【平均年収666万円】東海運 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収666万円】東海運 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

東海運は、港湾運送、倉庫、国際貨物取扱、陸上運送、海運、不動産賃貸、農産物生産販売など多岐にわたる事業をグループ各社とともに展開しています。国内外の物流を基盤に幅広いサービスを提供し、直近期は増収増益となりました。


目次

※本記事は、東 海運株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、港湾運送、倉庫、国際貨物取扱、陸上運送、海運、不動産賃貸、農産物生産販売など多岐にわたる事業を展開しています。国内外の物流を基盤に、幅広いサービスを提供しています。

単体従業員数は572名、連結従業員数は753名です。セグメントは物流事業、海運事業、不動産事業、その他事業の4つです。

主な国内グループ会社は、近畿港運(物流事業)、イースタンマリンシステム(海運事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


東 海運は、総合物流企業として、お客様に最適なサービスを提供することを目指しています。同社グループでは、人材を重要な経営資源と位置づけ、従業員エンゲージメントの向上を通じて持続的な成長と企業価値向上を図る方針です。安全を最優先とし、専門性と安全意識の高い人材の育成に力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


平均勤続年数と平均年齢からは、同社に長く勤める従業員が多い傾向がうかがえます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。

項目 数値
平均年間給与 6,661,376円
平均勤続年数 13.7年
平均年齢 47.2歳
単体従業員数 572人
連結従業員数 753人
単体のグループ内比率 76.0%


同社グループは、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。この制度は国内グループ会社に適用されます。

退職一時金制度があり、ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

確定給付制度における退職給付債務は14.3億円、年金資産は10.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


東 海運は、「お客様に最適な物流サービスを提供する総合物流企業を目指し、社会に貢献するとともに、企業価値を高める」ことを経営理念としています。この実現のため、人材を重要な経営資源と捉え、人的資本経営を推進し、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。特に安全を最優先事項とし、安全意識と専門性を有する人材の確保・育成、技能・ノウハウの継承を重視しています。

給与は、職責、能力、経験、役割、会社業績などを総合的に勘案して決定されます。管理職は成果給、資格手当、役職手当などで構成され、非管理職は職能給、年齢給、資格手当などにより、職務遂行能力や経験、勤続を考慮して決定されます。賞与は会社業績と個人評価を総合的に勘案して決まり、現業員等の給与体系は各事業部の特性や地域事情を踏まえて個別に運営されています。

同社グループは、経営理念とサステナビリティ基本方針のもと、「人的資本経営×DX」「脱炭素社会の実現に貢献する」「サーキュラーエコノミーの実現に貢献する」「海をきれいにする」「地域社会の発展に貢献する」の5つのマテリアリティを定めています。これらのマテリアリティを通じて、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指しています。

人材育成においては、職員の意欲向上と能力開発の機会を提供し、資格や役職、事業別に求められる能力開発研修を実施しています。また、高い目標に挑戦する意欲や課題解決スキルを向上させるため、「問題解決」意識と「業務改善」手法を職場に浸透させる研修制度も導入しています。

社内環境整備では、公平かつ平等な教育研修機会の提供、多様な働き方の実現に向けた制度整備を進めています。具体的には、在宅勤務制度、時差出勤制度、育児や介護のための短時間勤務制度があります。男性職員の育児休業取得促進にも力を入れ、利用方法の説明や取得事例の社内広報を行っています。

キャリア形成と能力開発の支援として、通信教育補助制度や資格取得報奨制度を設けています。多様性の確保については、性別や国籍に関係なく能力や人物本位の人材登用を行い、女性管理職研修や女性若手職員によるディスカッションなどを通じて、女性が働きやすい職場環境づくりに努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。有期雇用労働者・パートの賃金の差異25.4%の内訳は、有期雇用労働者65.3%、パート36.4%であります。

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 28.6%
労働者の男女間の賃金の差異(全労働者) 43.1%
労働者の男女間の賃金の差異(正規雇用労働者) 71.3%
労働者の男女間の賃金の差異(有期雇用労働者・パート) 25.4%

多様性・登用


人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標は、提出会社のものを記載しています。2023年度から2025年度を対象期間として算出したデータです。

指標 数値
職員(新卒)の女性の割合 45.0%
男性職員に対する女性職員の平均勤続年数の割合 47.9%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


