※本記事は、セントラルスポーツ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
セントラルスポーツは、スポーツクラブの経営およびその関連事業を展開しています。同社グループは、セントラルスイムクラブやセントラルフィットネスクラブなどの会員制スポーツクラブを全国で運営しています。
単体従業員数は791名、連結従業員数は890名です。同社グループのセグメントはスポーツクラブ経営事業の単一です。
セントラルスポーツは、会員制スポーツクラブ経営を主たる業務とし、全国で直営187店舗、業務受託70店舗の合計257店舗を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
セントラルスポーツは、スポーツクラブ経営を主軸とする同社グループにおいて、従業員の健康と成長を重視する企業文化を築いています。人材育成や働きやすい環境整備に力を入れ、従業員が長く活躍できるような制度を整えている傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていることがうかがえます。平均勤続年数や平均年齢から、幅広い年代の従業員が活躍している様子が示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,771,297円 |
| 平均勤続年数 | 17.0年 |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 単体従業員数 | 791人 |
| 連結従業員数 | 890人 |
| 単体のグループ内比率 | 88.9% |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度を有しています。国内グループ会社を対象とした制度です。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「0歳から一生涯の健康づくりに貢献する」という経営理念の達成において、従業員を最大の経営資源と位置づけ、「人的資本経営」を推進しています。変化に迅速に対応し、自ら変革を牽引できる人材の育成に注力しており、特に次世代リーダーの育成(サクセッションプランの実行)のために、自律的にキャリアを形成できる教育プログラムを展開しています。
従業員の給与等は、持続的な企業価値向上への貢献度と個人の能力・成果を公正に評価し、報いることを基本方針としています。具体的には、期初に設定した個人目標を評価する「業務考課」と職務ごとの役割と行動を評価する「勤務考課」、そして「業績考課」の3軸からなる人事考課制度を導入しており、この考課結果に基づき、基本給および賞与の支給額を決定しています。
また、従業員が最大限に能力を発揮できるよう、心身ともに健康で、多様なライフスタイルを尊重し合える環境が不可欠であると考えています。心身の健康保持・増進を経営的視点から捉え、「健康経営」を戦略的に推進しています。仕事と育児・介護の両立支援や、長時間労働の是正、有給休暇の他にキャリアアップを後押しする休暇制度の検討など、エンゲージメントの高い組織風土の醸成を目指しています。教育訓練システムを「ビジネスアスリートシステム」と総称し、新規採用から3段階に分けた教育訓練を基本に、専門的な技術指導の研修を通年で開催しています。1985年からは海外研修プログラムを実施し、2019年には管理職に必要な知識・能力の習得を目指す企業内大学「セントラル大学・大学院」を新設しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。賃金の額は性別に関係なく同一の基準を適用していますが、人数、社員資格、在籍年数の違い等により男女間での差が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 7.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 70.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 86.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 96.6% |
人材育成
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 次世代リーダー研修の修了者数 | 26名 |
| セントラル大学修了者数 | 14名 |
| セントラル大学院修了者数 | 12名 |
健康・環境
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員のエンゲージメントスコア | 54.1 |
| ストレスチェック受検率 | 92.6% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
セントラルスポーツは、スポーツクラブの経営とその関連事業を展開し、幅広い世代の健康づくりに貢献している企業です。顧客満足度向上と安定した施設運営に注力しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
セントラルスポーツグループは、スポーツクラブの経営およびその関連事業を営んでいます。経営理念として「0歳から一生涯の健康づくりに貢献する」を掲げ、「理想とするウェルネスカンパニー」の実現を目指しています。接客力、指導力、施設美化の強化に努め、安心・安全で快適な施設運営に取り組んでいます。
既存店の施設リニューアルを進めるとともに、新規会員の獲得、既存会員の継続率向上および退会防止に注力しています。また、元競泳日本代表ヘッドコーチによる選手コースの巡回指導や、オリジナルのボディコンテスト、フィットネス・ライブイベント等の各種スポーツ・エンターテインメントイベントを積極的に実施し、顧客満足度の向上に努めています。
同社グループはスポーツクラブ経営事業の単一セグメントであり、当連結会計年度末の店舗数は、直営店187店舗、業務受託店70店舗、合計257店舗となっています。収益は主にフィットネス部門、スクール部門、業務受託部門、プロショップ部門、その他から得ています。フィットネス部門が最も大きな収益源であり、前期に比べて収益を増やしています。業務受託部門も前期から大きく収益を伸ばしており、スクール部門とプロショップ部門も前期から収益を増やしています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益は変動が見られますが、当期は前期から大きく増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当期は前期から減少しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に前期から増加しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 403億円 | 436億円 | 454億円 | 466億円 | 489億円 |
| 経常利益 | 25.9億円 | 13.5億円 | 21.8億円 | 15.2億円 | 22.6億円 |
| 経常利益率 | 6.4% | 3.1% | 4.8% | 3.3% | 4.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 15.4億円 | 7.9億円 | 11.6億円 | 13.6億円 | 12.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 137.52 | 70.86 | 103.62 | 121.37 | 114.70 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当期に前期から増加しています。従業員1人あたり営業利益(連結)も、当期に前期から増加しており、生産性の向上がうかがえます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や事業活動の拡大が寄与していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 49.9百万円 | 54.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.1百万円 | 3.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、その資金を投資に充てながらも、自由に使える資金を確保している状況です。財務基盤の安定性と成長への投資が見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の状況から安定していることが示されています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、財務の健全性がうかがえます。手元資金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性があると考えられます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 258億円 | 266億円 |
