※本記事は、株式会社アイドママーケティングコミュニケーション の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アイドママーケティングコミュニケーションは、食品スーパーマーケットをはじめとする流通小売業向けに、販売促進の企画・提案からデザイン、販促物の制作までをトータルで支援しています。同社グループは、マーケティングやデータ分析、デジタルシフトに対応したオールメディアプロモーション支援を一貫して提供しています。
単体従業員数は172名、連結従業員数は185名です。セグメントは統合型販促支援事業の1つです。
主な国内グループ会社は、ジャム・コミュニケーションズなどです。
昨年度には100%子会社の清算に伴う繰越欠損金の引き継ぎがあり、これに係る繰延税金資産が計上されました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アイドママーケティングコミュニケーションは、紙媒体とデジタルソリューションを融合させた「オールメディアプロモーション」の確立を推進しており、人的資本を価値創造の源泉と位置付けています。多様な人材の活躍推進を重要課題とし、個々の能力向上と組織力の底上げを通じて、持続的な成長を目指す環境がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数も約10年と比較的長く、人材が定着しやすい傾向にあると考えられます。これは、長期的なキャリア形成を視野に入れている転職者にとって、安定した環境で専門性を高められる可能性を示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,144,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.8年 |
| 平均年齢 | 37.3歳 |
| 単体従業員数 | 172人 |
| 連結従業員数 | 185人 |
| 単体のグループ内比率 | 93.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、創業理念のもと、販売促進支援サービス等を通じESG経営に取り組んでいます。特に人的資本を価値創造の源泉と位置付け、経営戦略と連動した人材投資を行っています。紙とデジタルの双方に精通し、顧客ごとに最適なメディアミックスを提案できる実務に精通した自律的な人材の育成に力を入れています。
人事制度においては、パフォーマンス・マネジメント(業績評価制度)を核に据え、既存の知見と新技術の習得を公正・客観的に評価することで、社員の自発的な成長とエンゲージメント向上を促しています。従業員の給与は、個人の能力開発や行動を評価する評価制度の結果と、会社全体の業績を適正に加味して決定される方針です。また、2025年3月期よりJ-ESOP(株式給付信託)を導入し、従業員の処遇と中長期的な株価・業績を直結させることで、人材の定着とさらなる成長を支援しています。
人材育成の強化を通じて個々の能力向上と組織力の底上げを図り、人的資本の質的向上に継続的に取り組む方針です。研修制度等の社員教育環境の整備を強化し、社員の主体的なキャリア形成の促進を図るとともに、次世代の経営を担う人材の育成に努めています。女性活躍推進も重要課題と位置づけ、短時間勤務や時間単位での有給休暇取得など、多様なライフステージに応じた柔軟な働き方が可能な環境整備に注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職は課長以上の職位と定義し、集計しています。平均勤続年数は、正社員のみの平均値を記載しています。男性育児休業取得率および男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) | 36.4% |
| 採用した労働者に占める女性労働者の割合(%) | 72.7% |
| 男女の平均継続勤務年数の差異(年)(男性) | 10.4年 |
| 男女の平均継続勤務年数の差異(年)(女性) | 9.5年 |
多様性・登用
管理職は課長以上の職位と定義し、集計しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 36.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アイドママーケティングコミュニケーションは、流通小売業向けの統合型販促支援を主軸とする企業です。クライアントの販売促進活動をトータルでサポートし、多角的なアプローチで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、食品スーパーマーケットをはじめとする流通小売業に対し、販売促進に関わる企画・提案・デザイン・販促物の制作までを一貫して提供する「統合型販促支援事業」を展開しています。このサービスはARSS(Aidma Retail Support System)と称され、マーケティング、データ分析、リサーチ、インターネット、スマートフォンなどを取り入れたプロモーション企画が特徴です。
収益は、折込広告を主力媒体としつつ、電子棚札、デジタルサイネージ、アプリといったデジタルシフトに対応したオールメディアプロモーション支援も行っています。マーケティング分析、企画・提案、デザイン制作などの提供サービス全体を加味した単価に、折込広告の制作支援部数を乗じた販売促進支援委託料から得ています。
同社グループの売上高の大部分は日本国内の外部顧客によるものであることが示唆されています。当連結会計年度においては、株式会社バローと株式会社ライフコーポレーションが主要な顧客であり、同社グループの売上高に占める割合はそれぞれ25.9%と15.2%となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で減少傾向にあります。経常利益は変動が見られますが、当期は前期から減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益も、前期と比較して大きく減少しています。
これは、物価高騰による流通小売業界の販促費用抑制や、広告媒体の多様化による媒体シフトが影響していると説明されています。また、親会社株主に帰属する当期純利益の減少は、昨年度の100%子会社清算に伴う繰越欠損金引継ぎと、これに係る繰延税金資産計上が主たる原因であるとされています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 61.2億円 | 59.6億円 | 58.4億円 | 55.9億円 | 47.6億円 |
| 経常利益 | 2.9億円 | 3.5億円 | 3.0億円 | 3.8億円 | 2.7億円 |
| 経常利益率 | 4.7% | 5.9% | 5.1% | 6.9% | 5.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 63百万円 | △1.3億円 | 1.6億円 | 4.7億円 | 1.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 4.79 | △10.12 | 12.11 | 36.16 | 13.69 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から減少しています。従業員1人あたり営業利益も同様に前期から減少しており、全体として生産性が低下している傾向が見られます。これは、市場環境の厳しさや売上高の減少が影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 28.8百万円 | 25.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.9百万円 | 1.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アイドママーケティングコミュニケーションは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。財務の安定性や資金の流れから、同社グループの経営状況を読み解きます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
