※本記事は、株式会社シーティーエス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、建設会社の本社および建設現場向けに、クラウドサービスや測量計測システム、IT環境を含めたユニットハウスのレンタルなどを提供しています。建設現場の業務支援に特化したデータ・情報関連サービスを統合的に提供し、生産性向上に貢献しています。
単体従業員数は257名、連結従業員数は286名です。報告セグメントはDDS事業、SMS事業の2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)レンタライズ(その他)、CTSラインテック(同)などです。
シーティーエスは、ハードレンタルを主体としたITインフラ企業から、データ・情報関連サービスを統合的に提供する建設ICTの専門企業へと事業転換を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シーティーエスは、建設業界をターゲットにDDS事業を中核として展開しており、その事業特性が働き方にも影響を与えていると考えられます。同社グループでは、社員一人ひとりの成長を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も40代前半であることから、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境にあることがうかがえます。安定した環境で専門性を高めながら働きたいと考える方にとって、魅力的な要素となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,535,342円 |
| 平均勤続年数 | 11.2年 |
| 平均年齢 | 43.8歳 |
| 単体従業員数 | 257人 |
| 連結従業員数 | 286人 |
| 単体のグループ内比率 | 89.9% |
同社グループは確定拠出年金制度を採用しています(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です)。この制度は国内グループ会社に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
シーティーエスは、人材を重要な経営資源と位置づけ、中期経営計画と連動した採用・育成・配置・評価を推進しています。多様な人材が活躍できる環境を整備し、自律的な成長と挑戦を支援することで、組織力・生産性・企業価値の向上を目指しています。
従業員の給与・賞与その他の給付の額及び内容の決定においては、公平性・透明性の高い決定プロセスの構築に努めています。経営基本方針に則り、等級基準に基づいて各従業員の実績をベースに、所属部署における協力関係や勤務態度などを加味して決定しています。
人材育成については、「社員一人ひとりが自ら目標を持ち、互いに切磋琢磨しながら成長する組織を目指す」ことを基本方針としています。社内環境整備においては、「仕事においては創造力とチャレンジ精神を第一に、『自ら学び、自ら実践し、自ら成果を実感できる』環境を実現する」ことを掲げています。具体的には、新卒採用を意識しない通年採用や、原則転勤を求めない採用条件の提示など、採用の取り組みを柔軟に行っています。
スキルアップのためには、社内研修や営業マニュアルの充実、OJTを中心に個人の成長を支援しています。また、業績貢献に応じた昇進・昇格や、特に営業職においては業績貢献に連動した賞与の支給を行うことで、従業員の意欲向上を図っています。生産性向上の取り組みとして、本部マーケティング部門の設置・強化やユーザー管理システムの強化、業務支援システムの改善などにも力を入れています。安心して仕事に集中できる環境整備として、有給取得の強化や退社時刻の早期化、健康診断・人間ドックの提供、総合福祉団体定期保険への加入など、福利厚生の充実にも取り組んでいます。多様性確保の取り組みとしては、間接部門を中心に女性社員の登用・スキルアップに努め、ジェンダーギャップの解消を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 52.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 56.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 43.8% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 営業人員数 | 98人 |
| 販管費千円当たりの営業利益 | 1,060円 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社シーティーエスは、建設業界を主要顧客とし、建設現場の業務支援に特化した商品・サービスを提供することで、生産性向上に貢献するビジネスを展開しています。同社グループは、ハードレンタルからデータ・情報関連サービスを統合的に提供する建設ICTの専門企業への変革を進めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、建設業界向けに特化した商品・サービスを提供しており、主に「DDS事業」と「SMS事業」の二つの報告セグメントで構成されています。これらの事業を通じて、建設現場の効率化や情報共有の促進を支援し、収益を上げています。海外への売上高や特定の主要顧客への収益集中は見られません。
DDS事業
建設会社の本社や建設現場に対し、「クラウドストレージサービス」や「クラウド映像サービス」などの各種ICTサービスを統合した「サイトアシストパッケージ(SAP)」を提案・提供しています。収益は、主にこれらのレンタル・サブスクリプションサービスの提供から得ています。
SMS事業
MDTS・GNSS等によるワンマン測量システムをはじめとした測量計測機器や関連システムを、レンタルと販売で提供しています。収益は、測量計測システム等のレンタルと販売から得ています。
その他の事業セグメント
