※本記事は、株式会社アイフリークモバイル の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アイフリークモバイルは、電子絵本サービスやAIコンテンツ制作、キャラクター企画を行うコンテンツ事業と、ITエンジニア派遣や受託開発を行うDX事業の2つを主軸としています。親子向けYouTubeチャンネル「Popo Kids」の運営やモバイルコンテンツ『デココレ』の提供、システム開発や人材派遣などを展開しています。
単体従業員数は354名です。セグメントはコンテンツ事業、DX事業の2つです。
アイフリークモバイルは、電子絵本サービス等の企画・制作・運営、AIコンテンツ制作、キャラクターの企画・制作等を行うコンテンツ事業と、ITエンジニア派遣、受託事業等を行うDX事業を主たる業務としています。
アイフリークモバイルは、電子絵本アプリ「森のえほん館」を2025年7月31日に終了し、コンテンツ配信モデルを移行しました。さらに、2027年3月期からはコンテンツ事業とDX事業を「DX事業」に統合し、報告セグメントを一本化する予定です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アイフリークモバイルは、DX事業を主軸とし、専門性の高い人材育成に注力している企業です。社員の成長を重視し、多様な働き方を支援する環境づくりを進めています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の特徴を見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の社員が活躍しており、平均勤続年数から一定の定着傾向がうかがえます。専門性の向上とキャリア形成を支援する方針が、社員の成長とエンゲージメントにつながっていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,670,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.0年 |
| 平均年齢 | 31.9歳 |
| 単体従業員数 | 354人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アイフリークモバイルは、「人々の思いが伝わる・つながる・広がる 世の中の日常に喜びと感動を提供します。」という経営理念のもと、DX事業を通じた企業価値向上を目指しています。その実現のため、競争力の源泉である人材の専門性向上と多様な人材が活躍できる組織づくりを重要な戦略と位置付けています。
2027年3月期第1四半期からは報告セグメントを「DX事業」に一本化する方針であり、生成AI、データサイエンス、クラウド、セキュリティ、アプリ開発といった成長領域における人材育成を重視しています。具体的には、専門領域ごとの研修体制整備、資格取得支援、実案件への段階的配属、専門チーム組成、外部パートナーとの連携を通じて、高付加価値案件に対応できるエンジニア人材の育成を進めています。
給与その他の給付の額と内容は、社員の役割、職責、保有スキル、成果、貢献度、市場水準等を総合的に勘案して決定することを基本方針としています。特に成長領域で高度な専門性を持つ人材については、専門性の向上や資格取得、実案件での成果を適切に評価し、処遇へ反映することで、社員の成長意欲向上と人材の定着を図っています。また、女性活躍推進、男性育児休業取得促進、障がい者雇用推進、柔軟な働き方整備等を通じて、多様な人材が中長期的に能力を発揮できる環境整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。パート・有期労働者の男女賃金差異については、当事業年度において男性労働者が在籍していないため算出されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 33.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 81.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 81.8% |
指標及び目標
当社が設定している人的資本に関する目標と実績を示します。
| 指標 | 実績(当事業年度) | 目標 |
|---|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 33.3% | 2030年までに50% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0% | 2030年までに50% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異 | 81.7% | 2030年までに100% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アイフリークモバイルは、デジタルコンテンツの企画・制作・運営と、ITエンジニア派遣や受託開発を行うDX事業を主軸としています。これら二つの事業を通じて、多様な顧客ニーズに応えるビジネスを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「コンテンツ事業」と「DX事業」の二つの事業を主たる業務としています。両事業は部門横断的な連携体制を構築し、技術力の向上と事業間シナジーの創出に取り組んでいます。2027年3月期からは両事業を「DX事業」に統合し、報告セグメントを一本化する方針です。
コンテンツ事業
コンテンツ事業では、コミュニケーションをテーマに、親子で楽しめる幼児・未就学児向けYouTubeチャンネル「Popo Kids(ポポキッズ)」の運営や絵本動画の配信を行っています。また、モバイルコンテンツ『デココレ』ではソーシャルネットワークで利用されるスタンプ画像を多数配信しています。
