【平均年収507万円】旭情報サービス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収507万円】旭情報サービス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

旭情報サービスは、情報サービス事業を主軸に展開しています。ネットワークサービス、システム開発、システム運用の3部門を通じて、幅広いITソリューションを提供しています。直近の業績は、増収増益となりました。


目次

※本記事は、旭情報サービス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


旭情報サービスは、情報サービス事業を主軸に展開しています。ネットワークサービス、システム開発、システム運用の3部門を通じて、幅広いITソリューションを提供しています。

単体従業員数は1,911名です。事業部門はネットワークサービス、システム開発、システム運用の3つです。

旭情報サービスは、情報サービス事業並びにこれらの附帯業務の単一事業として、ネットワークサービス、システム開発、システム運用の各部門で事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


旭情報サービスは、情報サービス事業を基盤とし、人材を「最大の資本」と位置づけています。社員一人ひとりの成長と多様な働き方を重視する方針が示されており、専門性を高めながら長期的に活躍できる環境づくりに注力していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が12.4年と比較的に長く、平均年齢も35.7歳であることから、社員が安定して長く働き続ける傾向があると考えられます。若手から中堅社員が中心となって活躍している組織構成がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,073,000円
平均勤続年数 12.4年
平均年齢 35.7歳
単体従業員数 1,911人


退職給付制度として、同社は確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を設けています。これは規約型確定給付企業年金制度として国内で適用されています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は25.7億円、年金資産は40.4億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、持続的な企業価値の向上には「人材」が最大の資本であると考え、以下の2つの柱を軸とした人材戦略を推進しています。一つは企業基盤を支えるための採用・育成であり、成長加速に不可欠な重点領域での人材獲得と、入社5年目までの若手社員を対象とした教育カリキュラムの再構築、階層別研修を通じたキャリア形成支援に取り組んでいます。

もう一つは従業員エンゲージメントの向上です。物価水準や市場動向を踏まえた継続的なベースアップと、成果や貢献に応じた公正な処遇体系を実践しています。また、ワークライフバランスを尊重し、時間や場所に縛られない柔軟な勤務制度の拡充など、多様な人材が長期的に活躍できる働きやすい労働環境の整備を推進しています。

具体的には、「人材こそ源泉」という経営指針のもと、プロフェッショナル人材の育成に力を入れています。各年次、職位、業務ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度やe-ラーニングを導入し、自律的なキャリア構築を支援しています。ITスキルだけでなく、会計、経営、語学などの知識習得も推奨し、自己啓発による資格取得者には奨励金を支給する制度も設けています。

多様な人材の活躍促進として、定年再雇用者の経験を活かした職場環境の整備や、障がい者の特性に応じた雇用促進を進めています。女性活躍推進法・次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を実行し、「えるぼし」認定(3段階目)や「くるみん」認定を取得しています。健康経営への投資も行い、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定も取得しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。賃金の差異は平均年齢と役職別の在籍人員に起因しており、同社の賃金制度では男女による差は設けていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.7%
男性労働者の育児休業取得率 55.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 87.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 88.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 54.0%

女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の実行

指標 数値
女性社員比率 19.4%
女性採用比率 31.0%
有給休暇取得率 75.9%
男性社員の育児休業取得率 55.6%

健康経営への投資

指標 数値
ストレスチェック受診率 91.9%
健康診断(社員)受診率 100.0%
健康診断(配偶者)受診率 42.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


旭情報サービスは、情報サービス事業を単一事業として展開しており、複数の部門を通じて顧客のITニーズに応えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、情報サービス事業を主軸としています。事業はネットワークサービス、システム開発、システム運用の3つの部門に分かれており、それぞれの専門性を通じて顧客の多様なIT課題を解決しています。

ネットワークサービス部門では、オープン系サーバやネットワークシステムの構築、運用管理、セキュリティ関連業務を手掛けています。また、各種ソフトウェアのインストールやヘルプデスク、障害対応など幅広いサポート業務も提供しています。

