※本記事は、JALCOホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
JALCOホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は16名、グループ連結従業員数は21名です。
同社グループは、連結子会社3社とともに、貸金事業、不動産事業、M&Aコンサルティング事業を主たる事業として展開しています。ソーシャルレンディングを含む貸金事業、パチンコホール企業や事業会社向けの不動産事業、そしてM&Aに関するアドバイザリー事業を手掛けています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ジャルコ、(連結子会社)エイコス(不動産賃貸事業)、(連結子会社)ジャルコアセットマネジメント(不動産の管理・運営支援業務)などです。
JALCOホールディングスグループは、当連結会計年度より報告セグメントの配分方法を変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
JALCOホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を担い、人材を重要な経営資源と位置付けています。同社グループは、個人の能力や情熱、粘り強さを重視し、性別や年齢、国籍に関わらず多様な人材を登用する方針です。社員一人ひとりが主体的に業務を遂行し、専門性を高められるよう、育成と働きやすい環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
JALCOホールディングスでは、平均年齢が40代半ばであり、比較的落ち着いた年齢構成となっています。平均勤続年数は5年弱であり、中長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 10,860,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.9年 |
| 平均年齢 | 45.5歳 |
| 単体従業員数 | 16人 |
| 連結従業員数 | 21人 |
| 単体のグループ内比率 | 76.2% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
JALCOホールディングスは、不動産事業、貸金業、M&A関連事業等において、案件発掘力や専門的知見を総合的に活用するため、「人材」を持続的な成長を支える重要な経営資源と位置付けています。社員一人ひとりが自ら課題を発見し、専門性を高め、主体的に業務を遂行できる人材の育成を重視しています。
従業員の給与や内容は、各人の職責、役割、経験、能力、業務遂行状況、目標達成度、会社業績、外部環境などを総合的に勘案し、適正かつ公正に決定する方針です。業務遂行に必要な能力を段階的に定義し、上位の能力段階ほど高い専門性や成果創出力が求められるとし、これらを踏まえて処遇水準を決定しています。
人材育成においては、OJTを中心に外部研修や専門資格取得支援、社内勉強会を活用し、実務に即した能力開発を進めています。また、業務の標準化や情報共有を通じて組織全体の対応力向上を図るとともに、社員が主体的に意見を述べ、迅速に意思決定を行える組織風土の醸成に努めています。
社員の健康保持やワークライフバランスへの配慮、ハラスメント防止、多様な人材が働きやすい環境づくりも推進しています。具体的には、自社株取得奨励制度による財産形成支援、人間ドックや有休取得推進、リモートワーク環境整備、リフレッシュルームの活用などにより、従業員エンゲージメントとウェルビーイングの向上を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
JALCOホールディングスは、性別や国籍等での対応分けなく、能力や実績による処遇を優先してきたため、女性管理職比率や男性育児休業取得率などの指標は設定していません。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働生産性(2026年実績) | 177,415円/時 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
JALCOホールディングスは、貸金事業、不動産事業、M&Aコンサルティング事業を主軸に展開する持株会社です。同社グループは、多様な事業を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
JALCOホールディングスグループは、貸金事業、不動産事業、M&Aコンサルティング事業を主要な事業としています。これらの事業は、それぞれ異なる収益モデルを持ち、多角的な事業展開を進めています。
貸金事業
ソーシャルレンディング事業を含む貸金事業に取り組んでいます。収益は、貸付先や対象案件の信用力、収益性、担保価値、回収可能性を検討した上での貸付金利収入から得ています。運営は、ジャルコが行っています。
不動産事業
パチンコホール企業や事業会社向けの不動産事業を展開しています。収益は、賃貸用不動産からの賃料収入や、販売用不動産の売却による収入から得ています。運営は、ジャルコ、エイコスが行っています。
M&Aコンサルティング事業
M&Aに関するアドバイザリー事業を行っています。収益は、アミューズメント業界における事業承継、店舗再編、不動産のオフバランス化、営業権の譲渡等に関するM&A案件の組成、仲介、コンサルティングによる成功報酬から得ています。運営は、JALCOホールディングス、ジャルコが行っています。
その他の事業セグメント
同社グループのブランドや保有する特許権の貸与を行っています。収益は、電子部品のブランド使用料などから得ています。運営は、ジャルコが行っています。
同社グループの売上高は、主に国内の顧客から得られており、特定の顧客への売上集中が見られます。特に不動産事業において、複数の主要顧客からの売上が大きな割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 不動産事業 | 65.5億円 | 147億円 |
| M&Aコンサルティング事業 | - | 20.1億円 |
| 貸金事業 | 2.9億円 | 2.8億円 |
| その他の事業セグメント | 22百万円 | 0百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益は大きく変動しながら推移しています。特に直近の連結会計年度では、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも大幅な増加となりました。これは、アミューズメント施設の取得・売却やM&Aコンサルティング事業の成功報酬が寄与したことによるものです。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 27.8億円 | 49.6億円 | 127億円 | 68.6億円 | 170億円 |
| 経常利益 | 10.0億円 | 22.7億円 | 49.9億円 | 6.2億円 | 23.5億円 |
| 経常利益率 | 36.0% | 45.7% | 39.2% | 9.1% | 13.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9.1億円 | 18.2億円 | 41.6億円 | 66百万円 | 18.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 8.42 | 17.22 | 39.30 | 0.61 | 16.31 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの生産性は、直近の連結会計年度において前期から向上しています。従業員数が増加している中で、従業員1人あたり売上高および従業員1人あたり営業利益ともに増加傾向を示しています。これは、同社グループの事業規模拡大と効率的な運営が両立していることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 457.3百万円 | 809.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 168.6百万円 | 232.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業活動で得た資金を成長投資に充てている状況です。財務基盤や資金の流れから、現在の経営状況を読み解くことができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から減少しているものの、ROEは大きく改善しています。手元資金は増加傾向にあり、事業活動を支える資金の厚みを示しています。
