※本記事は、データセクション株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
データセクションは、AIインフラ事業を核に、データサイエンス、システムインテグレーション、マーケティングソリューションの4つの事業を展開しています。各事業が連携し、企業のDX推進を支援しています。
単体従業員数は26名、連結従業員数は244名です。同社グループの事業セグメントは、AIインフラ事業、データサイエンス事業、システムインテグレーション事業、マーケティングソリューション事業の4つです。
主な国内グループ会社は、ソリッドインテリジェンス、ディーエスエスなどです。
同社グループは、前連結会計年度にAIインフラ事業を戦略的コア事業として立ち上げ、大規模な先行投資を実施しました。当連結会計年度には、GPUサーバーの取得やCUDO Ventures Ltd.との資本提携、Fupbimxの連結化を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
データセクションは、「世界中で人々の暮らしを向上させ続ける」というビジョンを掲げ、グローバルな視点で事業を展開しています。多様な人材が活躍できる柔軟な働き方を推進し、持続可能な社会への貢献を目指している企業です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
データセクションの単体従業員データを見ると、平均年齢は40代半ばであり、平均勤続年数は比較的短い傾向が見られます。これは、多様なバックグラウンドを持つ人材が積極的に採用され、組織に新たな活力がもたらされている可能性を示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,931,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.0年 |
| 平均年齢 | 44.5歳 |
| 単体従業員数 | 26人 |
| 連結従業員数 | 244人 |
| 単体のグループ内比率 | 10.7% |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しており、国内グループ会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
データセクションは、「世界中で人々の暮らしを向上させ続ける」というビジョンを実現するため、グローバルなパートナーシップによるイノベーション創出、ダイバーシティとインクルージョンの推進、多様な人材の育成・輩出をサステナビリティ方針の基本としています。人材育成においては、全社研修に加え「2割は自己成長のためにチャレンジしよう」という行動指針を掲げ、自律的な自己研鑽やキャリア構築を支援する風土を醸成しています。OJTを通じた知識習得サポートも行い、継続的な人材育成に取り組んでいます。
また、グローバルに事業展開する特性を踏まえ、多様な属性やキャリア背景を持つ人材を積極的に採用しています。フレックス勤務、時短勤務、在宅勤務、育児休業取得など、多様な勤務形態と働き方を後押しすることで、性別や年齢に関わらず誰もがやりがいを持って働ける組織づくりに努めています。従業員の給与は、同業他社水準、スキル、経験、貢献度、職責を考慮して決定され、高度な専門性を持つ即戦力人材をグローバルに確保するため、柔軟で競争力のある報酬体系の設計に注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。当事業年度において対象者がいない項目については、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 57.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 61.7% |
育児・介護支援
同社グループは、男性労働者の育児休業取得率について、中期的なKPIとして目標を設定しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率(2025年までの3年間目標達成率) | 30.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率(2028年までの目標) | 50.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
データセクションは、AIインフラ事業を戦略的コア事業とし、データサイエンス、システムインテグレーション、マーケティングソリューションの各事業を有機的に連携させています。同社グループは、AIインフラ事業を中心として、企業のデータ活用やDX推進を支援する幅広いソリューションを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、AIインフラ事業、データサイエンス事業、システムインテグレーション事業、マーケティングソリューション事業を展開し、AIインフラ事業を戦略的コア事業としています。各事業が連携しながら、顧客企業の課題解決や成長を支援しています。
当連結会計年度においては、ナウナウジャパン株式会社への売上高が同社グループの総売上高の大部分を占めており、これはAIインフラ事業に関連するものです。
国内事業
同社グループの国内事業は、AIインフラ事業、データサイエンス事業、システムインテグレーション事業、マーケティングソリューション事業の一部を包含しています。AIインフラ事業では、AIクラウドスタック『TAIZA』の開発・提供やGPUクラウドサービスの提供、AIデータセンターの運営・投資を展開しています。データサイエンス事業とシステムインテグレーション事業は、ディーエスエスが牽引し、データ活用コンサルティングやAI・IT教育、個別ソリューション開発、決済サービスなどを提供しています。マーケティングソリューション事業は、ソリッドインテリジェンスや「FollowUP」サービスが堅調に推移しています。収益は、AIインフラ事業のサービス提供の本格化に加え、既存事業の堅調な推移から得ています。
海外事業
