※本記事は、株式会社シーボン の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シーボンは、スキンケア製品を中心とした化粧品および医薬部外品の製造販売を手掛けています。自社工場で製造した製品を、通信販売や会員制の「シーボン フェイシャリストサロン」を通じて提供し、購入者にはカウンセリングやフェイシャルサービスなどのアフターサービスも行っています。
単体従業員数は713名、連結従業員数は717名です。同社グループは単一セグメントで事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ジャフマック(醗酵食品の製造・販売)、クリニメディック(化粧品及び医薬部外品の販売)、天然酵母研究所(醗酵食品の製造)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シーボンは、美容業界において専門性とホスピタリティを重視し、社員一人ひとりの成長と活躍を支援する企業文化を持つ会社です。社員のワークライフバランスを考慮した柔軟な働き方を推進しており、長期的なキャリア形成をサポートする環境が整っています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的平均勤続年数が長く、社員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も30代後半であり、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,474,448円 |
| 平均勤続年数 | 12.6年 |
| 平均年齢 | 38.9歳 |
| 単体従業員数 | 713人 |
| 連結従業員数 | 717人 |
| 単体のグループ内比率 | 99.4% |
同社は確定拠出年金制度を採用しており、国内の従業員が対象となっています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「自分らしく輝く」を人材育成方針の基本に掲げ、社員の性別や年齢、属性に関わらず、挑戦したいという志を大切にしています。製販一体の事業構造を根幹とし、人的資本への投資を加速させることで、優れた研究開発体制の維持や高品質なサービスの提供に繋げ、企業価値向上を目指しています。
人事制度においては、性別や育児等のライフイベントによる勤務時間の制限に関わらず、仕事の達成度や能力の発揮度合に応じて公正に評価する体制を整備しています。年功序列ではなく、個々の役割および成果に対する貢献度を反映した評価・報酬体系を採用しています。特に店舗では、顧客満足度を含めた定性・定量両面を反映させたインセンティブを強化し、市場水準を意識した給与体系の維持に努めています。
具体的な取り組みとして、フェイシャリストの育成を担う研修施設での基礎研修から階層別プログラムの提供、社内公募制度を通じた多様なキャリアパスの提示を行っています。また、育児・介護休業からの復職サポート制度や短時間勤務制度の拡充、有給休暇取得の促進により、ワークライフバランスを支援しています。従業員のウェルビーイング向上を目指し、身体的負荷軽減やメンタルヘルスケアの充実、心理的安全性の高い組織文化の醸成にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 85.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 71.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 79.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 81.1% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 一人当たり月平均所定時間外労働 | 14.9時間 |
| 年次有給休暇取得率 | 73.7% |
| 美容社員の稼働人数 | 574人 |
| 美容社員の離職率 | 16.9% |
| 接客効率(接客時間÷総労働時間) | 58% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社シーボンは、スキンケア製品を中心とした化粧品および医薬部外品の製造販売を手掛けています。自社工場で製造した製品を、通信販売と会員制の「シーボン フェイシャリストサロン」を通じて顧客に提供しています。製品の販売だけでなく、購入後のカウンセリングやスキンケアアドバイス、フェイシャルサービスといったアフターサービスも提供している点が特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「美を創造し、演出する」という企業理念のもと、スキンケア製品を主力としています。クレンジングや洗顔料、化粧水、乳液などの日常使いのベーシック製品に加え、美容液やクリーム、パックといったスペシャル製品も展開しています。その他、メイクアップ製品やボディ関連製品も取り扱っています。
収益は、主に直営店舗での製品販売とアフターサービス提供から得ています。顧客との「会員アフターサービス規約」に基づき、ホームケア製品やサロンケア製品の提供、施術サービスを行っています。これらの取引において、残存履行義務に配分した取引価格を収益として認識しています。
同社グループの収益構造は、直営店舗からの売上高が大部分を占めており、特定の販路に集中している傾向が見られます。海外代理店からの売上高は全体のわずかな割合にとどまっており、事業活動は日本国内が中心となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は変動がありつつも、当連結会計年度には増加に転じています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、過去には損失を計上した期がありましたが、当連結会計年度は前期から大きく増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、過去にマイナスとなった期もありましたが、当連結会計年度には大幅な増加を示しています。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益の増加は、主に店舗に関する固定資産除却損や減損損失の計上による特別損失があったものの、自己株式取得による住民税負担の抑制や、繰延税金資産の回収可能性検討による法人税等調整額(益)の発生が影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 91.5億円 | 85.3億円 | 85.0億円 | 88.4億円 | 92.7億円 |
