※本記事は、日本軽金属ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本軽金属ホールディングスは純粋持株会社であり、単体従業員数は61名、グループ連結従業員数は12,123名です。
同社グループは、アルミニウムに関連するあらゆる分野で事業を展開しています。子会社77社及び関連会社19社で構成されており、幅広い製品の製造・販売を手掛けています。
主な国内グループ会社は、日本軽金属、日本電極(アルミナ・化成品、地金)、日軽金加工開発ホールディングス(板、押出製品)、日軽エンジニアリング(加工製品、関連事業)などです。
また、同社グループは2024年に事業グループ体制を再編し、2025年上半期にはインドの再生アルミニウム事業会社への資本参加を実行しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本軽金属ホールディングスは、アルミニウムを核としたビジネスを通じて、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献することを経営理念としています。同社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応を重視し、サプライチェーン全体での環境負荷低減や責任ある調達・生産・供給に取り組んでいます。従業員一人ひとりを「人財」と位置づけ、人的資本経営を通じて「従業員の幸せ」の実現を目指し、組織と個人の持続的な成長を促進する環境づくりを進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社単体の平均勤続年数は20.45年、平均年齢は50.55歳となっており、長期にわたってキャリアを形成できる環境である傾向がうかがえます。従業員の定着性が高く、経験豊富な人材が多数在籍していることが特徴です。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,563,554円 |
| 平均勤続年数 | 20.45年 |
| 平均年齢 | 50.55歳 |
| 単体従業員数 | 61人 |
| 連結従業員数 | 12,123人 |
| 単体のグループ内比率 | 0.5% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 日本軽金属㈱ | 42.02歳 | 16.60年 | 6,622,234円 |
| 東洋アルミニウム㈱ | 44.04歳 | 16.12年 | 7,835,390円 |
同社及び国内連結子会社は、確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と、確定拠出型の制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を設けています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は523億円、年金資産は429億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、従業員を新たな価値を創造する最大の財産である「人財」と位置付け、人的資本経営を通じて「従業員の幸せ」の実現を目指しています。従業員の幸せと成長を企業の価値創造の源泉ととらえ、これに対して積極的に投資を行う方針です。
個々の社員の職務能力や職務内容に応じた適切な報酬水準を設定し、業績や行動に対して適切に評価し報いる制度を導入しています。給与および給付の水準は経済状況や労働市場の変化に対応するため定期的に見直しを行っており、競争力のある報酬を提供することで優秀な人財の確保と育成を図っています。日本軽金属では「主体的なキャリア成長行動」を求める人事賃金制度へのシフトを検討しており、東洋アルミニウムでは年功序列から発揮能力に基づいた評価制度へ刷新しています。
人財戦略の重点テーマとして「働きがいのある職場づくり」「ダイバーシティ&インクルージョン」「人財の確保、育成」「労働の安全衛生」を掲げています。従業員の声を継続的に把握するためにエンゲージメント・サーベイを実施し、組織の課題や改善点を可視化しています。
人財育成においては「多様な価値観を尊重し、長期的かつグローバルな視点で人財を育成する」ことを基本方針としています。日本軽金属、日軽金アクト、日軽エムシーアルミの3社合同で総合職定期採用を実施し、多様な人財の確保に努めています。2025年度からは国内グループ総合職社員を対象とした受講必須の統一研修へ移行し、グループ連携の強化を目指しています。また、「ご安全に!」「やってみよう、やってみなよ」を標語に掲げ、従業員が安全やチャレンジできる職場づくりを意識・実践する機会を促進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。男女の賃金の額の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃金の額の差異は主に男女間の管理職比率及び雇用形態の差異並びに特定の職種において勤務時間が短い女性のパートタイマーが多いことによるものです。
▼ 日本軽金属(株)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 4.7% |
| 男性の育児休業取得率 | 74.6% |
| 男女の賃金の額の差異(全従業員) | 74.7% |
| 男女の賃金の額の差異(従業員) | 76.2% |
| 男女の賃金の額の差異(臨時雇用者) | 84.9% |
▼ 日軽エムシーアルミ(株)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 7.5% |
| 男性の育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女の賃金の額の差異(全従業員) | 81.9% |
| 男女の賃金の額の差異(従業員) | 79.3% |
| 男女の賃金の額の差異(臨時雇用者) | 120.7% |
▼ 理研軽金属工業(株)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 3.2% |
