※本記事は、株式会社ハマキョウレックス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ハマキョウレックスは、物流センター事業を核とする3PL物流と貨物自動車運送事業を主な業務としています。同社グループは、これら事業を相互に連携させながら展開しています。
単体従業員数は880名、連結従業員数は6,010名です。セグメントは物流センター事業、貨物自動車運送事業の2つです。
主な国内グループ会社は、スーパーレックス(物流センター事業)、高塚運送(貨物自動車運送事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ハマキョウレックスは、物流センター事業と貨物自動車運送事業を主軸とする企業グループです。同社グループでは、人材を最大の財産と捉え、和とコミュニケーションを重視した全員参加による経営を推進しています。社員一人ひとりの能力向上と働きやすい環境整備に力を入れていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が11.0年と比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も44.2歳となっており、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,928,410円 |
| 平均勤続年数 | 11.0年 |
| 平均年齢 | 44.2歳 |
| 単体従業員数 | 880人 |
| 連結従業員数 | 6,010人 |
| 単体のグループ内比率 | 14.6% |
同社及び連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)及び確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付債務は49.8億円、年金資産は3百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ハマキョウレックスは、人材を最大の財産と認識し、和とコミュニケーションを重視した全員参加による経営を基本方針としています。この方針に基づき、人材育成の強化と働きやすい職場環境の整備に継続的に取り組んでいます。
給与については、会社業績及び経営環境を踏まえ、各従業員の職務内容、役割、成果を総合的に評価して決定しています。これにより、個々の貢献に応じた適切な処遇を実現し、従業員の意欲向上と組織全体の生産性向上を図っています。
また、社員一人ひとりの能力及び専門性の向上を図るため、職務や役割に応じた教育・研修機会の充実に取り組んでいます。個々の成果や成長を適切に評価し、主体的な能力開発を促進することで、組織全体の持続的な成長に資する人材の育成を目指しています。
働きやすく活力ある職場環境の整備を重要な経営課題と位置付け、コミュニケーションの活性化及び安全で安心して働ける環境の構築に努めています。性別、年齢、国籍、雇用形態等に関わらず、多様な人材が能力を最大限発揮できるよう、積極的な採用・登用を通じてダイバーシティの推進に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 4.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 38.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 56.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 76.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 86.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社スーパーレックス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 6.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
▼ 近物レックス株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 8.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 9.0% |
▼ 大浜運輸株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
多様性・登用
女性活躍推進法における一般事業主行動計画に基づく指標です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性労働者の雇用率 | 68.7% |
人材育成・エンゲージメント
女性活躍推進法における一般事業主行動計画に基づく指標です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の勤続年数(正社員) | 7年 |
| 女性従業員の勤続年数(パート従業員) | 5年 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ハマキョウレックスは、物流センター事業を核とした3PL物流と貨物自動車運送事業を展開し、同社グループ全体で連携しながら事業活動を行っています。同社グループは、当社および43社の子会社で構成されています。物流センター運営と貨物輸送のサービスを提供しており、それぞれの事業が相互に連携し、包括的な戦略のもとで事業活動を進めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、物流センター事業と貨物自動車運送事業の2つの報告セグメントで事業を展開しています。これらの事業は、サービス別に包括的な戦略を立案し、各センターや子会社を通じてサービスを提供しています。
物流センター事業
この事業では、センター運営およびセンター配送を行っています。物流センター運営の充実や新規センターの受託、M&Aによる効果が主な収益源となっています。当連結会計年度末時点での物流センター総数は194センターです。
貨物自動車運送事業
この事業では、一般貨物運送や特別積み合わせ貨物運送を行っています。運賃値上げ交渉による効果、貸切便収入の増加、M&Aによる効果などが収益に貢献しています。
同社グループは本邦以外の売上高はなく、特定の主要顧客への収益集中もありません。
| セグメント | 営業収益(2025年3月期) | 営業収益(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 物流センター事業 | 946億円 | 1,009億円 |
| 貨物自動車運送事業 | 521億円 | 546億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの営業収益は、過去5期間にわたり一貫して増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に順調な伸びを示しており、安定した成長を続けていることがうかがえます。特に直近の当連結会計年度では、各利益項目において前期を上回る大幅な増加となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 1,251億円 | 1,319億円 | 1,406億円 | 1,467億円 | 1,555億円 |
| 経常利益 | 120億円 | 123億円 | 131億円 | 143億円 | 161億円 |
| 経常利益率 | 9.6% | 9.3% | 9.3% | 9.7% | 10.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 71.2億円 | 74.0億円 | 83.0億円 | 89.3億円 | 107億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 94.71 | 98.48 | 110.64 | 120.13 | 144.83 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり営業収益は、前期から当期にかけて増加しています。これは、従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向を示しています。また、従業員1人あたり営業利益も同様に増加しており、収益性の改善が従業員一人あたりの稼ぐ力にも反映されていることがわかります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 25.2百万円 | 25.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.3百万円 | 2.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ハマキョウレックスは、安定した財務基盤を構築しており、本業で得た資金を元手に事業を拡大している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率やROE(自己資本利益率)の推移から、安定した状態にあることがうかがえます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しており、手元資金も増加傾向にあります。これにより、事業環境の変化や不測の事態にも対応できる体制が整っていると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,019億円 | 1,111億円 |