収益は、自社サイト運営で培ったノウハウや技術力、保有するデジタルコンテンツを基盤とした電子絵本の受託制作、キャラクターの企画・制作・提供、モバイルコンテンツの構築・運営、AIコンテンツ制作などから得ています。前期と比較すると、売上高は減少しています。
DX事業
DX事業では、ソフトウェアやシステム開発、インフラ構築、デザイン制作、サポートといった業務運営の4分野で請負やシステムエンジニアリングサービスを提供しています。また、労働者派遣事業の許可を取得し、人材派遣も行っています。
収益は、既存のシステムエンジニアリングサービスの拡大に加え、生成AI、データサイエンス、クラウドコンピューティングといった関連分野への注力によるIT人材需要の取り込みから得ています。前期と比較すると、売上高は減少しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| DX事業 | 18.8億円 | 18.3億円 |
| コンテンツ事業 | 88百万円 | 36百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高は、過去5年間で減少傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、2024年3月期に損失を計上しましたが、それ以前の期には利益を計上していました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 26.3億円 | 26.1億円 | 25.7億円 | - | - |
| 経常利益 | 2.6億円 | 1.5億円 | △77百万円 | - | - |
| 経常利益率 | 9.9% | 5.8% | △3.0% | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.5億円 | 1.5億円 | △100百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 14.37 | 8.33 | △5.60 | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、財務の安定性を示す自己資本比率が高く、手元資金も確保されています。本業で着実に資金を稼ぎ、事業活動に活用している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は、プライム市場の平均と比較しても高い水準にあります。手元資金である現金及び預金等も確保されており、財務基盤は安定している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | 70.8% |
| 現金及び預金等 | 10.0億円 | 10.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュ・フローは、当期において営業活動による資金がプラスとなり、投資活動による資金もプラスとなっています。これにより、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローもプラスで推移しています。前期は営業活動による資金がプラスである一方、投資活動による資金はマイナスであり、フリーキャッシュ・フローはマイナスでした。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当期は資金が減少していますが、前期は資金が増加しています。これは、資金調達と返済のバランスが変化していることを示しています。本業で安定的に資金を稼ぎ、事業運営に必要な資金を確保している状況は、雇用や給与の安定性につながる要素であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 27百万円 | 23百万円 |
| 投資CF | △39百万円 | 23百万円 |
| 財務CF | 3.0億円 | △8百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △13百万円 | 45百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の事業は、主にインターネットの技術を活用して展開されており、業界動向、技術革新、ユーザーニーズの変化に常に対応する必要があります。対応が遅れた場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、DX事業においては、優秀な技術者の確保や営業力等の質的な差別化が求められ、企業間の競争が激化しています。受注競争の激化や低価格戦略、値下げ要請により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社のDX事業では労働者派遣業務を行っており、労働者派遣法に基づき厚生労働大臣より許可を取得しています。労働者派遣法に抵触する事態が発生した場合、業務の停止命令や許可の取消しにより、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アイフリークモバイルは、「人々の思いが伝わる・つながる・広がる 世の中の日常に喜びと感動を提供します。」という経営理念のもと、事業活動を通じて社会に貢献することを目指しています。経営の透明性とコンプライアンスを重視し、変化に柔軟に対応できる組織体制の構築を推進しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アイフリークモバイルは、「人々の思いが伝わる・つながる・広がる 世の中の日常に喜びと感動を提供します。」を経営理念として掲げています。この理念のもと、事業を通して社会課題の解決に寄与し、同社の持続的な成長が社会の持続的な発展に貢献できる世界を目指しています。
