【平均年収574万円】日本ラッド 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収574万円】日本ラッド 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本ラッドは、エンタープライズソリューション事業とIoTインテグレーション事業を主軸に、多岐にわたるITサービスを提供する企業です。当連結会計年度より連結財務諸表を作成し、売上高と利益を計上しました。


目次

※本記事は、日本ラッド株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、エンタープライズソリューション事業とIoTインテグレーション事業を主軸に、システム開発、コンサルティング、パッケージ製品販売、クラウドサービス、AIソリューション、IoTインテグレーションなど多岐にわたるITサービスを提供しています。

単体従業員数は285名、連結従業員数は299名です。セグメントはエンタープライズソリューション事業、IoTインテグレーション事業の2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)One’s Houseなどです。

同社グループは、当連結会計年度に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得を実施しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本ラッドグループは、高度な技術力と開発能力を持つ人材を最大の資産と位置づけ、継続的な教育と育成を通じて社員のスキル強化に注力しています。働きやすい環境の整備にも力を入れており、時差勤務や在宅勤務といった柔軟な働き方の選択肢を提供することで、社員の定着を促す取り組みを進めています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は人材を重視し、継続的な育成と働きやすい環境の整備を通じて、社員の定着を図る方針を示しています。平均勤続年数や平均年齢からは、比較的長く勤める社員が多い傾向がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,741,000円
平均勤続年数 13年3ヶ月
平均年齢 39.6歳
単体従業員数 285人
連結従業員数 299人
単体のグループ内比率 95.3%


同社は確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を採用しています。退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は543百万円、年金資産は19百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中期経営計画において「“人”で稼ぐから“アセット”で稼ぐ企業への構造変換」を基本方針とし、「事業変革を担う人材育成・組織基盤の再構築」を最優先テーマとしています。IT人材の慢性的な不足に対応するため、高度人材の獲得と育成が競争力の源泉であると認識しています。

具体的には「人事制度再構築とリスキリングの推進」を進め、透明性と納得感のある人事制度への再構築に取り組んでいます。給与水準や報酬体系については、市場競争力を踏まえた水準と専門性を適切に反映する構成となるよう決定する方針です。賞与は業績の進捗とプロジェクトへの貢献度を適切に反映する評価制度を組み込み、譲渡制限付株式給付も人的資本投資の一環として導入しています。

AI駆動開発、プロダクト開発、プロジェクトマネジメント、営業・提案力を担う人材の育成強化を実施しており、現場で培った知見を組織的知識として共有し、次世代リーダーを継続的に輩出する仕組みを整備しています。また、働きやすい環境を整備するため、時差勤務や在宅勤務などの選択肢を提供し、離職率の低減にも取り組んでいます。多様性を価値とし、全ての社員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を提供することで、創造的でイノベーティブなソリューション提供力を強化しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 16.0%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 89.1%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 87.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 112.2%

多様性・登用


当該指標は、連結グループにおける主要な事業部を営む提出会社のものを記載しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 16.0%
女性労働者の採用人数 6名
男女の平均継続勤続年数の差 16%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本ラッドは、エンタープライズソリューション事業とIoTインテグレーション事業の二つの柱で、顧客の課題解決とビジネス変革を支援しています。情報サービス業として、幅広い分野でITソリューションを提供している会社です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、情報サービス業として、企業のIT投資ニーズに応えるソリューションを提供しています。主力は、各種システムの受託開発や導入コンサルティング、IoTを活用したソリューション開発です。収益モデルは、受託開発やソリューション提供による役務提供が中心であり、パッケージ製品やハードウェアの販売も行っています。特定の顧客への販売実績が一定の割合を占める傾向が見られます。

エンタープライズソリューション事業

この事業では、各種システムの受託開発や導入コンサルティング、業務アプリケーション、制御アプリケーション、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション開発支援を行っています。また、ビッグデータ解析の構築支援、パッケージ製品の自社開発、販売代理業務、海外製品のローカライズおよび国内販売、クラウドサービス事業も展開しています。収益は、主にソフトウェア開発やパッケージ製品の販売、保守サービスから得ています。

IoTインテグレーション事業

この事業では、IoTインテグレーションによるソリューション開発、ハードウェアを起点としたシステム製品の開発販売、組込み系システムの受託開発を行っています。さらに、映像関連機器システムの販売も手掛けています。収益は、IoTソリューションの開発やシステム製品の販売、組込み系システムの受託開発から得ています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
エンタープライズソリューション事業 - 23.9億円
IoTインテグレーション事業 - 17.4億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の期間との比較は行われていません。当連結会計年度の売上高は一定の規模を示しており、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益もそれぞれ利益を計上しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 - - - - 41.3億円
経常利益 - - - - 2.4億円
経常利益率 - - - - 5.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - - - 1.6億円
1株当たり当期純利益(円) - - - - 31.21

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較はできません。当連結会計年度における従業員1人あたりの売上高は一定の水準を示しており、従業員1人あたりの営業利益も利益を計上しています。これらの指標は、同社グループの事業活動における従業員一人ひとりの貢献度合いを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) - 13.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) - 0.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況です。財務基盤の安定性を保ちつつ、事業拡大のための投資を進めていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、強固な財務基盤を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は前期から減少している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 33.9億円 35.3億円
自己資本比率 - 71.3%
ROE(自己資本利益率) - 4.7%
現金及び預金 21.8億円 19.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっています。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少による収入、仕入債務の減少による支出によるものです。投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得や無形固定資産の取得に資金が使われています。

