※本記事は、株式会社ディーエムエス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ディーエムエスは、ダイレクトメールを主体としたメーリングサービス業務を中核に、セールスプロモーションの多岐にわたるサービスを提供しています。同社は、ダイレクトメール、物流、セールスプロモーション、イベント、賃貸の5つの事業を展開しています。
単体従業員数は283名です。セグメントはダイレクトメール事業、物流事業、セールスプロモーション事業、イベント事業、賃貸事業の5つです。
ディーエムエスは、ダイレクトメールの企画・制作から発送、アフターフォローまでを一貫してサポートしています。また、通販商品の出荷代行やキャンペーン景品の配送といった物流業務も自社内のセンターで手掛けています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ディーエムエスは、ダイレクトメールを中核とした事業を展開し、顧客企業と生活者の良好な関係構築を支援しています。同社は、デジタルとリアルを融合した総合情報ソリューション企業への変貌を目指しており、その働き方や給与水準にも、事業環境の変化に対応する姿勢が反映されていると考えられます。社員一人ひとりの成長を重視し、多様な働き方を支援する環境づくりにも注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ディーエムエスでは、平均勤続年数が比較的長く、社員が長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が安定して活躍している職場環境がうかがえます。このようなデータは、同社が社員の定着を重視し、働きやすい環境を提供している可能性を示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,876,385円 |
| 平均勤続年数 | 16.6年 |
| 平均年齢 | 42.7歳 |
| 単体従業員数 | 283人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
ディーエムエスは確定給付型の退職給付制度を設けています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)。この制度は国内の同社を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
同社の退職給付債務は11.8億円、年金資産は15.6億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ディーエムエスは、「デジタル・リアルの総合情報ソリューション企業への変貌」を企業戦略として掲げ、これと連動した人材戦略を推進しています。変化する事業環境に対応し、未知の機会や脅威に前向きに対処できる「変革力とリーダーシップを備えた人材の創造」を目指しています。
給与体系は、社会水準、職責、職能を総合的に考慮して決定され、目標管理制度を通じて従業員の貢献度を適切に反映しています。また、生産性向上の成果を昇給率に反映させる方針を基本とし、2025年度からは従業員向け譲渡制限付株式報酬制度を導入し、経営参画意識の向上と企業価値の持続的な向上を図っています。この報酬は、社内の資格取得支援や教育制度の利用状況にも紐づけられています。
人材育成においては、構想力、実行力、自律力、健康力、多様性を備えた人材像を理想とし、株式報酬制度、資格取得支援を含む成長支援制度、目標管理制度による人事評価制度、次世代経営人材プログラム、健康経営といった具体的な取り組みを実施しています。社内環境整備では、成果と行動が評価される機会、成長のための学びの機会、健康的に働ける環境、女性が活躍しやすい環境の確保に努めています。特に女性活躍推進では、保育所利用支援や育児短時間勤務の延長、シッターサービス利用補助などの施策を展開しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。労働者の男女の賃金の額の差異については、同一労働の賃金に差はなく、パート・有期労働者に労働時間の短い女性が多く、平均賃金が低いことによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 11.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 47.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 92.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 56.2% |
人材育成・エンゲージメント
定着率は、過去5年間の新卒入社社員の内、勤続3年以下で退職した社員の割合を1から引いたものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 定着率 | 86.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ディーエムエスは、ダイレクトメールを主軸としたメーリングサービスから、セールスプロモーション全般にわたるサービスを提供する企業です。顧客企業と生活者の良好な関係構築をトータルで支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、ダイレクトメール事業、物流事業、セールスプロモーション事業、イベント事業、賃貸事業の5つの事業を展開しています。これらの事業を通じて、顧客企業のプロモーション活動や自治体の活動をサポートしています。
ダイレクトメール事業
同社の中心的な事業であり、既存顧客との取引拡大や新規顧客の獲得に注力しています。この事業は、顧客企業が生活者へ直接情報を届けるためのメーリングサービスを主体としています。収益は、ダイレクトメールの企画・制作から発送までのトータルサポートから得ています。
物流事業
通販出荷の堅調な推移を背景に、物流サービスを提供しています。この事業では、商品の保管、梱包、発送といった一連の物流プロセスを担い、顧客企業のサプライチェーンを支えています。収益は、これらの物流業務の受託から得ています。
イベント事業
販売促進イベントやスポーツイベントなどの企画、運営、警備業務に注力しています。顧客企業のブランドイメージ向上や商品・サービスの認知度向上を目的としたイベントを多角的に支援しています。収益は、イベントの企画・運営・実施に伴うサービス提供から得ています。
セールスプロモーション事業
コールセンターやバックオフィス機能を活用した各種支援業務を提供しています。顧客企業の販売促進活動を側面からサポートし、業務効率の改善にも貢献しています。収益は、これらの支援業務の提供から得ています。
賃貸事業
千代田小川町クロスタビルなどの不動産賃貸を行っています。新規テナントの入居や社宅の一部貸し出しを通じて、安定的な収益源を確保しています。収益は、不動産の賃貸収入から得ています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ダイレクトメール事業 | 228億円 | 248億円 |
| 物流事業 | 28.2億円 | 30.6億円 |
| イベント事業 | 12.3億円 | 16.8億円 |
| セールスプロモーション事業 | 6.5億円 | 6.3億円 |
| 賃貸事業 | 80百万円 | 1.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の業績推移を見ると、提供されたデータでは第63期(2022年3月期)の連結経営指標のみが確認できます。この期間の売上高は279億円台、経常利益は17億円台、親会社株主に帰属する当期純利益は10億円台となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 280億円 | - | - | - | - |
| 経常利益 | 17.0億円 | - | - | - | - |