| 経常利益 | 3.0億円 | △1.3億円 | 44百万円 | 1.7億円 | 2.8億円 |
| 経常利益率 | 3.3% | △1.5% | 0.5% | 1.9% | 3.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 45百万円 | △4.2億円 | △26百万円 | 1.4億円 | 2.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 10.48 | △98.53 | △6.16 | 31.84 | 50.11 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から当期にかけて増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標は、同社グループの収益体質が強化され、組織全体の効率化が進んでいることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 12.3百万円 | 12.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.2百万円 | 0.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を維持しつつ、事業活動を通じて着実に資金を生み出しています。これにより、将来に向けた投資余力も確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は高い水準を維持しており、財務基盤の安定性を示しています。これは、不測の事態に対する耐性があることを意味します。また、手元資金も増加傾向にあり、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。ROEはプライム市場平均と比較すると低い水準ですが、前期からは改善しています。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 57.0億円 | 56.9億円 |
| 自己資本比率 | 66.9% | 66.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.4% | 3.8% |
| 現金及び預金 | 26.5億円 | 30.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費、棚卸資産の減少、未払消費税等の増加が主な要因となり、資金を獲得しています。これは本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があった一方で、敷金及び保証金の回収による収入があり、資金を使用しています。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得や配当金の支払いにより資金を使用しています。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。前期は営業活動によるキャッシュフローがマイナスでしたが、当期は大幅に改善しプラスに転じています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しており、入社後の安定性や成長性にも期待が持てる状況であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △43百万円 | 7.6億円 |
| 投資CF | △8.5億円 | △1.6億円 |
| 財務CF | △90百万円 | △2.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △8.9億円 | 6.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの販売チャネルは直営店舗が売上の大半を占めており、デジタル化等による消費者のライフスタイルや消費行動の多様化に対応したチャネル整備の遅延が、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、スキンケア製品市場におけるお客様ニーズの多様化に対応した製品開発で想定した成果が得られない場合、同社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、雇用情勢の変化や労働市場の競争激化への対応の遅れなどにより、必要な人材の採用計画に大幅な遅延が起こる場合、製品開発計画や製造計画、販売計画等に滞りが生じ、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シーボンは、「美を創造し、演出する」という企業理念のもと、お客様一人ひとりに寄り添い、美しさを育むことを大切にしている会社です。持続的な成長と企業価値向上を目指し、新たな中期経営計画を推進しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
シーボンは、「美を創造し、演出する」という企業理念を掲げています。この理念の実現に向けて、スキンケア製品の研究開発や製造、販売だけでなく、直営サロンでの肌カウンセリングや東洋式トリートメントなどのアフターサービスを提供しています。