財務活動によるキャッシュフローもマイナスとなっており、社債の償還や配当金の支払いに資金が使われています。本業で得た資金を成長投資に充てている状況であり、将来に向けた事業拡大への意欲がうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF - 1.6億円
投資CF - △3.3億円
財務CF - △57百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) - △1.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、AI・クラウド技術をはじめとするICT技術の革新が激化する中で、技術優位性や価格優位性を失うリスクを認識しています。市場と顧客ニーズの変化に対応できない場合、競争力低下や受注減少により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、IT業界における価格競争の激化や顧客企業のIT投資動向の変動も、提供するシステムやサービスの販売価格低下につながり、業績に影響を与えるリスクとしています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、多様化する顧客ニーズに対応するため、適切な人材の確保と育成を重要課題と認識しています。人材が流動的な傾向がある中で、十分な人材を確保・育成できない場合、開発規模の縮小や受注の断念により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本ラッドグループは、先端テクノロジーを駆使して情報化社会の基盤を築き、経済の発展と豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。同社グループは「“人”で稼ぐから“アセット”で稼ぐ企業への構造変換」を基本方針に掲げ、持続的な成長を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日本ラッドグループは、先端テクノロジー(IoT、AI、DXプロダクト・プラットフォーム)を活用し、情報化社会の基盤構築を通じて経済の発展と活力ある豊かな社会の実現に貢献することを経営の基本方針としています。同社グループは、継続的な成長と高収益体質化を目指し、先端技術と高度人材への先行投資を継続する方針です。また、中期経営計画では「“人”で稼ぐから“アセット”で稼ぐ企業への構造変換」を基本方針に据えています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日本ラッドグループは、高コスト効率・高品質・高付加価値のトータルソリューションを提供し、創業以来「未知への挑戦」を志してきました。同社グループは、お客様との信頼維持とより良いサービス提供を基本とし、ステークホルダーと共に持続可能な成長と事業創出を目指しています。企業運営の健全性、迅速性、透明性の向上を重視し、コーポレートガバナンスと内部統制システムの強化に取り組んでいます。また、高度な技術力を持つ人材を最大の資産と捉え、継続的な教育と育成、多様性を尊重するダイバーシティとインクルージョンを推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日本ラッドグループは、人的要素とユニークな技術リソースの確保・高度化を重要な課題と捉えています。従来の労働集約型モデルから、蓄積したノウハウのプロダクト化とアセット型収益への転換を加速する方針です。生成AIの進化に対しては、同社グループの「現場力」とAIを組み合わせた差別化と横展開を推進しています。また、事業部ごとの最適化から全社的なコア技術化へ転換するため、Derevaを中核とするプロダクト・プラットフォーム戦略を進めています。事業変革を担う人材育成と組織基盤の再構築も重点テーマであり、人事制度の再構築とリスキリングを推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本ラッドは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。経営の監視機能強化のため社外取締役および社外監査役を選任し、任意機関として指名・報酬委員会を設置しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本ラッドの筆頭株主はADVANTECH CO., LTD.であり、同社グループと資本業務提携およびIoTインテグレーション事業での取引関係があります。代表取締役社長である大塚隆之氏も上位株主として名を連ねています。特定の事業会社と経営陣が主要な株主を構成していることが特徴です。

株主名 持株比率
ADVANTECH CO., LTD.(常任代理人 大和証券 決済部) 16.09%
大 塚 隆 之 14.29%
阿 久 津 裕 7.23%


なお、発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は大塚隆之氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
大 塚 隆 之 代表取締役 社長 Harrison Lovegrove & Co., Ltd.、マカフィー、EMCジャパンを経て、2018年に同社入社。執行役員、取締役を経て、2023年6月より同社代表取締役社長。
須 澤 通 雅 取締役 最高技術責任者 東燃、ザクソングループ、エルゴ・ブレイングループ、グリッド・ソリューションズを経て、2009年に同社入社。取締役、代表取締役社長を歴任し、2023年6月より同社取締役最高技術責任者。
埜 口  晃 取締役 エンタープライズソリューション本部長 1989年に同社入社後、オープンシステム事業部長、第一ソリューション事業部長、執行役員を歴任。2018年6月より同社取締役エンタープライズソリューション本部長。


社外取締役は、松田章良氏(岩田合同法律事務所弁護士・日本DPO協会顧問)、劉蔚廷氏(Advantech Co., Ltd.取締役・Advantech Corporate Investment Co., Ltd.取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。社外取締役および社外監査役を選任することで、経営の監視機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本ラッドの役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬としての賞与、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役は基本報酬と譲渡制限付株式報酬、監査役は基本報酬のみが支給されます。賞与は経常利益等の目標達成度と取締役個人別ミッション達成度を総合的に勘案して算定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 65百万円 16.3百万円
社外役員 6名 8百万円 1.4百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。業績連動報酬の額は、当事業年度における役員賞与引当金繰入額です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。