海外事業では、マーケティングソリューション事業のうち、小売店舗の業績向上を支援する「FollowUP」サービスの海外展開を行っています。主要拠点であるチリやコロンビアでの受注が堅調に推移しています。収益は、主にこれらの地域におけるマーケティングソリューションサービスの提供から得ています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 国内事業 | 19.2億円 | 325億円 |
| 海外事業 | 10.2億円 | 11.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、当連結会計年度において大きく変化しました。売上高は前期から大幅に増加し、過去数期にわたり損失を計上していた経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、当期は大幅な黒字に転換しています。これは主に、AIインフラ事業のサービス提供開始と既存事業の堅調な推移によるものです。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 16.9億円 | 19.2億円 | 22.3億円 | 29.4億円 | 336億円 |
| 経常利益 | 1.7億円 | 47百万円 | △2.4億円 | △6.1億円 | 36.3億円 |
| 経常利益率 | 9.8% | 2.4% | △10.5% | △20.8% | 10.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2百万円 | △5.3億円 | △12.6億円 | △6.5億円 | 28.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 0.17 | △36.45 | △84.07 | △37.40 | 115.47 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの収益性と生産性は、当連結会計年度において大幅な改善を示しています。従業員1人あたり売上高は前期から大きく増加し、従業員1人あたり営業利益も前期の損失から黒字に転換しました。これは、AIインフラ事業の本格稼働による売上高の急増が影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 13.3百万円 | 137.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △2.2百万円 | 14.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、AIインフラ事業への大規模な先行投資を積極的に行い、成長フェーズにあります。そのため、財務基盤の強化と資金の流れを注視することが重要です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期に大きく向上し、プライム市場の非製造業平均を上回る水準となっています。ROEも当期は大幅なプラスに転じ、高い収益性を示しています。一方で、現金及び預金は前期から減少しています。これらの財務状況は、同社グループの事業活動を支える基盤の安定性を示しており、今後の事業展開や雇用・給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 24.0億円 | 194億円 |
| 自己資本比率 | 50.4% | 64.8% |
| ROE(自己資本利益率) | △31.0% | 26.9% |
| 現金及び預金 | 5.3億円 | 4.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、売上債権の増加を主な要因として、前期に引き続き支出となっています。投資活動によるキャッシュフローも、有形固定資産の取得や差入保証金の差入により、前期から大幅に支出が増加しています。これは、AIインフラ事業への大規模な先行投資が活発に行われていることを示しています。
一方で、財務活動によるキャッシュフローは、新株予約権の行使による株式の発行収入が主な要因となり、大幅な資金獲得となっています。その結果、フリーキャッシュフローは当期もマイナスであり、本業の稼ぎだけでは投資を賄いきれていない状況です。同社グループは現在、将来の成長に向けた積極的な投資フェーズにあり、エクイティファイナンスを通じて資金を調達しています。この状況は、今後の事業成長が雇用や給与の安定性に大きく影響することを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △0.8億円 | △49.1億円 |
| 投資CF | △11.9億円 | △83.0億円 |
| 財務CF | 1.6億円 | 131億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △12.8億円 | △132億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、外貨建て取引高の急増や海外子会社の財務諸表の円換算に伴う為替変動リスクを抱えています。また、当連結会計年度の販売実績において、特定の相手先への販売が総販売実績の90.7%を占めており、特定顧客への依存リスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の業容拡大に向けて高度人材・即戦力採用を積極的に進めていますが、このような人材の維持確保や育成ができない場合、事業拡大の制約要因となるリスクがあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
データセクションは、テクノロジーで実社会に変革をもたらし、新しい暮らしをつくりあげることをミッションとしています。人々の暮らしを世界中でバージョンアップし続けることをビジョンに掲げ、グローバルな視点とデータ活用を重視する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