お客様に寄り添い、共に美しさを育むことで、他社との差別化を図ることを経営の基本方針としています。また、同社グループは新たな中期経営計画において「美しさを共に奏でる」というビジョンを掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員一人ひとりが自ら考え行動する主体性あふれる企業文化の醸成を目指しています。現場社員である「フェイシャリスト」が専門性を最大限に発揮し、より一層接客に専念できる環境の整備を進めています。
社員満足度向上と離職率低減のため、役割と成果を公正に反映した評価スキームの再定義や、働きがいを高める施策に取り組んでいます。
サステナビリティに関する取り組みとして、社員が“自分らしく”輝くために、お互いの個性や多様性を尊重し、新しいことにチャレンジできる企業風土の醸成を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、主体性あふれる組織づくりを重点テーマの一つとしています。現場の声を製品開発やサービス改善に直結させる現場起点のイノベーションを促進し、社員一人ひとりが自ら考え行動する企業文化を醸成しています。
また、人材の確保と育成の両輪で持続的な成長基盤を築くため、積極的な採用と並行し、役割と成果を公正に反映した評価スキームの再定義や、働きがいを高める施策を通じて社員満足度を向上させ、離職率の低減を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シーボンは、取締役会と執行役員で構成される経営会議を軸に、ガバナンス委員会や指名報酬委員会などの諮問機関を設けています。これらの体制を通じて、経営の健全性と透明性の向上を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
シーボンの筆頭株主は個人である犬塚雅大氏であり、発行済株式の総数に対する所有株式数の割合は17.63%です。上位株主には犬塚公子氏も名を連ねており、創業家が同社の資本構成において一定の影響力を持っていることがうかがえます。また、シーボン従業員持株会も上位株主として同社を支えています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 犬塚 雅大 | 17.63% |
| シーボン従業員持株会 | 2.73% |
| 犬塚 公子 | 2.29% |
| 安田 亜希 | 2.29% |
| 望月 曉一 | 1.84% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性6名・女性4名)で構成され、女性役員比率は40.0%です。代表取締役社長執行役員は崎山一弘氏が務めています。社外取締役比率は30.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 犬塚 雅大 | 代表取締役会長 | 1978年同社入社、美容部長、取締役営業部長、取締役副社長を経て、1986年代表取締役社長に就任。2021年より代表取締役会長より現職。 |
| 崎山 一弘 | 代表取締役社長 執行役員 | 1985年同社入社後、㈱チサンレストランを経て1990年同社再入社。執行役員、取締役、専務取締役執行役員を経て、2021年より代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 菅原 桂子 | 取締役 執行役員 事業本部責任者 | 1993年同社入社。エリア長、営業部長、執行役員を経て、2021年より取締役執行役員事業本部責任者より現職。 |
| 堀住 輝男 | 取締役 執行役員 商品開発本部責任者 | 1996年花王㈱入社。2017年同社入社後、商品開発本部執行役員を経て、2024年より取締役執行役員商品開発本部責任者より現職。 |
| 山田 奈央子 | 取締役 | 2002年㈱ワコール入社。2006年㈱シルキースタイル創業代表取締役。2021年㈳日本フェムテック協会設立代表理事。2024年より同社社外取締役より現職。 |
| 長谷川 浩 | 常勤監査役 | 1985年同社入社。管理部長、取締役、生産本部を経て、2022年より常勤監査役より現職。 |
| 木下 愛矢 | 監査役 | 2007年弁護士登録。シティユーワ法律事務所入所。2009年東京紙パルプ交易㈱社外監査役。2022年シティユーワ法律事務所パートナー。2024年より同社社外監査役より現職。 |
社外取締役は、岩田功氏(元㈱三陽商会代表取締役社長)、山田奈央子氏(㈱シルキースタイル代表取締役)、大杉春子氏(レイザー㈱代表取締役)です。
同社は監査役設置会社であり、取締役会が経営の基本方針や重要事項を決定し、業務執行を監督しています。社外取締役は、豊富な経験と幅広い見識または専門的見地から、取締役会の意思決定における妥当性・適正性を確保するため、経営陣から独立した中立的な立場で助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
シーボンの役員報酬は、業務執行取締役に対しては固定報酬、業績連動報酬、および株式報酬(非金銭報酬等)で構成されています。一方、監督機能を担う社外取締役には固定報酬のみが支払われる体系です。業績連動報酬は連結売上高と連結営業利益額の期初予算達成を条件とし、連結営業利益額の1.0%が配分されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 91百万円 | 22.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 21百万円 | 4.3百万円 |
当事業年度における業績連動報酬は、連結営業利益(業績連動報酬計上前)に対し規程に基づき1.0%相当額である2,584千円が算出され、このうち業務執行取締役(社外取締役を除く)を対象とする支給分1,988千円が報酬等の種類別の総額に含まれています。残額は取締役を兼務しない執行役員に支給される予定です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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