システム開発部門は、業務系システムの設計・開発、組込み系ソフトウェアの開発・検証、ERP(業務パッケージ)などのソフトウェア開発に関わる業務を行っています。

システム運用部門では、汎用系システムの保守・運用管理を担っています。

同社の収益は、顧客のニーズを迅速に把握し、提案力を強化することで案件獲得と契約料金の改善に努めることから得られています。特に自動車関連や金融・保険分野での受注拡大が、売上伸長に大きく貢献しています。なお、同社の販売実績において、株式会社トヨタシステムズへの販売が総販売実績の約2割を占める状況です。

部門別の状況を見ると、ネットワークサービス部門は顧客への提案活動を強化した結果、売上が伸長しました。システム開発部門は、顧客のDX推進に関わる案件や業務系アプリケーション等の案件獲得に努めたものの、一部のシステム開発作業が運用工程に移行したことにより、売上はわずかに減少しています。システム運用部門は、汎用系システムの運用やオペレーション業務において市場の縮小と価格下落が継続していることから、売上が縮小する傾向にあります。同社は汎用系技術からネットワーク系技術への移行に継続して取り組んでいます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期と比較して増加する結果となりました。技術者確保のための採用強化や教育投資、賃金改善、オフィス環境整備などによるコスト増があったものの、増益を達成しています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


旭情報サービスは、財務の安定性を示す指標において、堅実な経営状況を維持しています。事業活動で得た資金を適切に活用し、安定した財務基盤を築いていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社は高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を備えています。これは、外部環境の変化に強く、安定した事業運営を継続できることを示しています。手元資金も十分に確保されており、不測の事態にも対応できる体制が整っています。このような財務の安定性は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 116.8億円 121.8億円
自己資本比率 79.8% 79.9%
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び現金同等物 62.0億円 53.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当事業年度の営業活動によるキャッシュフローは増加しており、主に税引前当期純利益の計上や法人税等の支払い、売上債権の増加などが影響しています。投資活動によるキャッシュフローは減少しており、投資有価証券の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローも減少しており、自己株式の取得や配当金の支払いが主な要因となっています。

本業で得た資金が投資活動を上回るフリーキャッシュフローはプラスであり、事業の成長に必要な投資を行いながらも、手元資金を確保できる健全な状態です。このような資金の流れは、将来的な事業拡大や従業員の待遇改善に向けた余力を示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 9.3億円 10.5億円
投資CF △5.3億円 △8.7億円
財務CF △4.8億円 △10.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 4.0億円 1.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社が属する情報サービス産業は、経済情勢の変化や顧客ニーズの多様化、技術の高度化により競争が激化しています。価格競争が生じやすい業界特性も、経営成績に影響を与える可能性があります。また、特定の取引先への依存リスクについては、主要取引先への売上割合が最大で24%程度であり、限定的であると考えています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社の成長と業績は人材に大きく依存しており、高度技術者の採用と育成が重要な課題です。情報サービス産業における人材獲得競争の激化は、優秀な人材の確保を恒常的な課題としています。人材の採用・育成が困難になった場合や既存社員の流出が発生した場合には、同社の成長と業績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


旭情報サービスは、ICT社会の発展を支えることをビジョンに掲げ、人財とサービスを基盤とした企業活動を展開しています。持続可能な社会の実現とステークホルダーへの貢献を目指し、変革と共創を重視する企業風土を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は「ICT社会の発展を価値ある『サービス』と『人』で支える」ことをビジョンに掲げています。また、「生き生きとした人づくりに基づき、創意工夫とたゆまぬサービス改善により情報社会の健全な発展に貢献します」という企業理念を持っています。

これらの理念のもと、ICT技術を通じて社会の持続的成長を支え、すべてのステークホルダーに貢献し信頼される企業を目指しています。サステナビリティ基本方針では、AISビジョン体系の実践を通して、持続可能な社会の実現と地球環境の保全に真摯に取り組むことを掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は中期経営計画のスローガンとして「変革と共創で未来を創る」を掲げ、ソリューションパートナーとして顧客の課題解決に貢献し、顧客とともに成長することを目指しています。経営指針の一つには「人材こそ源泉」があり、事業活動の基本は人であるという考えのもと、優秀な人材の確保と技術力向上に力を入れています。

