【平均年収862万円】玉井商船 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収862万円】玉井商船 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

玉井商船は、外航海運業、内航海運業、不動産賃貸業を展開しています。直近の業績は、営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から減少となりました。


目次

※本記事は、玉井商船株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月8日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


玉井商船グループは、外航海運業、内航海運業、不動産賃貸業を展開しています。主に内外航船舶による貨物運送を手がけ、日本軽金属や全農向けの輸送を担っています。

単体従業員数は22名、連結従業員数は61名です。セグメントは外航海運業、内航海運業、不動産賃貸業の3つです。

主な国内グループ会社は、大四マリン(内航海運業)、本山パインクレスト(不動産賃貸業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


玉井商船は海運業を主軸とする企業であり、社会インフラを担う重要な役割を担っています。このような事業特性から、安定した環境で専門性を高めながら働くことが期待されます。同社グループの給与水準や働き方について、詳しく見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。このような環境は、長期的な視点で専門性を深めたいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 8,617,000円
平均勤続年数 14.8年
平均年齢 41.3歳
単体従業員数 22人
連結従業員数 61人
単体のグループ内比率 36.1%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を採用しています。同社は確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けており、国内連結子会社は退職一時金制度を設けています。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は2.4億円、年金資産は2.5億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、多様な個性と価値観を尊重し、一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮できる企業グループを目指しています。事業規模の拡大と企業価値の向上には人材が不可欠であると考え、多種多様な顧客ニーズに応じたサービス提供や発想力に富んだ提案ができる社員の育成に注力しています。

具体的には、適宜研修・講習の機会を設け、責任ある業務を任せることで、個々の資質を伸ばすサポートを行っています。海上従業員に対しては、安全教育指導や安全管理技術の改善向上を通じた海技の伝承にも力を入れています。

報酬制度においては、従業員の貢献に応じた公平公正な評価・処遇を重視しており、毎年経営会議で昇給昇格を議論・評価しています。また、海上籍・陸上籍で分け隔てることなく定期昇給及びベースアップを実施し、報酬に反映する方針です。直近では2021年から毎年ベースアップを行っています。

女性活躍の推進にも取り組んでおり、女性社員の準総合職への転換や、総合職の女性採用活動を男性と隔てることなく実施しています。また、多様な働き方を実現するため、借上げ寮制度、住宅手当制度、時差出勤制度、育児休業制度、出生時育児休業(パパ育休)制度、介護休業制度、育児短時間勤務制度、子の看護等休暇制度など、様々な制度を整備し、今後も拡充していく方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


玉井商船グループは、海運業を主軸に、外航海運業、内航海運業、そして不動産賃貸業の3つの事業を展開しています。これらの事業を通じて、国内外の物流と資産運用を担うことで収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、玉井商船と3つの連結子会社(T.S. Central Shipping Co.,Ltd.、大四マリン、本山パインクレスト)で構成されています。主な事業は、内外航船舶による海上貨物輸送と、賃貸用不動産の運営です。

外航海運業

この事業では、支配船舶を用いて北米からの輸入穀物や南米からの水酸化アルミなどの貨物輸送を行っています。また、一部の支配船舶を短期で貸し出すことで、安定した収益の確保に努めています。当連結会計年度においては、貨物輸送から短期貸船への運航比率が高まったことにより、運賃が減少し貸船料が増加する傾向が見られました。

内航海運業

内航海運業では、定期用船1隻による水酸化アルミなどの輸送を手がけ、安全かつ効率的な配船に注力しています。加えて、所有する2隻の船舶を定期的に貸し出すことで、安定的な収益を確保しています。船員を他社へ融通する派遣業収入も得ており、当連結会計年度では、定期貸船が堅調に推移する一方で、特定の借船・貸船取引の終了に伴い、その他海運業収益が増加しました。

