【平均年収956万円】共栄タンカー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収956万円】共栄タンカー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

共栄タンカーは、船舶運航業務と船舶貸渡業を主な事業とする外航海運事業を、グループ各社とともにグローバルに展開しています。直近5年間で売上高は増加傾向ですが、当期は経常利益と純利益が減少となりました。


目次

※本記事は、共栄タンカー株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


共栄タンカーグループは、船舶運航業務および船舶貸渡業を主な事業とする外航海運事業を展開しています。同社は船舶を運航または貸し渡すことで運賃や貸船料を収受し、子会社9社(すべて外国会社)とともにグローバルな海運事業を行っています。

単体従業員数は63名、連結従業員数は67名です。セグメントは外航海運業の1つです。

共栄タンカーは、船舶を運航または貸し渡すことにより、運賃や貸船料等を収受する外航海運事業およびその付帯事業を営んでいます。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


共栄タンカーは外航海運業を営む企業であり、その事業特性から専門性の高い人材が求められる環境です。従業員は比較的長く勤める傾向があり、安定したキャリア形成が期待できるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長く活躍できる環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定してキャリアを築いている従業員が多いことがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 9,562,721円
平均勤続年数 11.0年
平均年齢 37.4歳
単体従業員数 63人
連結従業員数 67人
単体のグループ内比率 94.0%


共栄タンカー及び同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型と非積立型の確定給付制度を採用しています。確定給付型は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末時点の退職給付債務は3.8億円、年金資産は4.7億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


共栄タンカーは「船舶の安全運航および海洋・地球環境の保全」を企業理念の一つとして掲げ、この理念のもと持続的成長を実現するため、高品質な船舶管理を担う海上従業員とコーポレート業務を担う陸上従業員を継続的に採用・育成しています。海陸双方で優秀な人材を安定的に確保するため、戦略的に人的資本への成長投資を実施しています。

経営戦略と組織・人材戦略を連動させ、従業員のエンゲージメント向上に繋がる人事施策を実行しています。具体的には、海陸別の人事権限を再編し、海陸一体の計画的な採用・配置を行うことで、継続的に人材ポートフォリオの最適化を図っています。また、高度な専門人材および海運業としてのジェネラリスト育成に向けて、計画的なジョブローテーションや階層別研修を体系化し、「能力開発奨励制度」を導入することで「学ぶ文化」の醸成を推進しています。

給与・報酬の決定においては、持続的な成長に不可欠な人材を惹きつけ、長期にわたり安定的に活躍してもらうため、年功序列型制度を廃止し役割等級制度を導入しています。これにより、個人の期待役割の達成度や会社への貢献度を直接処遇に反映させています。優秀な人材の獲得と安定的な雇用に繋げるべく、賃金体系の見直しも継続的に実施しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


共栄タンカーは、船舶運航業務と船舶貸渡業を主な事業とする外航海運事業を展開しています。同社グループは、船舶を保有して貸し渡す事業や、船舶を借り受けて貸し渡す事業を海外子会社を通じて行っています。

収益モデルは、傭船契約に基づき顧客に船舶を貸し渡すことで、貸船料を収受するものです。収益は傭船期間のうち経過した日数に応じて認識され、一定の期間にわたりサービスが提供されることで得られています。

同社グループの事業は外航海運業の単一セグメントで構成されており、大型原油船(VLCC)、石油製品船、LPG船、ばら積み船といった多様な船舶を運航しています。収益は主に定期傭船から得られており、日本とシンガポールが主要な収益計上地域となっています。特定の顧客への収益集中が見られ、日本郵船とコスモ石油が主要な取引先です。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、直近5年間で売上高は増加傾向にあります。経常利益は変動が見られ、前期に大きく増加した後、当期は減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に大幅な増加を記録しましたが、当期は大きく減少しています。これは、特定の船舶に関する特別損失の計上が主な要因となっています。

営業活動によるキャッシュ・フローは、当期において前期よりも増加しており、本業による資金創出力は堅調に推移していることがうかがえます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 121億円 143億円 142億円 152億円 155億円
経常利益 18百万円 2.7億円 1.9億円 10.3億円 8.9億円
経常利益率 0.1% 1.9% 1.3% 6.8% 5.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 8.8億円 8.8億円 1.5億円 51.1億円 4.1億円
1株当たり当期純利益(円) 115.44 114.55 19.17 668.40 54.20