経営方針としては、経営の透明性向上とコンプライアンスを重視し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織体制の構築を重要な課題と位置付け、組織改革を継続的に実施しています。企業倫理の徹底も経営方針に掲げ、経営責任の明確化と効率性向上により、企業としての社会的責任を果たすことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アイフリークモバイルは、「誰かをhappyにすることで、自分もhappyになる」という経営ビジョンを掲げています。このビジョンの実現には、社員一人ひとりがhappyとなり、自律的にキャリアを構築できる仕組みづくりが不可欠であると考えています。
同社は、人がhappyになる時を「自分の『好き』を見つけ、その『好き』を通じて誰かを笑顔にできた時」と捉えています。そのため、社員が「本当に好きなもの」を見つけ、その分野で自分を研鑽し、高い付加価値を身に付けることを推進しています。また、経営の透明性向上とコンプライアンスを重視し、企業倫理の徹底を経営方針に掲げ、あらゆるステークホルダーとのエンゲージメントを大切にするサステナビリティを重視した経営を実践しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
アイフリークモバイルは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、経営基盤の強化・確立に取り組んでいます。具体的には、人員の最適化や人材育成を重点課題としています。
コンテンツ事業では、ユーザー基盤の拡大と継続利用促進、新技術への対応及び活用を課題として認識しています。DX事業においては、人材の確保とエンゲージメント向上、技術力の強化、稼働率の維持・向上に取り組んでいます。また、両事業共通の課題として、機密情報及び個人情報の漏洩防止に向けた情報管理レベルの向上に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アイフリークモバイルは、業務に精通した取締役を中心にスピード感のある経営を可能とし、社外取締役が外部的視点からの助言を行っています。経営の透明性を確保するため、監査役会による監督機能と内部統制機能を充実させています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アイフリークモバイルの株主構成を見ると、筆頭株主はINTERACTIVE BROKERS LLCという機関投資家であり、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は22.84%です。次いで、取締役である辛澤氏が19.69%、株式会社ランニングが12.14%の株式を保有しています。上位株主には、特定の個人や事業会社も名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| INTERACTIVE BROKERS LLC | 22.84% |
| 辛 澤 | 19.69% |
| ランニング | 12.14% |
| SBI証券 | 2.92% |
| 永田 浩一 | 2.84% |
なお、前事業年度末において主要株主でなかったINTERACTIVE BROKERS LLC及びランニングは、当事業年度末現在では主要株主になっています。また、前事業年度末において主要株主であった永田浩一氏は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は吉田邦臣氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 吉田 邦臣 | 代表取締役社長 | 2000年防衛庁航空自衛隊入隊後、複数社の代表取締役を歴任。2017年同社入社、コンテンツクリエイターサービス事業部長、IP事業部長などを経て、2023年7月より同社代表取締役社長に現職。 |
| 五十嵐 雅人 | 取締役 | 1996年亜細亜証券印刷入社後、証券会社やベンチャー企業で要職を経験。2020年同社入社、経営企画室長兼広報・IR室長、事業企画室長を経て、2020年6月より同社取締役に現職。 |
| 辛 澤 | 取締役 | 2013年香港BMI Hospitality Service Limited代表取締役。2015年ランニング設立代表取締役。2021年石垣食品取締役、ジェクシード取締役を経て、2025年6月より同社取締役に現職。 |
社外取締役は、幹元慶氏(上海安美途融資租貸有限公司 代表取締役会長)、溝田吉記氏(元富士通フロンテック取締役 経営執行役専務)、神谷善昌氏(神谷公認会計士事務所 代表)、三浦璃久氏(gippro japan 代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会における取締役相互の牽制と監査役の実効的な監査により、経営監視面で有効に機能する体制を整えています。社外取締役及び社外監査役は、専門的な知見に基づき客観的かつ適切な監督・監査を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定金銭報酬である基本報酬と、中長期的インセンティブとしての非金銭報酬であるストックオプションにより構成されています。監査役の報酬は、監査役会での協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役 | 6名 | 16百万円 | 2.6百万円 |
| うち社外取締役 | 3名 | 3百万円 | 1.1百万円 |
| 社外監査役 | 4名 | 10百万円 | 2.4百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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