| 経常利益率 | 6.1% | - | - | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10.4億円 | - | - | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 178.34 | - | - | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
企業の経営安定性を測る上で、財務基盤の健全性や資金の流れは重要な要素です。ここでは、同社の事業を取り巻くリスクについて解説します。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社はダイレクトメール事業による売上が全体の約8割を占めており、将来的に顧客企業のプロモーション手法に大きな変化が生じた場合、経営成績および今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
また、同社の総売上高に占める割合が10%以上となる顧客企業が1社あり、その割合は12.8%となっています。予期せぬ事象による取引条件の変更や解約が生じた場合には、同社の経営成績および今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社が行う顧客企業のマーケティング活動を支援する事業の遂行においては、人材に依拠する部分が多く、有能な人材の確保や育成が重要です。必要とする人材の確保や育成ができない場合には、同社の経営成績および今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ディーエムエスは、顧客企業と生活者の良好な関係づくりをトータルサポートすることを目指し、相互信頼・相互扶助の精神を大切にする企業です。デジタルとリアルの融合を通じて、社会に貢献する「総合情報ソリューション企業」への変革を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「『株主には利益還元で奉仕を』『顧客にはニーズにあった質のよいサービスを』『社員には幸せで豊かなくらしを』『社会には貢献を』提供していく」ことを企業理念として掲げています。相互信頼・相互扶助の精神を尊重し、夢と感性に満ちた企業組織体を目指しているとのことです。
中核事業であるダイレクトメールと物流、セールスプロモーション、イベントの各事業を通じて、「顧客企業と生活者のよい関係づくりをトータルサポート」することをビジョンとしています。主力事業の枠組みを超え、デジタルとリアルの「総合情報ソリューション企業」となることをありたい姿として、企業価値・株主価値の向上を追求しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、企業理念として「相互信頼・相互扶助の精神を尊重し、夢と感性に満ちた企業組織体」を目指しています。人材戦略においては、「変革力とリーダーシップを備えた人材の創造」を目指しており、構想力、実行力、自律力、健康力、多様性の5つの柱を理想の人材像として描いています。
社員一人ひとりが成長できる機会と職場環境の確保にも取り組んでおり、成果と行動が評価される機会、成長のための学びの機会、健康的に働ける環境、女性が活躍しやすい環境の整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、今後の成長と「総合情報ソリューション企業」への布石づくりのため、基盤戦略として「デジタルトランスフォーメーションの推進」に取り組んでいます。また、気候変動、個人情報の保護と活用の両立、多様性の確保と人材の活用といった「サステナビリティ・SDGsへの取組み」も重点テーマです。
さらに、すべてのもととなる「健康経営の推進」にも力を入れています。これらの取り組みを通じて、事業の付加価値・生産性の向上、組織変革、次世代人材育成の機会としています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、株主や取引先、消費者などのステークホルダーに対し、経営の透明性を高めることを重視しています。取締役会や監査等委員会を中心とした体制で、業務の意思決定とリスク管理、コンプライアンス強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長の山本克彦氏であり、創業家が上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山本 克彦 | 21.35% |
| 山本 百合子 | 5.25% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 4.50% |
| みずほ銀行 | 4.45% |
| TOPPANホールディングス | 3.68% |
なお、2025年8月15日付の臨時報告書(主要株主の異動)にてお知らせのとおり、前事業年度において主要株主であった光通信株式会社は、当事業年度中に主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は山本克彦氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山本 克彦 | 代表取締役 社長 | 1995年4月㈱第一勧業銀行入社、1998年7月同社入社、2001年4月同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 上林 晋 | 常務取締役 関西支社担当 | 1986年3月同社入社、2017年6月同社取締役就任、2020年6月同社常務取締役就任より現職。 |
| 金沢 潤 | 常務取締役 業務本部長 | 1986年3月同社入社、2011年4月第一オペレーション統括部長兼CRM推進一部長、2017年6月同社取締役就任、2022年6月同社常務取締役就任より現職。 |
| 森 健 | 取締役 管理本部長 | 1989年3月同社入社、2019年4月経営企画室長、2025年6月同社取締役就任より現職。 |
| 松原 利光 | 取締役 営業本部長 | 1990年3月同社入社、2018年4月第四営業統括部長兼第六営業部長、2025年6月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、中島信子氏(アルティマボディ在籍)、梶谷篤氏(梶谷綜合法律事務所弁護士・監査等委員)、柿尾正之氏(LTV-X社外取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名のうち2名が社外取締役です。社外取締役は公正かつ中立な立場から経営の監督チェック機能を果たし、取締役会の議案について議決権を行使しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能する報酬体系を基本方針としています。具体的には、固定報酬としての基本報酬、退職慰労金、および非金銭報酬から構成されています。非金銭報酬は譲渡制限付株式であり、役位や職責、在任年数に応じて割当対象者や割当数が決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 1.3億円 | 20.9百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 4.9百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 4百万円 | 1.5百万円 |
取締役(監査等委員および社外取締役を除く。)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、固定報酬45,636千円です。また、取締役の支給額には上記のほか、使用人兼務取締役の使用人分給与13,650千円を支払っています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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