| 自己資本比率 | 62.8% | 62.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.4% | 4.9% |
| 現金及び預金 | 53.8億円 | 63.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定した資金を生み出している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは前期から増加し、税金等調整前当期純利益や減価償却費が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があるものの、前期に比べて支出が減少しました。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは前期から大幅に増加し、プラスを維持しています。これは、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を確保できている状態であり、財務的な安定性や将来の成長に向けた余力があることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 20.6億円 | 34.7億円 |
| 投資CF | △19.5億円 | △15.4億円 |
| 財務CF | △22.0億円 | △9.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.1億円 | 19.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、スポーツクラブ運営において、労務費や賃借料などの固定費負担が大きい収益構造を持っています。市場環境の変化や競合クラブの出店により集客に苦戦した場合、収益確保に時間がかかる可能性があります。また、物価高騰や個人の可処分所得の増減など、景気の変動が業績に影響を与える可能性も示されています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
セントラルスポーツは、人々の健康と幸福を追求し、社会貢献を目指す企業です。すべての世代が笑顔で暮らせるウェルネス社会の実現をビジョンに掲げ、事業を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は『0歳から一生涯の健康づくりに貢献する』です。この理念のもと、すべての世代の方々の健康に寄与できるようサービスの提供を行っています。
「理想とするウェルネスカンパニーへ」の実現を目指し、安心・安全で快適な施設運営に努めています。誰もが笑顔で暮らせるウェルネス社会の実現を目標に、新たな分野での事業創出や社会課題の解決に資するサービスの提供に取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、『0歳から一生涯の健康づくりに貢献する』という経営理念を掲げています。「理想とするウェルネスカンパニーへ」の実現に向け、接客力、指導力、施設美化の強化に注力しています。
サステナビリティ経営に取り組み、「誰もが笑顔で暮らせるウェルネス社会の実現」を目指しています。代表取締役社長を最高健康責任者(CWO)とし、健康経営を推進する体制を構築しています。
従業員の幸せ(満足度向上)が顧客満足度向上と企業収益向上につながる「サービスプロフィットチェーン」の概念を重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、エネルギー価格や各種原材料費の上昇、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加など、コスト上昇への対応を課題としています。健康意識の高まりや運動習慣への関心の拡大を背景に、スポーツクラブ経営事業の収益力向上を期待しています。
各種スポーツ・エンターテインメント事業やツーリズム事業、オンラインサービスのさらなる拡充を進める方針です。地域・教育分野との連携による事業展開など、新たな価値創造による収益機会の拡大を見込んでいます。
『0歳から一生涯の健康づくりに貢献する』という経営理念のもと、新たな分野での事業創出および社会課題の解決に資するサービスの提供に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
セントラルスポーツは監査等委員会設置会社として、取締役会による監督機能の強化と牽制機能の充実を図っています。経営の透明性を高め、株主価値の向上を目指す体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
セントラルスポーツの株主構成を見ると、筆頭株主はセントラルトラストであり、同社の代表取締役会長および代表取締役社長が同社の役員を兼務しています。また、代表取締役会長の後藤忠治氏と代表取締役社長の後藤聖治氏も上位株主として名を連ねています。このように、創業家およびその関連会社が主要な株主として同社を支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| セントラルトラスト | 30.71% |
| 後藤 忠治 | 5.34% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 5.29% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員は後藤聖治氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 後藤 聖治 | 取締役社長 執行役員 (代表取締役) | 1995年4月三菱商事㈱入社、1998年4月セントラルトラスト㈱取締役就任、1999年5月同社入社、2022年6月同社代表取締役社長就任、2024年4月同社代表取締役社長執行役員就任より現職。 |
| 後藤 忠治 | 取締役会長 (代表取締役) | 1964年4月㈱大丸入社、1969年12月セントラルスポーツクラブ創業、1981年5月同社代表取締役社長就任、1987年10月セントラルトラスト㈱代表取締役社長就任、2014年4月同社代表取締役会長就任より現職。 |
| 松田 友治 | 取締役 常務執行役員 | 1983年11月同社入社、2012年4月同社執行役員、2015年6月同社取締役就任、2019年4月同社常務取締役就任、2022年6月同社取締役常務執行役員就任より現職。 |
| 鶴田 一彦 | 取締役 執行役員 | 2003年6月同社入社、2006年6月同社執行役員、2019年6月同社取締役就任、2022年6月同社取締役執行役員就任より現職。 |
社外取締役は、岩﨑厚宏氏(㈲岩崎経営研究所代表取締役・監査等委員)、原田睦巳氏(順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科教授・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役2名が経営からの独立性を確保し、取締役の職務執行を監査・監督しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
セントラルスポーツの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。報酬は固定報酬である基本報酬と業績連動報酬で構成され、業績連動報酬の指標には売上高および経常利益が用いられています。監査等委員である社外取締役に対しては、その職務を考慮し基本報酬のみが支払われる仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.6億円 | 32.0百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 13百万円 | 13.0百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 3百万円 | 1.5百万円 |
なお、取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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