プラザホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

プラザホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード上場のプラザホールディングスは、写真プリント店「パレットプラザ」等を展開するイメージング事業と、ソフトバンクショップ運営等のモバイル事業を主軸とする企業です。直近の業績は、モバイル事業の収益性向上やイメージング事業の赤字縮小により、増収増益となっています。


※本記事は、株式会社プラザホールディングス の有価証券報告書(第38期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. プラザホールディングスってどんな会社?


写真プリントショップ「パレットプラザ」のフランチャイズ展開と、モバイルショップ運営を行う持株会社です。

(1) 会社概要


1988年に名古屋市でプラザクリエイトとして設立され、写真プリント店のフランチャイズ展開を開始しました。1996年に店頭登録を行い、2006年には55ステーションを完全子会社化し事業を拡大しました。2017年に持株会社体制へ移行し、2023年6月に現在のプラザホールディングスへ商号変更を行いました。2024年にはアパレル事業のBY THE PARKを完全子会社化するなど、事業領域を広げています。

同社グループの連結従業員数は537名、単体では10名です。筆頭株主は、同社代表取締役社長が代表を務める企業で、第2位は取引先である精密化学メーカー、第3位は主要取引先である通信事業者となっています。

氏名 持株比率
中部写真 37.84%
富士フイルム 18.53%
ソフトバンク 11.07%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は大島康広氏です。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
大島康広 代表取締役社長 1988年3月当社設立、代表取締役社長。中部写真代表取締役社長を兼務。グループ各社の社長・会長を歴任し、2017年より現職。
新谷隼人 取締役 リクルートを経て2019年に入社。ソウゾウ事業本部長等を歴任し、現在はプラザクリエイト代表取締役社長およびストアクロス代表取締役社長を兼務。2021年より現職。
堤俊之 取締役 2006年プラザクリエイト入社。当社財務経理部長、執行役員を経て、現在は経営本部管掌およびストアクロス取締役を兼務。2023年より現職。
木下拓士 取締役(監査等委員・常勤) 1994年入社。プラザハート取締役営業本部長、フォトネット事業部長、プラザクリエイト法人営業部長等を歴任。2020年より現職。


社外取締役は、村田真一(弁護士)、林公一(アタックス代表取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「イメージング事業」、「モバイル事業」および「その他」事業を展開しています。

(1) イメージング事業


プリントショップ「パレットプラザ」のフランチャイズ展開および直営店運営を行っています。また、DIYクラフトキット「つくるんです」や個室ブース「One-Bo」の販売、写真関連商材の取り扱い、Webサイトを通じたデジタルプリントサービスなども手掛けています。

収益は、フランチャイズ加盟店からのロイヤリティや商品卸売代金、直営店における一般顧客からのプリントサービス料や商品販売代金などから構成されています。運営は主に株式会社プラザクリエイト、株式会社ストアクロス、株式会社BY THE PARKが行っています。

(2) モバイル事業


主要取引先であるソフトバンク株式会社の一次代理店として、ソフトバンクショップ等のキャリアショップ運営を行っています。携帯端末の販売や通信回線の契約取次、アフターサービスなどを提供し、個人および法人顧客のニーズに対応しています。

収益は、携帯端末の販売代金や通信キャリアからの販売手数料、継続的な利用に伴う手数料収入などが主な柱です。運営は主に株式会社プラザクリエイトが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は一時的な減少を経て回復傾向にあり、最新期では186億円となっています。利益面では、2023年3月期に赤字を計上しましたが、その後はV字回復を果たし、経常利益・当期純利益ともに大幅な増益基調にあります。利益率も改善が進んでいます。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 207億円 217億円 191億円 176億円 186億円
経常利益 3.9億円 2.5億円 1.2億円 2.6億円 3.9億円
利益率(%) 1.9% 1.1% 0.6% 1.5% 2.1%
当期利益(親会社所有者帰属) 7.3億円 0.9億円 -2.0億円 0.6億円 2.8億円

