※本記事は、イー・ギャランティ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
イー・ギャランティは、事業会社や金融機関が企業間取引で負う債権の未回収リスクを受託する信用保証事業を展開しています。独自の営業網と提携販売網を活用し、全国の企業に信用リスク受託を拡大しています。
単体従業員数は190名、連結従業員数は194名です。セグメントは信用保証事業の1つです。
主な国内グループ会社は、イー・ギャランティ・ソリューション、アールジー保証(信用保証事業)、イージーペイメント(代金決済事業・不動産管理事業)などです。
なお、連結子会社のアールジー保証は、2026年3月31日開催の臨時株主総会で解散が決議され、現在清算手続きが進められています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
イー・ギャランティは信用保証事業を展開しており、企業の信用リスクをサポートすることで社会貢献を目指しています。このような事業特性から、専門性と社会貢献性を重視する働き方が特徴的です。給与水準や働き方については、以下の詳細で確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
イー・ギャランティでは、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数から見ても、一定の期間にわたってキャリアを築いている傾向がうかがえます。これは、若手社員が早期から責任ある業務に携わり、成長できる環境があることを示唆していると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,314,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.8年 |
| 平均年齢 | 31.0歳 |
| 単体従業員数 | 190人 |
| 連結従業員数 | 194人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.9% |
同社グループは退職給付制度として確定拠出年金制度を採用しています(会社が拠出した資金を従業員が運用する)。この制度は国内グループ会社に適用されています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
イー・ギャランティは、「自分で考え、行動でき、信頼される魅力に溢れた社員を育成し、自由な発想を活かせる企業」を目指すことを人材戦略の基本方針としています。主体的に能力開発に取り組み、当事者意識を持って業務に向き合う社員の育成を図っています。
報酬制度については、個々の社員の職務内容や役職に応じた適切な水準を設定し、業績や行動を適切に評価し報いる制度を導入しています。給与および給付の水準は、経済状況や労働市場の変化に対応するため定期的に見直しを行い、競争力のある報酬を提供することで優秀な人材の確保と定着を図っています。
多様化する社会に対応するため、ダイバーシティの推進にも取り組んでおり、バックグラウンドの異なる個々人が互いを認め合い活躍できる会社を目指しています。具体的には、育児休業制度、介護休業制度、短時間勤務制度など、社員のライフステージに応じた柔軟な働き方を選択できるワークライフバランスに関する制度を設けています。また、社員の心身の健康づくりに向けた保健指導やメンタルヘルス対策、有給取得率の向上を推進し、社員のエンゲージメントとモチベーション向上を通じて会社組織の活性化を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率および男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 8.9% |
多様性・登用
管理職登用における多様性確保のため、2027年3月期末までに課長以上の管理職の女性従業員を2023年3月期初(6名)比で5人以上増やすことを目指しています。2026年3月期末時点では6名となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職(課長以上) | 6名 |
働きがい・エンゲージメント
社員の心と身体の健康づくりに向けた保健指導やメンタルヘルス対策、有給取得率の向上を推進し、社員のエンゲージメントとモチベーション向上を通じて会社組織の活性化を図っています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 57.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
イー・ギャランティは、企業間取引における債権の未回収リスクを受託する信用保証事業を主軸としています。事業会社や金融機関が抱える信用リスクを分析し、多様な金融機関やファンドに流動化することで、信用リスクのマーケットメーカーとしての役割を担っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は「信用保証事業」の単一セグメントで構成されています。事業会社や金融機関が企業間取引で負う各種債権の未回収リスクを受託し、保証料を得ることで収益を上げています。独自の営業網に加え、地方銀行や大手金融機関、商社、リース会社などとの提携を通じて販売網を構築し、全国の企業にサービスを提供しています。
同社グループは、受託した信用リスクを独自のデータベースと定性的な情報に基づき分析・審査し、そのリスクをファンドや多様な金融機関に流動化しています。これにより、顧客から信用リスクを仕入れ、流動化するというマーケットメーカーとしての機能を果たしています。
提供するサービスは大きく分けて「事業法人向け保証サービス」と「金融法人向け保証サービス」の二つです。事業法人向け保証サービスでは、売上債権を主とした商取引上の債権の未回収リスクを受託し、国内取引だけでなく輸出債権に関する海外取引のリスクも対象としています。このサービスには、複数の取引先の信用リスクを一括して引き受ける「包括保証」と、特定の取引先のリスクを個別に引き受ける「個別保証」があります。包括保証では、売上高に連動する「売上高課金方式」と、保証限度額に対して年率で課金する「限度額課金方式」を提供しています。
