※本記事は、株式会社アルファポリス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、小説や漫画の投稿サイトを運営し、そこからコンテンツを編集・出版する出版事業を主軸としています。また、当連結会計年度よりアニメ制作事業も展開しています。
単体従業員数は146名、連結従業員数は215名です。セグメントは出版事業、アニメ制作事業の2つです。
主な国内グループ会社は、WHITE FOX(アニメ制作事業)、NIAアニメーション(同)などです。
アルファポリスグループは、当連結会計年度より株式会社WHITE FOXおよびNIAアニメーション株式会社を連結子会社化し、新たにアニメ制作事業を開始しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アルファポリスは、出版事業とアニメ制作事業を展開し、コンテンツの企画・制作から提供までを一貫して手掛けています。このセクションでは、同社グループで働く上での給与水準や働き方の特徴、人材育成に関する考え方についてご紹介します。従業員の平均的な年齢構成や勤続年数、多様な人材の活躍を推進する取り組みにも注目します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
アルファポリスでは、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数も業界の動向に合わせた水準となっています。これは、新しいコンテンツや技術を取り入れながら事業を成長させていく同社グループの活発な企業文化を反映していると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,709,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.6年 |
| 平均年齢 | 34.8歳 |
| 単体従業員数 | 146人 |
| 連結従業員数 | 215人 |
| 単体のグループ内比率 | 67.9% |
アルファポリスは確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。当社は確定拠出年金制度を採用しており、提出会社を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループの人材戦略は、出版事業の拡大と自社IPを活用した事業の多角展開という中長期的な経営戦略を達成するため、多様な人材の確保と、すべての社員が能力を十分に発揮できる環境づくりを基本方針としています。具体的には、即戦力となる中途人材の確保を促進するとともに、積極的な新卒採用活動を展開し、次世代の成長基盤を強固にしています。
社内教育の充実を図り、同社グループおよび提供サービスの知名度向上に向けた施策を継続的に実施することで、優秀な志望者を引き付ける企業作りに努めています。また、人材の多様性の確保を含む育成および社内環境整備においては、男女ともに全社員が活躍できる雇用環境の整備を重視しています。社員が仕事と子育てを両立できる働きやすい環境を構築し、一人ひとりが高い意欲と情熱を持って仕事に臨み、最大限に能力を発揮できる組織を目指しています。
従業員の給与その他の給付の額および内容については、個人の役割、成果、能力開発への取り組み等に関する実績に基づき決定されています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の額の差異については、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 46.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
人的資本に関する指標と目標
2028年度までの目標と、2023年度から2025年度までの実績を示します。男性労働者の育児休業取得率は、2023年度から2025年度の平均実績が75.0%となっています。
| 指標 | 目標 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2025年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 50.0% | 41.1% | 39.5% | 46.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 80.0%以上 | - | - | - |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アルファポリスは、インターネット時代の新しいエンターテインメントを創造することを目指し、小説や漫画などのコンテンツを書籍化し、さらにアニメ化といった多角的なメディア展開を行う企業です。同社グループは、出版事業とアニメ制作事業の二つのセグメントで構成されています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、インターネット上の投稿サイトで人気を集めたコンテンツを書籍として出版し、全国の書店や電子書店で販売することを主軸としています。また、近年ではアニメ制作事業も展開し、映像コンテンツの提供を通じて収益を上げています。コンテンツの調達から販売、さらにはメディア展開までを一貫して手掛けることで、収益の最大化を図るビジネスモデルです。
出版事業
出版事業はアルファポリスが単独で運営しており、小説や漫画の投稿サイトでユーザー評価の高いコンテンツを厳選し、書籍として編集・出版しています。収益は、紙媒体の書籍販売と電子書籍販売から得ています。特に電子書籍販売は、同社グループの売上高の約78%を占める主要な収益源となっています。
アニメ制作事業
アニメ制作事業は、子会社のWHITE FOXとNIAアニメーションが担当しており、主にテレビ放送用や動画配信用のアニメーション等の映像制作サービスを提供しています。収益は、アニメーション制作の請負契約に基づき顧客から得ています。
同社グループの売上高は、国内の外部顧客への販売が90%以上を占めており、国内市場に強く依存しています。また、特定の顧客への売上集中が見られ、株式会社メディアドゥが54.5%、株式会社カカオピッコマが16.7%、株式会社星雲社が11.4%を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 出版事業 | - | 161億円 |
| アニメ制作事業 | - | 4.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の連結経営指標は記載されていません。当連結会計年度においては、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに堅調な実績を上げています。特に、出版事業における電子書籍販売の伸長が、全体の売上高増加に大きく貢献しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 166億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 35.1億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 21.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 23.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 79.71 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度で77.3百万円となっています。また、従業員1人あたりの営業利益は16.1百万円です。これらの数値は、同社グループの事業活動における従業員一人ひとりの貢献度を示しており、効率的な組織運営がうかがえます。なお、前期の連結従業員数が開示されていないため、前期との比較はできません。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 77.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 16.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出し、投資活動も行いながら資金を確保している状態を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって特徴づけられています。自己資本比率は78.3%と、プライム市場の非製造業平均と比較して非常に高い水準にあります。これは、外部からの借入に依存せず、安定した経営基盤を構築していることを示しています。
