※本記事は、トレンダーズ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
トレンダーズは、マーケティング事業、インベストメント事業、ECコンサルティング事業の3つの事業を展開しています。SNSを軸としたマーケティングソリューションの開発・提供に注力し、リアルイベントやECモールと連携した立体的なソリューションを提供しています。
単体従業員数は204名、連結従業員数は277名です。セグメントはマーケティング事業、ECコンサルティング事業の2つです。
主な国内グループ会社は、Mimi Beauty、しるし(ECコンサルティング事業)、クレマンスラボラトリーなどです。
同社グループは、2025年3月期末に株式会社zenplusを、2025年12月にはしるし株式会社を子会社化しました。また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
トレンダーズは、インターネット業界のマーケティング事業を主力とする企業です。平均年齢が比較的若く、ライフイベントと仕事の両立を重視した柔軟な働き方を推進しています。社員一人ひとりの挑戦を歓迎し、成長機会を提供する企業文化の醸成にも力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若い年齢層で構成されており、平均勤続年数も短めであることから、活発なキャリア形成や成長機会を重視する傾向が見られます。社員のライフイベントと仕事の両立を支援する環境整備にも注力しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,786,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.5年 |
| 平均年齢 | 33.3歳 |
| 単体従業員数 | 204人 |
| 連結従業員数 | 277人 |
| 単体のグループ内比率 | 73.6% |
同社グループの一部連結子会社では、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、生活者および市場のトレンドを捉えた事業展開を通じて社会に新しい価値を創出し、中長期的に成長し続ける事業・組織作りを目指しています。経営戦略として「SNSマーケティング」から「SNS×リテールマーケティング」への発展を掲げ、これを実現するために従業員一人ひとりが能力を伸ばし、最大限に発揮できる環境を重視しています。
給与やその他の給付の額は、年齢や性別などの属性に関係なく、各社員が担うミッションをベースに人事評価を行う「ミッションコミット制度」に基づいて決定されます。また、フレキシブルな働き方の促進と多様性を重視した組織運営により、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の先進企業を目指しています。
人材育成については「想定外の自分に出会う」をテーマに、挑戦を歓迎し成長機会を提供する企業文化を形成しています。実力ある社員に対しては戦略的にマネジメントを行い、社内外の研修実施や早期の管理職・子会社取締役への登用といった取り組みを行っています。ライフサポート関連では、オフィス勤務とリモートワークを併用する「New Work Style」やフレックスタイム制度、時短勤務制度、家族看護休暇、ママ社員・パパ社員の交流会などを導入しています。キャリア関連では、社内でのジョブチェンジ公募制度である「キャリアデベロップメント制度」やパラレルキャリア(副業)の推奨、退職者の再雇用を積極的に行う「アルムナイ歓迎制度」なども構築しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 88.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 83.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 89.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 120.5% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
トレンダーズグループは、SNSを軸としたマーケティングソリューション、成長事業への投資、ECコンサルティングの3つの事業を展開しています。インターネット広告市場の成長を背景に、事業の選択と集中を進めながら、顧客と生活者のニーズに合わせたサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「マーケティング事業」「インベストメント事業」「ECコンサルティング事業」の3つの報告セグメントで事業を展開しています。当連結会計年度より「ECコンサルティング事業」が新たに報告セグメントとして追加されました。国内の外部顧客への売上高が大部分を占めており、日本国内での事業活動が中心となっています。
マーケティング事業
SNSファーストな統合型プランニングによるマーケティング支援と、自由診療クリニックのマーケティング支援を行う「マーケティング領域」と「メディカル領域」で構成されます。収益は、主に顧客企業へのBtoBサービスと生活者へのBtoCサービスから得ています。運営は、zenplus、Mimi Beautyなどが担っています。当期は売上が増加しましたが、競合環境の激化やプラットフォーム要因により売上総利益が予想を下回り、新規連結に伴う費用増加でセグメント利益は減少しました。
インベストメント事業
保有する資金を効果的かつ効率的に運用するため、非上場会社をはじめとする成長事業・企業への投資を行っています。収益は、主に営業投資有価証券として保有する社債の利息収益から得ています。当期は売上が減少しました。
ECコンサルティング事業
ECモールに特化した戦略コンサルティングと運用代行サービスを提供しています。収益は、主に顧客企業へのBtoBサービスと生活者へのBtoCサービスから得ています。運営は、しるしなどが担っています。当連結会計年度より新たに報告セグメントとして追加されました。
同社グループの売上高に占める花王株式会社への販売実績の割合は大きくなっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| マーケティング事業 | 59.9億円 | 76.9億円 |