アイドママーケティングコミュニケーションの自己資本比率は77.3%となっており、プライム市場平均(製造業46.8%・非製造業24.2%)と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は5.4%で、プライム市場平均の9.4%を下回っています。現金及び預金は19.9億円となっており、前期から減少しました。これらの状況は、同社グループが安定した財務基盤を維持しつつ、収益性の改善が課題となっていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 33.0億円 | 33.7億円 |
| 自己資本比率 | 72.5% | 77.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.1% | 5.4% |
| 現金及び預金 | 22.0億円 | 19.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1.3億円の獲得となりました。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△4.5億円の使用となりました。これは主に定期預金の純増減額によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは△3.0億円の使用となりました。これは主に長期借入金の返済や配当金の支払によるものです。
結果として、フリーキャッシュ・フローは△3.2億円となっています。本業で資金を生み出しながらも、投資活動に多くの資金を充てている状況であり、将来に向けた事業展開を重視していることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.3億円 | 1.3億円 |
| 投資CF | △1.4億円 | △4.5億円 |
| 財務CF | △64百万円 | △3.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 89百万円 | △3.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、日本国内の流通小売業界に依存しており、国内の景気や個人消費の動向等の経済環境に影響されやすい傾向があります。また、株式会社バローに対する売上高の割合が2割を超えており、特定の取引先への依存が見られます。
さらに、流通小売業向けの販促支援サービス領域では多くの企業が事業展開しており、競争激化が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループにおいて、今後の事業拡大や企業運営を円滑に遂行していく上で、優秀な人材を確保することが極めて重要であると認識されています。必要な人材を適切な時期に確保できない場合や、社内の有能な人材が流出した場合には、経常的な業務運営や事業展開に支障が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アイドママーケティングコミュニケーションは、統合型販促支援サービスを通じてクライアントの課題解決を目指すコンサルティングファームです。社員一人ひとりの成長と社会貢献を重視し、新しい価値を提供し続けることを経営の基本方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「私たちは、国際社会の中で社員一人一人の自己の成長と企業の安定、発展をはかり感謝と誠意をもって顧客へサービスを提供し社会に貢献しつづける。」を経営理念としています。
「商品」「店舗」「消費者」に関するあらゆるデータとクリエイティブをもとに、統合型販促支援サービスを提供しています。
クライアントの課題に対し、新たな時代の販売促進を実現するコンサルティングファームとして、常に「新しいバリュー」を提供することを経営の基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「人の心の美しさを商いに生かしただ一筋にお客様の繁栄を願い豊かにすることを我社のよろこびとして日々の仕事に精進いたします」という創業理念を掲げています。
環境、社会、ガバナンスを重視したESG経営に取り組み、「環境負荷低減」と「多様な人材の活躍推進」を重要課題としています。
人材育成では、クライアント・ファーストに資する人的資本を価値創造の源泉と捉え、パフォーマンス・マネジメントを軸とした評価制度で社員の自発的な成長を促しています。
女性活躍推進も重要課題であり、多様なライフステージに応じた柔軟な働き方が可能な環境整備や、性別によるバイアスを排除した選考体制を整えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、自社サービスの強化として、マーケティングチームの拡充やインターネット技術を活用したマーケティング分析の強化を図っています。
また、さらなる事業拡大のため、既存サービスとシナジー効果のある営業領域への新サービス等への投資を積極的に展開する方針です。
優秀な人材の確保と育成も重要な課題であり、人材の多様性を重視した新卒・中途採用の強化と継続的な育成に取り組んでいます。
加えて、事業規模拡大と企業価値向上に向けて、内部管理体制の維持・強化も進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アイドママーケティングコミュニケーションは、取締役会と監査役会からなる企業統治制度を採用しています。取締役会は社外取締役を含む4名で構成され、監査役会は全員が社外監査役の3名体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アイドママーケティングコミュニケーションの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長の蛯谷貴氏が代表を務めるシュリンプバレーです。第2位株主も蛯谷貴氏個人であり、創業家とその関連会社が上位を占める資本構成となっています。これにより、特定の株主グループが同社グループの経営に強い影響力を持つ状況がうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| シュリンプバレー | 40.44% |
| 蛯谷 貴 | 19.68% |
| 日本カストディ銀行(信託E口) | 2.76% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は蛯谷貴氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 蛯谷 貴 | 代表取締役社長 | 1977年アイドマ創業、1979年同社設立より代表取締役を務め、2009年からはシュリンプバレー代表取締役も兼任し現職。 |
| 岸下 義弘 | 取締役副社長 | 1985年新日本証券(現みずほ証券)入社後、みずほ証券常務執行役員法人担当などを経て、2021年同社入社、同年6月より取締役副社長に就任し現職。 |
| 中川 強 | 取締役常務 | 1993年木林会計事務所入所後、1999年同社入社。経営管理部長を経て、2009年より取締役、2017年3月より取締役常務に就任し現職。 |
社外取締役は、長富一勲氏(長富一勲公認会計士事務所代表)です。社外監査役は、川田昭雄氏(元富山銀行専務取締役)、木村正明氏(木村経営会計事務所代表取締役)、林衛氏(林法律事務所代表弁護士・ほくほく債権回収取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名と社外監査役3名が、経営陣から独立した客観的な立場で監督・監査機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アイドママーケティングコミュニケーションの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、経営環境を考慮して決定されています。全取締役に対しては、役位や職責、在任年数に応じた月例の固定報酬(金銭報酬)が支給される体系となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 87百万円 | 29.1百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.5百万円 |
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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