報告セグメントには含まれない事業として、建設現場向けユニットハウス「スマートハウス」のレンタルや販売、道路の標識・白線設置等の専門工事を行っています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| DDS事業 | 69.0億円 | 75.1億円 |
| SMS事業 | 35.1億円 | 38.7億円 |
| その他の事業セグメント | 14.2億円 | 13.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり堅調な成長を示しています。売上高は一貫して増加傾向にあり、それに伴い経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も順調に伸びています。特に直近の連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期を上回る実績となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 105億円 | 108億円 | 111億円 | 118億円 | 127億円 |
| 経常利益 | 25.4億円 | 27.2億円 | 27.9億円 | 31.6億円 | 37.3億円 |
| 経常利益率 | 24.0% | 25.2% | 25.1% | 26.7% | 29.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 17.3億円 | 17.6億円 | 18.6億円 | 21.9億円 | 26.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 40.80 | 41.51 | 43.86 | 52.46 | 65.06 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益(連結)も同様に増加しています。これらの指標は、同社グループが従業員一人ひとりの生産性を高めながら事業を拡大している傾向を示しています。組織全体の効率化が進んでいることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 42.5百万円 | 44.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 11.1百万円 | 11.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
シーティーエスは、安定した財務基盤を構築しており、本業で得た資金を将来の成長投資に充てながらも、手元資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
シーティーエスグループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)の双方で高い水準を示しています。手元資金も十分に確保されており、事業の安定性がうかがえます。このような財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 129億円 | 157億円 |
| 自己資本比率 | 75.4% | 76.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.5% | 18.8% |
| 現金及び預金 | 45.3億円 | 41.7億円 |
自己資本比率は当期で76.2%となっており、プライム市場の非製造業平均24.2%と比較して非常に高い水準です。ROE(自己資本利益率)も当期で18.8%と、プライム市場平均9.4%を大きく上回っています。現金及び預金は当期で41.7億円を確保しており、不況時にも耐えうる手元資金があることを示しています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
シーティーエスグループは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を成長のための投資に充てています。営業活動によるキャッシュ・フローがプラスであり、投資活動によるキャッシュ・フローを上回るフリー・キャッシュ・フローを確保していることから、事業の成長と財務の健全性を両立している状況です。このような資金の流れは、会社の持続的な成長と、それに伴う雇用や給与の安定性につながるものと考えられます。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の獲得や減価償却費による資金獲得を主な要因として、前期から増加し33.4億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得や関係会社株式の取得による支出があり、△17.7億円の使用となっています。フリー・キャッシュ・フローは、営業活動による資金獲得が投資活動による資金使用を上回り、15.7億円の資金増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済や配当金の支払いを主な要因として、△19.3億円の使用となっています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 28.4億円 | 33.4億円 |
| 投資CF | △24.5億円 | △17.7億円 |
| 財務CF | △28.2億円 | △19.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.9億円 | 15.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
