※本記事は、株式会社プラザホールディングスの有価証券報告書(第39期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. プラザホールディングスってどんな会社?
イメージング事業とモバイル事業を両輪として展開する企業グループです。
■(1) 会社概要
プラザホールディングスは、1988年にフランチャイズ形式の写真店展開を目的としてプラザクリエイトの社名で設立されました。1996年に株式を店頭登録し、2006年には55ステーションを子会社化してプリントサービスを拡大しました。2007年に携帯電話販売事業を開始し、2017年に持株会社体制へ移行しています。2023年に現在の社名へと商号変更しました。
現在の従業員数は連結で498名、単体で14名です。筆頭株主は中部写真で、第2位には富士フイルム、第3位には主要取引先でもあるソフトバンクといった事業会社が名を連ねています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 中部写真 | 37.85% |
| 富士フイルム | 16.53% |
| ソフトバンク | 9.07% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は大島康広氏が務めており、社外取締役の比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大島康広 | 代表取締役社長 | 1988年設立。中部写真代表取締役社長、55ステーション代表取締役社長などを歴任。2017年より現職。 |
| 新谷隼人 | 取締役 | リクルートを経て2019年に入社。ソウゾウ事業本部長などを経て、2021年より現職。 |
| 堤俊之 | 取締役 | 2006年に入社し、財務経理部長などを経て2023年より現職。経営本部を管掌する。 |
社外取締役は、村田真一(弁護士)、林公一(アタックス代表取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「イメージング事業」および「モバイル事業」を展開しています。
■イメージング事業
プリントショップ「パレットプラザ」のフランチャイズ展開や直営店の運営を行っています。デジタルプリントサービス、写真関連商材の販売、写真撮影サービスなどに加え、DIYクラフトキット「Rolife(旧つくるんです)」の販売やパーソナル・ミーティング・ボックス「One-Bo」の展開なども手掛けています。
収益源は、一般消費者向けのプリントサービスや商品販売代金のほか、フランチャイズ加盟店からの加盟金やロイヤリティなどです。事業の運営は、主にプラザクリエイト、ストアクロス、BY THE PARK、Rolife Japanが担当しています。
■モバイル事業
全国で携帯電話販売ショップ(キャリアショップ)の運営を行っています。携帯端末等の販売のほか、通信サービス契約の取次や販売後の利用サポートに関するサブスクリプションサービス等のアフターサービスの提供などを幅広く手掛けています。
主な収益源は、顧客への端末販売代金や、通信キャリア(ソフトバンク等)からの通信サービス契約取次手数料などです。事業の運営は、主にプラザクリエイトが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は一時期減少傾向にありましたが、直近2期間は連続して増収となっています。経常利益についても回復傾向を示しており、収益性の改善が進んでいます。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 217億円 | 191億円 | 176億円 | 186億円 | 192億円 |
| 経常利益 | 2億円 | 1億円 | 3億円 | 4億円 | 3億円 |
| 利益率(%) | 1.1% | 0.6% | 1.5% | 2.1% | 1.7% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 0.9億円 | -2億円 | 0.6億円 | 3億円 | 2億円 |
■(2) 損益計算書
売上高および売上総利益は増加しており、堅調に推移しています。営業利益についても増益を確保しています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 186億円 | 192億円 |
| 売上総利益 | 68億円 | 73億円 |
| 売上総利益率(%) | 36.7% | 38.1% |
| 営業利益 | 3億円 | 4億円 |
| 営業利益率(%) | 1.8% | 1.9% |
販売費及び一般管理費のうち、給料手当及び賞与が19億円(構成比28%)、支払手数料が18億円(同26%)を占めています。
■(3) セグメント収益
モバイル事業においては販売単価の改善などにより増収となりました。イメージング事業も、新商品や既存サービスの好調により売上を伸ばしています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) |
|---|---|---|
| イメージング事業 | 36億円 | 39億円 |
| モバイル事業 | 150億円 | 153億円 |
| 連結(合計) | 186億円 | 192億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業の状態です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 8億円 | 8億円 |
| 投資CF | -2億円 | -0.6億円 |
| 財務CF | -1億円 | -6億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は9.1%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は20.8%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
プラザホールディングスは、「みんなの広場をつくる。」というコーポレートビジョンを掲げています。創業事業である写真屋をはじめ、モバイルショップやDIYキットブランド、個室ブース、アパレル事業など時代に合わせて形を変えつつ、人と人との豊かなつながりを生む「みんなの広場」の創出を存在意義としています。
■(2) 企業文化
同社は、原点である「写真」を通じ、1シーンが語るストーリーをつないで人の「一生」に関わっていく姿勢を大切にしています。「地域社会への貢献」「多様な仲間と広場をつくる」「つくる責任 つかう責任」をサステナビリティの柱とし、等身大の持続可能な取り組みを進める文化が特徴です。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、株主価値向上のため、安定的かつ継続的に成長していく企業であり続けることを目指しています。財務体質の強化を図り、収益性を総合的に向上させるべく、株主資本利益率(ROE)を重要な経営指標として位置づけ、その向上を通じた内部留保の充実と利益還元を目標としています。
■(4) 成長戦略と重点施策
既存事業の収益基盤強化と新規事業による新たな収益源の創出に取り組んでいます。モバイル事業では戦略的な店舗投資や人材教育による付加価値向上と法人営業の強化を進めます。イメージング事業ではフランチャイズ加盟店との関係強化や新ラインナップの投入、「One-Bo」の販売強化を推し進め、M&Aも活用して企業価値を高めます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
「みんなの広場をつくる」というビジョンのもと、多様な人材の確保と育成を推進しています。明確なビジョンの共有、活躍人材の発掘・育成、パフォーマンス管理、学習文化の醸成、およびダイバーシティ&インクルージョンに注力し、性別や年齢に関係なく多様な人材が活躍できる活力ある組織の構築を目指しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 43.1歳 | 12.9年 | 5,774,393円 |
※平均年間給与は基準外賃金及び賞与を含んでおります。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 50.0% |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | 61.9% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 84.5% |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | - |
※同社は公表義務の対象ではないため、一部項目において有報には本稿の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) モバイル事業における法的規制
電気通信事業法や個人情報保護法等の規制を受けており、これらに違反した場合や、総務省等による政策推進・ガイドライン改定等の法令改正に適切な対応ができなかった場合、事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) フランチャイズ拠点の減少
フランチャイズ形式によるプリントサービスショップを展開していますが、本部機能に対する評価の低下や加盟店側の事情などにより店舗数が減少した場合、収益機会が失われ、業績に影響を与える可能性があります。
■(3) 景気動向や天候不順等による影響
提供しているデジタルプリントや携帯端末の商品・サービスは、予測を超える経済情勢の変化、震災、天候不順、感染症などにより、消費者の写真撮影等の機会が減少した場合、需要の低下を招き業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(4) 店舗従業員の確保と人件費高騰
顧客満足度の向上のため店舗従業員の確保が必要不可欠ですが、サービスの多様化に伴う業務の複雑化等により人材確保と定着が課題となっています。人手不足に伴う求人コストや賃金水準の高騰が進んだ場合、サービス低下やコスト増につながるリスクがあります。



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