【平均年収378万円】クリップコーポレーション 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収378万円】クリップコーポレーション 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

クリップコーポレーションは、教育、スポーツ、飲食、生涯教育など多岐にわたる事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は200名規模です。直近期は売上高が減少し、営業損失、経常損失、純損失を計上しました。


目次

※本記事は、株式会社クリップコーポレーション の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


クリップコーポレーションは、教育事業、スポーツ事業、飲食事業(弁当宅配)、生涯教育事業など多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは、連結子会社6社、非連結子会社1社、関連会社1社で構成されています。

単体従業員数は113名、連結従業員数は200名です。同社グループのセグメントは、教育事業、スポーツ事業、飲食事業、生涯教育事業、その他の5つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)螢雪ゼミナール(教育事業・生涯教育事業)、(連結子会社)アクシス(教育事業)、(連結子会社)日本体験センター(生涯教育事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社クリップコーポレーションは、事業成長を支える人材の採用と育成を重視し、従業員一人ひとりの自己実現を支援する環境づくりに取り組んでいます。公正な評価と処遇を通じて、主体的な挑戦と成長を促す働き方を推進している点が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数は7.7年、平均年齢は37.0歳となっており、比較的若年層から中堅層まで幅広い年代の従業員が活躍している様子がうかがえます。人材の定着については、一定の期間勤続する従業員が多い傾向にあると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 3,782,176円
平均勤続年数 7.7年
平均年齢 37.0歳
単体従業員数 113人
連結従業員数 200人
単体のグループ内比率 56.5%


同社グループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型の退職給付制度を採用しています。この制度は同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度も設けており、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
なお、2026年3月期末時点の退職給付債務は1.5億円、年金資産は52百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、持続的な企業価値向上に向け、人材採用と育成を重要な経営基盤と位置付けています。従業員一人ひとりが能力を最大限発揮し、新規事業に挑戦できる組織の構築が不可欠であると考えています。

従業員の役割と成果に応じた公正な評価と処遇の実現を基本方針とし、2026年3月期より人事評価制度の再構築を進めています。この制度は多面的な評価を通じて、職務や役割を踏まえた処遇を行い、従業員の主体的な挑戦と成長を促すことを目的としています。非正規雇用者に対する処遇改善も今後の重要な課題と認識し、公平性や納得感のある職場環境整備に向けた検討を進めています。

多様な経験機会の提供を通じて従業員の能力開発を図り、幅広い領域で活躍できる人材の育成を推進しています。「企業は、そこに参加する社員一人ひとりの自己実現の場である」という考えに基づき、従業員エンゲージメントの向上にも取り組んでいます。サービス提供の主体である人材を育成し、社員一人ひとりの自己実現を支援する人材育成方針を掲げています。経営理念を共有できる有能な人材確保のため、新卒採用及び中途採用も積極的に行い、多様性のある組織集団を目指しています。年齢、性別、国籍に関係なく、全ての従業員が能力を発揮し活躍できる職場環境の構築を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

多様性・登用


提出会社単体の2026年3月期実績です。

指標 数値
役員のうち女性の比率 10.0%
従業員のうち女性の比率 20.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


クリップコーポレーションは、教育事業を主軸に、スポーツ事業、飲食事業、生涯教育事業など多角的な事業を展開しています。同社グループは「体験と学習」の実践の場を提供し、幅広いサービスを通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、教育事業、スポーツ事業、飲食事業、生涯教育事業、その他の事業セグメントから構成されています。各事業は、それぞれの分野で顧客にサービスを提供し、収益を得ています。

教育事業

小・中学生および高校生を対象とした学習塾を運営しています。収益は主に月謝売上や講習売上、その他売上から得ています。子会社である株式会社螢雪ゼミナール、有限会社アクシス(稲門塾)、株式会社セア教育研究所(星伸スクール)が運営を担っています。前期と比較して売上高は減少しています。

