の水準を総合的に考慮して決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 82百万円 | 13.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 2百万円 | 1.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 17百万円 | 4.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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