【平均年収639万円】神戸天然物化学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収639万円】神戸天然物化学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

神戸天然物化学は、医薬・情報電子分野向けの機能性化学品とその中間体を取り扱う、有機化学品ソリューション事業を展開しています。直近期の業績は増収増益となり、特に営業利益は大幅に増加しました。


目次

※本記事は、神戸天然物化学株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


神戸天然物化学は、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業を主業務としています。顧客の製品開発・販売に必要なサンプルや製品を供給し、開発段階に応じた課題解決サービスを提供しています。医薬分野や情報電子分野向けの機能性化学品とその中間体を取り扱っています。

単体従業員数は340名です。同社の事業セグメントは、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業の単一セグメントとなっています。

神戸天然物化学は、研究ステージから量産ステージまで一貫して化学品生産ソリューションサービスを提供しています。機能材料、医薬、バイオの各事業部門で幅広い製品を取り扱っています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


神戸天然物化学は、化学技術を基盤としたソリューション事業を展開しており、専門性の高い人材が活躍する環境です。従業員の育成とエンゲージメント向上を重視し、挑戦を後押しする人事制度の構築を進めています。多様な働き方を支援する制度も整備されており、従業員が長期的にキャリアを築けるよう努めています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長期的にキャリアを形成できる環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、安定した人材構成であることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,386,000円
平均勤続年数 11.9年
平均年齢 41.3歳
単体従業員数 340人


同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。退職給付債務は3.1億円です。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


神戸天然物化学は、CDMO事業の持続的成長には個々の従業員の高い専門性と挑戦意欲が不可欠であるとし、人材を「最も重要な経営資本」と位置付けています。従業員が能力を最大限に発揮し、自律的に成長できる環境を整備することで、技術力と組織力の双方を強化し、企業価値の向上を目指しています。

人事制度においては、役割、成果、行動、専門性を総合的に評価し、等級、評価、報酬制度を連動させることで、公平性、透明性、納得感のある制度運用を行っています。報酬制度は等級制度および評価制度と連動し、役割、責任、成果、行動、能力発揮を総合的に勘案して運用されます。等級は年齢や勤続年数ではなく、実際に担う役割や専門性、組織への貢献度に基づき決定されます。

評価制度では「成果(MBO)」「行動(バリュー)」「スキル・能力」の観点から総合的に評価を行い、昇給および賞与へ反映されます。評価結果は上司との面談・フィードバックを通じて共有され、人材育成やキャリア形成支援にも活用されています。多様な専門人財が能力を最大限発揮できるよう、マネジメント職に加え、エキスパート職およびスキル職を含む複線型キャリア制度を導入し、技術力・組織力双方の強化を図っています。

翌事業年度より新人事制度を導入し、公平性、透明性、納得性の高い運用を通じて、従業員の挑戦と生み出された成果が公正に評価され、適切に報われる体制を整備します。また、男性が育児休業を取得しやすい企業風土の醸成や、女性従業員が能力を最大限に発揮できる働きやすい環境を実現するため、各種制度の充実に加え、ハラスメントへの対応と解決を目的とした社内規程の整備・運用を積極的に進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女間の賃金差異は、主に管理職割合の差と非正規従業員の雇用条件の差から生じています。男性労働者の育児休業取得率は、当事業年度末に出産があり翌事業年度に育児休業を取得予定の対象者を除くと、実質的には100%となります。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 13.4%
男性労働者の育児休業取得率 83.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(全従業員) 80.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 83.9%
労働者の男女の賃金の額の差異(非正規従業員) 45.9%

任意開示指標


同社は、2028年3月までに女性管理職比率15%、男性育児休業取得率100%の達成を目標としています。また、男女ともに平均継続勤続年数12.0年以上の達成を目標としています。

指標 2026年3月 目標(2028年3月)
女性管理職比率 13.4% 15.0%
男性育児休業取得率 83.3% 100.0%
平均継続勤続年数(男性) 10.9年 12.0年
平均継続勤続年数(女性) 10.1年 12.0年

