【平均年収724万円】日本空調サービス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収724万円】日本空調サービス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本空調サービスは、空調を中心とした建物設備等のメンテナンス、維持管理、リニューアル工事をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は2,268名で、直近の業績は売上高・利益ともに堅調に成長し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、日本空調サービス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本空調サービスグループは、空調を中心とした建物設備等のメンテナンス、維持管理、リニューアル工事を主な事業としています。建物設備のライフサイクルに合わせたメンテナンスサービスとリニューアル工事を一体的に展開しています。

単体従業員数は1,516名、連結従業員数は2,268名です。同社グループはセグメント情報を記載していませんが、事業部門としては建物設備メンテナンス部門、建物設備工事部門、全社(共通)の3つがあります。

主な国内グループ会社は、日本空調システム、日空ビジネスサービス(建物設備メンテナンス部門)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本空調サービスは、お客様の事業活動のサステナビリティに貢献し、社会全体の価値向上を目指す企業です。従業員の人的資本価値向上を最重要経営戦略と位置づけ、多様な人材の育成と働きやすい環境づくりに注力しています。給与制度は能力と役割、成果を重視し、継続的な賃金改定も実施しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も40歳を超えており、経験豊富な人材が多数活躍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,243,492円
平均勤続年数 14.3年
平均年齢 40.2歳
単体従業員数 1,516人
連結従業員数 2,268人
単体のグループ内比率 66.8%


当社及び国内連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)として退職一時金制度を、確定拠出型の制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)として確定拠出年金制度を採用しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

確定給付制度に係る退職給付債務は19.9億円です。また、確定拠出制度への当連結会計年度の要拠出額は333百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「サステナブルな全てのステークホルダーの幸せ向上」という長期ビジョン達成のため、従業員のエンゲージメントや技術力向上を通じた「人的資本の価値向上」を最重要経営戦略と位置付けています。この方針に基づき、人材の育成と社内環境の整備を推進しています。

給与決定方針としては、年功序列にとらわれず、社員一人ひとりの能力に応じた役割を基準として基本給を設定しています。また、目標管理制度を運用し、目標達成度を客観的な評価基準として人事考課に組み込み、その成果を適正に処遇へ反映させる仕組みです。賞与制度では、個人の成果創出に加え、所属組織の目標達成や業績への貢献度も評価に組み込み、組織全体の付加価値創出力の最大化を図っています。

具体的な取り組みとして、2024年11月に技術・研修センターを竣工し、2025年4月より本格稼働を開始しました。このセンターを中核に、新人財育成プロジェクトを推進し、人材教育の質と効率の向上、新人・若年層の早期戦力化を目指しています。全国の従業員が病院や工場に近い環境で実践的な研修を受け、技術力と安全意識の向上、従業員間の交流を深める場としても活用されています。2025年4月からは、新入社員が配属前に基礎技術を習得できるよう、約1ヶ月間の新入社員研修も導入しています。

さらに、人的資本の価値向上を目的として、2024年3月期、2025年3月期と継続して給与水準の引き上げを実施しており、2025年4月からは正社員の給与水準を平均5.7%引き上げました。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 5.9%
男性労働者の育児休業取得率 59.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 63.2%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) 75.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) 64.1%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。なお、労働者の男女の賃金の額の差異における「-」は、公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

▼ 日本空調システム株式会社

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 76.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) 75.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) 62.0%


▼ 株式会社日本空調北陸

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 10.0%
男性労働者の育児休業取得率 133.3%


▼ 株式会社日本空調東北

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 4.3%
男性労働者の育児休業取得率 60.0%

多様性・登用


同社グループでは、多様な人材の確保と適正な評価を重視しており、女性・外国人・中途採用者や非正規雇用者の正社員登用等に注力しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める中途採用者等の割合 45.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本空調サービスグループは、空調を中心とした建物設備のメンテナンス、維持管理、そしてリニューアル工事を主軸に事業を展開しています。お客様の事業活動におけるサステナビリティに貢献するため、技術力と人的資源を結集させた高品質なサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、空調設備をはじめとする建物設備のメンテナンス、維持管理、そしてリニューアル工事を一体的に手掛けています。お客様のニーズに応じた「設備及び環境診断・評価」や「ソリューション提案」を通じて、省エネや省コスト、環境改善といった課題解決を支援しています。特に、病院の手術室の無菌化や製薬工場のバリデーションサポートなど、高度な技術が求められる分野にも強みを持っています。

