【平均年収430万円】アール・エス・シー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収430万円】アール・エス・シー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

アール・エス・シーは、建物総合管理サービスと人材サービスをグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は400名を超え、直近期は減収減益となりました。AI警備ソリューションの推進にも注力しています。


目次

※本記事は、株式会社アール・エス・シー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アール・エス・シーグループは、官公庁や民間企業の建物に対し、警備保障、清掃、設備管理、オフィスサービスなどの建物総合管理サービスを提供しています。また、情報管理や機器操作などの人材サービスも展開しています。

単体従業員数は269名、連結従業員数は418名です。セグメントは建物総合管理サービス事業、人材サービス事業の2つです。

主な国内グループ会社は、アール・エス・シー中部(建物総合管理・サービス事業)、友和商工(内装仕上工事業)、クリーンフォース(清掃業)、RSCセキュリティ(警備業)などです。

同社グループは、2号警備に特化した株式会社RSCセキュリティを設立し、警備隊員の成長と採用力強化を推進しています。また、AI警備ソリューションの共同推進のため、ソフトバンクロボティクス株式会社と資本業務提携契約を締結しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アール・エス・シーは、社会インフラとしての役割を果たすべく、顧客に信頼されるホスピタリティ溢れるサービスを提供しています。同社グループは、人的資本への投資を重要な経営課題と捉え、人材育成や働きやすい環境整備に注力しています。安定した雇用環境の提供を通じて、従業員の成長と企業価値の向上を目指していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


アール・エス・シーでは、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。平均勤続年数と平均年齢から、経験豊富な従業員が多く在籍し、安定した組織運営がされている傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 4,298,808円
平均勤続年数 14.6年
平均年齢 48.0歳
単体従業員数 269人
連結従業員数 418人
単体のグループ内比率 64.4%


同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

同社は確定給付型の退職一時金制度(非積立型制度)を設けています。連結子会社は確定拠出型の制度として中小企業退職金共済制度を採用しており、一部の子会社では確定給付型の退職一時金制度を上乗せして採用しています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付型の退職給付債務は4.4億円です。連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は4百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アール・エス・シーグループは、顧客に信頼されるサービス提供と安全・安心・快適な環境創造という経営理念に基づき、社会に貢献できる人材の確保と育成を重要な経営課題と位置付けています。労働集約型事業であるため、安定的な人材確保と定着率向上が事業運営の鍵であると考えています。

報酬決定においては、職種・役割・責任に応じた給与体系を整備し、社内の公平性を重視しています。従業員の能力、業務遂行度、成果、組織への貢献を総合的に評価し、その結果を昇給・賞与・各種手当に反映する評価制度を運用しています。

中期経営計画では「待遇改善・教育・採用強化」を掲げ、賃金水準の適正化、資格手当の拡充、教育投資の増強を通じて従業員の成長と定着を支援しています。人材育成では、自社研修所での教育推進に加え、外部講師や外部機関を活用した知識・技術向上、資格取得費用や手当の支給を通じて専門性向上を図っています。

また、「スマイルプロジェクト(職場環境改善プロジェクト)」を推進し、従業員エンゲージメントの向上と職場環境の改善に取り組んでいます。AI・ロボティクスの活用によるDX推進も行い、業務効率化とサービス品質向上を通じて、人材と技術の両面から生産性向上を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。男性労働者の育児休業取得率は開示されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 11.1%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 97.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 93.9%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 102.5%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ㈱アール・エス・シー中部

㈱アール・エス・シー中部のデータです。

指標 数値
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 76.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 72.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 76.5%

多様性・登用


提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
労働者に占める女性労働者の割合 34.9%
女性社員の平均勤続年数 8.5年

育児・介護支援


提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
育児休業取得率 66.7%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アール・エス・シーは、建物総合管理サービスと人材サービスを主軸とする事業を展開しています。多様なニーズに応えるサービスを提供し、社会インフラの安全・安心に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、官公庁や民間企業の事務所ビル、店舗、ホテル、病院など、各種建物に対する警備保障、清掃、オフィスサービス、設備管理といった建物総合管理サービス事業と、人材サービス事業を営んでいます。これらの業務は、一定期間継続的に役務を提供する年間契約と、特定の時期にのみ役務を提供する臨時契約に分類されています。同社グループの事業は国内が中心であり、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。

当連結会計年度においては、株式会社サンシャインシティへの売上高が同社グループの総販売実績の16.3%を占めています。

建物総合管理サービス事業

警備保障、清掃、設備管理、オフィスサービスを提供しています。収益は、新規案件の受注や既存事業所での契約条件の見直し、大阪・関西万博の警備業務や丸の内エリアでのイベント警備などの大型臨時案件の受託により得ています。運営は、2号警備に特化したRSCセキュリティや、RSC中部、友和商工などがグループ会社として事業を推進しています。当連結会計年度の売上高は前期比10.0%増と堅調に推移しました。

人材サービス事業

情報管理、ファイリング、機器操作等の人材派遣業務、有料職業紹介業務を行っています。収益は、主に受付や案内などの同社グループが強みとする職種に領域を絞り込んだ営業活動、公共施設における案内・駐車場での利用者対応業務、イベント補助業務などから得ています。前年度の大型周年イベント案件の反動減が影響し、当連結会計年度の売上高は前期比66.3%減と大幅な減収となりました。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建物総合管理サービス事業 68.8億円 75.7億円
人材サービス事業 19.7億円 6.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で増減を繰り返しながら推移しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動が見られます。特に当連結会計年度は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から減少する結果となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 57.4億円 60.3億円 81.0億円 88.4億円 82.3億円
経常利益 2.4億円 2.0億円 3.0億円 3.1億円 2.3億円
経常利益率 4.2% 3.3% 3.7% 3.5% 2.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.6億円 1.3億円 2.4億円 1.9億円 1.4億円
1株当たり当期純利益(円) 57.10 44.22 84.05 64.97 47.86