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


神戸天然物化学は、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業を主たる業務としています。顧客の製品開発から販売に至るまで、必要なサンプルや製品の供給、および開発段階に応じた課題解決サービスを一貫して提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、主に医薬分野や情報電子分野で用いられる機能性化学品およびその中間体を、汎用的な化学品を原料として製造しています。顧客の製品開発ステージが研究・開発から量産へと進むにつれて、それぞれのステージに最適なソリューションを提供し、製品開発の進捗とともに成長する「ステージアップ・グロース」モデルを目指しています。

同社の事業セグメントは「有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業」の単一セグメントです。この事業は、機能材料事業部門、医薬事業部門、バイオ事業部門の3つの部門で構成されています。機能材料事業部門では、表示材料、半導体製造用化学品、カーボンナノチューブ分散体などを取り扱っており、医薬・医療関連材料や半導体関連の需要が堅調に推移しています。医薬事業部門では、医薬原薬や中間体、治験原薬、医薬の研究開発用化合物などを提供し、量産ステージおよび開発ステージの案件が好調に推移しています。バイオ事業部門は、医薬原薬や中間体、治験原薬、医薬の研究開発用化合物、抗体医薬製造用の助剤などを扱い、量産ステージと開発ステージともに売上を伸ばしています。

同社の売上高の大部分は日本国内の外部顧客によるものであり、海外売上高の比率は低い傾向にあります。また、鳥居薬品株式会社、第一三共株式会社、東レ株式会社といった特定の顧客への販売実績が一定の割合を占めています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期から増加しています。特に営業利益は大幅に増加しており、販売費及び一般管理費の減少が寄与しています。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


神戸天然物化学は、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている段階です。事業活動で得た資金を上回る投資を、借入れも活用しながら進めている状況がうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


企業の財務基盤は、事業の安定性や将来の成長余力に直結します。自己資本比率は企業の安全性を、ROE(自己資本利益率)は資本をいかに効率的に活用して利益を生み出しているかを示します。手元資金の厚みは、予期せぬ経済変動や事業環境の変化に対する耐性を示す指標となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
- - -
自己資本比率 - -
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び預金等 - -

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社の当期における営業活動によるキャッシュフローはプラスであり、本業で安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、主に有形固定資産の取得に資金を投じています。これは、将来の事業拡大に向けた積極的な設備投資が行われていることを示しています。

フリーキャッシュフローはマイナスであり、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。財務活動によるキャッシュフローはプラスとなっており、長期借入れによる収入が、長期借入金の返済や配当金の支払いを上回っています。全体として、同社は事業活動で得た資金を成長のための設備投資に充て、不足分を借入れで賄う「成長投資」の段階にあると言えます。この状況は、将来の事業拡大に向けた積極的な姿勢を示しており、今後の事業展開や雇用安定性にも影響を与える可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 14.9億円 22.6億円
投資CF △33.2億円 △27.0億円
財務CF 9.1億円 2.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △18.4億円 △4.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は、取引上位10社が売上高の68%を占めており、大口取引先への依存によるリスクがあります。これらの企業との取引条件の変更や契約解除、あるいは取引先の製品の需要減退が発生した場合、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、競争相手は医薬品原薬製造企業、化学品製造・開発企業、化学分野の研究受託・人材派遣企業等多岐にわたり存在し、各ステージで競合します。競合他社との競争次第では、同社の計画する経営成績に影響をきたす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は、有機合成化学や生化学等の分野の技術者の新卒・中途採用を継続的に行い、技術者の育成に努めています。しかしながら、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、あるいは同社の人材が社外に流出する可能性は否定できません。人材の確保及び育成が計画どおりに進まなかった場合には、同社の事業展開に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


神戸天然物化学は、化学技術を通じて社会の発展に貢献することを目指し、顧客とのパートナーシップを重視する企業です。従業員の挑戦と成長を後押しする文化を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


神戸天然物化学は、「先端産業分野において、研究から商業生産まで、顧客とのパートナーシップを重視し、化学品製造に関する課題を解決する」ことを経営方針としています。同社は、顧客の開発品目のステージが研究・開発から量産へと上がるのに伴い、ステージに応じたソリューションを提供して取引を継続し、成長を牽引する「ステージアップ・グロースモデル」を企図しています。今後は、これまでの技術蓄積と顧客との信頼関係を背景に、量産ステージのビジネスをさらに拡大する計画です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


