※本記事は、プロパティデータバンク株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
プロパティデータバンクグループは、不動産・施設の運用管理を支援するクラウドサービス「@property」を主力事業としています。不動産・施設管理のための統合資産ERP「@property」を提供し、顧客の業務効率改善と資産価値向上に貢献しています。クラウド黎明期からの知見を競争力としています。
単体従業員数は45名、連結従業員数は76名です。セグメントは「@property」事業の単一です。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)プロパティデータテクノス、(連結子会社)プロパティデータサイエンス、(連結子会社)リーボなどです。
プロパティデータバンクグループは、2023年3月期にプロパティデータテクノスとプロパティデータサイエンスを、2024年3月期にはリーボを連結子会社化し、グループ体制を強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
プロパティデータバンクは、従業員の専門性とパフォーマンスを重視し、継続的な成長を支援する人事制度を導入しています。クラウドサービス事業を主軸とする同社グループでは、多様な人材が活躍できる環境づくりにも力を入れていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
プロパティデータバンクでは、従業員の平均年齢が比較的高く、一定の勤続年数を持つ人材が在籍している傾向が見られます。これは、専門性を活かして長く働くことができる環境が整っていることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,762,677円 |
| 平均勤続年数 | 5.4年 |
| 平均年齢 | 45.6歳 |
| 単体従業員数 | 45人 |
| 連結従業員数 | 76人 |
| 単体のグループ内比率 | 59.2% |
同社グループは、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職給付制度は国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度があり、退職金規程及び退職金前払い規程に基づく退職一時金制度を採用しています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
プロパティデータバンクは、人材を企業価値向上の源泉となる重要な経営資本と位置付けています。中期経営計画と連動した人的資本投資を推進し、事業拡大と持続的な成長を目指しています。
同社グループの事業では、プロジェクトマネジメント、ソフトウェア開発、データ分析、コンサルティング、提案営業、事業企画などの専門性を有する人材が競争力の源泉であると認識されています。このため、採用活動の強化に加え、教育研修やOJTを通じた継続的な能力開発を実施しています。従業員一人ひとりの能力や適性を踏まえた配置及び登用を行うことで、組織全体の生産性及び付加価値の向上に取り組んでいます。
コンプライアンスの徹底や相互に尊重し合う企業文化の醸成、多様な働き方を支援する職場環境の整備を通じて、従業員エンゲージメントの向上及び人材の定着を図っています。優秀な人材の確保及び維持を目的として、2022年度より「職責」「専門性」「パフォーマンス」の3つの観点から総合的に勘案し決定する新人事制度を導入しました。成果や成長を適切に評価し処遇へ反映することで、従業員の能力向上及び主体的な成長を促進し、中長期的な企業価値向上の実現を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の数値は本記事では取得できていません。
多様性・登用
労働者に占める女性労働者の割合は、2026年3月末時点で連結ベースで32.9%となっています。同社グループでは、女性役員の登用をはじめとする女性の活躍を積極的に推進しており、情報通信業界の平均を上回る実績を残しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者に占める女性労働者の割合(連結ベース) | 32.9% |
健康・安全
同社グループは、企業全体で健康づくりに取り組むために、2023年2月に健康企業宣言を行いました。2024年4月には「銀の認定」を取得し、従業員本人およびその家族の健康づくりや職場環境の整備を進めています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 健康企業宣言 | 銀の認定 |
人材育成・エンゲージメント
同社グループは、人材教育や職場環境に関する取り組みにより、従業員参画、エンゲージメントの向上に努めています。多様な分野出身の人材を経営者候補として選出し、事業の最前線に登用すると共に社内外の研修などを行い、長期的且つ計画的な育成を図っています。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
プロパティデータバンクグループは、不動産・施設の運用管理を支援するクラウドサービス「@property」を主力事業としています。このサービスは、不動産投資ファンドや不動産管理会社、一般事業会社、公共事業者など幅広い顧客の業務効率化を支援しています。
同社グループの収益モデルは、クラウドサービスの月額利用料や保守サービス料による安定的な収益と、導入コンサルティングやカスタマイズ開発による収益を両輪としています。これらのサービスを通じて顧客の不動産DXを推進しています。
具体的には、プロパティデータテクノスが不動産文書の管理やデジタル化サービス、プロパティデータサイエンスがデータサイエンスサービスや商業店舗売上予測クラウドサービスを提供しています。また、リーボはWebアプリケーションやモバイルアプリケーションの受託開発を手掛けており、グループ全体で多角的なサービスを展開しています。
同社グループの事業は国内を中心に展開されており、当連結会計年度においてはNTTドコモソリューションズ株式会社への売上高が一定の割合を占めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、不動産・施設の運用管理を支援するクラウドサービス「@property」を主力事業としています。このサービスは、不動産投資ファンドや不動産管理会社、ビルメンテナンス会社、不動産オーナー企業、一般事業会社、国や地方自治体など、多岐にわたる顧客のニーズに対応しています。
