タメニー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

タメニー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

同社は東京証券取引所グロース市場に上場し、結婚相談所や婚活パーティー等の婚活事業、カジュアルウェディング事業、地方創生やライフサービス等を提供する事業を展開しています。直近の業績トレンドとしては、売上高が堅調に推移して営業利益が黒字転換を果たした一方、減損損失等の計上で当期純利益はマイナスとなっています。


※本記事は、タメニー株式会社 の有価証券報告書(第22期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026-06-23 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. タメニーってどんな会社?


同社は婚活サービスやカジュアルウェディング事業を通じて、顧客のよりよい人生の実現を支援する企業です。

(1) 会社概要


同社は2004年に結婚情報サービスの提供を目的に設立されました。2008年に独立して事業を本格化させ、2015年に東京証券取引所マザーズ市場へ上場しました。2019年以降はカジュアルウェディング事業を手掛けるメイション等のM&Aを実施して事業領域を拡大し、2020年にタメニーへ商号を変更しています。

現在の従業員数は単体で279名です。筆頭株主は事業会社のAIフュージョンキャピタルグループで、第2位は事業会社であるIBJ、第3位は創業者の佐藤茂氏となっています。AIフュージョンキャピタルグループとは資本業務提携を締結しており、2026年3月末時点で同社は連結子会社となっています。

氏名 持株比率
AIフュージョンキャピタルグループ 40.00%
IBJ 10.28%
佐藤 茂 7.21%

(2) 経営陣


同社の役員は男性9名、女性1名の計10名で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は伊東大輔氏が務めており、取締役における社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
伊東 大輔 代表取締役社長 2005年フィールズ入社。2018年同社入社。2025年同社取締役、タメニーエージェンシー取締役を経て、2026年より現職。
佐藤 壮悟 取締役 2017年同社入社。2025年より現職。
澤田 大輔 取締役 2018年DSG1代表取締役。2024年AIフュージョンキャピタルグループ代表取締役社長就任を経て、2026年より現職。
松本 高一 取締役 2006年新光証券入社。2014年SMBC日興証券入社。2024年AIフュージョンキャピタルグループ取締役副社長を経て、2026年より現職。


社外取締役は、横川泰之(IBJ常務取締役)、常見哲明(IBJ執行役員)、中畑裕子(サスティナシード代表取締役社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「婚活事業」「カジュアルウェディング事業」「地方創生/QOL事業」を展開しています。

(1) 婚活事業


同事業は、付加価値の高い結婚相談所「パートナーエージェント」を基軸に、婚活パーティー「OTOCON」や、婚活事業者間の相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」などを展開しています。1年以内を目途に結婚相手を見つけたい顧客に対し、活動支援を行っています。

収益源は、結婚相談所の会費や、婚活パーティーの参加料などです。事業運営は主に同社が行っており、提携する婚活事業者との間で会員の相互紹介を行うことで出会いの機会を最大化させています。

(2) カジュアルウェディング事業


同事業は、近年広がりを見せるカジュアルな挙式披露宴、少人数挙式、会費制パーティー、フォトウェディング、結婚式二次会などのプロデュースを行っています。顧客の希望に沿った価格帯や高品質な結婚式を提案・提供しています。

収益源は、結婚式等のサービス提供に対する対価です。運営は同社が行っており、提携会場を活用した柔軟なプランニングや、これまで培ってきたプロデュースノウハウを活かしたサービスを展開しています。

(3) 地方創生/QOL事業


同事業は、地方自治体向けに婚活支援システムの提供や婚活支援センターの運営受託、イベント開催を行うほか、顧客に対して保険販売や不動産仲介などのライフサービスを提供しています。

収益源は、自治体からの受託料やシステム提供料、提携先などから得られる保険や不動産の販売・紹介に係る手数料などです。運営は同社が行っており、婚活やウェディングサービスを利用した顧客の生活品質向上を支援しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


同社の業績は、長らく減益傾向が続いていましたが、直近ではコスト削減や事業構造の見直し等により収益性の改善に取り組んでいます。当期利益においては、減損損失などの特別損失の計上が大きく影響し、マイナスでの推移となっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 55.7億円 56.0億円 - - -
経常利益 -2.2億円 -2.3億円 - - -
利益率(%) -3.9% -4.1% - - -
当期利益(親会社所有者帰属) -3.4億円 -8.0億円 0.0億円 -8.5億円 -2.2億円

