【平均年収630万円】杉村倉庫 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収630万円】杉村倉庫 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

杉村倉庫は、物流事業を主軸に、不動産賃貸やゴルフ練習場運営、売電事業など多角的な事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は377名で、直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社杉村倉庫 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


杉村倉庫グループは、貨物保管や運送などの物流事業を主軸に、不動産賃貸やゴルフ練習場運営、売電事業など多角的な事業を展開しています。グループ各社とともに幅広いサービスを提供しています。

単体従業員数は101名、連結従業員数は377名です。同社グループの事業セグメントは、物流事業、不動産事業、その他の事業の3つです。

主な国内グループ会社は、野村ホールディングス(持株会社)、杉村運輸(物流事業)、杉村興産(その他の事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


杉村倉庫は、物流・倉庫事業を中核とする企業として、安定した事業基盤を持つ同社グループです。従業員の長期的なキャリア形成を支援する方針が見られ、働きやすい環境づくりにも力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員が安心して長く働ける環境を提供している傾向があります。平均勤続年数や平均年齢から、一定の経験を積んだ従業員が定着している様子がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,296,000円
平均勤続年数 12年11ヶ月
平均年齢 40歳10ヶ月
単体従業員数 101人
連結従業員数 377人
単体のグループ内比率 26.8%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は2.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、物流・倉庫事業を中核とする事業特性を踏まえ、人材を持続的な成長および企業価値向上の源泉となる重要な経営資源と位置付けています。現場運営力と課題解決力を併せ持ち、自ら考え行動できる自律型人材の育成を基本方針としています。

従業員給与・報酬の額および内容の決定にあたっては、職務内容、役割および責任、業務遂行能力、通期での成果を総合的に勘案しています。労働市場環境や人材需給動向等の外部環境にも配慮し、事業運営に支障を来さない水準の維持に努めています。

基本給は職務内容や役割に応じた等級・職位を基礎として設定されており、賞与は個人の評価結果に加え、会社および部門の業績等を踏まえて支給額を決定する仕組みです。人事評価は自己評価を参照した上司との個別面談を通じてフィードバックが行われ、評価の透明性および納得感を確保しています。

社員教育は、定期的に各部門で実施されるCSミーティングを活用したOJTや外部教育研修参加を中心として実施されています。また、勤務地域限定制度や育児・介護支援制度、資格取得支援等を通じて、多様な人材が長期的に安定して活躍できる環境整備にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。

指標 数値
女性管理職比率 11.5%
男性育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 65.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 74.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 73.6%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 杉村運輸

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 1.4%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 40.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 70.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 50.3%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


杉村倉庫は、物流事業を主軸に、不動産事業、その他の事業を展開する企業です。同社グループは、顧客の多様なニーズに応えるサービスを提供し、収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に貨物の保管・運送を行う物流事業、土地や建物の賃貸を行う不動産事業、そしてゴルフ練習場の運営や売電を行うその他の事業を通じて収益を得ています。これらの事業は相互に関連しながら、同社グループの安定した事業基盤を形成しています。

同社グループの事業は国内に集中しており、海外からの収益はありません。また、物流事業においては特定の顧客への収益集中が見られます。

物流事業

この事業では、顧客から受託した貨物の保管、荷役荷捌、貨物自動車運送などを手掛けています。杉村倉庫が貨物保管業務を、子会社の杉村運輸が自動車運送事業や梱包、流通加工業務などを担っています。
収益は、保管料や荷役荷捌料、運送料などから得ています。運営は、杉村倉庫および杉村運輸が行っています。

不動産事業

土地や建物、駐車場の賃貸業務を行っています。杉村倉庫が土地や建物の貸付けを行い、子会社の杉村興産がその施設を利用して駐車場業務を運営しています。
収益は、賃料収入や駐車場利用料などから得ています。運営は、杉村倉庫および杉村興産が行っています。

その他の事業

ゴルフ練習場の運営や太陽光発電による売電事業を行っています。杉村興産がゴルフ練習場を運営し、杉村倉庫が売電事業を手掛けています。
収益は、ゴルフ練習場の利用料や売電収入などから得ています。運営は、杉村倉庫および杉村興産が行っています。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期)
物流事業 95.9億円 95.8億円
不動産事業 13.3億円 13.4億円
その他事業 3.1億円 3.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの営業収益は、過去5期にわたり増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加傾向を示しており、直近の当期においては増益となりました。

当連結会計年度においては、特別損失として減損損失を計上しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 102億円 106億円 109億円 112億円 112億円
経常利益 11.4億円 10.4億円 13.0億円 13.8億円 14.4億円
経常利益率 11.2% 9.8% 11.9% 12.3% 12.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 8.0億円 7.2億円 8.6億円 9.2億円 9.7億円
1株当たり当期純利益(円) 49.03 43.88 52.86 56.11 59.20

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり営業収益は、前期からわずかに減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期と同水準を維持しており、安定した収益創出能力を示しています。

これらの指標は、同社グループの事業運営における効率性や、従業員が創出する価値の傾向を把握する上で参考となります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 30.1百万円 29.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.7百万円 3.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


杉村倉庫は、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で得た資金を投資に回しつつ、余剰資金も確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


杉村倉庫は、強固な財務基盤を構築しています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して非常に高い水準にあり、財務の安定性を示しています。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、不況時への耐性も備えていると言えます。このような財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 168億円 177億円
自己資本比率 75.0% 78.1%
ROE(自己資本利益率) 5.6% 5.6%
現金及び預金 52.2億円 56.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