(2) 損益計算書


売上高は前期比で増加し、売上総利益率も改善しています。営業利益は前期の2.2億円から3.4億円へと約1.5倍に伸長しており、本業の収益力が強化されていることがわかります。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 176億円 186億円
売上総利益 63億円 68億円
売上総利益率(%) 35.7% 36.7%
営業利益 2.2億円 3.4億円
営業利益率(%) 1.2% 1.8%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当及び賞与が19億円(構成比30%)、支払手数料が18億円(同28%)を占めています。売上原価は売上高に対して約63%で推移しています。

(3) セグメント収益


モバイル事業は、販売単価の上昇やイベント開催による生産性向上により増収増益となり、全社の利益を牽引しています。イメージング事業は、店舗売上が好調で増収となりましたが、カメラ類の販売構成比上昇による粗利率低下などがあり、営業損失が継続していますが赤字幅は縮小しています。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
イメージング事業 33億円 36億円 -3.5億円 -2.9億円 -8.0%
モバイル事業 144億円 150億円 6.4億円 7.9億円 5.3%
連結(合計) 176億円 186億円 2.2億円 3.4億円 1.8%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF 5.3億円 7.5億円
投資CF 1.1億円 -1.8億円
財務CF -5.7億円 -1.2億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は12.4%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は19.1%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、写真屋のパレットプラザから始まり、モバイルショップやDIYキットなど形を変えながら、人と人との豊かなつながりを生む「みんなの広場」をつくることを基本方針としています。人の「一生」に関わり続け、時代が変わっても広場をつくり続けていくことを目指しています。

(2) 企業文化


「みんなの広場をつくる。」というビジョンのもと、多様な仲間を増やし、人と人とのつながりを大切にする文化を持っています。また、SDGsに関連する社会的課題の解決に向け、成長と課題解決を両立する事業創出を目指す「つくる責任 つかう責任」を柱としたサステナブルな取り組みを推進しています。

(3) 経営計画・目標


株主価値向上のため、安定的かつ継続的に成長していく企業であり続けることを目指しています。財務体質の強化を図り、収益性を総合的に向上させるべく、株主資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけ、その向上を実現することを目標としています。

(4) 成長戦略と重点施策


持続的成長のため、各事業の基盤強化とM&Aを推進しています。イメージング事業ではFC本部機能の強化と製品開発・IT投資への集中を行い、新たなブランド創造を目指します。モバイル事業では店舗投資や人材教育、法人営業の強化を進め、顧客満足度向上と収益基盤の強化を図ります。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


「みんなの広場をつくる」というビジョンのもと、多様な人材が活躍できる環境整備を推進しています。専門性や経験、感性といった多様性の掛け合わせによりイノベーションを生み出すことを目指し、性別や年齢に関係なく活躍できる組織構築や、新卒・中途を問わない積極的な採用を行っています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 44.4歳 13.4年 4,889,487円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 -
男性育児休業取得率 -
男女賃金差異(全) 46.9%
男女賃金差異(正規) 65.7%
男女賃金差異(非正規) -


また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、管理職に占める女性労働者の割合(20.5%)、男性労働者の育児休業取得率(27.3%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) モバイル事業の法的規制


携帯電話販売代理店業務は、電気通信事業法や個人情報保護法などの規制を受けます。法令違反が発生した場合、営業停止や代理店契約解除などの処分を受ける可能性があり、業績に影響を与えるリスクがあります。

(2) イメージング事業のFC展開


フランチャイズ形式による店舗展開を行っていますが、本部機能の評価低下や加盟店側の事情による店舗数減少が発生した場合、グループ業績に影響を与える可能性があります。

(3) 景気動向・震災等の影響


デジタルプリントや携帯端末の需要は、経済情勢や災害、天候、感染症などの影響を受けやすく、これらにより消費者の活動が停滞した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 店舗従業員の確保


サービスの多様化や店頭業務の複雑化に伴い、店舗従業員の確保と定着が課題となっています。人手不足による求人コスト増大やサービスレベルの低下が生じた場合、業績に影響を与える可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。