※本記事は、イメージ情報開発の有価証券報告書(第51期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. イメージ情報開発ってどんな会社?
ITソリューションおよびBPOサービスを提供し、顧客のシステム設計から運用まで総合的に支援する企業です。
■(1) 会社概要
1975年に設立され、2007年に現在の東京証券取引所グロース市場へ上場しました。2017年にはイメージ情報システムを新設しています。2026年にはサイブリッジ合同会社と資本業務提携を締結する一方、事業の選択と集中を目的に子会社3社の株式を全て売却するなど、抜本的な事業構造改革を進めています。
従業員数は連結で57名、単体で3名です。筆頭株主はサイブリッジ合同会社で、資本業務提携を通じて事業構造改革を推進する事業会社です。第2位株主はイメージ企画、第3位株主はNBIとなっており、両社ともサービス関連事業などを展開する法人です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| サイブリッジ合同会社 | 39.23% |
| イメージ企画 | 18.45% |
| NBI | 6.03% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性2名の計8名で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は半田基実氏が務めており、取締役4名のうち1名が社外取締役となっています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 半田基実 | 代表取締役社長 | 日立システムエンジニアリング等を経て、夢の街創造委員会執行役員やLUXA執行役員開発統括本部長を歴任。2024年にイメージ情報システム代表取締役社長に就任し、2026年より現職。 |
| 水口翼 | 取締役会長 | 2004年にサイブリッジグループ設立代表取締役。サイブリッジホールディングス代表取締役などを経て、2023年にfonfun代表取締役社長に就任。2026年より現職。 |
| 中川祐輝 | 取締役副社長 | 大和証券やマスターピース・グループを経て、2023年にクリアデラ代表取締役に就任。2025年に窪田製薬ホールディングス取締役監査等委員に就任し、2026年より現職。 |
社外取締役は、松井都氏(YNP代表取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ITソリューション」および「BPO・サービス」事業を展開しています。
■ITソリューション
IT戦略の立案支援からシステムの設計構築、運用・保守までを総合的に提供する事業です。特定のメーカーやパッケージソフトに依存しない柔軟なシステム構築と、関連するIT機器や自社開発ソフトウェアの販売なども展開し、企業の課題解決を支援しています。
顧客からのシステム開発や運用保守の受託による継続的な役務収益、およびソフトウェアなどの商品販売代金を主な収益源としています。事業の運営は、主に同社および子会社のイメージ情報システムが連携して担当しています。
■BPO・サービス
決済処理や会員管理といった各種業務プロセスの代行サービスを提供する事業です。企業の事務負担軽減や労働力不足への対応を支援し、顧客の生産性向上に貢献するためのビジネスアウトソーシング業務を担っています。
顧客企業からの決済サービスの代行手数料や、各種業務の受託によるアウトソーシング利用料を主な収益源としています。本事業の運営は、主に子会社であるイメージ情報システムが担当しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近3期間の売上高は5億円から7億円台へと増加傾向にあります。一方で経常利益は赤字が継続しており、特に直近では子会社の取り込み等による売上増があったものの、労務費の増加や新株発行費用の計上などにより赤字幅が大きく拡大しました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5.3億円 | 6.5億円 | 7.3億円 |
| 経常利益 | -0.1億円 | -0.7億円 | -2.0億円 |
| 利益率(%) | -1.4% | -10.7% | -26.7% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -0.4億円 | 0.3億円 | -3.3億円 |
■(2) 損益計算書
直近の決算では売上高が増加した一方で、売上総利益は半減し、営業赤字幅が拡大する結果となりました。これは大型案件の失注や開発体制強化に伴う労務費の負担増が原価を押し上げ、売上総利益率が大きく低下したことが主な要因です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6.5億円 | 7.3億円 |
| 売上総利益 | 1.4億円 | 0.7億円 |
| 売上総利益率(%) | 21.4% | 9.1% |
| 営業利益 | -0.7億円 | -1.8億円 |
| 営業利益率(%) | -11.0% | -24.0% |
販売費及び一般管理費のうち、役員報酬が0.7億円(構成比27.2%)、給与手当が0.4億円(同16.4%)を占めています。
■(3) セグメント収益
