※本記事は、株式会社セレスポ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
セレスポは、イベント制作を主な事業とし、企画から会場設営、演出・進行、運営までを一貫して手掛けています。全国に展開する支店網と現場対応力を強みとし、顧客の期待に応える感動と笑顔を創出しています。
同社の単体従業員数は405名です。
セレスポは、イベント制作を主な事業とし、ベース事業、スポーツ事業、ロイヤルイベント事業の各部門において、企画、会場設営、演出・進行、運営等の事業活動を展開しています。
同社は当期より、部門名称を「基本事業部門」から「ベース事業部門」へ、「競争事業部門」から「ロイヤルイベント事業部門」へ変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
セレスポはイベント総合請負業を主軸とする企業であり、その事業特性から、社員一人ひとりの専門性と現場対応力が重視される環境です。給与水準や働き方についても、こうした事業背景が反映された特徴が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、社員が長期的にキャリアを築き、経験を積み重ねながら活躍できる環境があることを示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,447,220円 |
| 平均勤続年数 | 18.1年 |
| 平均年齢 | 43.9歳 |
| 単体従業員数 | 405人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
退職給付制度として、同社は確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両制度を採用しています。適用範囲は国内の従業員です。
退職一時金制度があり、ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は93百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
セレスポは「顧客起点」「現場対応力」を強みとし、これを強化するための人材戦略として「組織力強化」「機動力アップ」に取り組んでいます。具体的には、人材確保、人材育成、エンゲージメントの向上を図っています。
給与その他の給付の額及び内容については、職務遂行能力に応じて定めた職能等級制度と、組織運営の必要性に応じて任命した役割等級制度に基づき決定されています。
人材育成においては、「採用」「教育」「評価」「処遇」を重視しています。新卒・キャリア採用を積極的に行い、新入社員向けの導入研修やOJT、中堅社員向けの企画力強化研修、役員向け研修など、多様な研修機会を提供しています。また、働き方の多様化に対応した新しい人事制度を導入し、社員の満足度を図るためのサーベイを定期的に実施しています。特定の職種では社内公募制度を取り入れ、働くママの職場環境構築や、選択型週休3日制度、失効年休積立制度といった多様な働き方の選択肢も導入しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。労働者の男女の賃金の額の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、同一労働の賃金に差はなく等級別人数構成の差によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 13.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 80.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 85.7% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性の勤続年数 | 13年11ヵ月 |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 時間外労働、休日労働時間 | 18.6時間 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
セレスポは、イベント制作を主な事業としており、企画から会場設営、演出・進行、運営までを一貫して手掛けています。全国に展開する支店網と現場対応力を強みとして、顧客の期待に応えるイベントを創出しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社はイベント総合請負業および関連業務の単一事業セグメントとして事業を展開しています。親会社および子会社は存在しません。事業は部門別に、ベース事業部門、スポーツ事業部門、ロイヤルイベント事業部門に分かれています。
ベース事業部門では、各営業拠点が担当する多岐にわたるイベント領域の制作業務を行っています。スポーツ事業部門では、中央競技団体などが開催するスポーツ・競技に関するイベント領域の制作業務を担っています。ロイヤルイベント事業部門は、皇室ご臨席行事をはじめとする全国持ち回りで開催されるイベント領域の制作業務を中心に行っています。
同社の収益は、これらのイベント制作業務の請負から得られています。国内の外部顧客への売上高が全体の90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。部門別の売上高を見ると、ベース事業部門が最も大きな割合を占めており、前期と比較して増収となりました。スポーツ事業部門も案件数と案件単価の増加により増収となっています。一方、ロイヤルイベント事業部門は大型案件の受注範囲が縮小したため、前期から減収となりました。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、景気の緩やかな回復基調とイベント開催の回復を背景に、売上高、営業利益、経常利益ともに増加傾向を示しています。特に当期純利益は、前期の損失から当期は利益に転換しました。資材価格や人件費の上昇といったコスト増加リスクを注視しつつ、事業基盤の再建と人材育成を強化する取り組みを進めています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況です。財務基盤は堅固であり、事業活動を通じて安定した資金を創出しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社は、自己資本比率が前期から増加し、財務の安定性が高まっています。ROE(自己資本利益率)も前期のマイナスからプラスに転じており、収益性の改善が見られます。これらの指標は、同社が安定した経営基盤を維持していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 70.2% | 77.4% |
| ROE(自己資本利益率) | △8.0% | 8.1% |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、13百万円の資金獲得となりました。これは主に、独占禁止法関連損失引当金の減少や税引前当期純利益の計上、売上債権の減少、未払金の増加などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出が2,000百万円あったことなどにより、21.3億円の資金支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が165百万円あったことなどにより、1.8億円の資金支出となっています。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなり、同社は本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に積極的に充てている状況です。この資金の流れは、事業の成長性への期待を示すものと言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.1億円 | 0.1億円 |