収益は主に「建物設備メンテナンス」と「建物設備工事」の二つのサービスから得ています。建物設備メンテナンスは、お客様の設備を継続的に維持管理するサービスであり、安定的な収益源となっています。建物設備工事は、メンテナンスから派生するリニューアル工事などを手掛け、前期に比べて売上高を伸ばしています。

同社グループは、国内を中心に事業を展開しており、海外売上高は全体の約3.6%を占めています。海外展開の拡大と強化を加速する方針を示していますが、現時点では国内市場が収益の大部分を占める構造です。特定の顧客に売上が集中することなく、幅広い顧客基盤を築いています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建物設備メンテナンス 398億円 416億円
建物設備工事 246億円 276億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期間にわたり堅調な成長を示しています。売上高は一貫して増加傾向にあり、経常利益も同様に順調に伸びています。親会社株主に帰属する当期純利益も、一時的な変動はあったものの、全体としては増加基調を維持しており、直近の当期は大幅な増益となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 499億円 529億円 582億円 644億円 692億円
経常利益 28.0億円 30.5億円 38.6億円 43.7億円 51.1億円
経常利益率 5.6% 5.8% 6.6% 6.8% 7.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 28.2億円 19.4億円 27.2億円 31.0億円 37.0億円
1株当たり当期純利益(円) 81.35 56.67 79.40 89.98 106.79

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高および営業利益は、直近の当期において前期から増加しています。これは、同社グループが提供する高品質なサービスが市場で評価され、競争環境の緩和や採算性の良い案件の獲得が奏功した結果と考えられます。従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向が見られ、組織全体の効率化が進んでいることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 29.2百万円 30.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.9百万円 2.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務基盤は安定しており、事業活動で得た資金を投資に回しつつ、余剰資金も確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も十分に確保されており、安定した財務基盤が構築されている状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 261億円 309億円
自己資本比率 53.1% 57.6%
ROE(自己資本利益率) 12.5% 13.1%
現金及び預金 90.0億円 82.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローはプラスを維持しており、本業で安定的に資金を創出している状況です。前期と比較すると減少していますが、税金等調整前当期純利益の増加が資金増加に寄与しています。投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっており、有形固定資産の取得による支出など、将来に向けた投資を継続していることがうかがえます。

フリーキャッシュ・フローもプラスであり、本業で得た資金が投資を上回っている状態です。財務活動によるキャッシュ・フローはマイナスに転じており、長期借入れによる収入の減少や配当金の支払額の増加が主な要因となっています。これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定した収益を上げ、成長投資を行いながらも、財務的な健全性を保っていることが示されています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 49.6億円 27.6億円
投資CF △34.7億円 △15.4億円
財務CF 3.8億円 △20.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 14.9億円 12.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、世界の経済動向、金融危機、戦争、自然災害、気候変動、感染症の流行等の外部経営環境の変化による受注の減少や事業活動の停滞及び停止のリスクを認識しています。また、外部経営環境の変化による顧客のメンテナンスコスト見直し意識の加速や、新規受注に向けた企業間競争の激化もリスクとして挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク

国内での生産年齢人口減少に伴う採用環境の競争激化がリスクとして認識されています。人材不足に起因する技術力及びサービス提供力の低下による信用失墜や、労働環境の悪化及び退職者の増加等による技術系従業員の不足や多様性の減少もリスクとして挙げられています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本空調サービスは、お客様の事業活動のサステナビリティに貢献し、社会全体の価値向上を目指すことを存在意義としています。全てのステークホルダーの幸せ向上を長期ビジョンに掲げ、技術力と人的資源を結集した高品質サービスを提供しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「お客様の事業活動のサステナビリティに寄与し、社会全体の価値向上を図る」ことをパーパス(存在意義)としています。長期ビジョン(ありたい姿)は「サステナブルな全てのステークホルダーの幸せ向上」です。