東海運は、港湾運送、倉庫、国際貨物取扱、陸上運送といった物流事業を主軸に、海運事業、不動産事業、そして農産物の生産・販売を行うその他事業を展開する総合物流企業です。多岐にわたるサービスを通じて、顧客のサプライチェーンを支えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、物流、海運、不動産、その他(アグリ事業)の4つの事業セグメントで構成されています。これらの事業を有機的に結合させることで、国内外にわたる総合的な物流サービスを提供し、収益を上げています。特に国内市場での事業展開が中心であり、特定の地域への収益集中が見られます。

物流事業

港湾における輸出入貨物の荷役作業、倉庫での入出庫・保管、通関手続き、国際複合一貫輸送の取扱業務などを手掛けています。また、一般貨物自動車やコンテナ、カーフェリーによる運送、引越業務、工場構内での作業なども行っています。収益は、これらの多様な物流サービス提供から得ており、前期に比べて営業収益、セグメント利益ともに増加しています。運営は、東海運、太平洋セメント、近畿港運、アヅマ・ロジテック、SIAM AZUMA MULTI-TRANS CO.,LTD.、原田荷役、AZUMA TRANSPORT SERVICES (Thailand) CO.,LTD.、関東エアーカーゴ、タンデム・ジャパン、東華貨運代理 (青島) 有限公司、TANDEM SMART GLOBAL LOGISTICS B.V.などが行っています。

海運事業

セメント専用船による製品輸送や、一般貨物船による石膏、石灰石、石炭灰などの内航・外航輸送を行っています。収益は、主にセメント船、粉体船、内航貨物船、外航船、旅客船の運航による輸送サービスから得ています。前期に比べて営業収益は増加しましたが、セグメント利益は減少しています。運営は、東海運、太平洋セメント、イースタンマリンシステム、豊前久保田海運、AZM MARINE S.A.、東成マリンなどが行っています。

不動産事業

保有する不動産の賃貸業務を行っています。収益は、主に賃料収入から得ており、新規賃貸契約の締結などにより、前期に比べて営業収益、セグメント利益ともに大きく増加しています。運営は、東海運が行っています。

その他事業

農産物の生産管理及び販売業務、具体的にはトマトの生産・販売を行うアグリ事業を展開しています。収益は、主に農産物の出荷量増加と販売単価の底上げにより得ていますが、人件費や生産関連費用の増加により、前期に比べて営業収益は増加したものの、セグメント損失は増加しています。運営は、東海運が行っています。

同社グループの主要な顧客として、太平洋セメント株式会社への売上高が全体の2割以上を占めています。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期)
物流事業 297億円 300億円
海運事業 88.4億円 91.3億円
不動産事業 5.8億円 7.8億円
その他事業 2.5億円 2.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの営業収益は、直近5期間で増減を繰り返しながらも、当期は前期から増加に転じています。経常利益は期間によって変動が大きいものの、当期は前期から大きく増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動が見られますが、当期は前期から増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 396億円 415億円 397億円 394億円 401億円
経常利益 8.9億円 9.4億円 1.5億円 7.4億円 9.8億円
経常利益率 2.2% 2.3% 0.4% 1.9% 2.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 6.4億円 2.0億円 3.2億円 5.8億円 7.2億円
1株当たり当期純利益(円) 22.85 7.10 11.36 20.62 25.76

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり営業収益(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加する傾向が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や収益性の向上が進んでいることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 51.7百万円 53.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.9百万円 1.2百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が非製造業のプライム市場平均を上回る水準で推移しており、安定性を示しています。手元資金も十分に確保されている状況です。

一方で、ROEはプライム市場平均を下回っており、資本効率の改善が今後の課題となる可能性があります。これらの財務状況は、同社グループが事業を継続していく上での安定性を示す情報となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 176億円 186億円
自己資本比率 42.4% 41.9%
ROE(自己資本利益率) 3.4% 4.0%
現金及び預金 56.9億円 58.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期に21.3億円の収入となりましたが、前期と比較すると減少しています。これは主に売上債権の増減額や法人税等の支払額の増加が影響しています。

投資活動によるキャッシュフローは、当期に34.0億円の支出となり、前期よりも支出額が減少しました。有形固定資産の取得による支出の減少や売却による収入の増加が主な要因です。

