【平均年収798万円】カンダホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収798万円】カンダホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

カンダホールディングスは、カンダコーポレーション、ケイ・コムなどを傘下に持つ持株会社です。グループ全体で多くの従業員を擁し、貨物自動車運送や国際物流を主軸に、不動産賃貸やソフトウエア開発など多角的な事業を展開しています。直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、カンダホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


カンダホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は32名、グループ連結従業員数は2,828名です。

同社グループは、物流業者として長年の経験と実績を活かし、貨物自動車運送事業や国際物流事業など多岐にわたる物流関連事業を展開しています。また、不動産賃貸事業、ソフトウエア開発保守事業、リース事業、ファイナンス事業も手掛けており、連結子会社24社を中心に幅広いサービスを提供しています。

主な国内グループ会社は、カンダコーポレーション(自動車運送)、ケイ・コム(ソフトウエア開発受託、販売)、神田ファイナンス、神田エンタープライズ(不動産賃貸)などです。

2026年4月1日付で、カンダコーポレーションはロジメディカルと名岐物流サービスを吸収合併しました。また、神田エンタープライズは事業形態を変更し、不動産賃貸事業に移行しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


カンダホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を担い、多様な人材が成長し活躍できる職場環境の実現を目指しています。同社グループは、ダイバーシティの推進や人材育成プログラムの充実を通じて、従業員の働きがいと企業価値の向上を両立させる方針です。現場オペレーションの安定的な遂行を事業競争力の源泉と捉え、人材の安定確保にも注力しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


カンダホールディングスでは、平均年齢が50歳7ヶ月、平均勤続年数が17年1ヶ月となっており、長期にわたってキャリアを築いている従業員が多い傾向が見られます。これは、安定した環境で経験を積み重ねていきたいと考える方にとって、参考となる情報です。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 7,978,614円
平均勤続年数 17年1ヶ月
平均年齢 50歳7ヶ月
単体従業員数 32人
連結従業員数 2,828人
単体のグループ内比率 1.1%


同社グループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の退職給付制度を採用しています。主に連結子会社で退職一時金制度を採用しており、一部では中小企業退職金共済制度や特定退職金共済制度等も採用されています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は12.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


カンダホールディングスグループは、「多様な人財が成長し活躍できる働きやすい職場環境の実現」を人材戦略の基本方針としています。従業員の給与は、職務内容、役割、責任の程度、経験・能力、業績への貢献度を総合的に考慮して決定され、外部労働市場や同業他社の水準も参考に競争力のある報酬水準を維持しています。特に現場オペレーションに従事する従業員には、業務負荷や技能水準に応じた処遇を行い、人材の確保と定着を強化しています。

同社グループは、ダイバーシティの推進を重視し、女性・高齢者・外国人材の活躍を促進しています。具体的には、カンダコーポレーション株式会社内に「女性の働きやすい職場検討委員会」を設置し、従業員からの意見を基にダイバーシティを推進しています。また、次世代リーダー育成のため、階層別研修に加えて物流に特化した専門スキル研修を導入し、人材育成プログラムを充実させています。働き方改革として労働時間削減や有給休暇取得促進にも取り組み、デジタル技術を活用した業務効率化と負担軽減も進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


カンダホールディングスは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
男女の賃金格差は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、同一労働の賃金に差はなく、労働時間の差によるものです。

▼ カンダコーポレーション

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 2.1%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 41.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正社員) 64.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) 84.4%


▼ カンダコアテクノ

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 76.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正社員) 77.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) 31.9%


▼ カンダリテールサポート

指標 数値
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 40.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正社員) 70.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) 68.2%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
従業員エンゲージメント サーベイスコア 3.07点(5.00点満点)

