【平均年収410万円】田 谷 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収410万円】田 谷 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

田 谷は、全国で「TAYA」などのブランドを展開し、美容室の経営を主たる事業としています。直近期は減収となりましたが、営業利益と経常利益は大きく改善しました。


目次

※本記事は、株式会社 田 谷 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社は、美容室の経営を主たる事業としています。国家資格を有する美容師がカット、パーマ、カラーなどの美容施術を提供し、ヘアケア商品や化粧品の販売も行っています。全国で「TAYA」などのブランドを展開しています。

単体従業員数は490名です。

同社は、美容室の経営を本体で行い、国家資格を有する美容師が美容施術やヘアケア商品の販売を提供しています。全国で「TAYA」などのブランドを展開し、顧客のニーズに応えています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


田谷は美容業界において、お客様に直接サービスを提供する「美容師」を最も重要な経営資源と位置付けています。そのため、人材育成と働きやすい環境整備に力を入れ、従業員一人ひとりの成長と働きがいを重視する傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も若手から中堅層が中心となっています。これは、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境が整っていることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 4,100,684円
平均勤続年数 12.6年
平均年齢 35.1歳
単体従業員数 490人


同社は従業員の退職給付に充てるため、非積立型の確定給付制度として退職一時金制度を設けています。確定給付型は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は1.97億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


田谷は「すべての人に夢と希望を与え社会に貢献する」という企業理念のもと、「人材」を最重要資本と位置付けています。美容師一人ひとりの技術力、接客力、感性、提案力が競争力の源泉であると考え、人材育成と働きやすい環境整備を経営上の重要課題としています。

中期経営方針「TAYA BX PROJECT」を発展させ、「人的資本の強化による収益体質改善」を重点テーマに掲げています。具体的には、多様な働き方への対応、教育・育成体制の強化、働きがいと生産性向上の両立の3点を中心に取り組んでいます。成果に応じた報酬制度やライフスタイルに合わせた勤務形態を整備し、正社員の給与制度見直しや新しい福利厚生制度の導入など、待遇向上施策を進めています。

多様な働き方としては、フリーランスブランド「ano」の創設・出店加速により、柔軟な働き方が選択できる職場環境を構築しています。直営ブランドでもフリーランス美容師や外国人美容師の採用を進め、企業全体として多様な人材の受け入れを推進しています。教育・育成体制では、現場第一主義のもと、美容技術やカウンセリング力、店舗運営力を体系的に学べる教育制度を整備し、デビューまでの育成期間短縮やマネジメント研修の充実を図っています。また、提携企業を通じ、ネイリスト、アイリスト、エステティシャンなど多様な職種へのキャリアパスを充実させ、「美のプロフェッショナル人材」の育成にも力を入れています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異については、男性の平均年齢、平均勤続年数、管理職比率が高いことによるものです。

指標 数値
管理職に占める女性の割合 14.8%
男性の育児休業取得率 25.0%
男性賃金に対する女性賃金の割合(全従業員) 63.5%
男性賃金に対する女性賃金の割合(うち正規雇用従業員) 68.1%

| 男性賃金に対する女性賃金の割合(うちパート・有期雇用従業員) | 101.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


田谷は、美容室の経営を主軸とし、美容施術の提供とヘアケア商品の販売を通じて収益を上げています。全国に展開する複数のブランドを通じて、お客様の多様なニーズに応えるサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は「美容師法」に基づき美容室を経営しており、国家資格を持つ美容師がカット、パーマ、カラーなどの美容施術を提供しています。また、お客様に合わせたヘアケア商品の販売も行っています。

美容室は「TAYA」「Shampoo」「MICHEL DERVYN」「ano」といったブランドで全国展開しており、これが同社の主要な収益源となっています。収益は、主に美容施術の提供と商品の販売から得ています。既存店では人手不足や顧客の来店周期の伸びにより入客が低調に推移したものの、カラーなどの追加施術数が増加したことで客単価は増加しました。直営店舗のリブランディング改装やフリーランスブランドの新規出店により売上は増加しましたが、一部店舗の閉鎖により全体としては減収となりました。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高が前期から減少傾向にあり、当期も減収となりました。一方で、営業利益と経常利益は前期から大きく改善しています。

当期は当期純損失を計上していますが、これは主に収益性の低下が見られた複数店舗における減損損失の計上が要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは当期にプラスに転じており、本業での資金創出力は改善傾向にあります。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社の財務状況は、事業活動で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。これにより、事業の成長と安定性の両面を追求している状況がうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤を見ると、当期の自己資本比率は36.0%となっており、前期の20.9%から増加しています。これは東京証券取引所プライム市場の非製造業平均(24.2%)を上回る水準です。手元資金である現金及び預金等は当期末に531百万円となり、前期から増加しました。これらの状況は、同社が財務体質の改善を進め、事業運営に必要な資金を確保していることを示しており、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素と言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 416百万円 798百万円
自己資本比率 20.9% 36.0%
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び預金等 175百万円 531百万円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローを見ると、当期の営業活動による資金は72百万円の収入となり、前期の支出からプラスに転じました。これは主に減価償却費や減損損失、未払消費税等の増加があったことによるものです。投資活動による資金は△192百万円の支出となり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。財務活動による資金は460百万円の収入となり、新株発行や新株予約権の行使による収入が主な要因です。