財務活動によるキャッシュフローは、当期に13.9億円の収入となり、前期から増加しています。短期借入れによる収入の増加などが影響しています。

これらの結果、フリーキャッシュフローは当期に12.7億円のマイナスとなりました。同社グループは本業で資金を生み出しながらも、将来に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。この資金の流れは、同社グループが事業の成長と拡大に注力していることを示しており、今後の事業展開に期待が持てる状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 30.3億円 21.3億円
投資CF △44.1億円 △34.0億円
財務CF 10.1億円 13.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △13.8億円 △12.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、主要株主である太平洋セメント株式会社グループへの依存度が高い状況です。同社グループのセメント原料等の輸送が営業収益の28.7%を占めており、今後の動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、海上輸送事業や陸上輸送事業などにおいて、燃料費が変動費の大きな割合を占めています。原油価格の急激な上昇は、同社グループの業績に影響を及ぼすリスクとして認識されています。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、人的資本が企業価値創造の最大の要因であると認識しています。優秀な人材を確保し、その価値を最大限に引き出せない場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東海運は、お客様に最適な物流サービスを提供し、社会貢献と企業価値向上を目指す総合物流企業です。持続的な成長と社会課題の解決に貢献する企業風土を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


東海運グループは、「お客様に最適な物流サービスを提供する総合物流企業を目指し、社会に貢献するとともに、企業価値を高める」ことを経営理念としています。同社グループは、将来にわたる持続的な成長のため、「市場と顧客に選ばれる企業」を将来のありたい姿として掲げています。事業を通じてSDGsの達成を含む社会課題の解決に貢献できる企業を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営理念を実現するために企業行動指針とサステナビリティ基本方針を掲げています。企業行動指針では、法とルールの遵守、地球環境保全、社会とのコミュニケーション、グローバルかつ柔軟な発想での顧客ニーズ実現を重視し、仕事への情熱と挑戦、雇用と人権の確保、多様な価値観の尊重、安全で健康な職場環境の保持を行動規範としています。

サステナビリティ基本方針では、安心・安全・健康を尊重し、人や地球社会にやさしいロジスティクスを実現することを目指しています。「運ぶ力」「繋ぐ力」「貫く力」と常に新しいことに挑戦し続ける「挑む力」によって、社会の発展に貢献するとしています。同社グループは、人的資本経営×DX、脱炭素社会の実現、サーキュラーエコノミーの実現、海をきれいにすること、地域社会の発展への貢献を5つのマテリアリティとしています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、将来のありたい姿に向けて、マテリアリティの解決をはじめとしたESG経営を推進し、持続的社会の発展に貢献することを基本方針としています。重点テーマとしては、組織力の強化と人的資本経営の推進を掲げています。また、ガバナンスの強化として、コンプライアンスの徹底とリスクマネジメントの強化に取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


東 海運は、監査役制度を採用しており、株主をはじめとしたステークホルダーの信頼に応え、企業価値を高めることを重視しています。取締役会は社外取締役を含むメンバーで構成され、経営の重要事項を決定し、業務執行を監督する体制となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


東 海運の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である太平洋セメントです。また、鈴与建設や鈴与といった関連会社も上位株主として名を連ねており、特定の事業会社グループが同社の経営を支える構造となっています。

株主名 持株比率
太平洋セメント 39.38%
鈴与建設 13.48%
鈴与 3.55%
むさし証券 2.77%
商船三井 2.06%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は松井伸介氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
松井 伸介 代表取締役社長 1988年4月同社入社、2022年4月同社代表取締役社長より現職。
根津 由明 取締役専務執行役員 1988年10月同社入社、2026年4月同社取締役専務執行役員より現職。
永山 賢一 取締役常務執行役員 1992年4月同社入社、2025年6月同社取締役常務執行役員より現職。


社外取締役は、大杉秀雄氏(公認会計士大杉秀雄事務所開業)、吉田稔氏(元みずほビジネスパートナー常勤監査役)、勝海和弘氏(元MOLマリン&エンジニアリング取締役常務執行役員)です。

同社は監査役制度を採用しています。社外取締役は取締役会に出席し、公正な立場から意思決定の妥当性や適正性について助言を行い、経営全般の監視・監督を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、経営目標の達成と中長期的な企業価値向上を重視した役員報酬制度を採用しています。社内取締役には固定報酬と株式報酬が支給され、その割合はおおよそ9対1です。社外取締役と監査役には、独立性の確保の観点から固定報酬として基本報酬のみが支給される仕組みとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.0億円 25.3百万円
監査役(社外除く) 1名 5百万円 4.7百万円
社外役員 6名 48百万円 7.9百万円


役員報酬の総額は1.5億円であり、報酬の支給対象となった役員は合計11名です。なお、人数および総額には、事業年度中に退任した役員が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。