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


カンダホールディングスグループは、物流事業を主軸に多岐にわたるサービスを展開する持株会社です。長年の経験と実績を活かし、貨物自動車運送、国際物流、不動産賃貸、そしてその他の関連事業を通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、カンダホールディングスと24の子会社で構成されており、物流業者として幅広い事業を展開しています。貨物自動車運送事業、国際物流事業、不動産賃貸事業の3つを報告セグメントとし、これに加えてリース業やソフトウエア開発保守業などの「その他の事業セグメント」も手掛けています。収益は主にこれらの事業活動から得られており、特定の顧客への収益集中は見られません。また、日本国内の外部顧客への営業収益が全体の90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。

貨物自動車運送事業

この事業では、貨物自動車による運送業務と庫内作業業務を営んでいます。既存取引の拡大が収益に寄与しており、同社グループの主要な収益源となっています。カンダコーポレーションやカンダコアテクノが流通加工商品の仕分・梱包等も行っています。

国際物流事業

国際宅配便業務などを手掛けています。輸送量が伸び悩む状況も見られますが、コスト管理の徹底により利益を確保しています。

不動産賃貸事業

不動産の賃貸業務を行っており、安定的な収益源の一つとなっています。神田エンタープライズがこの事業を担っています。

その他の事業セグメント

リース業、コンピュータソフト開発保守業、保険代理店業、部品販売業、太陽光発電業、清掃業、事務代行業など、多角的な事業を展開しています。一部業務でのコスト増の影響も見られますが、全体としては収益を伸ばしています。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期)
貨物自動車運送事業 390億円 394億円
国際物流事業 111億円 110億円
その他の事業セグメント 10.2億円 10.9億円
不動産賃貸事業 9.0億円 8.9億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、営業収益は緩やかに増加傾向にあります。経常利益も変動はありつつも、当連結会計年度においては増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加傾向を示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 476億円 516億円 511億円 520億円 524億円
経常利益 31.0億円 28.0億円 35.3億円 35.0億円 38.0億円
経常利益率 6.5% 5.4% 6.9% 6.7% 7.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 19.5億円 17.7億円 22.7億円 22.1億円 24.6億円
1株当たり当期純利益(円) 90.51 82.46 105.91 103.00 114.64

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり営業収益は、前期からほぼ横ばいの水準で推移しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から増加しており、組織全体の効率性が向上している傾向が見られます。これは、事業運営におけるコスト管理や収益性の改善が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 18.6百万円 18.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.2百万円 1.3百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


カンダホールディングスグループは、本業で安定的に資金を生み出し、事業への投資も行いながら、手元に資金を残す財務状況を示しています。
この会社の財務基盤と資金の流れから、経営の安定性について見ていきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


カンダホールディングスグループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定した経営状況を示しています。
ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均とほぼ同水準で推移しています。
手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営における資金的な余裕がうかがえます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 258億円 281億円
自己資本比率 54.3% 58.4%
ROE(自己資本利益率) 8.9% 9.1%
現金及び預金 91.7億円 108億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


カンダホールディングスグループの営業活動によるキャッシュフローは、当期に増加しています。
これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、当期も資金を使用する状況が続いています。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済やリース債務の返済、配当金の支払いにより、当期も資金を使用しています。
本業で安定的に資金を生み出し、事業への投資も行いながら、手元に資金が残る状況は、将来の成長に向けた基盤を維持しつつ、安定した経営が期待できることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 38.0億円 43.0億円
投資CF △11.3億円 △14.5億円
財務CF △17.6億円 △12.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 26.6億円 28.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、燃料費等の原価管理リスクを認識しています。
原油価格や為替相場の動向により燃料費が変動し、収益に影響を及ぼす可能性があります。
また、季節要因や経済・業界の動向、取引先の業況による景気変動が、業績に影響を与えるリスクも示されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人材育成および確保に伴うリスクを挙げています。
物流需要の増加や顧客ニーズの多様化に対応するため、優秀な人材の確保と育成が重要であり、計画通りに進まない場合には事業継続に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


