※本記事は、イメージ情報開発株式会社 の有価証券報告書(第50期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. イメージ情報開発ってどんな会社?
イメージ情報開発は、特定のメーカーに依存しない独立系の強みを活かし、IT戦略支援からシステム構築、BPOまで総合的なサービスを提供する企業です。
■(1) 会社概要
同社は1975年に設立され、1984年にシステムインテグレーション事業へ進出しました。2007年には大阪証券取引所ヘラクレス(現・東証グロース市場)へ上場を果たしています。2017年には事業の効率化を目指し、連結子会社としてイメージ情報システムを新設分割しました。直近では2024年にエンジニアファーム、2025年にバニヤンズを連結子会社化し、グループ体制を強化しています。
2025年3月31日現在、同社グループの従業員数は54名(単体2名)です。筆頭株主は、関係会社のイメージ企画で30.35%を保有しています。第2位は株式会社ミヤマ(9.92%)、第3位は代表取締役社長が代表を務める株式会社NBI(9.91%)となっており、関係会社や経営陣に関連する企業が主要株主となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| イメージ企画 | 30.35% |
| ミヤマ | 9.92% |
| NBI | 9.91% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は代永拓史氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 代永 拓史 | 代表取締役社長 | ノベル、キヤノン、フューチャーシステムコンサルティングを経て2005年同社入社。副社長を経て2006年社長就任。2019年より現職。 |
| 半田 基実 | 取締役 | 日立システムエンジニアリング、USEN、レコチョク等を経て、2023年同社取締役就任。現在はイメージ情報システム社長等を兼務。 |
| 辻 隆章 | 取締役 | マクニカ、光通信、Oakキャピタル等を経て、2023年同社取締役就任。現在はキャロットキャピタル代表取締役等を兼務。 |
社外取締役は、小山脩(元コベルコシステム社長・会長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ITソリューション」および「BPO・サービス」事業を展開しています。
■(1) ITソリューション
顧客企業のIT戦略支援から、システムのコンサルティング、設計、構築、運用、保守までを一貫して提供しています。また、IT関連機器やソフトウェアの仕入販売、自社開発パッケージソフトの製造販売も行っています。特定のメーカーに依存しない柔軟なシステム提案が特徴です。
収益は、顧客企業からのシステム開発費用、保守運用費用、商品販売代金等から得ています。運営は主にイメージ情報開発、イメージ情報システム、エンジニアファーム、バニヤンズが行っており、各社が連携してサービスを提供しています。
■(2) BPO・サービス
クレジットカード等の決済処理や会員管理業務などのビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービスを提供しています。ITソリューション事業で培ったシステム基盤を活用し、日常的な業務運営を代行することで顧客の業務効率化を支援しています。
収益は、業務代行に対する受託手数料や決済サービスの手数料収入等が主な源泉となります。運営は主にイメージ情報システムが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
2021年3月期から2025年3月期の5期間を見ると、売上高は5億円から9億円の範囲で推移していますが、利益面では苦戦が続いています。特に直近2期は経常損失および当期純損失を計上しており、2025年3月期は赤字幅が拡大しました。M&A等による売上拡大を図りつつ、収益性の改善が課題となっている状況がうかがえます。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7億円 | 9億円 | 5億円 | 5億円 | 6億円 |
| 経常利益 | 0.2億円 | 0.1億円 | -0.0億円 | -0.1億円 | -0.7億円 |
| 利益率(%) | 3.2% | 1.0% | -0.1% | -1.4% | -10.7% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.1億円 | 0.3億円 | 0.5億円 | -0.4億円 | 0.3億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の損益構成を見ると、売上高は増加しましたが、売上原価の増加率がそれを上回り、売上総利益は減少しました。さらに販売費及び一般管理費が増加したことで、営業損失が拡大しています。売上原価率の上昇と販管費の負担増が、収益を圧迫している要因となっています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5億円 | 6億円 |
| 売上総利益 | 1億円 | 1億円 |
| 売上総利益率(%) | 28.3% | 21.4% |
| 営業利益 | -0.1億円 | -0.7億円 |
| 営業利益率(%) | -2.6% | -11.0% |
販売費及び一般管理費のうち、役員報酬が0.5億円(構成比25%)、給与手当が0.3億円(同16%)を占めています。売上原価の内訳等の詳細は記載がありませんが、人件費や外注費の増加が利益率低下の要因となっている可能性があります。
