※本記事は、株式会社Def consulting の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Def consultingは、コンサルティング事業とデジタル資産トレジャリー事業を主軸としています。全国の中堅・中小企業や国内大手企業に経営コンサルティングを提供し、デジタル資産の保有・管理も行っています。
同社の単体従業員数は195名です。事業セグメントはコンサルティング事業とデジタル資産トレジャリー事業の2つです。
Def consultingは、全国の中堅・中小企業や国内大手企業向けにハンズオン型の経営コンサルティングサービスを提供しています。また、イーサリアム(ETH)を中心としたデジタル資産の保有・管理を行うデジタル資産トレジャリー事業も展開しています。
Def consultingは当事業年度より、イーサリアム(ETH)を中心としたデジタル資産トレジャリー事業を新たに開始しました。これにより、報告セグメントを従来の単一セグメントから2区分へと変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社Def consultingは、「デジタル資産×コンサルティング」という独自のハイブリッド型ビジネスモデルを推進しており、その価値創造の源泉を「人的資本」と定義しています。多様な視点と価値観を持つ従業員の存在が持続的な成長につながると考え、多様性の確保と相互尊重に満ちた組織づくりを進めています。従業員が自らの能力開発とスキルアップに積極的に取り組める環境整備にも力を入れている会社です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が比較的若く、勤続年数も短い傾向が見られます。これは、新しい人材を積極的に採用し、成長を促す企業文化があることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,082,000円 |
| 平均勤続年数 | 1.7年 |
| 平均年齢 | 28.2歳 |
| 単体従業員数 | 195人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、顧客価値を最大化する「事業戦略」と、人的資本価値を最大化する「組織戦略」を経営の両輪と捉え、持続的な企業価値向上を目指しています。人材戦略の基本方針として、人的資本への投資リターンを「生産性の向上」と定義し、得られた成果を従業員へ適切に還元することを重視しています。単なる待遇改善に留まらず、各事業の成長段階と生産性の向上度合に連動した報酬体系を構築しています。
特に中核事業であるコンサルティング事業では、深刻なIT人材不足を成長機会と捉え、独自の「ITエンジニア創出プラットフォーム」を構築しています。ポテンシャル層を積極的に採用し、独自の集中研修プログラムを通じて短期間で高付加価値なエンジニアへと育成するサイクルを確立しています。採用・育成・人事制度・企業風土の4領域へ重点的に投資することで、従業員のエンゲージメントを高め、個人の成長が組織の生産性向上に直結する仕組みを強化しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Def consultingは、コンサルティング事業とデジタル資産トレジャリー事業の二つの報告セグメントでビジネスを展開しています。当事業年度よりデジタル資産トレジャリー事業を新たに開始し、従来のコンサルティング事業と合わせて成長の両輪とする経営方針へと移行しました。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、全国の中堅・中小企業から国内大手企業までを対象に、幅広い経営課題に対するコンサルティングサービスを提供しています。特にITエンジニアリング領域を主力とし、顧客企業のDX推進やシステム開発を直接支援しています。また、イーサリアムを中心としたデジタル資産の保有・管理・運用を通じて、新たな収益源の構築も進めています。
コンサルティング事業
全国の中堅・中小企業及び国内大手企業に対し、事業戦略の立案から内部統制構築まで、経営課題全般に対するハンズオン型の経営コンサルティングサービスを提供しています。主力のITエンジニアリング領域では、独自の育成体制を基盤とした常駐型技術支援やITソリューションを総合的に提供しています。
収益は、ITエンジニア創出プラットフォームを通じた「採用・育成・常駐支援」のサイクルにより、安定的なストック型収益基盤から得ています。
デジタル資産トレジャリー事業
イーサリアム(ETH)を中心としたデジタル資産(暗号資産)を保有・管理し、企業のバランスシートを活用した次世代のトレジャリー(財務・資金管理)戦略を推進しています。具体的には、調達資金を用いた暗号資産の取得及び安全な保管・管理、保有資産を活用したステーキングや分散型金融(DeFi)等の運用によるインカムゲインの獲得を行っています。
収益は、デジタル資産の運用によるインカムゲインの獲得等から得ています。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外比率は存在しません。また、当事業年度においてはINTLOOP株式会社への販売実績が全体の13.9%を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| コンサルティング事業 | - | 8.2億円 |