| ECコンサルティング事業 | - | 4.6億円 |
| インベストメント事業 | 2.0億円 | 1.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増減を繰り返しながらも、当期は大きく増加しました。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、当期に減少しています。これは新規連結に伴う売上高と売上総利益の増加があったものの、販売費及び一般管理費の増加を吸収しきれなかったこと、また店舗のクローズによる特別損失の計上などが影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 65.6億円 | 90.9億円 | 56.7億円 | 61.9億円 | 82.8億円 |
| 経常利益 | 5.9億円 | 10.2億円 | 7.7億円 | 9.9億円 | 7.2億円 |
| 経常利益率 | 9.0% | 11.2% | 13.6% | 16.0% | 8.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.0億円 | 7.1億円 | 4.8億円 | 6.0億円 | 2.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 55.96 | 98.68 | 65.69 | 76.19 | 27.76 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大と従業員一人ひとりの貢献度が高まっている傾向が見られます。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。これは売上高の増加に対して、新規連結に伴う費用増加などが利益を圧迫した影響が考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.5百万円 | 29.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.1百万円 | 2.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
トレンダーズは、財務の安定性において、本業で資金を創出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている段階にあることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で34.3%となっており、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。これは、安定した財務体質を維持していることを示しています。ROE(自己資本利益率)は当期で5.0%であり、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は当期で47.8億円と増加しており、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 43.6億円 | 42.9億円 |
| 自己資本比率 | 51.3% | 34.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 14.1% | 5.0% |
| 現金及び預金 | 23.8億円 | 47.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは23.0億円のプラスとなりました。これは、法人税等の支払があった一方で、営業投資有価証券の減少や税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは△30.3億円となっており、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が主な要因です。この結果、フリーキャッシュフローはマイナスを示しており、本業で得た資金を上回る規模で、将来の成長に向けた投資を積極的に行っている状況がうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは31.4億円のプラスであり、長期借入金や短期借入金の借入れによる収入が主な要因となっています。同社グループは、事業の成長を目的とした投資を継続しており、これにより将来的な事業拡大とそれに伴う雇用や給与の安定性向上を目指していることが示されています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △1.9億円 | 23.0億円 |
| 投資CF | △7.7億円 | △30.3億円 |
| 財務CF | 1.3億円 | 31.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △9.6億円 | △7.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、マーケティング事業が属するインターネット広告市場の成長が鈍化するリスクを認識しています。また、インターネット業界における新たな技術やサービスの開発・提供が活発な中で、同社グループのサービスやノウハウが陳腐化し、顧客ニーズへの対応が困難となるリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大と成長のために優秀な人材の確保と育成を重要課題としています。計画通りに人材の確保や育成が進まない場合、あるいは重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じるリスクがあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
トレンダーズは、生活者と市場のトレンドを捉え、社会に新しい価値を創出することを目指しています。中長期的な成長と社会のサステナビリティの両立を図る「サステナビリティ経営」を重視し、多様性を尊重する企業風土を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
トレンダーズグループは、生活者及び市場のトレンドを捉えた事業展開により、社会に新しい価値を創出することを経営方針としています。中長期にわたり継続的に成長し続ける事業・組織作りを目指し、株主価値の最大化を常に優先課題と捉えています。