金融法人向け保証サービスは「リスク・マーケット・サービス(RMS)」と呼ばれ、金融機関等が保有する各種債権の信用リスクを受託します。企業向け保証事業の再保証や、クレジットカード会社等の法人向け立替払い債権、売掛債権・手形債権の買い取りに伴う未回収リスクなど、幅広い金融債権のリスクに対応しています。同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高や有形固定資産がなく、特定の顧客への売上高が連結売上高の10%以上を占めることもありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも堅調な成長傾向を示しています。信用リスク保証サービスが安定的に推移し、人的投資の拡大や販売提携先の拡充、営業業務支援の強化により、新規顧客の獲得と契約更新率の向上が進んだことが要因として挙げられます。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 78.9億円 | 84.9億円 | 91.7億円 | 102億円 | 110億円 |
| 経常利益 | 37.6億円 | 42.3億円 | 49.0億円 | 52.0億円 | 53.0億円 |
| 経常利益率 | 47.6% | 49.8% | 53.5% | 50.9% | 48.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 24.6億円 | 28.6億円 | 32.6億円 | 34.9億円 | 35.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 52.92 | 60.68 | 68.60 | 73.10 | 77.89 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しており、事業規模の拡大と従業員一人ひとりの貢献度が向上している傾向が見られます。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少しており、売上高の成長に対して、営業費用や投資の増加が利益に影響を与えている可能性があります。同社の平均年間給与は6,314千円となっています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 55.6百万円 | 56.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 27.7百万円 | 26.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
イー・ギャランティグループは、安定した財務基盤を構築しており、事業活動を通じて着実に資金を生み出している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
イー・ギャランティグループの財務基盤は、高い自己資本比率とROE(自己資本利益率)によって安定している状況です。自己資本比率は当期末で68.8%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)も当期末で16.2%であり、プライム市場平均(9.4%)と比較して高い水準となっています。
また、現金及び預金は当期末で127億円となっており、手元資金の厚みがある状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を維持していることを示しており、長期的な事業継続性や雇用・給与の安定性につながる基盤があることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 264億円 | 224億円 |
| 自己資本比率 | 73.3% | 68.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.1% | 16.2% |
| 現金及び預金 | 163億円 | 127億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
イー・ギャランティグループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローがプラスを維持しており、安定した資金創出能力があることを示しています。当期の営業キャッシュフローは40.1億円となっています。投資キャッシュフローは12.2億円のプラスとなっており、投資活動による資金流入がある状況です。
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを合わせたフリーキャッシュフローは当期で52.4億円のプラスとなっており、資金の自由度が高い状態を示しています。財務キャッシュフローは△77.4億円のマイナスとなっており、借入金の返済や配当金の支払いなどにより資金が減少していますが、これは健全な財務運営の表れとなっています。これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営と財務基盤を維持しており、将来的な成長に向けた基盤を確保していることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 41.0億円 | 40.1億円 |
| 投資CF | 3.1億円 | 12.2億円 |
| 財務CF | △14.4億円 | △77.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 44.1億円 | 52.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの収益構造は、保証料とリスク移転先への費用との差額が利益となる仕組みです。原価の上昇やリスク移転が想定通りに行えない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、大手金融機関系ファクタリング会社や損害保険会社との競合、新規参入による競争激化、顧客ニーズに合った商品開発ができない場合の競争力低下や顧客流出も、同社グループの業績に影響を与えるリスクとして認識されています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
イー・ギャランティは、「Innovation in Finance」をミッションに掲げ、金融分野における革新を追求しています。信用を可視化し、経済を活性化させることを目指し、独自の価値観と企業風土を大切にしながら事業を展開している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