スポーツ事業

幼児・小学生を対象としたサッカー教室を運営しています。収益は月謝売上やその他売上から得ています。前期と比較して売上高は減少しています。

飲食事業

添加物・保存料を使用しない弁当の宅配事業を展開しています。収益はその他売上から得ています。前期と比較して売上高は減少しています。

生涯教育事業

就労継続支援事業、ボイストレーニング教室、韓国語教室などを実施しています。収益は月謝売上やその他売上から得ています。前期と比較して売上高は増加しています。

その他の事業セグメント

バスケット教室事業、農業事業、不動産事業などを行っています。収益はその他売上から得ています。前期と比較して売上高は減少しています。

同社グループの収益モデルは、月謝や講習費といった継続的なサービス提供によるものが中心となっています。特定の顧客への収益集中に関する記載はありません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
教育事業 23.4億円 22.6億円
スポーツ事業 2.9億円 2.4億円
その他の事業セグメント 2.0億円 1.4億円
飲食事業 1.5億円 1.3億円
生涯教育事業 58百万円 1.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期の売上高は変動が見られ、直近の当期は減少に転じています。経常利益は過去4期連続で減少しており、当期は経常損失を計上しました。親会社株主に帰属する当期純利益も直近2期は損失が続いています。

当期は営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。営業活動によるキャッシュ・フローは当期も減少となりました。経営成績の分析では、売上高の減少と利益面での損失が主な要因として挙げられています。同社グループは、利益回復のため、学習塾の新規教室設立やサッカースクールの新規開校、コストの適正化に努める方針を示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 32.1億円 29.3億円 30.4億円 30.4億円 28.8億円
経常利益 3.2億円 1.8億円 60百万円 43百万円 △5百万円
経常利益率 10.0% 6.3% 2.0% 1.4% △0.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.2億円 1.1億円 88百万円 △75百万円 △87百万円
1株当たり当期純利益(円) 59.10 29.07 23.89 △20.90 △24.03

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期のわずかな利益から当期は損失に転じました。これらの指標は、同社グループの生産性が前期と比較して低下していることを示しています。

経営成績の分析では、売上高の減少と利益面での損失が主な要因として挙げられています。従業員1人あたりの稼ぐ力は、企業の収益体質や将来の給与水準の持続性にも影響を与えるため、今後の改善が注目されます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 16.3百万円 14.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.0百万円 △0.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動における資金の動きや自己資本の状況から、現在の経営状態を把握することができます。これらの情報から、同社グループがどのような財務基盤を持ち、将来に向けてどのような状況にあるかを確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は87.1%となっており、非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)は△1.8%とマイナスであり、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は28.4億円となっています。これらの状況は、同社グループの財務の安定性や収益性に関する現状を示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 48.0億円 47.4億円
自己資本比率 87.6% 87.1%
ROE(自己資本利益率) △1.5% △1.8%
現金及び預金 30.0億円 28.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは△1百万円とマイナスであり、本業の活動による資金の減少を示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは4百万円の増加となっており、これは主に定期預金の預入と払戻、および有形固定資産の取得によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは△1億72百万円の減少となっており、配当金の支払いなどが主な要因です。フリーキャッシュ・フローは3百万円のプラスであり、事業活動と投資活動を合わせた資金は余剰となっています。この状況は、同社グループが事業活動からの資金創出に課題を抱えつつも、投資活動の調整により手元資金を確保している状態を示しており、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を見極める上で注目すべき点です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △95百万円 △1百万円
投資CF △50百万円 4百万円
財務CF △1億29百万円 △1億72百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △1億45百万円 3百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主要事業である教育事業とスポーツ事業は、長期的には少子化の影響を受ける可能性があります。また、営業地域における同業他社の進出や雇用状況の悪化により、生徒数の減少が生じるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


クリップコーポレーションは、「自ら考え、自ら決断し、自ら行動する人づくりに貢献しよう」という創業当初からのビジョンを掲げ、教育事業を中心に多角的な事業を展開しています。社会性と収益性を両立させながら、持続的な成長と社会貢献を目指す企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