ITソリューション事業は、既存顧客への深耕による受注増に加え、期中に子会社化した企業の売上が寄与し、堅調な増収となりました。BPO・サービス事業においても、決済サービスに関する新規契約の獲得などにより売上高が増加しています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ITソリューション | 5.3億円 | 6.1億円 |
| BPO・サービス | 1.1億円 | 1.2億円 |
| 連結(合計) | 6.5億円 | 7.3億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
本業は赤字ですが、将来の成長や事業構造改革に向けた資金調達を行い、投資を継続している勝負型のキャッシュ・フロー状況です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -0.1億円 | -0.9億円 |
| 投資CF | -0.2億円 | -0.1億円 |
| 財務CF | -0.7億円 | 6.5億円 |
財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は63.0%で、市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「先取の精神を持って先進ITの習得に努め、その応用による独創的サービスを創造し、変革を目指す企業の発展に貢献する」を理念に掲げています。金融・製造業・サービス業等の企業や地域の商店街などに対し、長期にわたって価値を提供し続ける存在を目指しています。
■(2) 企業文化
法令や社会規範を尊重する「企業行動基準」を定め、コンプライアンスを重視する誠実な組織風土を築いています。また、変化の激しい経済社会において、顧客企業や業界への深い理解と提携企業との強力な連携を重んじ、ワンストップでビジネスソリューションを提供する姿勢が根付いています。
■(3) 経営計画・目標
中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)として、「事業規模の拡大と収益性の向上」「継続的な成長を実現する事業モデルの確立」「企業価値の向上と株主還元」の3つの中期目標を掲げています。上場維持基準(時価総額40億円)への適合を目指し、純資産や売上高成長率を重要な経営指標として位置づけています。
■(4) 成長戦略と重点施策
中期経営計画における実施施策として、事業規模拡大に向けた資金調達や積極的な事業投資、組織再編とガバナンス体制の強化を掲げています。さらに、サイブリッジグループとの連携を活かしたM&Aの推進やオフショア開発の活用により、コスト削減と利益率の改善を断行し、早期の営業黒字化と継続的な成長を目指しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
情報サービス事業の成長の源泉は多様な人材の活躍にあるとの認識から、性別や年齢に関わらず能力を発揮できる環境整備を最重要課題としています。OJTを基本とした専門性向上と職位に応じた公正な評価を行うとともに、フレックスタイム制などの柔軟な働き方の導入や男性の育児休業取得を促進しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 58.0歳 | 3.0年 | 4,984,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | 76.8% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | - |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | - |
※男性育児休業取得率は対象者がいなかったため該当ありません。また、男女賃金差異の正規・非正規区分の記載はありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 業界内の競争激化と事業環境の変化
情報サービス業界では競争が激化しており、AI技術の発展による代替リスクが存在します。また、主要顧客であるクレジット業界での寡占化や異業種参入などの変化も起きており、価格競争の激化などにより受注環境が悪化した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) プロジェクトの採算悪化と納品遅延
システム構築において、事前の見積りを超える原価が発生した場合、採算が悪化するリスクがあります。さらに、何らかの理由でシステムの納入や検収が遅延した場合、経費の増大や社会的信用の低下を招き、経営成績にマイナスの影響を与える可能性があります。
■(3) 業務の安定運用とシステム障害
BPOやシステム運用の代行サービスでは、正確かつ安定した処理が求められます。しかし、処理システムの障害やオペレーションミスが発生した場合や、災害やサイバー攻撃による通信ネットワークの切断が生じた場合、サービスの信頼性が低下し業績に影響するおそれがあります。
■(4) 特定の取引先への依存
システム開発分野において上位の取引先への売上依存度が高く、これらの顧客の事業方針が変更された場合、受注が減少するリスクがあります。また、セキュリティ関連商品の大部分を特定の提携先製品に依存しており、代理店契約の解消などが業績に影響を及ぼす可能性があります。



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