自己資本比率は当期で20.6%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較すると下回っています。ROE(自己資本利益率)は当期で9.5%となり、プライム市場平均(9.4%)を上回る水準です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 190億円 | 190億円 |
| 自己資本比率 | 24.5% | 20.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 0.3% | 9.5% |
| 現金及び預金 | 39.6億円 | 70.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、85.9億円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費、販売用不動産の減少額などによる増加要因があった一方、営業貸付金の増加額や前渡金の増加額、利息の支払額などによる減少要因があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が大きく、158.7億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入や短期借入金の純増などにより、104.2億円の収入となっています。
結果として、フリーキャッシュ・フローはマイナスであり、本業で得た資金を積極的に投資に回している成長投資の段階にあることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.8億円 | 85.9億円 |
| 投資CF | △49.2億円 | △158.7億円 |
| 財務CF | 54.9億円 | 104.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △42.3億円 | △72.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主たる顧客の一つであるパチンコホール企業は、法的規制や業界団体の自主規制を受ける業界に属しています。これらの規制や市場動向の変化が、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社グループは特定の取引先への売上高の割合が高くなっています。特定の取引先への依存が解消されない場合、当該取引先の動向によっては、同社グループの事業や財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループが事業展開を行うにあたっては、豊富な経験と高い専門性を持つ人材の確保が不可欠です。必要な人材を育成または雇用できない場合や、雇用している人材が退職した場合、同社グループの事業活動や財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
JALCOホールディングスは、金融における新たな価値創造を通じて、社会貢献と企業価値の拡大を目指しています。能力と意欲のある人々を応援し、顧客とリスクを共有する姿勢を大切にする企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「金融における新価値の創造により、個人金融資産の受け皿となり、企業価値の拡大と社会への貢献を果たす。」ことを企業理念として掲げています。この理念に基づき、持続可能な社会の実現と企業としての健全な成長を目指しています。
また、企業活動の根本として「有為有志(能力とやる気のある人々)の多くの者を応援する」ことと、「顧客とリスクを共有して成果を出す」ことを重視しています。これにより、当事者同士がより良い関係を築き、ビジネスで真に成功できると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、能力、情熱、粘り強さを重視した採用と処遇を行っており、新卒、中途、性別、国籍、年齢に関わらず人材を登用しています。社会的規範遵守と上場企業の責務を大前提としつつ、個人が本当にやりたいことを同社グループの枠組みの中で実現することを重要視しています。
従業員エンゲージメントとウェルビーイングの向上にも取り組んでおり、自社株取得奨励制度による財産形成を支援しています。また、健康と家族を大事にする方針を周知・実践し、人間ドックや有給休暇取得推進、リモートワーク環境整備、リフレッシュルームの活用などを進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、企業価値向上と株主利益最大化、ステークホルダーとの良好な関係構築のため、コーポレート・ガバナンスの確立を不可欠と認識しています。独立役員の選任や社外取締役・社外監査役への情報提供充実を通じて、ガバナンスの充実を図っています。
また、業績回復と業容拡大、経営体質強化のため、優秀な人材の確保・育成を極めて重要な課題としています。社員のスキル育成のための効果的な仕組み構築や、将来のコアとなる人材の積極的な採用により、人的投資・人的資本経営を進めていく方針です。
さらに、企業間競争が進む中で、低コスト体制の徹底も重要な課題と認識しており、コスト管理に注力し、低コスト体制の強化に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
JALCOホールディングスは、社外取締役および社外監査役を選任し、経営の監視・監督機能の強化を図っています。取締役会は経営戦略や事業計画の執行に関する最高意思決定機関として機能しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
JALCOホールディングスの筆頭株主は代表取締役社長である田辺順一氏です。上位株主には、同氏が代表を務めるカタリストや株式会社楽珠美が名を連ねています。これにより、特定の株主グループが同社グループの経営に影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 田辺 順一 | 16.16% |
| カタリスト | 15.91% |
| 楽珠美 | 4.52% |
| 悠晴 | 4.48% |
| スプラウト | 3.62% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は田辺順一氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 田辺 順一 | 取締役社長(代表取締役) | 1990年野村證券入社、アイ・キャピタル証券、MTラボを経て、2008年カタリスト設立代表取締役。2011年ジャルコ代表取締役社長、同年10月同社代表取締役社長より現職。 |
| 吉岡 勉 | 取締役 | 1989年タツミ紙工入社、東北タツミ代表取締役などを経て、2010年ジャルコ代表取締役社長。2011年同社取締役、2017年同社取締役より現職。 |
社外取締役は、山岸和仁氏(山岸和仁税理士事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名と全員社外監査役3名を選任しています。社外取締役は税務、財務、会計に関する知見からコーポレート・ガバナンス強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
JALCOホールディングスの役員報酬は、金銭による固定報酬のみで構成されています。業績連動報酬や非金銭報酬は支給されていません。報酬額は株主総会決議の範囲内で、取締役会が業績や貢献度を総合的に勘案して決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 1.2億円 | 61.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は、田辺順一氏(1.20億円)です。
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