不動産賃貸業

賃貸用不動産を所有し、その賃貸収入を得る事業です。当連結会計年度においては、堅調な推移を見せています。

同社グループの収益は、日本軽金属株式会社や全国農業協同組合連合会といった特定の主要顧客からの割合が高い傾向にあります。地域別に見ると、当連結会計年度の営業収益は日本が最も大きく、アジア、欧州、中近東からも収益を得ています。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期)
外航海運業 42.8億円 40.5億円
内航海運業 9.9億円 9.5億円
不動産賃貸業 1.2億円 1.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、営業収益と経常利益は全体的に減少傾向にあります。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に一時的に大幅な増加を見せましたが、当連結会計年度では減少に転じています。当連結会計年度の営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期から減少しています。これは、前連結会計年度に計上された固定資産売却益の反動や、外航ドライバルク船マーケットの変動、地政学的リスクへの対応などが影響しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 67.3億円 73.1億円 62.2億円 53.9億円 51.2億円
経常利益 15.9億円 11.9億円 10.0億円 8.9億円 6.4億円
経常利益率 23.6% 16.2% 16.0% 16.5% 12.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 11.9億円 8.2億円 7.3億円 21.0億円 7.7億円
1株当たり当期純利益(円) 616.71 425.29 379.00 1,085.86 404.84

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり営業収益(連結)は前期から減少しており、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に減少しています。これらの指標は、連結従業員数に対する収益および利益の創出効率が前期と比較して低下していることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 85.5百万円 84.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 14.1百万円 10.8百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定的に資金を生み出しながらも、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。財務基盤は堅固であり、事業活動を支える手元資金も確保されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が非製造業のプライム市場平均を上回る水準で推移しています。これは、事業運営における安定性を示す傾向にあります。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均に近い水準となっています。手元資金は前期から減少していますが、事業活動を支える資金は確保されています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 93.1億円 81.4億円
自己資本比率 73.2% 66.0%
ROE(自己資本利益率) 25.3% 8.9%
現金及び預金 41.9億円 19.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、前期から当期にかけて変化が見られます。本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期もプラスを維持していますが、前期と比較すると減少しています。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費などの要因によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは、前期はプラスでしたが、当期は有形固定資産の取得による支出が増加したことでマイナスに転じています。これは、事業の将来に向けた投資が活発に行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入があったものの、自己株式取得による支出が主な要因となり、当期もマイナスとなっています。

これらの結果、事業活動で得た資金を投資に充てているため、フリーキャッシュフローは前期のプラスから当期はマイナスに転じました。同社グループは本業で安定的に資金を生み出しつつ、事業拡大のための投資を積極的に行っている状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 12.8億円 11.3億円
投資CF 16.6億円 △25.8億円
財務CF △13.0億円 △12.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 29.4億円 △14.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、外航海運部門において海運市況の変動リスクを認識しています。運賃収入や貸船料収入が、海上輸送量の増減や競争激化、船舶需給のバランス等の影響により大きく変動する可能性があります。また、主要事業である外航海運業の収入の大部分が米ドル建てであるため、為替変動リスクも存在します。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、国際安全管理コード(ISM CODE)に基づく「船舶安全管理システム」を構築し、乗組員の定期的な教育・研修や緊急対応訓練を実施しています。万一海難事故が発生した場合に備え、各種保険による損失補填対策を図っています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


玉井商船は、国内および国際海上輸送を通じて社会に貢献することを経営理念に掲げ、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。株主、取引先、従業員、地域社会との調和を重視し、社会的に尊敬される企業を目指すことを大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「国内及び国際海上輸送を通して社会に貢献します」という経営理念を掲げています。この理念のもと、株主・取引先・従業員・地域社会がその存在基盤であるとの認識に立ち、調和のとれた経営を行い、社会的に尊敬される企業を目指しています。

永年培った海運技術とノウハウの蓄積と展開により、様々なニーズに柔軟に対応することで顧客に信頼される特色ある優良企業を目指す方針です。安定的に企業価値を高め、期待される株主利益を創出するために、外部環境の変化に即応しつつ、投下資本全体に対する効率性を追求しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、法令および社会的規範を遵守し、公正かつ透明な事業活動を行うことを重視しています。広く社会とのコミュニケーションに努め、企業情報を公正に開示する姿勢を大切にしています。