創業当初からのビジョンとして「自ら考え、自ら決断し、自ら行動する人づくりに貢献しよう」を掲げています。

同社グループの使命は、収益性、社会性、教育性の三つであると考えています。

企業規模の拡大・発展に伴い社会的な責任が大きくなることを認識し、社会的信用と知名度の向上、優秀な人材の確保と従業員のモラル向上、財務体質の安定と強化を通じて発展していくことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「企業は、そこに参加する社員一人ひとりの自己実現の場である」という考え方を人材育成方針の基本としています。

一人ひとりがやりがいを持って働き、それぞれの個性と能力を最大限に発揮して成長し続けることを目指す企業風土です。

経営理念を共有できる有能な人材確保のため、新卒採用及び中途採用を積極的に行い、多様性のある組織集団を目指しています。

年齢、性別、国籍に関わらず、全ての従業員が能力を発揮し活躍できる職場環境の構築を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、企業規模の拡大に伴い社会的な責任が大きくなることを認識し、優秀な人材の確保と従業員のモラル向上を課題としています。

持続的な事業継続のため、気候変動によるリスクや事業を定期的に検討し、グループ全体でリスク低減活動を推進しています。

会員ビジネスを中核とする同社グループは、顧客の信頼・信用を得て成長を続けるため、営業力とサービス力の継続的な強化と時代に合った戦略が必要であると認識しています。

また、長期にわたる不採算部門である飲食事業部門の今後のあり方を検討しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


クリップコーポレーションは、素早い情報管理と意思決定を最大目標とし、少数精鋭による管理体制を重視しています。同社は監査役会制度を採用しており、取締役会が業務執行の監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


クリップコーポレーションの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である平和堂です。また、日本駐車場開発や十六銀行といった事業会社や金融機関が上位に名を連ねています。創業家とみられる個人株主も複数、上位株主として名を連ねていることが特徴です。

株主名 持株比率
平和堂 27.32%
日本駐車場開発 12.39%
十六銀行 3.91%
井 上 信 氏 3.28%
井 上 紀 美 2.94%


なお、日本駐車場開発は主要株主となりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


クリップコーポレーションの役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役会長は井上憲氏、代表取締役社長は井上信氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
井 上 憲 氏 代表取締役会長 1980年10月 平和堂設立、代表取締役就任。1982年1月 同社入社、代表取締役就任。2022年6月 代表取締役会長就任より現職。
井 上 信 氏 代表取締役社長 2006年5月 平和堂取締役就任。2021年10月 同社入社、社長室長就任。2024年6月 代表取締役社長就任より現職。
岡 田 高 志 代表取締役常務 1992年8月 同社入社。2020年6月 取締役管理部マネージャー就任。2024年6月 代表取締役常務就任より現職。
井 上 壽美子 取締役新規事業部マネージャー 1989年5月 同社入社、取締役新規事業部マネージャー就任より現職。
橋 本 学 取締役相談役 1983年5月 同社入社。2020年6月 取締役相談役就任より現職。
三 輪 智 明 取締役 1989年4月 同社入社。2024年6月 取締役就任より現職。
岸 剛 史 取締役 2008年1月 岸保産業株式会社入社。2010年2月 同社代表取締役就任。2017年6月 同社取締役就任より現職。


社外取締役は、岸剛史氏(岸保産業代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社です。経営の意思決定機能と業務執行の管理監督機能を持つ取締役会に対し、監査役3名中2名を社外監査役とすることで経営への監視機能を強化しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


クリップコーポレーションの役員報酬は、経営組織を肥大化させない方針に基づいています。報酬は固定報酬と賞与で構成されており、個々の報酬額は代表取締役が各期の業績や役員の業務内容、資質、経験等を総合的に勘案して決定しています。監査役の報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内で、監査役の協議により決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 73百万円 14.6百万円
監査役(社外除く) 1名 4百万円 4.0百万円
社外役員 3名 3百万円 1.0百万円


なお、取締役のうち1名については、上記報酬等の総額に含まれていない同社子会社からの役員報酬として総額7百万円が支給されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。