| 投資CF | △0.1億円 | △21.3億円 |
| 財務CF | △1.4億円 | △1.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 5.0億円 | △21.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
イベントは、社会情勢や自然災害、感染症拡大などの影響を受けやすい傾向にあります。国内におけるイベント需要の縮小が、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社はあらゆる私企業、官公庁、各種団体から案件を受注していますが、業界や団体等の景気動向、官公庁の税収減少等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
顧客起点の発想で課題解決を行うサービスを提供する優秀な人材の確保・育成は、同社にとって重要な経営課題です。採用が不調の場合には、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
セレスポは「イベントを通じて自らを含む周囲の幸福を実現し、笑顔のある明るい社会づくりに貢献する」ことを経営理念としています。ステークホルダーとの良好な互恵関係を築き、社会に信頼される「イベント・ソリューション・パートナー」を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
セレスポは、2013年4月より「イベントを通じて自らを含む周囲の幸福を実現し、笑顔のある明るい社会づくりに貢献する」ことを経営理念としています。この理念を実現するため、株主、顧客、取引先、社員などのステークホルダーと良好な互恵関係を築くことを活動の起点としています。
同社は今後も時代に即した対応を行い、社会に信頼され、ステークホルダーと共に成長を続けられる「イベント・ソリューション・パートナー」を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
セレスポは、社員一人ひとりがステークホルダーとの信頼関係に基づく互恵関係を大切にし、責任ある行動を行うことを基本姿勢としています。イベント制作においては、「ISO20121:イベントにおける持続可能性に関するマネジメントシステム」を順守しています。
これにより、社会的・環境的・経済的にネガティブな影響を最小化し、ポジティブな影響を拡大することで、イベントに関するサステナビリティ分野でのリーダーシップ発揮を確約しています。
また、SDGs(持続可能な開発目標)やISO26000(社会的責任の国際標準規格)の原則を基に、ESGの視点からサステナビリティに関するリスクと機会を整理・立案し、実行しています。法的要求事項の遵守やステークホルダーとのコミュニケーション強化も重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
セレスポは、景気の緩やかな回復基調が続く一方で、資材価格や人件費等の上昇によるコスト増加リスクを注視しています。このリスクに対応し、強固で強靭な組織を目指すことを経営課題としています。
具体的には、「基盤強化」「信頼関係の構築」「現場対応力の発揮」の3つの重点テーマに取り組んでいます。社員一人ひとりの自走による業績向上基盤の創出、顧客から信頼される関係の構築、そして現場対応力を発揮し社会を元気にする存在となることで事業成長を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、企業経営の透明性・公正性を確保し、迅速かつ機動的な意思決定を行う経営管理体制の構築を重視しています。会社法に基づく機関として取締役会と監査役会を設置し、社外役員による経営監視機能が有効に機能する体制を採用しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はスマイルであり、事業会社が上位に位置しています。また、光通信KK投資事業有限責任組合のような機関投資家や、セレスポ従業員持株会も大株主として名を連ねています。多様な属性の株主によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| スマイル | 20.07% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 5.90% |
| セレスポ従業員持株会 | 3.89% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長兼統括本部長は田代剛氏が務めています。社外取締役比率は14.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 田 代 剛 | 代表取締役 社長兼統括本部長 | 1983年4月同社入社。名古屋支店長、営業本部長などを歴任。2007年6月取締役、常務取締役、専務取締役を経て、2022年4月より代表取締役社長兼統括本部長より現職。 |
| 生 田 茂 | 常務取締役 統括本部副本部長兼 事業本部長 | 1982年8月同社入社。横浜支店長、施工センター長、東京エリア長などを歴任。執行役員、取締役を経て、2024年6月より常務取締役統括本部副本部長兼事業本部長より現職。 |
| 堀 貫 貴 司 | 常務取締役 統括本部副本部長兼 コーポレート本部長 | 1983年4月三菱銀行(現 三菱UFJ銀行)入社。2013年4月同社入社(執行役員経理部長)。取締役コーポレート本部副本部長などを経て、2024年6月より常務取締役統括本部副本部長兼コーポレート本部長より現職。 |
| 松 田 英 彦 | 取締役 事業本部副本部長 | 1985年4月同社入社。埼玉支店長、東京支店長、さいたま中央支店長などを歴任。執行役員を経て、2024年4月より取締役事業本部副本部長より現職。 |
| 林 秀 紀 | 取締役 事業本部副本部長兼 事業支援部長 EXPO推進担当 | 1996年4月同社入社。愛知支店長、名古屋支店長などを歴任。執行役員を経て、2024年4月より取締役事業本部副本部長兼事業支援部長EXPO推進担当より現職。 |
| 小 林 哲 也 | 取締役 コーポレート本部 副本部長兼 人事総務部管掌 | 1994年4月同社入社。関西施工センター支店長、大阪支店長などを歴任。執行役員を経て、2025年4月より取締役コーポレート本部副本部長兼人事総務部管掌より現職。 |
社外取締役は、奥田かつ枝氏(九段緒方総合鑑定代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役は取締役会への出席を通じて監督を行い、社外監査役は監査役会において監査方針を決定し、取締役の職務遂行を監査しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、企業価値の持続的な向上と株主利益に連動する報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成され、社外取締役には基本報酬のみを支給しています。報酬の種類ごとの比率の目安は、基本報酬が90%となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 1.4億円 | 22.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 7.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 13百万円 | 4.4百万円 |
役員報酬の総額は1.6億円であり、報酬支給対象の役員は合計10名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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