※本記事は、三協フロンテア株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
三協フロンテアは、ユニットハウスの製造・販売・レンタルを主軸とする事業を展開しています。国内外のグループ会社とともに、ユニットハウスの原材料製造から製品開発、レンタルスペースの運営まで幅広く手掛けています。
単体従業員数は1,165名、連結従業員数は1,207名です。同社グループの事業セグメントはユニットハウス事業、その他の2つです。
三協フロンテアはユニットハウスの製造・販売・レンタルを主に行っており、海外6社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
三協フロンテアは、モバイルスペース事業を主軸とする企業であり、安定した事業基盤を持つ同社グループでは、従業員の働きがいと成長を重視する姿勢が見られます。人材育成や多様な働き方を支援する制度を通じて、社員が長期的に活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を促すための取り組みが見られ、平均勤続年数や平均年齢から、一定の経験を積んだ社員が長く働く傾向があることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,590,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.4年 |
| 平均年齢 | 45.5歳 |
| 単体従業員数 | 1,165人 |
| 連結従業員数 | 1,207人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.5% |
退職給付制度
同社は、ポイント制に基づく退職一時金制度と確定拠出年金制度を併用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まり、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は国内の従業員に適用されています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、確定給付制度における退職給付債務は11.8億円となっています。確定拠出制度への要拠出額は、当連結会計年度で104百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「社会への貢献」を経営理念とし、「モバイルスペースを世界の常識にし、ハピネスあふれる社会の実現に貢献する」というビジョンの実現には、組織と人材の存在が極めて重要であると認識しています。この認識のもと、「組織ビジョン」「部門ビジョン」「個人ビジョン」を連動・展開させる取り組みを推進し、全社一体となった方向性の共有と従業員の主体的な行動を促進しています。
従業員の給与・報酬については、安定的な雇用確保と持続的な企業価値向上の実現に向け、適切かつ競争力のある水準の維持・向上を重要な経営課題と位置付けています。近年の物価上昇等の社会環境変化を踏まえ、継続的な賃上げを実施しており、外部調査会社による報酬ベンチマークを活用し、市場競争力を確保しつつ、市場水準との大幅な乖離が生じないよう管理しています。
同社グループは「人的資本の拡充」を重要テーマと位置づけ、ビジョン2050達成に必要な組織づくりに取り組んでいます。人材育成においては、組織と個人の双方の能力を高めるため、各部門の役割と必要な能力を定義した能力開発制度に基づき教育計画を作成・実施しています。また、成果を適切に評価できる制度の構築により、社員一人ひとりのモチベーション向上と能力向上を図っています。
社員が学ぶことができる環境を整えるため、オフィスMSLABでは「SECIモデル」を設計に取り入れ、組織学習の活性化を図っています。制度面では、重要資格を定めて資格取得支援を拡充し、資格手当の拡充やインセンティブ制度を設定しています。e-ラーニング制度の導入により、過去の研修をいつでも振り返り可能な環境も整備されています。社内環境整備においては、多様性溢れる社員を集め、身体的・精神的に働きやすい環境を実現することを重視しています。労働災害防止のための安全パトロールや適切な労働時間管理を実施し、多様性確保に向けた取り組みとして、採用計画の見直し、男性育児休業取得の推進、女性管理職登用率向上に向けたダイバーシティ研修などを実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象外のため記載を省略しています。男女の賃金差異は、女性労働者の平均年間賃金÷男性労働者の平均年間賃金×100%として算定されており、パート労働者の人員数は労働時間を基に換算して算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 63.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(非正規雇用労働者) | 77.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全体) | 56.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
三協フロンテアは、ユニットハウス事業を主軸に、製造・販売・レンタルを国内外で展開しています。お客様の多様なニーズに応える製品とサービスを提供することで、収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
三協フロンテアグループは、ユニットハウスの製造・販売・レンタルを主力事業としています。この事業は、レンタル料収入、製品売上高、工事売上高、そしてトランクルームやレンタルスペースの賃貸収入から収益を得るモデルとなっています。
同社グループは、中国でユニットハウスの原材料製造・販売、ミャンマーでユニットハウスのレンタル事業や図面作成業務、マレーシアで製品開発・販売・レンタル、アメリカやシンガポールでユニットハウスの販売・レンタルを行う子会社を有し、グローバルに事業を展開しています。展示場やトランクルーム店舗の新規出店・リニューアル、レンタルスペースなどの新規サービス促進により店舗網の拡充を図っています。また、ホームページでの情報発信や間取りシミュレーターなどのサービス提供を強化し、需要拡大に取り組んでいます。
災害被災地域の復興支援住宅モデルや、AIの普及による需要増に対応するコンテナ型データセンターなど、顧客のニーズに寄り添った新製品開発および製品改良にも注力しています。業務体制においても、全社的にオペレーションの改善や業務効率化を推進し、供給網の強化に取り組んでいます。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が主要な収益源となっています。また、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、特定の顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
三協フロンテアグループの過去5期の業績を見ると、売上高は変動しつつも、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は増加傾向にあります。直近の当連結会計年度においては、売上高は減少しましたが、製造・物流部門での原価低減や経費削減が推進された結果、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 533億円 | 500億円 | 524億円 | 561億円 | 543億円 |
| 経常利益 | 101億円 | 68.9億円 | 81.2億円 | 81.7億円 | 83.0億円 |
| 経常利益率 | 18.9% | 13.8% | 15.5% | 14.6% | 15.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 63.5億円 | 43.4億円 | 52.9億円 | 55.0億円 | 55.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 285.88 | 195.17 | 237.92 | 247.57 | 250.33 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