(2) 損益計算書


売上高の記載はありませんが、売上総利益は直近2期間において堅調に推移しています。営業利益は前回のマイナスから改善を果たし、プラスへと転じています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 - -
売上総利益 40.1億円 40.6億円
売上総利益率(%) - -
営業利益 -0.6億円 0.8億円
営業利益率(%) - -


当事業年度の販売費及び一般管理費(39.8億円)のうち、従業員給料及び手当が11.3億円(構成比28.5%)、広告宣伝費が7.6億円(同19.0%)、地代家賃が4.2億円(同10.6%)を占めています。

(3) セグメント収益


カジュアルウェディング事業は挙式披露宴などの施行件数が好調に推移して増収を牽引しました。地方創生/QOL事業も受注活動が順調に進み売上を伸ばした一方、婚活事業は新規入会者数や在籍会員数の減少が影響し、減収となりました。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期)
婚活事業 20.8億円 19.3億円
カジュアルウェディング事業 34.2億円 36.2億円
地方創生/QOL事業 4.1億円 4.9億円
連結(合計) 59.1億円 60.4億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-100.7%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も22.2%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は、「よりよい人生をつくる。」を企業理念として掲げています。また、「創造する力とおもいやり、おもてなしで、人々の心を満たし、活力ある社会の実現を支えます。」という存在意義(パーパス)のもと、顧客が求める独自のサービスを創出・提供し、豊かで持続可能な社会の実現を目指しています。

(2) 企業文化


同社は、企業理念とパーパスに基づき、事業活動を通じて人と自然が共存し続ける持続可能な社会への貢献と、自らの成長発展を重視するサステナビリティの基本方針を持っています。全ての事業領域で顧客利益の最大化に努めることで、社会課題の解決を図りながらステークホルダーからの要請に応える文化を大切にしています。

(3) 経営計画・目標


同社は長期ビジョンとして「上場企業のサービス業で売上高100位以内」を目指しています。中長期的な業績目標としては以下の数値を掲げています。

* 2027年3月期 売上高:62.0億円
* 2027年3月期 営業利益:4.0億円
* 2027年3月期 営業利益率:6.5%以上

(4) 成長戦略と重点施策


同社は、持続的成長に向けた基盤構築の期間として、競争力及び生産性の強化、人的資本及び財務資本の強化、社会との共生推進に取り組んでいます。特に競争力強化においては、ブランド認知の向上や展開エリアの拡大、IT/DXによる業務革新を推進し、婚活事業での会員基盤拡大やウェディング事業でのシェア拡大を図ります。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、人的資本の価値向上に向けて「人材育成強化」「社内環境整備」「多様性推進」を重点テーマとしています。継続的な育成プログラムの整備や、福利厚生の見直し、ライフサポートの拡充を図るとともに、育児・介護支援の強化や柔軟な勤務体制を推進し、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境を整えています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 42.4歳 7.8年 4,394,567円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 52.0%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 66.6%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 69.8%
男女賃金差異(パート・有期労働者) 132.4%


また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、離職率(12.7%)、従業員満足度(74.5%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 婚活関連事業の競争環境と情報管理


婚活関連事業は参入障壁が低く、大規模資本の参入や競争激化による顧客流出リスクがあります。また、コンシェルジュの活動支援ノウハウや独自システムの技術情報が流出した場合、競合優位性が低下する可能性があります。これに対し、同社はサービス品質の向上や情報資産の厳正な管理を徹底しています。

(2) カジュアルウェディング関連事業の外部依存と季節変動


カジュアルウェディング事業は提携会場を利用するため、提携解消や施行支障が生じた場合、事業運営に影響を及ぼすリスクがあります。また、挙式披露宴は春と秋に集中する季節変動の影響を受けやすく、天候や自然災害等で受注が減少すると業績に悪影響を与える可能性があります。

(3) 財務体質とシステム障害リスク


同社は借入金による資金調達に依存しており、有利子負債比率が高いため、金利上昇や財務制限条項への抵触が財務に影響を及ぼすリスクがあります。加えて、サービス提供に不可欠な基幹システムが障害やサイバー攻撃を受けた場合、事業停止や信用低下を招く恐れがあり、耐障害性の向上に取り組んでいます。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


関連記事

【面接対策】タメニーの中途採用面接では何を聞かれるのか

結婚相談所「パートナーエージェント」の運営をはじめ、カジュアルウェディングや二次会のプロデュースなどでも知られるタメニーへの転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。