収益モデルは、クラウドサービスの月額利用料や保守サービス料によるストック型売上と、初期コンサルティングやカスタマイズ開発によるフロー型売上を両輪としています。クラウドサービスは、顧客の登録建物データ数に応じた従量課金制であり、安定的な収益基盤を構築しています。
また、プロパティデータテクノスは不動産文書の管理やデジタル化サービス、プロパティデータサイエンスはデータサイエンスサービスや商業店舗売上予測クラウドサービスを提供しています。リーボはWebアプリケーションやモバイルアプリケーションの受託開発、DX支援、システムコンサルティングを手掛けており、グループ全体で顧客の事業を根幹から支える「不動産DXプラットフォーム」の推進に貢献しています。
同社グループの事業は国内を中心に展開されており、当連結会計年度においてはNTTドコモソリューションズ株式会社への売上高が全体の17.3%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近の数期間において売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に当連結会計年度は、前期から大きく伸長し、過去最高水準を記録しました。これは、主力であるクラウドサービスの拡大と、ソリューションサービスにおける大型案件の順調な消化が寄与した結果となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 28.3億円 | 25.2億円 | 33.2億円 | 37.2億円 |
| 経常利益 | - | 8.2億円 | 4.4億円 | 9.4億円 | 11.3億円 |
| 経常利益率 | - | 29.1% | 17.4% | 28.3% | 30.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 6.3億円 | 3.0億円 | 6.3億円 | 7.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 54.03 | 25.66 | 54.10 | 60.77 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)および従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期と比較して当連結会計年度に増加しました。これは、事業規模の拡大と効率的な運営が進んでいることを示唆しています。個人の貢献が企業の収益力に直結する傾向が見られます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 40.5百万円 | 49.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 11.4百万円 | 14.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
プロパティデータバンクグループは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しており、事業の成長に向けた投資も継続しています。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性を確認できます。手元資金の状況も合わせて、不況時の耐性や事業の安定性を測る指標となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 38.5億円 | 33.1億円 |
| 自己資本比率 | 79.6% | 71.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.8% | 20.0% |
| 現金及び預金 | 26.7億円 | 23.7億円 |
同社グループの自己資本比率は、当期で71.4%となっており、前期の79.6%から減少しています。これはプライム市場に上場する非製造業の平均24.2%と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は当期で20.0%となり、前期の17.8%から増加しました。プライム市場平均の9.4%を大きく上回る水準です。
現金及び預金は当期末で23.7億円となっており、前期の26.7億円から減少しました。これらの指標は、同社グループが安定した財務基盤を維持していることを示しています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローはプラスを維持し、事業の収益性が高いことがうかがえます。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスですが、これは将来の成長に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得による支出や配当金の支払いなどにより減少しています。
これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定した資金を創出し、それを成長のための投資に回しつつ、株主還元も行っている優良な財務状態にあると言えます。これは、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長に繋がる要素です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 12.8億円 | 7.1億円 |
| 投資CF | △3.6億円 | △1.8億円 |
| 財務CF | △1.2億円 | △8.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.2億円 | 5.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主要サービスである不動産・施設の運用管理を支援するクラウドサービス「@property」に売上高の約86%を依存しています。このサービスへの依存度が高い状況がリスクとして挙げられています。
また、資金力やブランド力を持つ企業の参入、あるいは全く新しいコンセプトや技術を活用したシステムを開発した企業の出現など、競合他社の動向も事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、中期経営計画の達成や不動産DXプラットフォーム「PDB-Platform」の競争力維持・向上のため、中核となる優秀な人材の確保を経営の重要課題と認識しています。必要な人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合や、主要な人材が流出した場合に事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