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに増加しており、生産性の向上が見られます。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期に比べて減少しています。これは、売上高の増加に対して、営業利益が減少したことによるものです。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織効率の傾向を示すものとなります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 229.7百万円 231.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 20.8百万円 18.6百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


共栄タンカーグループは、安定した財務基盤を築きながら、事業活動と投資活動を通じて資金を創出している状況です。本業で得た資金を将来に向けた投資に充てつつ、余剰資金も確保していることが示されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定性を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)は前期から大きく低下しており、収益性の改善が今後の課題となる可能性があります。手元資金である現金及び預金は前期から減少している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 251億円 261億円
自己資本比率 32.4% 33.7%
ROE(自己資本利益率) 23.0% 1.6%
現金及び預金 82.3億円 59.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


共栄タンカーグループの営業活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の減価償却などにより55.4億円の収入となっています。これは前期の47.1億円の収入から増加しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、船舶建造資金の支払いなどにより△54.4億円の支出となりました。前期の△21.4億円の支出から大幅に増加しており、積極的な投資が行われていることがうかがえます。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出などにより△19.1億円の支出となっています。前期は5.7億円の収入でしたが、当期は支出に転じています。これらの結果、フリーキャッシュ・フローは1.0億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金で投資を行いながらも、余剰資金を生み出している状況です。このキャッシュ・フローの状況は、同社グループが事業の安定性を維持しつつ、将来に向けた成長投資を進めていることを示しており、長期的な雇用や給与の安定性につながる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 47.1億円 55.4億円
投資CF △21.4億円 △54.4億円
財務CF 5.7億円 △19.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 25.7億円 1.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの業績は、海運市況の変動リスクに影響を受ける可能性があります。運賃や傭船料の市況は、世界の政治・経済・社会の動向や船舶の需給によって大きく変動するため、市況の下落が業績に悪影響を与える恐れがあります。また、為替変動リスクも挙げられます。外貨建ての収入と支出の差額は外国為替の変動による影響を受けるため、為替相場の状況によっては業績及び財務状況に影響を受けることがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


共栄タンカーは、大型タンカーの長期貸船契約を基盤とした安定収益の確保と、安全運航、海洋・地球保全を経営の根幹に据えています。持続的な成長と企業価値向上を目指し、人材育成と環境保護にも力を入れている会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、大型タンカーの長期貸船契約を大きな柱とし、安定収益の確保、安全運航、海洋・地球保全に努めています。株主への着実な利益還元と財務基盤の強化を目指し、資本コストを意識した経営に取り組んでいます。

中核である大型原油タンカー事業を引き続き安定収益基盤として注力し、他の船舶事業においても培った船舶管理技術を活かした事業展開を進めています。新しい顧客の開拓による事業基盤の拡充と、積極的な投資機会の捕捉を図っています。

安全かつ効率的な運航と顧客との信頼基盤である船舶管理業務を継続的に提供し、技術基盤の着実な継承を目指しています。中長期的な視野に基づく継続的な採用と国内外での教育の充実により、優秀な船員の確保・育成に努める方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


共栄タンカーは、企業理念において地球環境の保全を明記し、管理船舶の運航管理においては海洋環境保全活動の推進を方針として定めています。環境保護を含む同社グループ全体のリスク項目について、発生頻度・影響度を評価し、対応策の検討を行う体制です。

取締役会はリスク管理委員会を監督し、その報告結果を各部門のリスク管理・評価に反映させる体制を構築しています。高度な船舶管理業務の継続のため、性別を問わず優秀な人材の採用を拡充し、国内外での船員教育を充実させています。

持続的な成長と環境保全の観点から「品質および環境管理マニュアル」を策定し、海陸全社員に対し定期的な教育・研修、海難事故を想定した緊急対応訓練を実施しています。個々の人材育成を重視し、社員に成長の機会を提供することで生産性の向上と組織力の強化、企業価値の向上を目指すカルチャーです。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


共栄タンカーグループは、個々の人材育成を重要な経営課題と認識しています。社員に成長の機会を提供し、これを支援することで生産性の向上や組織力の強化に繋げ、企業価値の向上を目指しています。