| デジタル資産トレジャリー事業 | - | 37百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度における同社の売上高は、コンサルティング事業の順調な拡大とデジタル資産トレジャリー事業の寄与により、大きく増加しています。営業損失は前期と比較して損失幅が縮小する傾向にあります。
一方で、経常損失と当期純損失は前期よりも拡大しています。これは主に、デジタル資産トレジャリー事業において保有するイーサリアムの期末時点の市場価格に基づく会計上の評価損が計上されたことによるものです。この評価損は資金流出を伴わない会計上の損失であり、本業における営業キャッシュ・フロー創出能力は翌事業年度に向けて確実に向上していると説明されています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の単体従業員数は195名であり、前期から53名増加しています。これは業容の拡大に伴う期中採用の増加によるものです。平均年齢は28.2歳、平均勤続年数は1.7年となっています。平均年間給与は4,082千円であり、前期から減少しています。
従業員1人あたりの売上高や当期純利益といった生産性を示す数値は、開示されていません。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
Def consultingは、新規事業の立ち上げと既存事業の拡大に向けた積極的な投資フェーズにあります。財務基盤は強化されつつありますが、先行投資に伴うキャッシュフローの変動が見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
Def consultingの財務基盤は、当事業年度末に大きく拡充されました。自己資本比率はプライム市場の平均と比較しても非常に高い水準にあり、強固な財務体質を構築しています。一方で、デジタル資産トレジャリー事業における暗号資産の評価損計上により、ROEはマイナスとなっています。手元資金は増加しており、今後の事業展開を支える基盤が整えられています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 71.8% | 93.6% |
| ROE(自己資本利益率) | -138.6% | -89.3% |
| 現金及び預金等 | 1.8億円 | 4.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当事業年度における営業活動によるキャッシュフローは、コンサルティング事業の収益基盤拡大に向けた先行投資やデジタル資産トレジャリー事業推進に伴う資産構成の変化により、減少となりました。投資活動によるキャッシュフローは、デジタル資産トレジャリー事業の本格稼働に伴うイーサリアムの取得支出により、大幅な減少となっています。財務活動によるキャッシュフローは、新株予約権の行使による株式の発行により、大きく増加しました。
これらの資金の流れは、同社が新規事業の立ち上げと既存事業の成長に向けた積極的な投資と資金調達を行っている成長フェーズにあることを示しています。本業の収益基盤は向上していると説明されており、将来の収益拡大に向けた戦略的な資金投下が進められています。このため、中長期的な成長機会は期待できますが、先行投資フェーズであることから、短期的なキャッシュフローの安定性には変動が見られる可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △4.4億円 | △6.5億円 |
| 投資CF | △0.3億円 | △33.1億円 |
| 財務CF | 0億円 | 42.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.7億円 | △39.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、日本国内の経済動向に大きく影響を受けるため、景気変動によりクライアントが事業投資やIT投資を抑制した場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、デジタル資産トレジャリー事業において暗号資産を保有・運用する方針を採っており、暗号資産市場の価格変動が極めて大きいため、想定を超える価格下落があった場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後のコンサルティング事業を支える優秀なITコンサルタント及びITエンジニアの積極的な採用が重要であると認識しています。高度専門人材の獲得競争が激化する採用マーケットにおいて、採用及び育成が計画どおりに進まない場合や優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、サービスレベルの低下をもたらし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Def consultingは、「世界中のどんな企業でも気軽にコンサルティングを活用できる新しい世界を創出する」というパーパスを掲げ、独自のハイブリッド型ビジネスモデルを推進しています。顧客の成功とハイクオリティーなサービス提供を重視する企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
Def consultingは、「世界中のどんな企業でも気軽にコンサルティングを活用できる新しい世界を創出する」というパーパス(存在意義)を掲げています。このパーパスの実現に向け、同社は「コンサルティング事業」と「デジタル資産トレジャリー事業」の2つの軸を持つ独自のハイブリッド型ビジネスモデルを推進しています。
