※本記事は、東海リース株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
東海リースは、仮設建物、ユニットハウス、およびこれらに付随する什器備品類等のリースおよび販売を主な事業としています。商品の賃貸だけでなく、製造、運送、工事、補修を含めたトータルなサービスを提供しています。
単体従業員数は431名、連結従業員数は590名です。セグメントは仮設建物リース業の1つです。
主な国内グループ会社は、日 本(什器備品リースおよび販売業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
東海リースは、仮設建物リース業を主軸とする企業として、安定した事業基盤を築いています。従業員の給与水準や働き方についても、長期的な視点での人材育成と多様な働き方を重視する姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着性が高く、平均勤続年数と平均年齢から、経験豊富な人材が長く活躍している傾向がうかがえます。安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となるデータです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,540,859円 |
| 平均勤続年数 | 14.8年 |
| 平均年齢 | 43.3歳 |
| 単体従業員数 | 431人 |
| 連結従業員数 | 590人 |
| 単体のグループ内比率 | 73.1% |
同社グループは、国内および海外の従業員を対象に確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)の両方の退職給付制度を設けています。また、複数事業主型の確定給付企業年金制度としてベネフィット・ワン企業年金基金にも加入しています。
退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末の退職給付債務は9.6億円、年金資産は16.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、少子高齢化に伴う労働力減少を見据え、既存従業員の育成と多様性の確保による労働力強化を人材戦略の基本方針としています。特に「既存従業員の育成」「DX推進による業務効率化」「人材の多様性確保」を経営の重要課題と位置付けています。
2023年12月には人事制度を刷新し、従業員のモチベーションと納得度の向上、成長支援、次世代を担う後継人材の育成、中核人材の多様性確保による組織強化を目指しています。柔軟で多様な働き方に対応できる職場環境の整備を進め、リスキリング促進策として特定の資格に対する技術手当も設けています。
給与は、従業員のモチベーション向上を重視し、能力、職責、成果に基づき、他社との競争力や物価上昇を考慮して決定されます。人事評価は自己および上席者による評価とフィードバックを通じて行われ、この評価結果をもとに昇給・昇格が決定されます。賞与は会社業績と人事評価結果に基づいて支給額が決定される仕組みです。
また、高年齢者の活躍環境整備にも力を入れており、2025年10月には定年年齢を60歳から65歳に延長しました。定年年齢に到達した従業員も、能力と意欲に応じて定年前と変わらない職務と処遇で活躍できる環境を整えています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は女性活躍推進法の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 55.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 76.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 69.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 101.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
東海リースグループは、仮設建物やユニットハウス、これらに付随する什器備品類のリースおよび販売を主な事業としています。商品の賃貸だけでなく、製造から運送、工事、補修までトータルなサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、仮設建物、ユニットハウス、およびこれらに付随する什器備品類のリースと販売を主要な事業としています。これらの商品を提供するだけでなく、製造、運送、工事、補修といった一連のサービスをトータルで提供するオペレーティングリース会社です。
収益は主に、仮設建物、什器備品、ユニットハウスのリースに係る工事費やリース料、および販売から得ています。同社グループの事業は単一セグメントであり、国内市場が収益の大部分を占めています。特定の顧客に収益が集中することはありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は全体的に増加傾向にあります。直近の当連結会計年度では売上高は前期から増加しましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期から減少しました。これは、売上原価率の上昇や支払利息の増加などが影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 164億円 | 157億円 | 172億円 | 184億円 | 189億円 |
| 経常利益 | 5.9億円 | 3.4億円 | 10.6億円 | 15.3億円 | 10.7億円 |
| 経常利益率 | 3.6% | 2.2% | 6.2% | 8.3% | 5.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.2億円 | 1.5億円 | 6.8億円 | 10.7億円 | 7.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 94.07 | 43.02 | 195.63 | 309.40 | 208.88 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに増加しました。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少しています。これは、売上高の増加に対して利益の減少が影響していることを示しており、組織全体の収益性向上に向けた取り組みが今後の課題となる可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 31.6百万円 | 32.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.6百万円 | 2.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
東海リースは、事業活動で得た資金を基盤としつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。財務の安定性や資金の流れから、同社グループの現在地を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
東海リースグループの自己資本比率は44.4%で、前期の46.1%から減少しています。ROE(自己資本利益率)は4.2%で、前期の6.5%から低下しています。現金及び預金は35.7億円となっており、前期の25.5億円から増加しています。これらの財務状況は、事業運営の安定性や将来の成長投資の余力に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 171億円 | 177億円 |
| 自己資本比率 | 46.1% | 44.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.5% | 4.2% |
| 現金及び預金 | 25.5億円 | 35.7億円 |
なお、リース・ファイナンスを本業とする会社は、資産の多くが借入金で賄われる構造上、自己資本比率は一般事業会社より低くなる傾向があります。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