神戸天然物化学は創業時より「私たちの目標」を経営理念として掲げ、化学技術による社会貢献、自らの成長と持続的発展、ビジネスパートナーとの共存共栄、社会の一員としての責任を果たすことを重視しています。特に、ステークホルダーの安全確保と環境保全を非常に重要と認識し、トップマネジメントを中心としたガバナンス体制を構築しています。

また、同社は従業員の挑戦と成長を後押しする人事制度を重視しており、実績(成果)を重視し、能力と役割に見合った処遇を行うことで、従業員が大きな役割に「挑戦」することを目的としています。公平性、透明性、納得性の高い運用を通じて、多様性を尊重し、従業員の技術・価値観による会社発展を目指すカルチャーです。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


神戸天然物化学は、ステージアップ・グロースモデルをさらに推し進めるため、いくつかの優先的に対処すべき課題を認識しています。具体的には、営業部門のさらなる拡充と人材育成による営業力の強化に取り組んでいます。

また、生産能力・生産性の引き上げとして、全工程を通じたボトルネック解消による効率化を重要な課題としています。変動する顧客ニーズに対応するため、生産技術、品質保証、生産設備要件、および人材育成のさらなる強化を進めています。

研究開発から事業化への加速も重点テーマであり、ベンチャー企業やアカデミア等との積極的な交流や共同研究によるパイプラインの拡充、技術獲得によるステージアップ・グロースモデルの強化を図っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


神戸天然物化学は、監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。社外取締役および社外監査役を選任することで、経営の監督・監視機能の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


神戸天然物化学の株主構成を見ると、筆頭株主はKNC興産であり、同社との関連性がうかがえます。上位には複数の個人株主も名を連ねており、特定の株主が一定の持株比率を保有していることが特徴です。

株主名 持株比率
KNC興産 19.53%
宮内 仁志 10.50%
広瀬 克利 9.35%
(公財)KNC広瀬財団 9.04%
純正化學 3.10%


なお、前事業年度において主要株主であった広瀬克利氏は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は真岡宅哉氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
真岡 宅哉 取締役社長 (代表取締役) ㈱三菱油化ビーシーエル入社、同社海外営業部長、同社執行役員営業第三部長、同社取締役営業本部長を経て、2026年4月より同社代表取締役社長より現職。
閨 正博 常務取締役 医薬事業管掌 兼 管理本部長 藤沢薬品工業㈱入社、同社バイオ・創薬事業部創薬化学部長、同社執行役員医薬事業部長補佐を経て、2026年4月より同社常務取締役医薬事業管掌兼管理本部長より現職。
井上 隆一 取締役 バイオ事業管掌 村井薬品㈱入社、同社営業部本社営業部長、大地化成㈱取締役兼営業部長、同社理事本社営業部営業第一部長を経て、2025年4月より同社取締役バイオ事業管掌より現職。
釜坂 公浩 取締役 機能材料事業部長 同社入社、同社出雲工場長、同社精密化学事業部部長、同社執行役員機能材料第二部長を経て、2025年4月より同社取締役機能材料事業部長より現職。


社外取締役は、毛利充邦氏(長瀬産業常務執行役員・ナガセケムテックス代表取締役社長)、丸山修氏(住友化学執行役員・住化分析センター代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の監督と監査役による監査の二重チェック体制を採用しています。社外取締役は独立した立場から経営の監督・助言を行い、客観的かつ中立的な視点でのガバナンス強化に寄与しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動を基本方針としています。業務執行取締役には固定報酬としての金銭報酬と譲渡制限付株式による非金銭報酬が支給され、社外取締役にはその職務に鑑み金銭報酬のみが支払われる体系です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.2億円 20.1百万円
監査役(社外除く) 1名 5百万円 4.7百万円
社外役員 4名 21百万円 5.2百万円


同社の役員報酬等の総額は1億4,627万円であり、対象となる役員の総数は11名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。