| 男性の育児休業取得率 | 92.0% |
| 男女の賃金の額の差異(全従業員) | 76.9% |
| 男女の賃金の額の差異(従業員) | 76.9% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 6.1% |
| 男性の育児休業取得率(国内) | 80.3% |
地球環境保護
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| スコープ1・2売上高原単位(国内) | 0.8トン-CO2/百万円 |
| スコープ3売上高原単位(国内) | 4.9トン-CO2e/百万円 |
| 環境事故および苦情の件数(環境事故) | 25件 |
| 環境事故および苦情の件数(環境苦情) | 9件 |
持続可能な価値提供
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 環境対応車向け売上高伸長率(国内、2021年度比) | 80%増 |
| 外部スクラップ購入比率(グループ全体) | 36% |
従業員の幸せ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 休業災害件数 | 15件 |
| 従業員エンゲージメントスコア(国内) | 3.38 |
| 女性管理職比率(連結) | 6.1% |
| 男性の育児休業取得率(国内) | 80.3% |
| 総合職の女性定期採用比率 | 12.8% |
| 次期経営者層研修の単年度終了者 | 15名 |
| 新任管理職研修の修了率 | 100% |
責任ある調達・生産・供給
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 重大品質問題発生件数 | 36件 |
| 救済機構への加入 | 加入継続 |
| CSR調達方針の理解と賛同を確認するアンケートに対する主要サプライヤーの回答率 | 74% |
| BCPトレーニングの実施件数 | 3件 |
企業倫理・企業統治
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 四半期ごとの投資家面談実施 | 120回 |
| 取締役会の自己評価実施回数 | 1回 |
| 社外役員による事業所視察回数 | 2回 |
| 役員・従業員のコンプライアンス教育受講率(連結) | 20% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日本軽金属ホールディングスは、アルミニウムに関連する幅広い分野で事業を展開する純粋持株会社です。アルミナ・化成品、地金から板、押出製品、加工製品、箔、粉末製品まで、多岐にわたる製品とサービスを提供し、社会の様々なニーズに応えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、アルミニウムに関連するあらゆる分野にわたる製品を提供しており、主に4つの報告セグメントで事業を展開しています。これらのセグメントは、経営資源の配分決定や業績評価のために定期的に検討されています。
アルミナ・化成品、地金
当セグメントでは、アルミナ、水酸化アルミニウム、各種化学品、アルミニウム合金などを製造・販売しています。収益は、主に放熱難燃フィラー向けの好調な販売や、原料コスト上昇に対する販売価格改定による増収から得ています。運営は、日本軽金属、日本電極、日軽エムシーアルミ、ニッケイCMRアルミニウム・インディア・プライベート・リミテッド、ニッケイ・エムシーアルミニウム・タイランド・カンパニー・リミテッド、日軽商菱鋁業(昆山)有限公司、ニッケイ・エムシーアルミニウム・アメリカ・インク、アルミニウム線材、イハラニッケイ化学工業、CMR NLMエコ・アルミニウム・プライベート・リミテッド、CMRニッケイ・インディア・プライベート・リミテッド、T.S.T.ニッケイ・メタルズ・S.de R.L. de C.V.、日軽産業などが行っています。当期は前期に比べて売上高が増加しました。
板、押出製品
当セグメントでは、アルミニウム板およびアルミニウム押出製品を製造・販売しています。収益は、リチウムイオン電池ケース向け板材やトラック架装向けの販売が堅調に推移したこと、アルミニウム地金市況を反映した販売価格の上昇などから得ています。運営は、日本軽金属、理研軽金属工業、ニッケイ・サイアム・アルミニウム・リミテッド、東陽理化学研究所、日軽金アクト、日軽形材、深圳華加日鋁業有限公司、日軽金加工開発ホールディングス、日軽産業などが行っています。当期は前期に比べて売上高が増加しました。
加工製品、関連事業
当セグメントでは、産業部品、景観関連製品、冷凍・冷蔵庫用パネル、輸送関連製品などのアルミニウム加工製品の製造・販売、運送、情報処理、保険代理などのサービスを提供しています。収益は、トラック架装の販売価格改定効果やアフターサービスの増加、自動車部品の新規案件増加、冷凍・冷蔵分野の需要堅調などから得ています。運営は、日本軽金属、日軽パネルシステム、エヌ・エル・エム・エカル、日本フルハーフ、フルハーフ・マハジャック・カンパニー・リミテッド、日軽金ALMO、ニッポン・ライト・メタル・ジョージア・インク、華日軽金(蘇州)精密配件有限公司、日軽松尾、ニッポン・ライト・メタル・ノース・アメリカ・インク、日軽産業、山東丛林福禄好富汽車有限公司、日軽エンジニアリング、日軽物流、日軽情報システム、東邦アーステックなどが行っています。当期は前期に比べて売上高が増加しました。
箔、粉末製品
当セグメントでは、箔、粉末製品を製造・販売しています。収益は、アルミニウム地金市況の反映や加工賃の改定による販売価格の上昇、放熱用途の電子材アルミパウダーや窒化アルミの販売好調、海外での自動車塗料向けペースト製品の販売増加などから得ています。運営は、東洋アルミニウム、肇慶東洋鋁業有限公司、湖南寧郷吉唯信金属粉体有限公司、トーヤルアメリカ・インク、トーヤルMMPインディア・プライベート・リミテッド、トーヤルヨーロッパ・S.A.S.、東洋アルミエコープロダクツ、三亜アルミニウムなどが行っています。当期は前期に比べて売上高が増加しました。
