※本記事は、ネットイヤーグループ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ネットイヤーグループは、1999年の創業以来、ユーザーエクスペリエンス(UX)を軸としたSIPS(Strategic Internet Professional Services)事業を展開しています。生成AI技術の進展を捉え、Web、アプリ、CRM、データ分析などあらゆるデジタル領域を統合・最適化し、カスタマーエクスペリエンス(CX)全体の高度化を支援しています。
単体従業員数は171名です。同社の事業セグメントはSIPS事業の1つとなっています。
ネットイヤーグループは、ユーザーエクスペリエンス(UX)を軸としたSIPS事業を本体で展開しており、サービスデザイン、デジタルマーケティング支援、デジタルプロダクト開発、社会インパクト開発の4つの主要事業領域を相互に連携させています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ネットイヤーグループは、デジタルマーケティングを軸とする知的創造ビジネスを展開しており、人材を最も重要な資本と位置付けています。そのため、従業員の専門性の深化と自律的な成長を重視し、柔軟な働き方を推進する環境が特徴です。給与体系についても、市場競争力と貢献度に応じた適正な還元を目指し、見直しを適宜行っています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数も一定の長さを示しています。これは、多様な経験を持つプロフェッショナルが中長期的に活躍できる環境が整っていることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,952,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.9年 |
| 平均年齢 | 39.9歳 |
| 単体従業員数 | 171人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定拠出型年金制度及び前払退職金制度を選択制で採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ネットイヤーグループは、デジタルマーケティングを軸とする知的創造ビジネスにおいて、人材の確保を最重要課題と位置付けています。生成AI等の先端技術とUXデザインを統合して顧客の企業価値を最大化する事業戦略と、個の専門性の深化と自律的な自己成長を促す組織戦略を密接に連動させています。
従業員の給与体系は、市場競争力の向上と貢献度に応じた適正な還元を目指し、適宜見直しが行われています。給与や人事評価に関する規程に基づき、職務遂行能力や専門性に応じたグレード制を採用し、行動評価と業務評価を合算した総合評価の結果に基づき処遇が決定されます。また、半期ごとの組織及び個人の業績達成度に応じた賞与が支給される仕組みです。
人材育成においては、生成AIの活用を事業の主軸と捉え、全社員が高付加価値人材へと成長していくことを生成AI人材育成方針としています。社内研修や外部セミナーへの参加、スキルアップ支援制度を通じて、従業員の内発的動機を引き出し、自発的な取り組みを促進しています。
社内環境整備では、中途採用を主とし、能力や実績を重視した公正な採用を実施しています。従業員の生産性やワーク・ライフ・バランスの向上を図るため、リモートワーク制度、フレックス制度、時短勤務制度に加え、副業制度や兼業制度も導入し、多様な働き方を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 37.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 80.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 37.4% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 37.0% |
人材育成・エンゲージメント
当社の生成AI人材育成方針に基づき、受講を広く推奨する各種講習の修了率を示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 生成AI研修の受講率 | 61.9% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ネットイヤーグループは、ユーザーエクスペリエンス(UX)とデザイン思考を軸に、デジタル領域における戦略立案から実装までを一貫して支援するSIPS(Strategic Internet Professional Services)事業を展開しています。生成AI技術の進展を捉え、未来の社会創造に貢献することを経営方針に掲げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、顧客体験(CX)全体の高度化を支援するSIPS事業を単一セグメントとして展開しています。Web、アプリ、CRM、データ分析など、あらゆるデジタル領域を統合・最適化し、消費者の認知から購買、ファン化に至る全てのプロセスを繋ぐフルファネルマーケティングを通じて顧客企業の事業価値最大化を推進しています。
具体的には、以下の4つの主要な事業領域を相互に連携させています。サービスデザインでは、ユーザー中心主義に基づき、新規事業の立案や既存サービスの再定義を調査・構想段階から一貫して行い、生成AI技術を前提としたビジネスモデル開発や次世代コミュニケーション設計に強みを持っています。デジタルマーケティング支援では、UXデザイン力を活かし、既存のマーケティングプロセスを統合・最適化し、生成AIを活用した最新手法を取り入れてCXの高度化と投資対効果の最適化を支援しています。デジタルプロダクト開発では、企業のブランド接点となる各種デジタルプロダクトを生成AIツールに適応可能な構造へと転換させ、その価値を最大化しています。社会インパクト開発では、UXデザインの知見を公共空間のデジタルトランスフォーメーションや地域活性化などの社会課題解決に役立てるビジネスインキュベーションを展開しています。
同社の収益は、主にデジタルマーケティング関連のサービスを法人顧客にプロジェクト形式で提供する受託型のビジネスモデルから得られています。大企業を中心とした顧客に対し、コンサルティング、ウェブサイトやソーシャルメディアのコンテンツ・デザイン制作、マーケティングシステムの開発・運用、データ分析などのサービスを提供しています。特定の顧客への収益集中が見られ、スターバックスコーヒージャパン、NTTデータ、モスフードサービスなどが主要な取引先となっています。本邦の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えるため、海外への売上比率は低い傾向にあります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前事業年度を上回り、増加傾向を示しています。利益面においても、営業利益、経常利益ともに前事業年度を大きく上回る結果となりました。当期純利益は黒字に転換し、前事業年度の純損失から改善しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。これは、同社が顧客企業に対する積極的な提案活動や高付加価値サービスの展開を進めた結果、受注および売上が前事業年度を上回ったことによるものと考えられます。従業員1人あたりの売上高の増加は、組織全体の生産性が向上している傾向を示しており、事業の収益体質の強化に貢献していると言えるでしょう。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 21.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ネットイヤーグループの財務状況は、事業活動による資金創出と、手元資金の状況から安定性を確認できます。同社は本業で着実に資金を生み出し、事業運営に必要な資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
