※本記事は、スパークス・グループ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年5月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
スパークス・グループは持株会社であり、単体従業員数は39名、グループ連結従業員数は187名です。
同社グループは、資産運用業(投資顧問業・投資信託委託業)を中核業務とする企業集団です。日本および海外子会社計11社を通じて、多様な投資戦略を展開しています。
なお、スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメントは、2025年4月1日付でスパークス・インベストメントに社名変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
スパークス・グループは、投資を通じて社会に価値を創造することを目指すプロフェッショナルファームです。同社グループは、高度な専門性を持つ人材の育成と定着を重視し、成果と中長期的な貢献を評価する報酬制度を構築しています。また、従業員が安心して長く働けるよう、ライフイベントに柔軟に対応できる働き方を推進しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も長めの傾向にあります。これは、専門性の高い人材が長期にわたってキャリアを築いていることを示唆しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 12,551,000円 |
| 平均勤続年数 | 11年4ヶ月 |
| 平均年齢 | 49.8歳 |
| 単体従業員数 | 39人 |
| 連結従業員数 | 187人 |
| 単体のグループ内比率 | 20.9% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| スパークス・アセット・マネジメント株式会社 | 45.4歳 | 9年2ヶ月 | 14,648,000円 |
同社グループは、一部の在外子会社において、役職員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を採用しています。退職給付債務は1.0億円、年金資産は1.3億円となっています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
スパークス・グループは、「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というミッションの実現に向け、高度な専門人材の採用・育成、エンゲージメントの向上と定着を人材戦略の中核に位置付けています。給与は固定報酬の基本給、短期業績連動報酬の賞与、中長期業績連動型株式報酬(ESOP)で構成されるシンプルな体系です。年齢や性別、勤続年数に基づく属人的な手当ではなく、職務内容や職責、個人の評価を勘案して決定されます。
同社グループは、外部の報酬調査会社が提供する客観性の高いデータも活用し、市場競争力のある給与水準を確保しています。賞与の配分においては、同社グループや部門、個人の業績に加え、人材育成への関与や組織への貢献といった定性的な要素も考慮し、中長期的な価値創出を促す設計です。ESOPの導入により、従業員の経営参画意識と中長期的な貢献へのコミットメントを高めています。
また、プロフェッショナルファームとして、役職員が主体的に専門領域を学び実践できるよう、自己研鑽費用補助や資格取得時の報奨金拡充、OJTの強化に取り組んでいます。多様な経験や知見、属性を尊重し、性別や国籍等に関わらず、経験や能力、同社グループの価値観に共感できる人材を人物本位で採用・登用する方針です。ライフイベントに柔軟に対応できる働き方を導入し、従業員が中長期的に安心して就業を継続できる環境整備にも努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
男性労働者の育児休業取得率は、同社および国内グループ会社を対象としています。労働者の男女の賃金の額の差異は、2026年3月期に支給された通勤手当を除く賃金を元に算出されており、連結グループ会社を対象としています。連結グループ会社における男女の賃金の額の差異の主な要因は、執行役員、上位の管理職および専門職に女性がいないことによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 27.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 54.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 52.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 36.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
スパークス・グループは、持株会社として資産運用業を中核事業とする企業グループです。同社グループは、投資顧問業と投資信託委託業を通じて、多様な投資戦略を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
主な事業内容は、日本株式、OneAsia、実物資産、プライベート・エクイティの4つの投資戦略を柱としています。具体的には、スパークス・アセット・マネジメントが日本株式や再生可能エネルギー発電事業(開発段階)、未公開株式を、スパークス・アセット・トラスト&マネジメントが不動産や再生可能エネルギー発電事業(運転開始後)を、SPARX Asset Management Koreaが韓国株式を、SPARX Asia Investment Advisorsがアジア株式の調査・運用をそれぞれ手掛けています。
収益は主に、運用資産残高に応じて発生する残高報酬と、運用実績やプロジェクトの成果に応じて発生する成功報酬から得ています。成功報酬には、株式運用ファンドの実績に基づくものや、再生可能エネルギー発電所の開発プロセス成就に対するアクイジションフィー、プライベート・エクイティ投資の成果に応じた報酬などが含まれます。