同社グループの売上高は、日本国内が大部分を占めていますが、その他地域からの売上高も一定の割合を占めています。特定の顧客への売上高が連結売上高の10%を超えることはありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| アルミナ・化成品、地金 | 1,655億円 | 1,836億円 |
| 加工製品、関連事業 | 1,722億円 | 1,777億円 |
| 箔、粉末製品 | 1,089億円 | 1,130億円 |
| 板、押出製品 | 1,036億円 | 1,112億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は継続的に増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近の2期間で増加しており、特に当期は前期から大きく伸びています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,866億円 | 5,170億円 | 5,237億円 | 5,502億円 | 5,855億円 |
| 経常利益 | 229億円 | 88.6億円 | 190億円 | 198億円 | 236億円 |
| 経常利益率 | 4.7% | 1.7% | 3.6% | 3.6% | 4.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 168億円 | 72.0億円 | 99.4億円 | 124億円 | 156億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 270.77 | 116.33 | 160.47 | 200.01 | 253.24 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。これは、同社グループ全体の売上高が伸びていることと連動した動きを示しています。
また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益性が向上していることがうかがえます。これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 44.7百万円 | 48.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.8百万円 | 2.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
日本軽金属ホールディングスは、安定した財務基盤を構築しています。同社グループは本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が44.7%となっています。これはプライム市場の製造業平均と比較するとやや低い水準ですが、安定した経営を支える基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)は6.5%であり、プライム市場平均を下回っています。
手元資金である現金及び預金は331億円を確保しており、前期から減少しています。これらの財務状況は、同社グループが事業活動を継続し、従業員の雇用や給与を安定的に維持していく上での重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2,505億円 | 2,679億円 |
| 自己資本比率 | 42.8% | 44.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.4% | 6.5% |
| 現金及び預金 | 347億円 | 331億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは256億円の収入となっています。これは税金等調整前当期純利益の増加などにより、前期から大きく増加しました。
投資活動によるキャッシュフローは181億円の支出となっており、主に有形固定資産の取得によるものです。投資有価証券の売却による収入が増加したため、前期と比べて支出は減少しています。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは75億円のプラスを確保しています。財務活動によるキャッシュフローは98億円の支出となり、主に借入金の返済によるものです。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、財務体質の改善を進めている状況を示しています。この資金状況は、従業員の雇用安定性や給与水準の維持に寄与する基盤となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 121億円 | 256億円 |
| 投資CF | △191億円 | △181億円 |
| 財務CF | 62億円 | △98億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △70億円 | 75億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、製品需要が販売している国・地域の経済情勢や景気動向の影響を受ける可能性があります。特に日本国内の景気後退や顧客ニーズの変化は、販売減少につながるリスクがあります。
また、外貨建ての売上や費用は為替相場の変動により、邦貨換算後の価値に影響を及ぼす可能性があります。為替変動が財政状態や経営成績に影響を及ぼすリスクがあることを示しています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本軽金属ホールディングスは、アルミニウムを核としたビジネスを通じて、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。同社グループは、広範な知見と多様な事業群を強みとし、企業価値の向上を図っています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は「アルミニウムを核としたビジネスの創出を続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく」と定められています。同社グループは、向こう10年間の目指す姿を明確化した長期ビジョン「2035ビジョン」を掲げています。