この長期ビジョンを実現するため、「お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する」ことをミッション(果たすべき使命)としています。社会的価値創造に努め、その結果として経済的価値が創造されるという考えを経営の基本方針としています。

中長期的な経営戦略は「いき、続けるために。」という言葉で表現されており、この「いき」には「息」「生き」「活き」等の意味が含まれています。同社グループは、建物設備メンテナンス業界のリーダーとして、企業価値の拡大を推進していくことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「何事にも誠実であることを基本姿勢とし、よりよい結果を目指す努力を惜しまず、あらゆるステークホルダーと納得いくまで対話を行い、最後まで成し遂げる信念をもって実現させる」というあり方を重視しています。この考え方をもとに、フェアにやるという企業風土の醸成を一層推進するためのコンプライアンスを充実させています。

全てのステークホルダーの期待に応えるため、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うことを認識しています。また、高い透明性と倫理観を持った経営を図ることを基本としています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、「2026中期4ヵ年経営計画」において、複数の対処すべき課題に取り組んでいます。組織・文化・人材に関わる重点テーマとして「人的資本の強化」を掲げています。

具体的には、エンゲージメントとリクルーティングの拡充を通じて人的資本を強化し、従業員に対する処遇の改善やパフォーマンスを最大化させるエンゲージメントの向上を目指しています。また、企業価値を生み出す源泉となる従業員数の増加や、女性社員数の増加も重要な課題です。

さらに、「総合技術力の再構築」として、高品質サービスの中核となる従業員の技術力向上や、特殊な環境を有する施設を中心としたお客様への傾注、海外事業の拡充を推進しています。株主還元の一環として、従業員持株会への加入促進も図り、エンゲージメントの向上を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本空調サービスは、監査役会設置会社として、透明性・公正性・迅速性を重視したコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。指名諮問委員会や報酬委員会といった任意の諮問機関を設置し、経営の独立性と客観性を高める取り組みを進めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本空調サービスの株主構成を見ると、信託銀行や従業員持株会が上位に名を連ねています。機関投資家が主要な株主として同社を支える一方で、従業員による持株会も大きな存在感を示しており、幅広いステークホルダーからの支持がうかがえる構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 10.22%
日本空調サービス従業員持株会 7.54%
日本カストディ銀行(信託口) 6.27%
MURAKAMI TAKATERU (常任代理人 三田証券) 4.33%
重田 康光 2.90%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性8名・女性3名)で構成され、女性役員比率は27.3%です。代表取締役社長は依藤敏明氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
依藤 敏明 代表取締役 社長 1987年4月 同社入社、2014年4月 同社執行役員横浜支店長、2022年6月 同社取締役執行役員経営企画部長兼海外部長、2024年4月 同社代表取締役社長より現職。
諏訪 雅人 取締役 上席執行役員 人事部長 1984年4月 同社入社、2014年4月 同社人事部長、2022年6月 同社取締役執行役員人事部長、2022年10月 同社取締役上席執行役員人事部長より現職。
白石 一彦 取締役 上席執行役員 事業部門統括 1986年4月 同社入社、2015年7月 日本空調四国代表取締役社長、2022年6月 同社取締役執行役員名古屋支店長、2024年4月 同社取締役上席執行役員事業部門統括より現職。
西川 博志 取締役 1982年4月 日本空調北陸入社、2014年6月 同社取締役ソリューション営業部石川部長兼エコ事業部長、2022年5月 同社代表取締役社長、2024年6月 同社取締役より現職。


社外取締役は、北川ひろみ氏(弁護士法人GROWTH代表社員)、西原浩文氏(西原浩文公認会計士税理士事務所所長)、柘植里恵氏(柘植公認会計士事務所所長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役の職務執行を監査役会が監査する体制です。また、経営の独立性・客観性を高めるため、指名諮問委員会と報酬委員会を任意の諮問機関として設置しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本空調サービスでは、役員報酬を中長期的な企業価値向上と株主価値との連動性を重視して設計しています。業務執行を担う取締役には固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬が支給され、社外取締役には固定報酬のみが支給される体系です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.4億円 36.0百万円
監査役(社外除く) 2名 30百万円 15.0百万円
社外役員 8名 37百万円 4.6百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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