イー・ギャランティグループは、「Innovation in Finance」をミッションとし、「信用を可視化し、経済を回す」ことをビジョンに掲げています。同社グループの経営基本理念は、信用リスクの引受けによる信用供与と適正な社会資源の配分を通じて、企業の新たな挑戦と活力ある社会成長に貢献することです。
また、自社の経営資源に拘らず、信頼できるパートナーとの協力と専門性に基づき、常に先進的で夢の広がる金融サービスを創造することを目指しています。お客様が新しい夢を実現することが最大の願いであり、その結果として企業価値を増大させ、ステークホルダーに貢献することを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
イー・ギャランティグループは、自分で考え行動できる、信頼される魅力に溢れた社員を育成し、自由な発想を活かせる企業を目指しています。サステナビリティに関する基本方針として、企業の信用リスクの受託と流動化を通じて、各産業への信用供与と適切な社会資源の配分を実現し、活力ある豊かな社会づくりに貢献することを掲げています。
ガバナンスにおいては、経営会議でリスクと機会の両面から審議・議論し、取締役会が対応方針や実行計画を承認・監督する体制を構築しています。リスク管理体制では、経営管理部を主管部署とし、取締役と経営幹部間でリスクと機会を共有し、全社への周知徹底を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
イー・ギャランティグループは、中長期的な業容拡大に向けた課題として、販売網の拡充と既存提携先との関係強化に取り組んでいます。具体的には、専門家ネットワークへの代理権付与やAIを活用した販売環境の整備を進めています。
また、企業の信用情報データベースを拡充し、審査力の強化と審査業務の自動化を推進しています。顧客満足度向上を目指し、保証機能以外の付加価値を高め、既存顧客へのサービス充実を図ることも重点テーマです。
さらに、デジタル技術を活用したスムーズなサービス提供の実現や、営業人員の増加とAIを活用した研修による営業活動の効率化にも取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
イー・ギャランティは監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役を含む構成となっています。社外役員が経営の監視と助言を行うことで、健全性と透明性の高いガバナンス体制を維持しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
イー・ギャランティの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である伊藤忠商事です。その他、信託銀行や金融機関、事業会社が上位株主として名を連ねています。代表取締役社長も主要株主の一人として名を連ねており、多様な主体によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 伊藤忠商事 | 14.2% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 10.6% |
| GOLDMAN,SACHS INTERNATIONAL(ゴールドマン・サックス証券) | 7.6% |
| 江藤 公則 | 7.1% |
| 帝国データバンク | 6.4% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.0%です。代表取締役社長は江藤公則氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 江藤 公則 | 代表取締役社長 | 1998年4月伊藤忠商事入社、2000年9月同社出向、2005年4月同社代表取締役社長、2006年11月同社に転籍、同社代表取締役社長より現職。 |
| 唐津 秀夫 | 取締役副社長経営企画部長 | 1978年4月三井銀行入行、2002年4月三井住友銀行日本橋支店長、2010年4月同社入社、2024年6月同社取締役副社長、2026年4月同社取締役副社長兼経営企画部長より現職。 |
| 邨井 望 | 常務取締役執行役員経営管理部長 | 2002年4月エヌ・アイ・エフベンチャーズ入社、2007年1月同社入社、2013年6月同社取締役執行役員経営管理部長、2024年6月同社常務取締役執行役員経営管理部長より現職。 |
| 永井 譲次 | 取締役執行役員社長補佐 | 1973年4月埼玉銀行入行、2008年3月同社入社、2011年6月同社取締役執行役員業務企画部管掌、2023年3月同社取締役執行役員社長補佐より現職。 |
| 鹿野 修司 | 取締役執行役員営業第一部長 | 2006年4月マルハニチロ入社、2008年1月同社入社、2017年6月同社執行役員営業第四グループ長、2025年6月同社取締役執行役員営業第一部長より現職。 |
社外取締役は、黒澤秀雄氏(黒澤コンサルティング合同会社 代表社員)、亀井信重氏(三信顧問)、馬渕磨理子氏(日本金融経済研究所 代表理事)、堀貴広氏(帝国データバンク情報システム代表取締役副社長)です。
イー・ギャランティは監査役会設置会社です。社外取締役が経営への助言を行い、独立性の高い社外監査役が経営を監視することで、健全性と透明性の高いガバナンス体制を維持しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
イー・ギャランティの取締役報酬は、基本報酬、業績連動型報酬、非金銭報酬で構成されています。基本報酬は職位と業績評価に基づき、業績連動報酬は全社業績の経常利益の増減額を勘案して決定されます。非金銭報酬は株式報酬型ストック・オプションや譲渡制限付株式が発行されており、社外取締役には固定報酬のみが支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 56百万円 | 11.1百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 27百万円 | 3.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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