この「2035ビジョン」は、素材から加工・サービスまで幅広い事業領域を有する同社グループが、社会課題の解決と事業成長を両立し、グローバル市場で存在感ある企業グループとして進化し続けるための指標となっています。循環型価値創造を軸とする事業変革を推し進める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念を実現するための基本方針として、健康で安全な職場づくりと「ゼロ災害」の達成を掲げています。また、グループ内外との連携を深化させ、お客様へ多様な価値を継続的に提供することを重視しています。
持続可能な社会の実現のため、サーキュラーエコノミーの構築に積極的に取り組むとともに、人権を尊重し、倫理を重んじて、誠実で公正な事業を行うことを基本としています。多様な価値観を尊重し、長期的かつグローバルな視点で人財を育成することも大切にしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後の世界経済における地政学リスクの顕在化や不確実性の高まりを対処すべき課題として認識しています。こうした経営環境において、長期ビジョン「2035ビジョン」のもと、循環型価値創造を軸とする事業変革を推し進める方針です。
新たな中期経営計画「26中計」では、事業構造・経営基盤の強化を同時並行で進めることを基本方針としています。特に「プロセス変革」として、AI・データ活用を中心としたデジタル化を促進し、DX人財の確保・育成、グループ全体のITインフラ整備、デジタルガバナンス基盤の強化を計画的に進めています。
また、2026年4月に新設された「グループ統合戦略室」が、全体最適の経営を促進し、2035ビジョンの実現に向けた経営改革を強力に推進する役割を担っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日本軽金属ホールディングスは持株会社制を採用しており、グループ全体の戦略立案と経営監督を担っています。取締役会と監査役会を設置し、社外役員を積極的に選任することでガバナンス体制を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
日本軽金属ホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、複数の信託銀行が上位に名を連ねています。これに加えて、日軽ケイユー会などの関連団体も主要株主として名を連ねています。特定の創業家や事業会社が支配的な影響力を持つような構成ではありません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 14.78% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 8.12% |
| 日軽ケイユー会 | 3.29% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は14名(男性13名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.1%です。代表取締役会長は岡本一郎氏、代表取締役社長は朝来野修一氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岡本 一郎 | 取締役会長(代表取締役) | 1981年日本軽金属入社、2006年同社執行役員、2012年同社取締役、2015年同社代表取締役社長、2026年同社代表取締役会長より現職。 |
| 朝来野 修一 | 取締役社長(代表取締役)品質保証統括室長 | 1988年日本軽金属入社、2017年日軽エムシーアルミ代表取締役社長、2021年同社取締役、2026年同社代表取締役社長より現職。 |
| 岡本 泰憲 | 取締役 | 1980年日本軽金属入社、2012年同社執行役員、2013年同社取締役、日本軽金属取締役、2024年同社副社長執行役員より現職。 |
| 松平 弘之 | 取締役 社長全般補佐、グループ統合戦略室長 | 1989年新日軽入社、2021年同社執行役員、2022年同社取締役、日本軽金属取締役、2026年同社副社長執行役員より現職。 |
社外取締役は、林良一氏(元三菱商事理事・指名・報酬委員会委員長)、土屋恵子氏(元アデコピープルバリュー本部長)、田中達也氏(元富士通取締役会長)、細野哲弘氏(元資源エネルギー庁長官)、三宅潔氏(中央日本土地建物グループ代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営監督機能を果たしています。取締役9名のうち5名が社外取締役であり、経営の健全性確保に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
日本軽金属ホールディングスでは、社外取締役を除く取締役の報酬は、基本報酬、業績報酬、株式報酬で構成されています。業績報酬は同社グループの業績や経営計画の達成度に応じて変動し、株式報酬は中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして設計されています。一方、社外取締役の報酬は独立した立場からの経営監督という役割を踏まえ、基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 2.5億円 | 61.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 56百万円 | 28.0百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 96百万円 | 12.0百万円 |
なお、株式報酬の額は、当該事業年度に費用計上された額となっています。
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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