カンダホールディングスは、物流を通じて豊かな社会の実現を目指す総合物流企業です。お客様との共栄、社員の生活向上、自己改革への挑戦、そして社会貢献を経営理念に掲げ、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


カンダホールディングスグループは、物流を通じて豊かで快適な社会の実現を社会的使命と考えています。総合物流企業として研究と創造を大切にし、ネットワークの整備、業務の効率化によるコスト削減、事業領域の拡大によるサービスの差別化推進を目指しています。

経営理念として、「お客様に満足されるサービスを提供し、お客様と共に繁栄する」ことを第一に掲げています。また、「和の精神を大切にし、社員の生活向上を目指す」こと、そして「研究と創造に努め、自己改革に挑戦する」ことを重視しています。さらに、「物流を通じて社会の発展に貢献する」ことをビジョンとしています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


カンダホールディングスグループは、「和」の精神に基づく全員参加型の経営と、創造的な経営の推進を基本方針としています。経営理念においても「和の精神を大切にし」と明記されており、協調性を重んじる文化がうかがえます。

サステナビリティ基本方針では、「和の精神と革新的ロジスティクスで持続可能な社会の実現に貢献する」ことを掲げています。多様な人財が成長し活躍できる働きやすい職場環境の実現、安全を最優先とした高品質なロジスティクスサービスの提供、透明性と誠実さを基盤とした信頼される企業経営の実践を重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


カンダホールディングスグループは、中期経営計画において「人的資本の強化」「組織再編による体制強化」「ESG経営の推進」を骨子としています。恒常的な人材不足、特にトラックドライバーの確保に向けた採用活動の強化に注力しています。

次世代の幹部候補育成に向けた教育にも力を入れています。また、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、環境配慮型車両の導入検討や再生可能エネルギーの導入推進に取り組んでいます。品質安全管理体制の強化、ダイバーシティの推進、コンプライアンス研修の実施、地域社会との共生と社会課題解決への貢献も重点テーマとしています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


カンダホールディングスは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営を監督する体制を採っています。社外取締役が経営の監督機能を強化し、客観的な視点を取り入れています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は原島不動産であり、創業家と関連する企業が上位株主として名を連ねています。代表取締役社長である原島藤壽氏も上位株主の一人です。

また、カンダ従業員持株会やカンダ共栄会も上位に位置しており、創業家および関連会社が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
原島不動産 36.83%
カンダ従業員持株会 4.97%
カンダ共栄会 4.19%
原島 藤壽 3.25%
原島本店 3.24%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性5名・女性3名)で構成され、女性役員比率は37.5%です。代表取締役社長は原島藤壽氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
原島 藤壽 代表取締役社長 1990年4月凸版印刷㈱入社、1995年2月同社入社、2020年1月同社代表取締役社長より現職。
中谷 智 専務取締役 営業本部長 1987年4月㈱三井銀行(現㈱三井住友銀行)入行、2020年6月同社常務取締役、2025年6月同社専務取締役 営業本部長より現職。
江文 順一 専務取締役 管理本部長 グループ会社統括室長 人事部長 1984年6月神田運送㈱(現同社)入社、2019年6月同社取締役 管理本部長兼グループ会社統括室長、2025年6月同社専務取締役 管理本部長兼グループ会社統括室長より現職。


社外取締役は、加藤俊彦氏(一橋大学大学院経営管理研究科教授・同大学理事・副学長)、齊藤実氏(神奈川大学名誉教授)です。

同社は監査役制度を採用しており、常勤監査役1名、社外監査役2名で構成する監査役会を設置しています。社外取締役2名を選任することで、経営の監督機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、退職慰労金で構成されています。業績連動報酬は、連結業績やグループ会社の業績結果に応じて算定され、役員の責任の明確化と貢献度を示す指標とされています。

業務執行を伴わない社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみが支給される体系となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 82百万円 20.5百万円
監査役(社外除く) 1名 13百万円 13.0百万円
社外役員 4名 22百万円 5.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。