※本記事は、株式会社ドリームインキュベータ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ドリームインキュベータは、「社会を変える 事業を創る。」をミッションに掲げ、事業創造支援や成長戦略立案支援を行うビジネスプロデュース事業を展開しています。また、スタートアップ企業等への投資育成を行うインキュベーション事業も手掛けています。
同社の単体従業員数は198名、連結従業員数は222名です。報告セグメントは、ビジネスプロデュースセグメントとベンチャー投資セグメントの2つです。
主な国内グループ会社は、DIソーシャルインパクトキャピタル、Next Riseソーシャルインパクト推進機構、Next Rise ソーシャル・インパクト・ファンド投資事業有限責任組合、DI投資などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ドリームインキュベータは、事業創造をミッションとするプロフェッショナル集団であり、その給与水準や働き方には専門性の高さが反映されています。若手から経験豊富な人材までが活躍できる環境が整備されており、挑戦を重んじる文化が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若年層の従業員が多く、平均勤続年数は短めの傾向にあります。これは、多様なバックグラウンドを持つ人材がキャリアを形成し、成長していく環境を示していると言えます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 12,208,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.76年 |
| 平均年齢 | 34.61歳 |
| 単体従業員数 | 198人 |
| 連結従業員数 | 222人 |
| 単体のグループ内比率 | 89.2% |
ドリームインキュベータは、キャッシュ・バランス・プラン型の確定給付企業年金制度を採用しています。この制度は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる仕組みです。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ドリームインキュベータは「社会を変える 事業を創る。」をミッションとし、その実現のために「ビジネスプロデューサー(BP)」人材の育成を最優先事項としています。ミッション・ビジョン・バリューを体現し、「枠を超えて」行動できる人材を価値創造の源泉と位置づけています。そのため、女性や外国人、コンサルタント以外の経歴を持つ多様な人材の積極採用を通じて、組織としての多様性確保にも取り組んでいます。
給与は「ビジネスプロデューサーとして創出した成果」を評価軸とした成果連動型の報酬体系を採用しています。職位に基づく期待役割、成果に加えて、組織貢献やマインドセット水準も評価項目としています。コンサルティング業界における市場競争力のある水準を継続的に検証し、優秀な人材の採用・定着を可能にする処遇水準を維持することを方針としています。
具体的には、職位・職種に応じた等級制度に基づき、職責の大きさと成果に連動した基本報酬を設定しています。賞与は年次評価(個人の評価、組織貢献活動等)と会社業績を踏まえて決定され、市場データや採用競合環境の変化を踏まえて定期的に報酬水準の見直しを実施しています。また、年数回の評価・レビュー会議で昇格機会を設け、性別・国籍・年齢等による差別のない、成果に基づく公正な処遇の実現を基本原則としています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 16.7% |
| 男性育児休業取得率 | 85.7% |
DE&Iの推進
当社単体(東京本社)における外国人比率は現状1.0%ですが、本社メンバーとともにグローバルプロジェクトに携わっている外国人スタッフは、ベトナム拠点に13名、インド拠点に9名おります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性比率 | 30.2% |
| 女性管理職比率 | 16.7% |
| 中途採用比率 | 76.1% |
| 中途採用管理職比率 | 90.9% |
| 外国籍比率 | 1.0% |
エンゲージメント
2025年3月期より、スコア算出ツールを変更しております。なお、2026年5月時点の他社を含むツール活用会社の平均スコアは68.9となります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンゲージメントスコア | 72.4 |
環境(働き方・健康・安全)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性の育児休業取得率 | 100% |
| 女性の育児休業復帰率 | 100% |
| 男性の育児休業取得率 | 85.7% |
| 労働災害 | 0件 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ドリームインキュベータグループは、「社会を変える 事業を創る。」をミッションに掲げ、事業創造支援や成長戦略立案支援を通じて、新しい産業の創出や挑戦者支援に取り組んでいます。また、スタートアップ企業への投資育成も手掛けており、多角的なアプローチで社会貢献と事業成長を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は、主に「ビジネスプロデュース」と「ベンチャー投資」の二つのセグメントで構成されています。ビジネスプロデュース事業が収益の大部分を占めており、ベンチャー投資事業も収益に貢献しています。
ビジネスプロデュースセグメント
このセグメントでは、主に大企業向けに事業創造支援や成長戦略立案支援に関する戦略コンサルティングを提供しています。M&Aファイナンシャル・アドバイザリーや、ソーシャルインパクトボンド(SIB)を活用したファンド運営も行っています。近年は新規事業の創造だけでなく、既存事業の変革支援にも領域を広げ、クライアントへの包括的な支援を本格化しています。
収益は、コンサルティングサービスから得ています。
ベンチャー投資セグメント
このセグメントでは、スタートアップ企業等への投資育成を行っています。当連結会計年度においては、複数のトレードセールによるキャピタルゲインを実現し、出資先ファンドでの収益計上もありました。
収益は、営業投資有価証券の売却収入などから得ています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ビジネスプロデュース | 54.5億円 | 67.9億円 |
| ベンチャー投資 | 7.3億円 | 19.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動を伴いながらも直近の2期間で増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近の期間で大きく改善し、増益となりました。特に、前期から当期にかけては売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも大幅な伸びを示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 356億円 | 301億円 | 53.8億円 | 61.8億円 | 86.9億円 |
| 経常利益 | 44百万円 | 12.3億円 | △19.9億円 | 3.0億円 | 18.7億円 |
| 経常利益率 | 0.1% | 4.1% | △37.0% | 4.8% | 21.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7百万円 | 116億円 | △18.5億円 | 1.7億円 | 15.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 0.80 | 1,183.92 | △202.26 | 19.39 | 181.41 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。これは、事業規模の拡大と効率性の向上が進んでいることを示しています。また、従業員1人あたりの営業利益(連結)も前期から大きく向上しており、組織全体の収益性が高まっている傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの事業が堅調に推移し、従業員一人ひとりの貢献度が高まっていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 28.9百万円 | 39.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.2百万円 | 8.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性は、企業が持続的に事業を運営していく上で重要な要素です。