データセクションは、『Change The Frame ~テクノロジーで実社会に変革をもたらし、新しい暮らしをつくりあげる~』をミッションとしています。このミッションを通じて、『人々の暮らしを世界中でバージョンアップし続ける』ことをビジョンに掲げています。同社グループは、世界のデータ部(セクション)として、AIインフラ、AI・IT・マーケティングソリューションの提供を通じて、『企業・社会のAI活用とデータ分析をグローバルで支える』会社を目指し、事業を推進しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「世界中で人々の暮らしを向上させ続ける」という強い意志のもと、持続可能な成長と企業の飛躍を目指しています。2023年9月には「データセクションのグループサステナビリティ方針」を策定し、「100年後の世界と人々の暮らしに貢献する」とのサステナビリティ宣言を掲げています。この方針に基づき、グローバルなパートナーシップによるイノベーション創出、ダイバーシティとインクルージョンの推進、多様な人材の育成・輩出、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。また、人材育成においては「2割は自己成長のためにチャレンジしよう」という行動指針を掲げ、自律的な自己研鑽やキャリア構築を支援する風土があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、連続的な成長に加え、非連続的な飛躍的成長を実現するために、いくつかの課題に取り組んでいます。戦略的コア事業であるAIインフラ事業の急拡大に向けて、高度人材の確保や最適な事業パートナーの模索・獲得を推進しています。既存事業においては、技術力・開発力・提案力の強化、自社プロダクトの開発・強化、事業間のシナジー、M&A・業務提携の活用が不可欠であるとしています。また、事業拡大を支える優秀な人材の確保・育成も重要であり、グローバルな採用と体制整備、働きやすい環境構築に取り組んでいます。さらに、グローバル展開と成長を志向しており、堅確なガバナンスの維持向上と内部管理における高いレベルでの品質維持も重要な課題としています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
データセクションは、監査等委員会設置会社として、取締役会が業務執行の監督を担う体制です。取締役会は社外取締役を含めて構成されており、実効性の高い監督を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
データセクションの株主構成を見ると、筆頭株主はシンガポールに拠点を置くFIRST PLUS FINANCIAL HOLDINGS PTE. LTD.です。同社は発行済株式の3分の1以上を保有しており、その議決権行使権限の一部をアースエレメンツ・キャピタル株式会社に包括委任している点が特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| FIRST PLUS FINANCIAL HOLDINGS PTE. LTD. | 33.03% |
| 東海東京証券 | 7.34% |
| FUTU SECURITIES INTERNATIONAL (HONG KONG) LIMITED | 3.66% |
なお、前事業年度末において主要株主であったKDDIは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員CEOは石原紀彦氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 石原 紀彦 | 代表取締役社長執行役員CEO | 2001年4月ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント入社。2004年8月ゴールドマン・サックス証券入社。2011年3月サンインベストメント合同会社設立代表社員。2020年6月VLCセキュリティ代表取締役社長兼CEO。2024年12月同社代表取締役社長執行役員CEOより現職。 |
| Pablo Casado Blanco | 取締役会長 | 2002年7月Banco Santander International Private Banking。2004年3月マドリード州副大統領兼法務・内務大臣顧問。2018年7月PP党首、野党党首、スペイン政府首相候補。2023年1月Hyperion Fund FCR創業者兼マネージングパートナー。2024年12月同社取締役会長より現職。 |
| John Ellis Bush Jr. | 取締役 | 2006年9月Fairchild Partners。2008年12月Jeb Bush & Associates, LLCパートナー。2014年1月Bush Venturesマネージングパートナー。2017年1月Finback Investment Partners創設パートナー。2024年12月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、平山剛氏(タイラカ総合法律事務所 代表・監査等委員)、German Alcayde Fort氏(Atlantic Business Consulting Executive Chairman・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。社外取締役は、専門的な見識に基づき、客観的かつ中立的な助言と業務執行の監督を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
データセクションの役員報酬は、取締役(監査等委員を除く)に対しては、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。月例の固定報酬に加え、企業価値向上へのインセンティブとして譲渡制限付株式を付与する制度を採用しています。一方、監査等委員である取締役の報酬は、業務執行から独立した立場での監督・助言を考慮し、固定報酬としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.3億円 | 44.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 25百万円 | 24.9百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 15百万円 | 7.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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