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する傾向を示しています。これは、売上高の減少と利益面での影響が、従業員一人あたりの稼ぐ力にも反映されている状況です。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 21.5百万円 19.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 0.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


アール・エス・シーの財務状況は、事業活動を通じて安定した資金を生み出し、強固な財務基盤を維持していることを示しています。自己資本比率や手元資金の状況から、経営の安定性を確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定していることを示しています。自己資本比率は前期から上昇し、プライム市場の非製造業平均を大きく上回る水準です。これにより、外部環境の変化に対する耐性が高いと言えます。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、安定した事業運営を継続しています。手元資金も十分に確保されており、事業の継続性や雇用・給与の安定性につながる要素となっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 21.8億円 24.0億円
自己資本比率 52.3% 59.2%
ROE(自己資本利益率) 8.8% 6.1%
現金及び預金 17.7億円 18.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


アール・エス・シーのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を稼ぎ出していることを示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは、売上債権の増加等により前期から大きく増加し、プラスを維持しています。これは同社グループが事業活動を通じて着実に資金を生み出している状況を表しています。

投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出等によりマイナスとなりました。これは将来に向けた事業基盤の強化や効率化のための投資が行われていることを示唆しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出等によりマイナスとなっていますが、前期に比べて使用額は減少しています。

営業活動で得た資金が投資活動による支出を上回るフリーキャッシュフローはプラスであり、同社グループが事業の成長と財務の健全性を両立している状況がうかがえます。この安定した資金の流れは、入社後の雇用や給与の安定性につながる基盤であると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 22百万円 2.0億円
投資CF 23百万円 △56百万円
財務CF △1.6億円 △1.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 45百万円 1.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、景気変動による同業他社との価格競争や顧客からの値下げ要請により、業績に影響を受ける可能性があります。また、警備業法や労働者派遣法など、事業に関連する法的規制の改正に伴う対応費用が発生するリスクも存在します。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、少子高齢化による労働人口の減少や賃上げの広がりを背景に、慢性的な人材不足が継続している状況です。人材確保をめぐる厳しい雇用環境は、事業運営における課題となっています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アール・エス・シーは、人々の生活における安全・安心・快適な環境を創造することを経営理念に掲げ、社会インフラ企業として信頼されるサービス提供を目指しています。人的資本への投資とDXの推進を通じて、持続的な企業価値向上に取り組む会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「信頼されるサービスを提供し、人が生活するあらゆる場面において、安全・安心・快適な環境を創造する」ことを経営理念としています。中期経営計画「RSC Challenge 2030」では、「安全・安心・快適な未来を『人×技術』でつくる共創型社会インフラ企業へ」をビジョンに掲げています。これらの理念とビジョンのもと、人的資本への投資とDXの推進を通じてサービスの高度化を図り、持続的な企業価値の向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、中期経営計画「RSC Challenge 2030」において、「誠実・挑戦・共創」をバリューとしています。企業名であるRSCには、Reliance(信頼)、Service(サービス)、Corporation(会社)の意味が込められており、お客様に信頼されるホスピタリティ溢れるサービスを提供することを重視しています。そのため、サービスを提供する「人財」への積極的な投資を行い、人的資本経営を推進する方針です。また、「人的資本経営とダイバーシティの推進」「DXによるサービスクオリティの向上」を重要課題(マテリアリティ)として特定し、ウェルビーイングの実現と持続可能な地域社会の発展に貢献することを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、労働人口の減少に伴う人材不足の深刻化や顧客ニーズの高度化といった事業環境の変化に対応するため、いくつかの課題に取り組んでいます。特に、人材確保および人的資本の強化を重要な経営課題と位置づけています。具体的には、待遇改善、教育体制の強化、働きやすい職場環境の整備を推進し、人的資本の強化に取り組んでいます。

また、人手不足やサービス品質の均一化への対応として、AI・ロボティクス等を活用したDXの推進も重要な課題です。AI警備やバックオフィスDXの導入を進め、業務の効率化とサービス品質の向上を図るとともに、現場への定着に向けた教育・体制整備を推進しています。中期経営計画に基づき、AI・ロボティクス、DX、人的資本への投資を通じた事業基盤の強化も重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社グループは監査役会設置会社として、社外監査役を含む監査役会と社外取締役を含む取締役会を設置しています。これにより、経営の意思決定と業務執行に対する監視機能を強化しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるサンシャインシティです。その他にも複数の事業会社が上位株主として名を連ねています。また、協力会社持株会や従業員持株会も大株主として存在しており、幅広いステークホルダーに支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
サンシャインシティ 23.66%
三菱地所 5.99%
ソフトバンクロボティクス 5.89%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は金井宏夫氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

社外取締役は、但木敬一氏(弁護士・元検事総長)、中澤三男氏(元最高検察庁事務局長)です。社外監査役は、坂爪聡氏(サンシャインシティ代表取締役専務)、亀田光生氏(元名古屋矯正管区長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会には2名の社外取締役が、監査役会には2名の社外監査役がそれぞれ参加しています。これにより、経営の客観性と中立性を確保し、監視機能を強化する体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社では、取締役および監査役の報酬は株主総会で決議された総額の範囲内で決定されています。取締役の報酬には、譲渡制限付株式報酬制度に基づく株式報酬も含まれており、役職ごとの責任や経営への影響度を考慮した報酬体系となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 84百万円 21.0百万円
監査役(社外除く) 1名 10百万円 9.7百万円
社外役員 6名 12百万円 2.0百万円


なお、取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬制度に基づく同社株式であり、当事業年度における費用計上額が記載されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。