同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資も行っている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定した状態を示しています。
ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。
手元資金も十分に確保されており、不測の事態への耐性も備わっている状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 132億円 | 117億円 |
| 自己資本比率 | 82.1% | 74.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.2% | 13.0% |
| 現金及び預金 | 56.6億円 | 39.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが収入となり、本業で安定的に資金を生み出している状況です。これは、ビジネスプロデュースセグメントの業績が堅調に推移したことに加え、ベンチャー投資セグメントにおけるトレードセール及びファンドの分配が生じたことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは支出となっており、有価証券の取得など、将来に向けた投資が行われています。財務活動によるキャッシュフローは配当金の支払により支出となっています。これらの資金の流れから、同社グループは本業で得た資金を投資に回し、成長を目指している状況がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 12.3億円 | 25.8億円 |
| 投資CF | 3.5億円 | △11.2億円 |
| 財務CF | △22.7億円 | △31.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 15.8億円 | 14.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、ビジネスプロデュース事業において、クライアント企業の経営状態に影響を与える景気変動リスクを認識しています。また、インキュベーション事業では、株式市場の市況変動や未上場株式相場の変動、海外投資における為替変動が保有資産の価値に影響を与える市場リスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
ビジネスプロデュース事業では、今後の継続成長のため、各分野での豊富な経験や高度な知識・専門性を持つ優秀な人材の採用・確保及び育成が重要であると考えています。コンサルティング業界における人材の争奪により、人材の採用・確保及び育成が計画通りに進まない場合や、転職等により人材が流出することで十分な人材を確保できなかった場合には、事業拡張の制約となる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ドリームインキュベータは、事業の創出と育成を目的とした“The Business Producing Company”として、社会変革を目指す挑戦者を支援する企業です。独自の価値観に基づき、新しい事業を創造する文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ドリームインキュベータは「社会を変える 事業を創る。」ことをミッションとして掲げています。そして、「挑戦者が一番会いたい人になる。」ことをビジョンとしています。
同社グループは、事業の創出・育成を目的とした“The Business Producing Company”として、ミッションの実現と企業価値向上の両立を目指しています。今後は、コア・ケイパビリティであるビジネスプロデュース事業に経営資源を集中していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ドリームインキュベータは、新しい事業を創るプロセスにおいて「枠を超える。」ことを最も大切なバリューとしています。構想し、戦略を立て、仲間を集め、挑戦することを重視する企業風土です。
サステナビリティ基本方針として、「サステナブルな環境創造を、ビジネスの力で実現する」「そのための挑戦者を応援する」「プロとしての付加価値を提供する」の3点を掲げています。
多様な人材が集い、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織・環境づくりを推進し、プロフェッショナルにとって働きがいのある環境づくりに積極的に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ドリームインキュベータは、環境変化を踏まえた人材投資の強化を重点テーマの一つとしています。不確実性が常態化する事業環境において、構想力と実行力を兼ね備えたビジネスプロデューサーの必要性が高まっているためです。
世の中におけるビジネスプロデュースのインパクトを一層高めるため、採用・育成・リテインおよび組織体制の強化を重点施策として推進しています。具体的には、採用ブランディングの強化や人材像の見直し、AI活用を前提とした評価制度や研修体系への刷新、長期的に活躍できる環境・処遇の整備を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ドリームインキュベータは監査等委員会設置会社であり、取締役会が業務執行の監視及び監督を行っています。取締役会は独立社外取締役が過半数を占める構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ドリームインキュベータの株主構成を見ると、電通グループや山口フィナンシャルグループといった事業会社が上位を占めています。これらの主要株主が同社の経営を支える基盤となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 電通グループ | 22.99% |
| 山口フィナンシャルグループ | 22.02% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 8.39% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
ドリームインキュベータの役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.0%です。代表取締役社長は三宅孝之氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 三宅 孝之 | 代表取締役社長 | 1995年通商産業省入省、A.T.カーニー株式会社を経て、2004年同社入社。執行役員、取締役、代表取締役COOを歴任し、2021年より代表取締役社長を務める。 |
| 細野 恭平 | 取締役副社長 | 1996年海外経済協力基金入社、ミシガン大学公共政策学修士取得後、2005年同社入社。執行役員、取締役、代表取締役COOを歴任し、2021年より取締役副社長を務める。 |
社外取締役は、藤田勉氏(シティグループ証券取締役副会長・一橋大学大学院客員教授・指名報酬委員会委員長)、小松百合弥氏(大塚化学執行役員・NTN取締役・東京瓦斯社外取締役)、宇田左近氏(マッキンゼー・アンド・カンパニー・インクプリンシパル・日本郵政専務執行役・指名報酬委員会委員)、宮崎裕子氏(弁護士・スリーエムジャパン代表取締役社長)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、独立社外取締役が過半数を占める取締役会が経営上の重要事項の意思決定と業務執行の監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ドリームインキュベータの役員報酬は、ミッション実現と持続的な企業価値向上を動機づけることを基本方針としています。報酬体系は固定報酬、現金賞与、株式報酬で構成されており、競合業界と比較して競争力のある水準を目指しています。監査等委員でない取締役(社外取締役を除く)の固定報酬、現金賞与、株式報酬の割合は1:1:1を目安に運用され、社外取締役及び監査等委員の報酬は固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 2.1億円 | 1.05億円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 33百万円 | 33.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 44百万円 | 11.0百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は、三宅孝之氏(総額1.19億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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