三協フロンテアグループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益はほぼ横ばいとなりました。これは、売上高が減少した中でも、製造および物流部門での原価低減や広告宣伝費、研究開発費の減少などにより、効率的な事業運営が維持されていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 47.1百万円 | 45.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 6.7百万円 | 6.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行っている状況です。これにより、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の成長性を見極めることができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と安定した収益性を示しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、強固な経営基盤を構築していることがうかがえます。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われている状況です。手元資金も十分に確保されており、事業の安定性や将来の成長に向けた投資余力があることが示されています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 488億円 | 525億円 |
| 自己資本比率 | 74.7% | 75.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.7% | 11.0% |
| 現金及び預金 | 46.9億円 | 55.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定して資金を生み出している状況です。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは増加しており、税金等調整前当期純利益や減価償却費が増加要因となりました。一方で、棚卸資産や売上債権の増加、法人税等の支払が減少要因となっています。
投資活動によるキャッシュフローは、新規工場用地の購入や設備投資、無形固定資産の取得などにより支出が増加しており、将来に向けた積極的な投資が行われていることが示されています。その結果、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で稼いだ資金で投資を賄い、なお余剰資金がある優良な状態です。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払があったものの、借入金の純増により支出が減少しています。これらの資金の流れから、同社グループは安定した事業運営を基盤に、成長投資を継続できる財務体質であることがうかがえ、入社後の安定性や成長性への期待が持てます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 51.2億円 | 55.9億円 |
| 投資CF | △29.1億円 | △40.8億円 |
| 財務CF | △28.4億円 | △5.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 22.1億円 | 15.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主力事業であるユニットハウス事業において、同業者との間で価格競争が激化し、製品価格・レンタル価格が下落する場合、また同業者の新製品・新サービス等により同社グループの業界シェアが低下する場合には、同社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
また、同社グループの主力製品であるユニットハウス等の製造に際しては、原材料等の一部を海外から購入するため、為替レートが大幅に円安方向に変動する場合には製造原価が上昇し、同社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
三協フロンテアは、独自の技術と製品を通じて社会に貢献し、人々の心や暮らしを豊かにすることを目指しています。開拓の精神と不断の努力を大切にし、誠実な意志を持って事業に取り組む企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
三協フロンテアは、「社会への貢献」を目的(存在理由)とする基本理念を掲げています。独自の技術と製品を通じて顧客の豊かな生活環境を実現し、人々の心や暮らしを豊かにすることを目指しています。
長期ビジョン「VISION2050」では、「Mobile Space を世界の常識にし、ハピネスあふれる社会の実現に貢献する」ことを目標としています。サーキュラーエコノミーを実現できるモバイルスペースを世界中に提供し、よりよい社会と地球環境、そして人々のハピネスに貢献することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、基本的価値観として「開拓の精神」「不断の努力」「誠実な意志」を掲げています。失敗を恐れずに新しい分野に挑戦し、弛みない努力で困難を乗り越えることを大切にしています。
また、ステークホルダーに対し、揺らぐことのない誠実な意志を持って行動することを重視しています。社内では、コンプライアンスや内部統制、ルールなどを守る「規律を大切にする文化」の醸成にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、サステナビリティに関するガバナンス体制の改善を課題として認識しています。今後は取締役会が主体となり、計画の立案や見直し、リスク管理の評価・監視・統制を実施していく方針です。
また、「人的資本の拡充」を重要な経営課題と捉え、組織づくりに取り組んでいます。多様性あふれる社員を集め、身体的・精神的に働きやすい環境を実現することを目指しています。
さらに、コンプライアンスや内部統制を重視する「規律を大切にする文化」の醸成にも継続的に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
三協フロンテアは、取締役会と監査役会を設置する監査役会設置会社です。経営の意思決定と業務執行の分離を図るため、執行役員制度を導入しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
三協フロンテアの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社和幸興産です。上位株主には、代表取締役社長である長妻貴嗣氏をはじめ、複数の長妻姓の個人株主が名を連ねています。これにより、創業家や関連会社が同社の経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ㈲和幸興産 | 50.54% |
| 長妻 貴嗣 | 14.93% |
| 長妻 和男 | 2.92% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 1.63% |
| 三協フロンテア従業員持株会 | 1.53% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は長妻貴嗣氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 長妻 貴嗣 | 代表取締役社長 | 1992年日本アイ・ビー・エム入社、1994年同社入社。経営企画部長、営業本部長、管理本部長などを経て、2002年より現職。 |
| 藤田 剛 | 常務取締役 生産物流本部長 | 1992年富士フイルム入社、1997年同社入社。情報システム部長、生産物流本部副本部長、経営管理部長などを経て、2026年より現職。 |
| 安齋 光晴 | 取締役 技術本部長 | 2003年同社入社。技術本部ハウス開発部長、技術第一部長などを経て、2026年より現職。 |
| 松崎 和秀 | 取締役 建築本部長 | 1995年同社入社。新潟工場長、開発本部副本部長、つくば事業所長などを経て、2026年より現職。 |
社外取締役は、野倉学氏(バレクセル代表取締役・進学メディア代表取締役)、渡部秀敏氏(元ワタベウェディング代表取締役社長・理想科学工業取締役)、チョン シアク チン氏(元Ascendas Pte.Ltd. President & CEO・Yale-NUS College Governing Board Member)です。
同社は監査役会設置会社であり、監査役制度を採用しています。社外取締役は、経営に関する豊富な経験や高い見識、専門的見地から客観的かつ適切な監督機能を担い、コーポレートガバナンスの強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
三協フロンテアの役員報酬は、月例の固定報酬である基本報酬と、業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬は、売上高や営業利益、経常利益、当期純利益などの業績達成度を基準に評価され、支給割合は中長期的な企業価値向上に貢献するよう設定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.4億円 | 28.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 38百万円 | 6.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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