東海リースグループのキャッシュフローは、事業活動による資金の出入りが6.7億円の収入、投資活動による資金の出入りが21.6億円の支出、財務活動による資金の出入りが25.7億円の収入となっています。投資活動による支出は、主にリース用資産の取得によるものです。その結果、フリーキャッシュフローは14.9億円のマイナスとなりました。これは、事業活動で得た資金を上回る規模で、リース用資産への積極的な投資を行っている状況を示しています。財務活動による収入は、主に短期借入金の増加によるものです。このような資金の流れは、事業の成長に向けた投資を継続している一方で、借入による資金調達も活用していることを示しており、今後の事業拡大や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 10.3億円 | 6.7億円 |
| 投資CF | △18.2億円 | △21.6億円 |
| 財務CF | 9.6億円 | 25.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △7.9億円 | △14.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、建設および石油化学業界などの民間企業と官公庁の需要動向が、量および単価の両面で受注状況に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、仮設建物およびユニットハウスの主原料である鉄骨、鋼板、ウレタン等の入手が一時的に困難になったり、仕入価格が高騰したりする状態が長期化した場合、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、法令違反や社会規範に反した行動等が発生した場合、お客様をはじめとしたステークホルダーからの信頼を失うことにより、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
東海リースは、環境保護と経済成長の両立を目指す独自のビジネスモデルを基盤とし、持続可能な社会への貢献を重視しています。
同社グループは、人的資本への投資と組織の効率化を通じて、未来に向けた企業価値向上を図る企業風土を醸成しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
東海リースは、オペレーティング・リースシステムを通じて、環境保護と経済成長が両立する社会の形成に貢献することを経営の基本方針としています。
同社は、社会・企業・従業員の平和と発展のため、事業活動に精励する姿勢を示しています。
また、環境方針として、物の命を大切にする再生オペレーティング・リースシステムを推進し、廃棄物の減量化と省資源化に取り組むことを掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
東海リースは、持続可能性の観点から企業価値を向上させることを重視しています。
同社グループでは、リスクマネジメント委員会を設置し、サステナビリティに関するリスクを含む重要なリスクと対応策を協議・決定し、取締役会に報告する体制を構築しています。
独自の「オペレーティング・リース・システム」による循環型ビジネスモデルを確立し、廃棄物削減と資源の有効活用を通じて環境負荷低減に貢献する事業活動を推進しています。
また、人的資本への投資を不可欠と考え、「既存従業員の育成」、「DX推進による業務効率化」、「人材の多様性確保」を経営の重要課題としています。
特に女性の活躍推進を重要テーマとし、柔軟で多様な働き方に対応できる職場環境の整備や女性リーダー候補の育成強化に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
東海リースは、外注工事や運賃などの原価上昇、物価高騰に対応した従業員の給料アップ、および人材確保のための人件費増加を経営課題として認識しています。
これらの課題に対し、運営や業務の効率化により利益を捻出できる筋肉質な組織の構築に取り組んでいます。
また、安全衛生管理や商品などの市場ニーズへの対応を通じて、得意先満足度の向上を図ることを重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
東海リースは監査等委員会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と監督を担っています。社外取締役を含む体制で、経営の透明性と公正性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
東海リースの株主構成を見ると、代表取締役社長である塚本博亮氏が筆頭株主となっています。また、上位株主には塚本姓の個人株主が複数名名を連ねており、特定の企業も上位に位置しています。これにより、創業家や特定の株主グループが同社の経営に一定の影響力を持つ資本構成である傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 塚本 博亮 | 7.27% |
| オーガスト・エイト | 6.10% |
| 塚本 四女子 | 3.65% |
| 塚本 幸司 | 2.81% |
| 東海リース従業員持株会 | 2.63% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は塚本博亮氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 塚本 博亮 | 代表取締役社長 | 1985年株式会社三菱総合研究所入社、1994年同社入社。日本キャビネット株式会社監査役、東海ハウス株式会社取締役を兼任。2014年より代表取締役社長、2022年より生産配送本部長を兼務し現職。 |
| 安田 金四郎 | 常務取締役営業販売本部長 | 1983年同社入社。千葉支店長、第四営業販売部長などを経て、2019年より常務取締役営業販売本部長に就任し現職。 |
| 筌場 順司 | 取締役第一生産配送部長 | 1996年同社入社。枚方配送センター工場長、生産配送本部業務管理部長などを経て、2017年より取締役第一生産配送部長、2022年より第二生産配送部長を兼務し現職。 |
| 大西 泰史 | 取締役管理本部長 | 1988年同社入社。総務部長などを経て、2015年より取締役総務部長に就任。2023年より取締役管理本部長を兼務し現職。 |
| 酒井 岳宏 | 取締役第五営業販売部長 | 1987年同社入社。第五営業販売部長、第一営業販売部長、第三営業販売部長などを歴任し、2019年より取締役第五営業販売部長に就任し現職。 |
| 西江 計二 | 取締役第一営業販売部長 | 1985年同社入社。高松支店長、東京第二支店長、第二営業販売部長などを歴任し、2019年より取締役第一営業販売部長に就任し現職。 |
| 福本 篤士 | 取締役生産配送本部業務管理部長 | 1994年同社入社。生産配送本部業務管理部次長を経て、2017年より生産配送本部業務管理部長に就任。2019年より取締役生産配送本部業務管理部長、2022年より東海ハウス株式会社代表取締役を兼務し現職。 |
社外取締役は、松井巧氏(元大阪国税局調査第一部調査開発課開発課長・税理士・監査等委員)、杉谷浩哉氏(元葛城税務署長・税理士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は常勤監査等委員である取締役1名と社外取締役2名で構成されています。監査等委員である取締役は取締役会に出席し、取締役の職務執行を監視する体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
東海リースの取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬で構成されています。業績連動報酬は売上高や営業利益、当期純利益などを勘案して決定され、非金銭報酬として譲渡制限付株式が付与されます。これにより、企業価値向上へのインセンティブと株主との価値共有を図る仕組みとなっています。監査等委員である取締役の報酬は、月例の固定報酬として協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 7名 | 1.3億円 | 18.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.2百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 7百万円 | 3.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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