| 自己資本比率 | 56.2% | 56.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.3% | 11.4% |
| 現金及び預金 | 236億円 | 265億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における同社グループのキャッシュフローは、営業活動による資金獲得が投資活動による資金使用を上回り、フリーキャッシュフローはプラスとなっています。これは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を成長のための投資に充てつつも、手元に余剰資金を確保できている状態を示しています。
営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上により増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、新規物流センターの建設などの有形固定資産の取得による支出が主な資金使用となっています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済やリース債務の返済、配当金の支払いにより資金が使用されました。
これらの状況から、同社グループは本業で着実に収益を上げ、将来に向けた投資を継続しながらも、健全な資金繰りを維持していることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 141億円 | 200億円 |
| 投資CF | △111億円 | △106億円 |
| 財務CF | △55.5億円 | △62.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 30.4億円 | 93.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、契約期間が1年で自動延長となる物流契約が多く、契約解消リスクが毎年存在しています。このリスクに対して、一取引先の営業収益を全体の10%以内に分散する方針をとっています。
また、経済や景気動向、取引先の業況変動により、取扱業務量が減少し、業績に影響を受ける可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは労働集約型の事業を展開しており、質の高い人材の確保が事業を行う上で重要です。計画する人材の十分な確保ができない場合や、大量な人材流出があった場合には、業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ハマキョウレックスは、「心」を経営の基本理念に掲げ、物流を通じて社会に貢献することを目指す企業です。お客様第一、品質第一を基本に、信頼される存在として持続的な成長を図ることを重視しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は「心」です。「人と接するときは、心を込めて」「仕事をするときは、初心を忘れず前向きに」「物を扱うときは、心を込めて丁寧に」「物を運ぶときは、心を込めて安全に」「如何なるときにも感謝の心を大切に」を基本テーマとしています。
経営方針としては、物流を「駅伝でいえば最終ランナー」と捉え、信頼に応える効率的な事業活動と質の高い成長を目指しています。お客様第一、品質第一を基本に企業としての社会的責任を果たし、3PL物流における質的内容の日本一を目指すことを掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「日々収支」、「全員参加」、「コミュニケーション」の3つのキーワードを重要視し、これを徹底することで更なる高みを目指しています。人材を最大の財産と認識し、和とコミュニケーションを重視した「全員参加」による経営を推進する企業風土です。
社員一人ひとりの能力向上と専門性の強化を図るため、職務や役割に応じた教育・研修機会の充実に取り組んでいます。働きやすく活力ある職場環境の整備を重要な経営課題と位置付け、コミュニケーションの活性化や安全で安心して働ける環境の構築に努めています。多様な人材が能力を最大限発揮できるよう、ダイバーシティの推進にも積極的に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中長期的な経営戦略を着実に推し進め、お客様の物流利益創出に貢献するため、複数の優先的に対処すべき課題に取り組んでいます。具体的には、顧客満足度及び物流品質の向上を目指し、全員参加による顧客訪問の徹底やお客様とのコミュニケーション強化を図っています。
また、人材の確保と育成も重点テーマの一つであり、OJTを中心とした人材育成や社内研修「大須賀塾」の継続、中途採用枠の積極設定に努めています。さらに、物流企業としての社会的責任を果たすため、環境負荷の軽減にも取り組んでおり、太陽光発電設備の導入や環境配慮車輛の導入を促進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ハマキョウレックスは監査役会設置会社であり、迅速な意思決定と経営の透明性向上を目指しています。取締役会による経営監督と執行機能の役割分担を明確にするため、執行役員制度を導入しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主は同社代表取締役会長および代表取締役社長、その親族が株式を保有する資産管理会社であるエムエフカンパニーです。その他、複数の機関投資家や信託銀行が上位株主として名を連ねています。同社は創業家が関連会社を通じて経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| エムエフカンパニー | 12.48% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 12.11% |
| BBH FOR FIDELITY LOW-PRICED STOCK FUND | 6.37% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.76% |
| CGML-LONDON EQUITY | 3.21% |
エムエフカンパニーは、同社代表取締役会長大須賀正孝、同社代表取締役社長大須賀秀徳、及びその親族が株式を保有する資産管理会社です。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役会長は大須賀正孝氏、代表取締役社長は大須賀秀徳氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大須賀 正孝 | 代表取締役会長 | 1971年2月浜松協同運送(現ハマキョウレックス)代表取締役社長、2007年6月同社代表取締役会長より現職。 |
| 大須賀 秀徳 | 代表取締役社長 | 1992年4月同社入社、2010年1月同社代表取締役社長より現職。近物レックス取締役会長、静岡県トラック協会副会長も務める。 |
| 奥 津 靖雄 | 専務取締役執行役員統括本部長 | 1999年7月同社入社、2022年6月同社専務取締役執行役員統括本部長兼中部支社長、2023年4月より現職。 |
| 山 岡 毅 | 専務取締役執行役員開発本部長 | 2004年3月同社入社、2022年6月同社専務取締役執行役員開発本部長より現職。 |
| 那須田 貴市 | 取締役執行役員 | 1999年12月同社入社、2019年4月同社取締役執行役員関西支社長、2025年6月同社取締役執行役員より現職。 |
社外取締役は、大津善敬氏(元静岡銀行常務執行役員)、森猛氏(元浜松商工会議所専務理事)、片田須美子氏(片田会計事務所設立)、影山剛士氏(元静岡県湖西市長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会の諮問機関として指名委員会および報酬委員会を設置しています。これらの委員会は独立社外取締役が過半数を占め、独立性と公正性を確保し、取締役会への助言・答申を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、取締役等の報酬額を経済情勢や業績、担当職務、貢献度などを総合的に勘案して決定しています。報酬額の決定には、独立役員が過半数を占める報酬委員会の審議・答申を尊重することで客観性を確保しています。また、企業価値向上へのインセンティブとして、譲渡制限付株式を割り当てる非金銭報酬制度も導入しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 2.4億円 | 47.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.0百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 22百万円 | 3.1百万円 |
なお、譲渡制限付株式報酬は非金銭報酬等に該当し、当事業年度において計上した株式報酬費用の額を記載しています。
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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