プロパティデータバンクは、新しい知識社会の創造を使命とし、顧客の業務に革命をもたらすことを目指す企業です。
知識の集約を通じて顧客の資産価値向上に貢献し、常に挑戦と変革を続ける企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
プロパティデータバンクは、「新しい知識社会の創造」をミッションとして掲げています。
単なるデータの処理・管理を超え、同社グループのサービスを知識社会における最も優れたものとして進化させ、新しい知識社会創造の担い手となることを使命としています。
ビジョンとしては、「知識の集約により顧客の業務に革命を 顧客の資産に価値向上を」を掲げています。
お客様の業務を限りなく深化させ、飛躍的に効率化することで革命をもたらし、運用・管理する資産の価値向上に貢献することを目指しています。
中長期的な経営方針として、「不動産からあらゆる資産へのターゲット市場の拡大と提供機能の深化」、「挑戦し、自らを変革する中長期志向の経営」、「斬新かつ卓越したクラウドサービスの創造」の3項目を掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
プロパティデータバンクグループは、自らの技術や事業を研鑽し、変革していく「挑戦し、自らを変革する中長期志向の経営」を重視しています。
顧客業務の深い理解から「究極の業務効率化」や「効果的な知識の集約」を実現する、斬新かつ卓越したクラウドサービスの創造に挑む姿勢があります。
2025年3月期の経営コンセプトとして「原点継承×仕組革新」を掲げ、事業の根幹を継承しつつ、時流に合わせた仕組みの革新を進めています。
同社グループは、貢献した人が公正に報われる人事制度の確立・運用を目指し、2022年度より新人事制度を導入しています。
この制度は「職責」「専門性」「パフォーマンス」の3つの観点から社員を処遇・支援し、中長期的な視点での「人」と「仕事」のレベルアップを実現することを目指しています。
また、女性労働者や中途採用者など、人材の多様性を確保する方針をとっており、多様な契約形態に基づいた人材の確保にも努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
プロパティデータバンクグループは、事業拡大のための重要な課題として、案件営業力及び執行力の増強に取り組んでいます。
具体的には、専門性を備えた人材育成に向けた社内研修や外部セミナーの活用を通じて営業力の強化を図っています。
また、開発部門の人材育成や外部リソースの活用により、案件執行力の向上にも
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
プロパティデータバンクは、取締役会と監査等委員会を設置する監査等委員会設置会社です。社外取締役が多数を占める取締役会が経営の意思決定と監督を行い、監査等委員会が監査機能を担う体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
プロパティデータバンクの筆頭株主は清水建設であり、同社グループの事業を支える主要な事業会社が上位株主として名を連ねています。創業者の板谷敏正氏も上位株主の一人です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 清水建設 | 27.26% |
| 板谷 敏正 | 10.74% |
| UHPartners2投資事業有限責任組合 | 7.39% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 7.36% |
| 高橋 秀樹 | 7.33% |
なお、前事業年度において主要株主であったケン・コーポレーションは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役会長は板谷敏正氏、代表取締役社長は武野貞久氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 板谷 敏正 | 取締役会長 (代表取締役) | 1989年清水建設入社、2000年同社設立代表取締役社長、2022年同社代表取締役会長より現職。 |
| 武野 貞久 | 取締役社長 (代表取締役) | 1992年清水建設入社、2003年同社入社、2022年同社代表取締役社長より現職。 |
| 大田 武 | 常務取締役 | 1993年さくら銀行入行、2006年同社入社、2019年同社常務取締役より現職。 |
| 堀之内 はる代 | 取締役 | 1990年日本興業銀行入行、2003年同社入社、2019年同社取締役より現職。 |
社外取締役は、窪田達史氏(清水建設グループ経営戦略室事業管理部長)、山口弘信氏(みずほリース参与・元エムエル・エステート監査役・常勤監査等委員)、鏑木耕三氏(元オリックス証券取締役専務執行役員・元オリックス銀行常勤監査役・監査等委員)、小田島労氏(協栄IT&ビジネスサービス代表取締役副社長・元NTTデータ経営研究所取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は社外取締役が半数を占める構成です。これにより、経営の意思決定と監督機能の強化を図り、透明性の高いガバナンス体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
プロパティデータバンクの役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬の3つの要素で構成されています。業績連動報酬は経常利益の状況に応じて支給額が変動し、譲渡制限付株式報酬は中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして機能する仕組みです。監査等委員である取締役の報酬は、監査等委員間の協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外取締役 | 3名 | 23百万円 | 7.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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