サステナビリティ基本方針では、お客様やビジネスパートナーとの相互の信頼と透明で公正な関係を築くことを重視しています。また、個人の人権や多様な価値観を尊重し、働きがいのある職場環境を実現すること、法令や社会規範を遵守し、公正で誠実な企業活動を行うことを大切にしています。性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材の活躍を促進する企業風土があります。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、中期経営計画を2035年の長期経営目標達成に向けた地盤固めの3カ年と位置付けています。この期間において、持続的な成長基盤の確立と業容の拡大を図ることを経営課題としています。

重点戦略の柱として「人材戦略」と「経営基盤の強化」を掲げています。人材戦略では、企業基盤を支えるための採用・育成と従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。

経営基盤の強化においては、社内DXの推進とサステナビリティ経営の推進を進めています。サステナビリティ経営の推進では、環境負荷低減策の実施、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、健康経営および社会貢献活動の推進、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメントの強化といった具体的な取り組みを進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


旭情報サービスは、すべてのステークホルダーにとっての企業価値を継続して高めるため、経営の効率性・公正性・透明性の向上と法令遵守をコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。経営と執行の分離による監査機能の強化と迅速な意思決定、ディスクロージャーの強化、内部統制システムの整備、企業倫理とコンプライアンスの徹底を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は旭情報サービス社員持株会であり、同社の従業員による安定的な資本構成を示しています。また、上位株主には複数の個人株主が名を連ねています。

株主名 持株比率
旭情報サービス社員持株会 15.54%
大槻 幸子 5.13%
光通信KK投資事業有限責任組合 4.12%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長は濵田広徳氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
濵田 広徳 代表取締役取締役社長 1985年4月同社入社、人事部長、大阪支社長、総務部長兼広報室長、経営企画部長、人事部長兼人材開発室長、常務取締役総務・広報担当を経て、2022年6月より現職。
宮下 勇人 取締役常務執行役員 1985年3月同社入社、横浜支社長、取締役総務部長兼広報室長、人事部長兼人材開発室長、常務取締役、財務経理・IR担当などを経て、2024年10月より現職。
水野 伸一 取締役上席執行役員管理副本部長 1986年3月同社入社、中部支社長、取締役営業統括部長兼経営企画室長兼技術企画室長、人事部長兼人材開発室長、パートナー推進部長などを経て、2026年4月より現職。
田茂 義之 取締役上席執行役員事業本部長ビジネスイノベーション推進室長関西圏事業担当 1992年3月同社入社、東京支社長、総務部長兼広報室長、取締役営業統括部長兼経営企画室長兼技術企画室長、経営企画部長などを経て、2024年10月より現職。
水島 克典 取締役上席執行役員管理本部長財務経理部長情報システム室長特命担当(カスタマーサクセス・AI推進担当) 1997年4月同社入社、中部支社長、取締役総務部長兼広報室長兼情報システム室長、上席執行役員管理副本部長などを経て、2026年4月より現職。
石野 洋子 取締役 1999年4月東京大学先端科学技術研究センター協力研究員、University of Southern California博士研究員、広島大学大学院理学研究科特任准教授などを経て、2014年12月より山口大学大学院技術経営研究科教授。2024年6月より現職。


社外取締役は、久保英資氏(元JTB情報システム代表取締役社長)、田辺均氏(JR東日本テクノハートTESSEI顧問)です。

同社は監査役会設置会社を採用しています。社外取締役3名、社外監査役3名を選任し、外部からの客観的な視点を取り入れ、経営の監査・監督機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役報酬は、固定報酬である基本報酬と業績の達成度によって変動する業績連動報酬および譲渡制限付株式報酬により構成されています。その報酬額は、株主総会で承認された報酬枠の範囲内で金銭によりそれぞれ支給されています。固定報酬と業績連動報酬の構成割合は、代表取締役社長が7対3、役付取締役が7.5対2.5、兼務取締役が8対2であり、上位役位ほど業績連動報酬の割合を高める設計となっています。業績連動報酬については、経常利益の対前事業年度増減率を評価指標として算定しています。社外取締役及び監査役の報酬は、その役割と独立性の観点から固定報酬である基本報酬のみとしています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 85百万円 17.0百万円
監査役(社外除く) 1名 10百万円 10.0百万円
社外役員 7名 37百万円 5.3百万円


なお、上記非金銭報酬等は譲渡制限付株式報酬であり、当事業年度における費用計上額が記載されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。