ROE(自己資本利益率)も14.8%と、プライム市場平均を上回る水準であり、効率的な経営が行われていることがうかがえます。また、現金及び預金は118億円と潤沢であり、不測の事態や将来の事業展開に対する耐性がある状態です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営を維持していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素と言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 137億円 | 156億円 |
| 自己資本比率 | - | 78.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 14.8% |
| 現金及び預金 | 116億円 | 118億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元資金を確保している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは19.5億円の収入となっており、これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。本業で着実に利益を上げ、資金を創出していることがうかがえます。
投資活動によるキャッシュフローは△13.1億円の支出となっています。これは主に、連結子会社の株式取得や出資金の払込によるものであり、事業拡大に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは△4.5億円の支出であり、主に配当金の支払いが要因となっています。
これらの結果、フリーキャッシュフローは6.4億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回り、事業の成長と安定的な資金運用を両立している状態です。この資金の流れは、同社グループの事業が安定しており、将来的な成長投資の余力も持ち合わせていることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 19.5億円 |
| 投資CF | - | △13.1億円 |
| 財務CF | - | △4.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 6.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業構造に関するリスクとして、インターネット上のコンテンツを書籍化するビジネスモデルにおいて、新規参入による競合激化の可能性が挙げられています。競合他社に対する優位性を確保できない場合、財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
また、電子書籍の販売において、当連結会計年度の売上高の54.5%を株式会社メディアドゥに依存している点がリスクとして認識されています。何らかの理由により同社との取引が継続できなくなった場合、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業運営において人材の確保・育成が重要課題であると認識しています。人材を適時確保できない場合や、人材が大量に社外へ流出してしまった場合、または人材の育成が計画どおりに進捗しない場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アルファポリスは、インターネットを軸に新しいエンターテインメントを創造し、提供することを目指す企業です。既存の枠にとらわれず、常に良いもの、面白いもの、望まれるものを追求する姿勢を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アルファポリスは、「これまでのやり方や常識に全くとらわれず」「良いもの面白いもの望まれるものを徹底的に追求していく」というミッションを掲げています。インターネットを軸に新しいエンターテインメントを生み出し、提供する「最強のエンターテインメント企業」を目指しています。
中長期的には、同社グループ独自のビジネスモデルを活かし、出版事業の拡大を図るとともに、蓄積した自社IP(小説・漫画・キャラクターなど)を映像、キャラクター、ゲームなどの分野へ積極的に展開することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アルファポリスは、事業環境の変化に対応し、持続的な成長を達成するため、サステナビリティに関するリスクと機会の分析・対策を各部署で検討し、定例会議体で管理する体制を構築しています。
人的資本に関する戦略では、男女ともに全社員が活躍できる雇用環境の整備を重視しています。社員が仕事と子育てを両立できる働きやすい環境を作り、すべての社員が能力を十分に発揮できることを方針としています。
「これまでのやり方や常識に全くとらわれず」「良いもの面白いもの望まれるものを徹底的に追求していく」というミッションが、同社グループの行動の根幹にある価値観となっています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、優秀な人材の確保・育成を優先課題の一つとしています。即戦力となる中途人材の確保に加え、積極的な新卒採用活動や社内教育の充実、知名度向上施策を通じて、企業作りを進めています。
作家・ユーザー数の拡大も重要なテーマであり、投稿インセンティブの実施やプロモーション、Webサイトへのリクエスト対応を通じて、満足度向上とコンテンツ・ユーザー確保に努めています。
また、電子書籍市場の変化に迅速に対応するため、組織体制の整備と社員への意識改革を実施しています。生成AIの動向や法規制に関する情報収集、内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アルファポリスは、取締役会設置会社および監査役会設置会社として、経営の健全性、透明性、客観性の確保に努めています。取締役会は4名、監査役会は3名で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アルファポリスの筆頭株主はオフィス梶本であり、代表取締役社長である梶本雄介氏が第2位の株主となっています。上位株主には、創業家およびその関連会社が複数名を連ねています。このことから、特定の株主グループが同社の経営に強い影響力を持つ資本構成であることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| オフィス梶本 | 33.36% |
| 梶本 雄介 | 28.90% |
| 日本カストディ銀行 (信託口) | 4.65% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.15% |
| 梶本 幸世 | 3.08% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
アルファポリスの役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は梶本雄介氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 梶本 雄介 | 代表取締役 社長 | 1993年4月 (株)博報堂入社。2000年8月 同社設立、代表取締役社長より現職。 |
| 大久保 明道 | 取締役 管理本部 本部長 | 1996年4月 トヨタファイナンス(株)入社。2013年12月 同社取締役、2015年7月 同社管理本部本部長より現職。 |
社外取締役は、冨永博之氏(冨永法律特許事務所 代表者)、白石卓也氏(Digimile 代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名が経営の監督機能を果たしています。社外取締役は、法務やIT分野の専門知識・経験に基づき、経営全般への助言や法務体制の強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アルファポリスの取締役の報酬は、固定の金銭報酬である基本報酬のみで構成されています。基本報酬は、株主総会で決議された報酬総額の限度内で、各取締役の担当業務や在任年数などを考慮して決定されます。監査役の報酬については、監査役会が決定権限を有しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 51百万円 | 25.4百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 18百万円 | 3.7百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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