安全運航の徹底および海洋・地球環境の保全も重要な経営方針の一つです。サステナビリティに関する取り組みとして、環境への配慮、社会への貢献、健全な企業経営を目指す管理体制の実現に努めています。

重要課題として、低炭素化・脱炭素化、人材の確保・育成、労働環境の整備、安全運航の推進、コンプライアンス、コーポレートガバナンス、人権の尊重を掲げています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


外航海運業では、長期的な視野に立ち、社員のOJTを充実させ、国際的な人材を育成することに取り組んでいます。内航海運業においては、若手船員の確保・育成を最重要課題とし、国土交通省認定の「日本船舶・船員確保計画」に基づいた雇用と教育訓練を進めています。

また、海事産業基盤強化法における「船員の働き方改革」を着実に実現し、労働環境の改善と若年船員の定着率向上に努めています。環境保全では、事業による海洋環境及び生態系への影響を最小化するための取り組みを最大限に行っています。

内外航船の安全運航の徹底、海難事故防止、環境規制遵守を通じて海洋環境の保護に努めています。温室効果ガス(GHG)排出抑制対策として、IMOの目標に沿ったCO2排出量削減に取り組み、労働環境の整備や計画的な人材投資も重点テーマとしています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


玉井商船は監査役会設置会社制度を採用しており、取締役会と監査役会が企業統治を担っています。社外取締役と社外監査役を招聘し、経営の透明性と健全性の向上に取り組んでいます。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


玉井商船の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である日本軽金属です。上位には複数の事業会社や機関投資家が名を連ねており、多様な主体によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本軽金属 12.86%
日本ガスライン 7.75%
INTERACTIVE BROKERS LLC 7.56%
大佐古幸典 3.78%
西 將弘 3.40%


なお、2025年9月末時点で主要株主かつ筆頭株主であったSUN YOU NING氏は、当事業年度末では主要株主および筆頭株主ではなくなり、日本軽金属が筆頭株主となりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は清崎哲也氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
清崎 哲也 代表取締役 社長 1973年10月同社入社、2005年4月海務部長、2012年6月取締役嘱海務部長、2013年3月大四マリン株式会社代表取締役社長、T.S. Central Shipping Co., Ltd.取締役、2024年6月代表取締役社長より現職。
松本 和成 取締役船舶部管掌経理部管掌 1991年6月大同汽船株式会社入社、2013年3月大四マリン株式会社取締役、2015年1月内航営業部長、2024年6月大四マリン株式会社代表取締役社長、2026年4月取締役船舶部管掌経理部管掌より現職。
永井 仁 取締役営業部管掌 1995年4月大同汽船株式会社入社、2022年4月外航営業部長、2024年6月T.S. Central Shipping Co.,Ltd.取締役社長、2026年4月本山パインクレスト株式会社代表取締役社長、取締役営業部管掌より現職。


社外取締役は、岡本泰憲氏(日本軽金属取締役)、樹下健氏(日本軽金属上席執行役員)、玉井裕氏(新神戸ドック代表取締役社長)、左合輝行氏(左合・赤塚法律事務所代表弁護士)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役4名(うち独立社外取締役2名)と社外監査役3名(全員社外監査役、うち独立社外監査役2名)を選任することで、取締役会の意思決定および監督機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


玉井商船の役員報酬は、固定報酬である基本報酬と業績連動報酬で構成されています。基本報酬は役職位ごとの職責や他社水準、同社の業績などを総合的に勘案して決定されます。業績連動報酬は、従業員に賞与が支給された場合に、その支給率と同率で賞与として支給される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 61百万円 20.4百万円
社外役員 7名 36百万円 5.1百万円


なお、当事業年度では取締役に対して業績連動報酬としての賞与は支給されていません。また、上記報酬額のほか、社外役員が同社子会社から当事業年度の役員として受けた報酬額は3,600千円です。

連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。