その結果、事業活動で得た資金を投資に充てた後に残るフリーキャッシュフローは△120百万円となり、前期の△234百万円から改善しました。この状況は、同社が事業活動で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を継続していることを示しています。資金調達も活用しながら事業の成長を目指す姿勢は、長期的な雇用安定性や給与水準の維持・向上につながる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △67百万円 72百万円
投資CF △167百万円 △192百万円
財務CF 134百万円 460百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △234百万円 △120百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


同社は、当事業年度において「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております」と認識しています。これは、安定的に利益を計上できる状況に未だ至っていないためです。同社は人的資本への投資を中核とした経営を推進し、増収の実現を目指す方針を示しています。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社は、美容室のオーバーストア状態による店舗間競争の激化や、物価上昇による個人消費の停滞の懸念など、厳しい経営環境にあると認識しています。また、人件費や店舗運営維持に係る経費等の固定費比率が高いため、売上が計画通りにいかない場合には、適正な利益水準を維持することが難しくなるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社は、国家資格を有する美容師の採用が不可欠であり、人材採用や教育研修が計画通りに進まない場合には、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、顧客からの支持の高い美容師が大量に離職した場合も、事業展開や経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


田谷は、美容を通じて人々に夢と希望を与えることを企業理念とし、顧客・株主・社員・社会の4つの満足を追求する経営を行っています。ここでは、同社が目指すビジョンと大切にする企業風土についてご紹介します。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


田谷は、「すべての人に夢と希望を与え社会に貢献する」という企業理念を掲げています。美容を通じて人々を美しくすることを最大のテーマとし、美容師の技術力、創造力、感性、サービス向上に努め、現場第一主義を徹底しています。

同社は「顧客満足」「株主満足」「社員満足」「社会満足」の4つの満足を追求することを企業の社会的使命と捉えています。2027年3月期以降は「ビューティブランドプラットフォームへの進化」をテーマに、美容室チェーンからビューティブランドプラットフォーム企業への進化を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


田谷は、美容師の技術力、創造力、感性、サービスを高める「現場第一主義」を貫いています。また、「顧客満足」「株主満足」「社員満足」「社会満足」の4つの満足を追求することを重視しています。

同社は「人材」を最も重要な経営資源と位置づけており、美容師個人の魅力が顧客来店に繋がると考えています。終身雇用や年功序列制度の見直し、多様な働き方の実現に向けた改革を進めています。

具体的には、フリーランスブランド「ano」の創設による多様な人材の受け入れ、給与制度の見直しや福利厚生制度の導入、ネイリストやエステティシャンなど多様な職種へのキャリアパス充実に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


田谷は、人材戦略を成長戦略の柱の一つとし、美容師の生産性向上と店舗効率化のため、技術・接客教育システムの再構築を進めています。SNS集客教育強化や若手美容師育成を通じて、顧客LTV(顧客生涯価値)最大化と企業価値向上を目指しています。

評価報酬システムの再構築により、顧客満足と社員エンゲージメントの向上、働きやすさへの教育投資を図っています。DX戦略も加速させ、顧客体験を向上させる経営基盤の構築も進めています。

また、コンプライアンスを重視し、内部統制システムの一層の充実を図り、企業体質の改善・強化に努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


田谷は監査等委員会設置会社であり、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しています。経営の意思決定と執行監督機能を取締役会が担い、業務執行は執行役員が担う体制です。また、指名・報酬委員会を設置し、客観性の確保を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


田谷の筆頭株主は有限会社ティーズであり、発行済株式の14.48%を保有しています。上位には複数の事業会社や機関投資家が名を連ねる構成です。特定の法人株主が上位を占める資本構成となっています。

株主名 持株比率
有限会社ティーズ 14.48%
INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券) 9.62%
L&Y貿易 8.07%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役会長兼社長は田谷和正氏が務めています。社外取締役比率は12.5%です。

氏名 役職 主な経歴
田谷 和正 代表取締役会長兼社長 1988年4月株式会社日本旅行入社、1991年6月同社入社。2003年4月同社代表取締役社長、2016年6月同社代表取締役会長(CEO)を経て、2025年8月より現職。
保科 匡邦 取締役顧問 1981年4月同社入社。1993年2月同社取締役、2016年6月同社代表取締役社長(COO)を経て、2022年6月より現職。
中村 正二 取締役執行役員 1995年6月同社入社。2017年4月同社執行役員九州支社長、2022年6月同社取締役執行役員営業本部長を経て、2026年4月より現職。
新藤 和久 取締役執行役員 1996年4月同社入社。2006年6月同社執行役員第六事業部長、2013年6月同社取締役兼執行役員マーケティング部長を経て、2026年4月より現職。
中西 一也 取締役 1984年11月美容室ラ・フェ開業。1987年4月アルティスト株式会社設立。2026年3月より現職。


社外取締役は、田島克夫氏(公認会計士・税理士)、勇亜衣子氏(医師・Dr.TOUHI AGAクリニック開院)です。

同社は監査等委員会設置会社です。監査等委員である取締役3名のうち2名が社外取締役であり、経営の監視機能が強化されています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


田谷の役員報酬は株主総会の決議により定められています。取締役、監査等委員である取締役、執行役員は月額報酬が支給される仕組みです。報酬の考え方は指名・報酬委員会の答申を受けた取締役会決議で決定され、透明性と公平性を高めています。社外取締役を除く取締役の報酬は会社業績との連動を確保し、役位や貢献度を考慮して配分されます。なお、2025年6月から2026年5月までの期間において、固定報酬額の20%削減が決議されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 6名 64百万円 10.7百万円
監査等委員(社外除く) 1名 6百万円 6.0百万円
社外役員 2名 6百万円 3.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。