■(3) セグメント収益
ITソリューション事業はM&A効果等により増収となりましたが、外注費や人件費の増加により減益となりました。BPO・サービス事業も新規サービス開始等で増収したものの、体制強化に伴う人件費増で減益となっています。両セグメントともに増収減益の傾向にあり、コストコントロールが課題となっています。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) | 利益(2024年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ITソリューション | 4億円 | 5億円 | 1億円 | 1億円 | 23.2% |
| BPO・サービス | 1億円 | 1億円 | 0.2億円 | 0.2億円 | 13.6% |
| 調整額 | - | -0.1億円 | - | -0.0億円 | - |
| 連結(合計) | 5億円 | 6億円 | 1億円 | 1億円 | 21.4% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 0.4億円 | -0.1億円 |
| 投資CF | -0.2億円 | -0.2億円 |
| 財務CF | -1.1億円 | -0.7億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)はデータなしで市場平均と比較できませんが、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は46.2%で市場平均(グロース市場非製造業平均43.3%)を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「先取の精神を持って先進ITの習得に努め、その応用による独創的サービスを創造し、変革を目指す企業の発展に貢献する」を理念としています。この理念のもと、長年にわたり金融、製造、サービス業などの企業や地域社会に対してITサービスの提供を継続しています。
■(2) 企業文化
激動する経済社会において、顧客に対して競争優位なビジネスモデル構築を支援することを重視しています。先端技術と広範な業界・業務ノウハウを組み合わせ、顧客企業や業界への理解を深めながら、提携企業との連携を強化することでビジネスソリューションの提供力を高める姿勢を持っています。
■(3) 経営計画・目標
2025年3月期から2027年3月期までの中期計画において、以下の3つの中期目標を掲げています。
* 事業規模の拡大と収益性の向上
* 継続的な成長を実現する事業モデルの確立
* 企業価値の向上と株主還元
■(4) 成長戦略と重点施策
上場維持基準への適合を目指し、以下の施策を重点的に推進しています。資金調達による積極的な事業投資やM&Aを通じた非連続な成長を目指しつつ、既存事業の組織再編やガバナンス強化による収益性改善に取り組んでいます。
* 事業規模拡大に向けた資金調達と積極的な事業投資
* 適切な組織再編とガバナンス
* 事業推進力の強化
* M&A及び企業提携の推進
* 会社環境の改善
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
サステナビリティ推進の一環として、多様性を重視した人事対応を進めています。年齢制約のない人事評価体制や、育児・介護と両立可能な柔軟な働き方の推進、女性の準管理職比率向上などに取り組んでいます。また、eラーニングを活用した自己啓発の推進により、人材育成の基盤拡充を図っています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 58.0歳 | 3.0年 | 5,488,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は常時雇用する労働者の数が300人を超えないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 競争環境の激化と市場変化
情報サービス業界では競争が激化しており、AI技術の発展などにより受注環境が悪化するリスクがあります。また、主要顧客であるクレジット業界の再編や異業種参入などの環境変化が、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。予想を上回る市場変化や価格競争はリスク要因となります。
■(2) 人材の確保と育成
事業拡大には優秀な人材の確保と育成が不可欠です。IT業界全体で人材不足が続く中、必要なコンサルタントやエンジニアを十分に確保・育成できない場合、同社グループの将来の成長や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(3) システム開発のプロジェクト管理
システム構築において、見積もり時のコスト予測と実績が乖離し、採算が悪化するリスクがあります。また、何らかの事情によりシステムの納入や検収が遅延した場合、信用の低下や追加経費の発生を招き、業績に影響を与える可能性があります。
■(4) システム障害と情報セキュリティ
通信ネットワークやサーバーの障害、サイバー攻撃、ソフトウェアの不具合などによりサービス提供が停止するリスクがあります。また、顧客から預かる機密情報や個人情報の漏洩が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜につながり、経営に重大な影響を与える可能性があります。



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