また、フレキシブルな働き方の促進と多様性を重視した組織運営により、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の先進企業を目指しています。経営戦略としては、事業ドメインを従来の「SNSマーケティング」から「SNS×リテールマーケティング」に発展させることを掲げています。商品を「知る」「体験する」「購入する」をシームレスに繋ぐ、リテールマーケティング企業としての成長を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
トレンダーズグループは、フレキシブルな働き方の促進と多様性を重視した組織運営により、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の先進企業を目指しています。中長期的な成長と社会のサステナビリティの両立を図る「サステナビリティ経営」を重要視しており、特に人的資本を重視する考え方です。
性別や年齢、年次に関わらずあらゆる属性の社員が最大限にパフォーマンスを発揮できる環境の整備に努めています。柔軟に働きやすく、ライフイベントと仕事の両立が可能で、やりがいもある環境を整備することが、優秀な社員の定着及び獲得の機会になると考えています。
「想定外の自分に出会う」をテーマに、挑戦を歓迎し成長機会を提供する企業文化を形成しています。ミッションコミット制度やパラレルキャリア(副業)の推奨、アルムナイ歓迎制度など、多様な働き方やキャリア形成を支援する仕組みを構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
トレンダーズグループは、持続的な成長のために複数の主要な課題を認識しています。その一つは、働きやすい環境の整備です。能力と意欲を兼ね備えた人材が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、多様な働き方が実現できる職場環境の整備を推進しています。具体的には、オフィスワークとリモートワークの併用、フレックスタイム制度の導入、休暇制度の拡充、女性活躍やD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進に取り組んでいます。
また、内部管理体制の強化も重要な課題です。コーポレート・ガバナンスの実効性を重視し、内部統制の継続的な強化を進めています。法規制や社会的要請への適切な対応を図るため、内部管理体制の整備と改善に努めています。
さらに、情報管理体制の強化も重点テーマです。個人情報を含む機密情報の保護を重要課題と認識し、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育、セキュリティシステムの整備、プライバシーマークやISMSの取得などにより、セキュリティ強化を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
トレンダーズでは、社外取締役が過半数を占める取締役会と、独立社外監査役が過半数を占める監査役会を設置し、経営の効率化と透明性の高いガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
トレンダーズの筆頭株主は事業会社であるアイスタイルです。同社グループは、アイスタイルが大株主かつその他の関係会社であると開示しており、資本構成において特定の株主グループが経営に影響力を持つ可能性があります。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| アイスタイル | 31.58% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 6.38% |
| NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB)(常任代理人 野村證券) | 3.18% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は黒川涼子氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 黒川 涼子 | 代表取締役社長 | 1997年4月 株式会社東京スタイル入社、2006年8月 同社入社、2012年7月 同社執行役員就任、2014年6月 同社取締役就任、2020年4月 同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 田中 隼人 | 取締役 | 2014年4月 同社入社、2018年4月 同社執行役員CFO就任、2020年6月 同社取締役CFO就任より現職。 |
社外取締役は、石川森生氏(Mr.Yook株式会社代表取締役)、横山隆治氏(有限会社シックスサイト代表取締役社長)、濱田健作氏(株式会社アイスタイル上級執行役員CSO)です。
同社グループは監査役会設置会社であり、社外取締役が過半数を占める取締役会と、独立社外監査役が過半数を占める監査役会を設置しています。これにより、経営陣より独立した立場で経営の監督と監査が行われる体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社グループの役員報酬は、固定の金銭報酬と金銭による業績連動報酬で構成されています。社内取締役には固定報酬と業績連動報酬が支給され、社外取締役には固定報酬のみが支給される体系です。業績連動報酬は、同社グループの営業利益が目標指標を超過した場合に支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 68百万円 | 33.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 3.6百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 18百万円 | 3.6百万円 |
同社グループの役員報酬総額は89百万円であり、対象となる役員は合計8名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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