杉村倉庫のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは収入超過となっています。これは、同社グループが事業活動を通じて安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは支出超過となっており、主に有形固定資産の取得による支出が増加しました。これは将来に向けた投資を継続している状況を表しています。

その結果、営業活動によるキャッシュフローから投資活動によるキャッシュフローを差し引いたフリーキャッシュフローは収入超過となっており、本業で得た資金が投資を上回る優良な状態です。財務活動によるキャッシュフローは支出超過となっており、主に長期借入金の返済が進んだことによるものです。これらの資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を行いながら、財務体質の改善も進めていることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長に期待が持てる状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 19.5億円 18.8億円
投資CF △2.4億円 △6.0億円
財務CF △7.5億円 △8.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 17.0億円 12.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、国内外の景気変動や顧客の経営活動に影響を受ける事業環境の変化をリスクとして挙げています。主要顧客の物流政策の変更や賃貸不動産物件の市況の変化により、他社との競業が激化する可能性があります。また、販売比率の高い顧客の動向や海外情勢の変動による物流網の混乱が、業績に影響を及ぼす可能性も指摘されています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


杉村倉庫は、物流業務を通じて社会に貢献し、顧客、株主、従業員に豊かさを還元することを経営理念としています。持続的な成長と企業価値の向上を目指し、多様な人材が活躍できる環境づくりにも力を入れている会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの経営理念は、「常にお客様のニーズを先取りし期待に応える」「物流業務を通じて社会に貢献する」「株主、従業員に豊かさを還元する」の3つを掲げています。
同社グループは、これらの課題に着実に対処することにより、すべてのステークホルダーにとって価値ある企業となることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、中期経営計画に掲げる「より良い会社」へ成長するため、指示待ち社員ではなく課題に立ち向かう自律型社員の育成を目指しています。社員教育は、CSミーティングを活用したOJTや外部教育研修への参加を中心として実施されています。

従業員の能力と意欲の向上を図るため、成果と成長が報酬等の処遇に反映される人事制度を定めています。ES(従業員満足度)調査も適時実施し、人事施策上の課題の可視化を図っています。

女性社員や中途採用社員等の多様な人材が安心して活躍できる環境の構築を積極的に推進しています。育児・介護等の支援制度や各種研修制度、資格取得の支援制度も導入しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長と企業価値の向上に向け、現中期経営計画の課題への対応を継続しています。特に、人材の確保・育成および定着を重要な経営課題と位置付けています。

CSミーティングを活用したOJTや外部研修への参加を通じて、従業員の業務遂行能力向上と現場力の底上げに取り組んでいます。安心・安全で働きやすい労働環境の整備や業務負荷の軽減も進め、多様な人材が活躍できる職場づくりに努めています。

サステナビリティへの取組みとして、環境保護方針に基づく事業活動、安心・安全・健全な労働環境の確保と人材育成、健全な社内ガバナンス体制の堅持を推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


杉村倉庫は監査等委員会設置会社として、取締役の業務執行に対する監査・監督機能を強化し、経営活動の健全性を高める体制を構築しています。経営の効率性と透明性を確保し、ステークホルダーとの信頼関係強化を通じて企業価値向上を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


杉村倉庫の株主構成を見ると、野村プロパティーズが筆頭株主として大きな割合を占めています。その他、国内外の金融機関や機関投資家が上位株主として名を連ねています。特定の事業会社が主要な株主として同社を支えている状況がうかがえます。

株主名 持株比率
野村プロパティーズ 46.20%
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL 8.00%
りそな銀行 4.60%
野村ホールディングス 4.40%
LIM JAPAN EVENT MASTER FUND 3.40%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は福山漢成氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
福山漢成 取締役社長(代表取締役) 1990年4月野村證券株式会社入社。同社執行役員企業金融担当、常務大阪駐在兼大阪支店長、副社長執行役員を経て、2025年6月同社取締役社長(代表取締役)より現職。
竹谷仁彦 取締役専務執行役員(代表取締役)営業部門担当 1981年4月同社入社。取締役首都圏営業部長、専務取締役(代表取締役)営業部門担当などを経て、2023年4月同社取締役専務執行役員(代表取締役)営業部門担当より現職。
福西康人 取締役会長 1988年4月野村證券株式会社入社。同社執行役員営業部門首都圏地区担当、取締役社長(代表取締役)などを経て、2025年6月同社取締役会長より現職。


社外取締役は、宮川壽夫氏(昭和女子大学グローバルビジネス学部客員教授・堺化学工業社外取締役)、近本茂氏(大阪瓦斯顧問・大阪ガスケミカル取締役会長・森組社外取締役)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、議決権を有する監査等委員である取締役を置くことで、取締役の業務執行に対する監査・監督機能を強化しています。社外取締役は客観的・中立的な立場から経営を監視・監督する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


杉村倉庫の役員報酬は、固定報酬、業績連動報酬、株式報酬を組み合わせた体系となっています。社外取締役には固定報酬が支給され、社外取締役を除く取締役には固定報酬に加えて業績連動報酬が組み入れられています。業績連動報酬は営業利益とROEの達成割合に応じて決定され、現金報酬と譲渡制限付株式(RS)で支給されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.3億円 31.8百万円
監査等委員(社外除く) 2名 16百万円 8.0百万円
社外役員 3名 14百万円 4.5百万円


なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。