シーティーエスグループは、主要顧客である土木・建築業界の環境変化に業績が影響を受ける可能性があります。また、土木・建築業界の取引先に特化した事業展開を行っていることから、建設市場の収縮傾向が急激・長期的に発生した場合には、利益縮小や不良債権増加のリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シーティーエスは、「Construction Total Support service」を基本に、建設現場の課題解決を目指す企業です。デジタルデータサービスと測量計測システムを中心に、お客様のニーズに応じた商品・サービスを提供しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は、「全国の建設現場の課題を、デジタルデータサービスと測量計測システムを中心に、身近なサポートで解決する」ことです。この理念に基づき、「Construction Total Support service」を基本として、DDS事業とSMS事業の2事業を主力に据えています。
新たな中期経営方針では、「ハードを主体としたITインフラのレンタル企業」から、「データ・情報関連サービスを統合的に提供し(SAP)、建設現場の業務を支援する建設ICTの専門企業」への変身を目指しています。これにより、建設業界において独自のポジションを構築することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員に対して「自ら学び、自ら実践し、自ら成果を実感できる」環境の実現を重視しています。仕事においては創造力とチャレンジ精神を第一とし、処遇においては公平性を重視し、「能力=成果、評価=報酬」を基本に実践しています。
人材育成方針では、「社員一人ひとりが自ら目標を持ち、互いに切磋琢磨しながら成長する組織を目指す」と定めています。また、事業活動を通じて持続的な社会の発展に貢献することが自社の持続的な発展につながるという考えのもと、経営・事業活動はサステナビリティの推進と表裏一体であると捉えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、少子高齢化や働き方改革による労働人口減少、技術者不足といった建設業界の課題に直面しています。これに対し、ICTを活用した現場業務の省人化・省力化支援を通じて生産性向上に貢献することを好機と捉えています。
中長期的には、資材価格や人件費の高騰、人手不足の進行といった課題があります。建設業におけるDX化の加速に対応し、商品・サービスの充実と提供を進めていくことを重点テーマとしています。
サイバー犯罪リスクの増加に対しては、国内の専門分野で高い技術力を持つ企業との協業をさらに展開する方針です。また、人的資本・多様性の観点では、ジェンダーギャップの解消に努め、間接部門を中心に女性社員の登用とスキルアップに取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社シーティーエスは、監査等委員会設置会社として、取締役会と監査等委員会を設置し、業務執行の監督と監査を強化する体制を構築しています。業務執行は重役会や経営会議を通じて迅速に実行される仕組みです。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
シーティーエスの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社横島であり、同社グループの創業家に関連する企業が主要な株主として名を連ねていることがうかがえます。その他、信託銀行が上位株主として存在しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社横島 | 40.50% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 9.10% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 3.30% |
| THE BANK OF NEW YORK MELLON 140040 | 2.50% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 2.50% |
なお、フィデリティ投信株式会社は2026年6月5日現在で株式2,267,009株(株券等保有割合5.40%)を所有している旨が大量保有報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長執行役員経営戦略本部長は横島連氏が務めています。社外取締役比率は71.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 横島 連 | 代表取締役 社長執行役員 経営戦略本部長 | 2014年4月同社入社後、経営企画部長、ハウス備品事業統括部長などを歴任。執行役員、取締役を経て、2026年6月より代表取締役社長執行役員経営戦略本部長より現職。 |
| 横 島 泰 蔵 | 取締役 会長執行役員 | 1980年9月同社入社後、取締役、専務取締役、代表取締役副社長を歴任。2003年4月より代表取締役社長を務め、2026年6月より取締役会長執行役員より現職。 |
社外取締役は、佐々木弘道氏(弁護士法人佐々木法律事務所 代表社員・監査等委員)、平野精一氏(ヒロセホールディングス 特別顧問・監査等委員)、竹村淳一氏(税理士法人UMパートナーズ 代表社員・監査等委員)、横山隆氏(元綿半ホールディングス 取締役 常勤監査等委員・監査等委員)、長谷川千晶氏(はるな総合法律事務所 代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役が業務執行取締役の職務執行を監査・監督する体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
シーティーエスでは、取締役(監査等委員を除く)の報酬は、担当職務や企業価値向上への貢献度、会社業績を考慮して決定されます。業務執行を担う社内取締役および監督機能を担う社外取締役の報酬は、当面の間、固定報酬としての基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 3名 | 1百万円 | 0.3百万円 |
| 監査役 | 4名 | 3百万円 | 0.8百万円 |
| うち社外監査役 | 3名 | 1百万円 | 0.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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