財務基盤の安定性は、企業の持続的な成長と従業員の雇用安定性にとって重要な要素です。自己資本比率やROE、手元資金の厚みは、事業の安定性や将来の成長余力を示す指標となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | -% | -% |
| ROE(自己資本利益率) | -% | -% |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローは、企業がどのように資金を稼ぎ、投資し、調達しているかを示す重要な情報です。事業活動による資金の流れは本業の収益力を、投資活動による資金の流れは将来に向けた成長戦略を、財務活動による資金の流れは資金調達や返済の状況を表します。これらの資金の流れは、企業の安定性や成長性、ひいては雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の事業は、顧客企業のDX予算やマーケティング予算の影響を強く受ける傾向があります。景気変動によって顧客企業の予算が縮小した場合、受注の減少や売上高の減少につながる可能性があります。
また、同社の事業領域では専業の競合企業が複数存在し、コンサルティング領域の企業や広告代理店、システムインテグレーター、個人事業主なども参入しており、厳しい競合環境にあります。急速に発展する生成AI技術により、新しい競合企業が出現する可能性も考えられます。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の事業は個々の人材の知識や能力に依存する要素が大きく、優秀な人材の継続的な確保と育成が重要です。これらの取り組みが想定通りに進まない場合、競争力の低下や事業拡大の制約要因となり、中長期的な成長が低下する可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ネットイヤーグループは、「生成AIを活用して未来の社会を創造する」ことを経営ビジョンに掲げ、UXデザインとデジタル技術、生成AI技術の融合を通じて顧客企業のDXとマーケティング成果の最大化を支援しています。人材を最も重要な資本と捉え、多様なプロフェッショナルが挑戦し続ける環境を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ネットイヤーグループは、「生成AIを活用して未来の社会を創造する」ことを経営ビジョンに掲げています。同社は、これまで培ってきたUXデザインとデジタル技術のノウハウに生成AI技術を高度に融合させ、顧客企業のDXとマーケティング成果の最大化を支援しています。デジタル領域における戦略立案から実装までを強みとし、データに基づいた顧客の迅速な意思決定を支える戦略的伴走パートナーを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ネットイヤーグループは、人材を最も重要な資本と位置づけています。同社は、多様な価値観や好奇心から生まれる斬新な発想、高い専門性を持つプロフェッショナルの集合体としての実装力を重視しています。常に挑戦し続けるマインドと、挑戦できる環境が重要であると考えています。
中途採用を主とし、能力や実績を重視した公正な採用を実施しています。自ら学び、チームワークを大切にし、内発的動機を引き出す人材を登用する方針です。多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できるよう、組織全体でダイバーシティとインクルージョンに対する意識を高め、多様性と組織力を尊重する文化の醸成に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ネットイヤーグループは、持続的な成長に向け、いくつかの主要な課題に取り組んでいます。デジタル業界における人材の流動性の高さとDX投資需要の拡大に対応するため、人材の確保と育成を喫緊の課題としています。採用活動の強化に加え、次世代のデジタル人材を育成する取り組みを推進しています。
また、生成AI技術の利活用を重点テーマとし、社員がより創造的な業務に注力できる体制構築を進めています。社内に推進部署を設置し、高度な活用ノウハウの蓄積と普及を図っています。親会社であるNTTデータグループ企業との協業も強化し、UXを基軸としたサービス提供と生成AI技術に関する連携を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ネットイヤーグループは、監査等委員会設置会社として、効率性と透明性の高い経営を目指しています。取締役会は経営の基本方針を決定し、業務執行の管理・監督機能を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるNTTデータです。同社はNTT株式会社を支配株主としていることから、取締役会における監督機能の強化や少数株主の利益保護のため、特別委員会を設置しています。これにより、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ状況において、公正性と公平性の確保に努めていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| NTTデータ | 48.51% |
| 石黒 不二代 | 7.63% |
| 鈴木 智博 | 2.42% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長CEOは廣中龍蔵氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 廣中 龍蔵 | 代表取締役社長CEO | 1990年4月株式会社富士総合研究所入社、2001年4月同社入社、2009年6月株式会社ドッツ代表取締役、2024年6月同社代表取締役社長CEOより現職。 |
| 中澤 智彦 | 取締役副社長 | 1986年4月日本電信電話株式会社入社、1988年7月エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社へ移行、2009年7月株式会社クニエ取締役経営管理本部長、2023年6月同社取締役副社長より現職。 |
| 安地 亮一 | 取締役 | 1995年4月エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社入社、2023年7月NTTデータ執行役員第二インダストリ統括事業本部事業本部長、2025年6月同社取締役より現職。 |
| 德永 裕幸 | 取締役 | 1999年4月エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社入社、2023年7月NTTデータシステムインテグレーション事業本部システムインテグレーション事業部長、2024年6月同社取締役より現職。 |
| 小布施 秀幸 | 取締役 | 1998年4月エヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社入社、2023年7月NTTデータ第一インダストリ統括事業本部機械・電機・建設事業部長、2025年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、渡辺今日子氏(knots associates取締役COO)、小池藍氏(GO FUND投資事業有限責任事業組合代表パートナー・監査等委員)、古田利雄氏(弁護士法人クレア法律事務所代表弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しています。社外取締役は独立した立場から経営に関する監視及び助言を行っており、コーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、役職や職責、定量・定性目標の達成状況に基づき、年間に支払う額を定めた定期同額給与としています。これにより、安定した報酬体系が構築されており、経営陣の短期的な業績変動に左右されない経営判断を促す仕組みとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 42百万円 | 21.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。