安全かつ効率的な運航と顧客との信頼基盤となっている船舶管理業務を継続的に提供し、技術基盤を着実に継承することも重点テーマです。そのため、中長期的な視野に基づく継続的な採用と国内外での教育の更なる充実により、優秀な船員の確保・育成に努めています。

また、持続的な成長を実現するための海洋・地球環境保全に向けた活動の一環として、次世代型技術に対する積極的な取り組みを進めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は、取締役会、社外取締役を含む監査等委員会、および指名報酬委員会を設置しています。これらの機関が連携することで、取締役会の意思決定機能と監督機能の強化を図り、経営の効率性や透明性、客観性を確保する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社は、日本郵船を筆頭株主とし、ジャパンマリンユナイテッドやコスモ石油といった事業会社が上位株主として名を連ねています。複数の事業会社が主要株主として同社を支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本郵船 30.01%
ジャパンマリンユナイテッド 12.43%
コスモ石油 6.54%
三井住友海上火災保険 4.25%
みずほ銀行 2.62%


なお、前事業年度末において主要株主であったコスモ石油プロパティサービスは、2026年3月18日付のコスモ石油マーケティングへの吸収合併に伴う組織再編の一環として、保有していた同社株式のすべてをコスモ石油へ譲渡しました。この結果、当事業年度末現在において、コスモ石油プロパティサービスは主要株主ではなくなり、新たにコスモ石油が主要株主となっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は近藤耕司氏が務めています。社外取締役比率は54.5%です。

氏名 役職 主な経歴
新村 正晴 代表取締役 専務取締役 人事総務部担当 1990年4月コスモ石油入社。2018年4月コスモ石油マーケティング東日本支店長、2021年4月同社販売部長、2022年4月同社取締役執行役員販売部長委嘱。2025年4月コスモエネルギーホールディングス顧問を経て、2025年6月より同社代表取締役専務取締役現職。
太田 晶宏 常務取締役 経営管理部・企画部・経理部担当 1990年4月日本興業銀行入行。2016年4月みずほ銀行営業第十部長、2019年4月同行執行役員営業第十部長。2020年4月みずほフィナンシャルグループ執行役員、みずほ銀行執行役員。2021年4月みずほ証券執行役員、2023年4月同社審議役を経て、2023年6月より同社常務取締役現職。
稲葉 泰規 取締役 営業部担当 1990年4月大和証券入社。1993年1月同社入社。2014年6月同社営業部長、2021年7月同社理事営業部長委嘱。2022年6月より同社取締役営業部長委嘱。2026年4月より同社取締役現職。
新保 二郎 取締役 船舶部長 兼 船舶管理グループ長 1992年10月同社入社。2015年1月同社船舶部船舶管理グループ長、2022年3月同社船舶部部長船舶管理グループ長。2022年6月同社理事船舶部長、船舶管理グループ長委嘱を経て、2023年6月より同社取締役船舶部長兼船舶管理グループ長現職。


社外取締役は、石﨑青次氏(海祥海運代表取締役会長・監査等委員)、稲見俊文氏(シティコンピュータ顧問・監査等委員)、黒川貴史氏(日本郵船経営企画統轄グループ長・監査等委員)、植松孝之氏(コスモエネルギーホールディングス取締役・監査等委員)、奥村衞子氏(伏見運送代表取締役社長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会、監査等委員会、指名報酬委員会を設置しています。独立社外取締役が指名報酬委員会の過半数を占め、経営の透明性と客観性を確保する体制です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、役員報酬を月額報酬の固定部分と賞与の業績連動部分で構成しています。月額報酬は役位や職責に応じて支給され、賞与は親会社株主に帰属する当期純利益などの会社業績や経営環境を総合的に勘案して決定されます。監査等委員である取締役の報酬は、独立性と客観性を確保するため固定報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 6名 1.0億円 16.8百万円
監査等委員(社外除く) 1名 19百万円 18.7百万円
社外役員 3名 11百万円 3.6百万円


なお、報酬等の総額には、使用人兼務役員の使用人部分給与相当額は含まれていません。また、当事業年度に係る未払役員賞与も含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。