同社グループの営業収益は日本が大部分を占めていますが、ケイマン、アイルランド、韓国、その他の地域からも収益を得ており、海外での事業展開も行っています。また、特定のファンドからの収益が一定の割合を占める傾向が見られます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの営業収益は、直近5年間で増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、一時的な変動はあったものの、全体としては堅調に推移していることがうかがえます。特に直近の連結会計年度では、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から増加しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 140億円 | 134億円 | 165億円 | 180億円 | 196億円 |
| 経常利益 | 62.4億円 | 62.9億円 | 80.9億円 | 77.8億円 | 89.1億円 |
| 経常利益率 | 44.4% | 47.1% | 49.0% | 43.3% | 45.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 40.7億円 | 45.2億円 | 65.2億円 | 52.5億円 | 63.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 20.37 | 113.37 | 163.79 | 132.16 | 161.41 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり営業収益は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しており、収益を効率的に生み出す力が強化されていることが示されています。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や事業活動の成果が従業員一人ひとりの貢献に結びついていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 93.1百万円 | 104.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 40.0百万円 | 48.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、堅実な財務基盤を維持しており、本業で得た資金を効率的に活用しています。事業活動で安定した資金を創出し、投資活動への支出を賄った上で、余剰資金を生み出している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は強固な状態を示しています。自己資本比率は68.1%と、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)も17.6%と、プライム市場平均を大きく上回る水準です。手元資金として195億円の現金及び預金を保有しており、事業運営の安定性につながる要素となっています。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の基盤を支える上で重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 335億円 | 392億円 |
| 自己資本比率 | 67.1% | 68.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 16.2% | 17.6% |
| 現金及び預金 | 214億円 | 195億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、事業活動で安定的に資金を創出している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは59.0億円の収入となり、前期の50.6億円から増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△38.8億円の支出となり、投資有価証券の取得や預け金の預入による支出が増加しています。これにより、事業活動で得た資金を成長投資に充てていることがうかがえます。
フリーキャッシュフローは20.2億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金が投資活動への支出を上回る状態です。財務活動によるキャッシュフローは△40.2億円の支出で、配当金の支払いなどが主な要因です。これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定した資金を創出し、成長のための投資を行いながらも、健全な財務状態を維持していることがわかります。これは、入社後の雇用安定性や給与の基盤を支える上で、安心材料となるでしょう。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 50.6億円 | 59.0億円 |
| 投資CF | △21.2億円 | △38.8億円 |
| 財務CF | △33.9億円 | △40.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 29.4億円 | 20.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、独立系の資産運用会社として、大手金融機関系列の競合他社と比較して顧客基盤や販売チャネルの安定性で劣位にあるリスクを認識しています。また、資産運用業は参入障壁が比較的低く、国内外からの新規参入者との競合が激化する可能性も指摘されています。これらのリスクは、顧客獲得や維持、報酬料率に影響を及ぼすおそれがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業の維持と成長のため、優秀な人材の獲得・育成・維持が重要であると認識しています。優秀な人材が社外に流出したり、採用・教育が計画通りに進まなかったりした場合、事業活動に支障をきたすリスクがあります。また、適切な労働管理や職場環境の維持が不十分な場合、不適切な労務事案が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