実業による安定的な収益基盤とデジタル資産による成長ポテンシャルを高度に融合させることで、中長期的な株主価値の最大化と持続的な企業成長を図ることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
Def consultingは、パーパス実現のための行動指針として、「すべては顧客の成功のために」と「ハイクオリティーなサービスを提供する」という2つのコアバリューを定めています。同社は持続的な成長のため、多様な視点と価値観を持つ従業員の存在を重視し、多様性の確保と相互尊重に満ちた組織づくりを進めています。
従業員の採用や人事登用においては、性別や人種だけでなく、年齢、性格、学歴、価値観などを個々の個性として尊重し、幅広い人材を受け入れる方針です。多様な個性を企業の財産とし、それぞれの能力を最大限に活かすことで、企業と従業員双方のさらなる発展へと繋げていくことを目指しています。
また、従業員のエンゲージメントが高まる働きやすい環境整備や、自らの能力開発とスキルアップに積極的に取り組める環境づくりにも注力しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
Def consultingは、持続的な成長に向けた優先課題として、優秀な人材の採用と育成を挙げています。ITコンサルタントやITエンジニアの確保を最優先課題と認識し、人材紹介エージェントとの連携強化や自社採用チャネルの拡充を進めています。
さらに、福利厚生の充実や教育体制の整備を推進することで、個々のスキルアップと長期安定雇用を両立させ、付加価値の高いサービスを提供できる体制の構築を目指しています。また、企業ブランド力及び認知度の向上も重点テーマの一つであり、広報活動の強化を通じて市場における同社の認知度を高め、持続的な成長を支える基盤を強化していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Def consultingは、取締役会と監査等委員会を設置し、社外取締役が経営の妥当性や公正性を監督する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
Def consultingの株主構成を見ると、筆頭株主はGP上場企業出資D投資事業有限責任組合であり、機関投資家が上位に位置しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| GP上場企業出資D投資事業有限責任組合 | 21.70% |
| 楽天証券共有口 | 8.33% |
| SBI証券 | 1.99% |
| 有限会社日本デザイン研究所 | 1.65% |
| 砂山 僚介 | 1.45% |
なお、前事業年度末において主要株主であったThe capitalは、2026年2月13日付で主要株主に該当しなくなっています。また、主要株主であったEvo Fundは当事業年度末においては主要株主に該当しないこととなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は下村 優太氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 下村 優太 | 代表取締役社長 | 2008年4月 株式会社三井住友銀行入行。2021年6月 同社入社 経営企画部長就任。2023年3月 同社 代表取締役社長就任より現職。 |
| 上之園 圭介 | 取締役 | 2007年4月 株式会社ソリッドグループホールディングス入社。2021年6月 同社入社 社長室室長就任。2023年3月 同社 取締役就任より現職。 |
社外取締役は、神庭 雅俊氏(銀座中央総合法律事務所入所)、久保 惠一氏(公認会計士久保惠一事務所開設)、長田 忠千代氏(T&Aマネジメント代表取締役)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は取締役5名(うち監査等委員である社外取締役3名)で構成されています。監査等委員会は監査等委員である取締役3名(うち監査等委員である社外取締役3名)で構成され、経営の監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
Def consultingの取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、基本報酬とストック・オプションとしての新株予約権を組み合わせた体系です。基本報酬は月例の固定報酬として、役職や職責、在任年数、他社水準、同社の業績、従業員給与水準を総合的に考慮して決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 36百万円 | 18.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 11百万円 | 2.7百万円 |
なお、取締役の支給額には使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。また、社外役員に対する報酬額には、2025年11月30日をもって辞任により退任した社外役員1名の報酬額が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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