スパークス・グループは、投資を通じて社会に貢献することを目指す、独立系の資産運用グループです。顧客やステークホルダーからの信頼を基盤に、持続的な成長と企業価値の向上を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」になることを目指しています。そのミッションは、「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というものです。投資家の皆様に真に役立つ投資インテリジェンスを運用商品として提供し、満足できる運用成果を届けることを経営の基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、顧客をはじめとするステークホルダーから選ばれ、高い収益力を維持することを重視しています。これを支える「人財」の育成・擁護は、独立系の存在基盤を確固たるものとし、パーパスを実現するために必須と考えています。行動規範として「ARTSの精神」を掲げており、これはArigato(感謝)、Responsiveness(俊敏さ)、Thoroughness(緻密さ)、Sympathy(調和と貢献)の頭文字を取ったものです。
また、同社グループの競争力の源泉は「イノベーション力」と「コミュニケーション力」の掛け合わせであり、「個々の高い専門性を掛け合わせて組織で戦う」チーム力・組織力を強化しています。パーパスやビジョンに共感する優秀な人財が、多様性を尊重し、最高のプロフェッショナルとなるべく能力向上に主体的に取り組むことを大切にしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、パーパスである「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」の実現に向け、いくつかの課題に取り組んでいます。次世代を担う人材の育成と登用を進め、マネジメント層の世代交代を引き続き推進することが課題の一つです。
また、同社の競争力の源泉を強化し、中長期的な企業価値向上に資する人的資本の活用を高度化するための施策を実行しています。具体的には、イノベーション力とコミュニケーション力を強化し、働きやすい環境を整えることを目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
スパークス・グループは持株会社として、グループ全体のガバナンス強化に注力しています。取締役会は監督と執行の分離を明確にし、迅速な業務執行を可能にする体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
スパークス・グループの筆頭株主は、同社の代表取締役社長である阿部修平氏です。また、同氏が関連する阿部キャピタルも上位株主として名を連ねています。この資本構成は、創業家が同社グループの経営に強い影響力を持つことを示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 阿部 修平 | 38.13% |
| 阿部キャピタル | 14.87% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.29% |
| HSBC BANK PLC A/C M AND G (ACS) VALUE PARTNERS CHINA EQUITY FUND | 3.43% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025 | 2.58% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性4名・女性3名)で構成され、女性役員比率は42.9%です。代表取締役社長グループCEOグループCIOは阿部修平氏が務めています。社外取締役比率は71.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 阿部 修平 | 代表取締役 社長 グループCEO グループCIO | 1981年に野村総合研究所に入所後、野村證券へ転籍。1985年にアベ・キャピタル・リサーチを設立し代表取締役に就任。1989年6月同社代表取締役社長に就任。スパークス・アセット・マネジメントの代表取締役社長やCEOを歴任し、2011年4月同社グループCEO、2023年4月同社グループCIOに就任より現職。 |
| 峰松 洋志 | 取締役 グループ上席執行役員 グループCFO | 1997年に朝日アーサーアンダーセンに入社後、朝日監査法人へ転籍。2005年7月同社に入社し、グループ執行役員、グループCFOを歴任。2025年6月同社取締役グループ上席執行役員グループCFOに就任より現職。 |
社外取締役は、中川俊彦氏(株式会社オフィス中川代表取締役・監査等委員)、能見公一氏(元株式会社産業革新機構代表取締役兼社長CEO・監査等委員)、箱田英子氏(弁護士法人森・濱田松本法律事務所代表社員・監査等委員)、森下公江氏(元株式会社良品計画執行役員・監査等委員)、斉藤麻子氏(株式会社BLOOM代表取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることで、監督と執行の分離を明確にしています。社外取締役5名を招聘し、独立的かつ客観的な意見を取締役会に取り入れることで、意思決定・監督機能の充実を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
スパークス・グループの役員報酬は、固定報酬、短期業績連動報酬(業績賞与)、中長期業績連動型株式報酬の3つの要素で構成されています。同社グループは、固定報酬の割合を相対的に低く抑え、業績連動報酬と株式報酬の割合を高くすることで、ステークホルダーとの利害一致を図っています。中長期的な企業価値向上へのコミットメントを強化するため、業績や個人目標の達成度合いに応じた株式報酬制度も導入されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 15百万円 | 7.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 49百万円 | 9.8百万円 |
なお、上記報酬の他に、社内役員が子会社から受けた報酬は83百万円(固定報酬32百万円、業績連動報酬51百万円)であり、社外役員が子会社から受けた報酬は10百万円(全額固定報酬)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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