【平均年収722万円】ZUU 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収722万円】ZUU 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ZUUは、金融領域の情報の非対称性を解消し、個人のお金と時間を支援するフィンテック企業です。売上高は変動しながら推移し、直近期は減収となりましたが、従業員一人あたりの売上高は増加しています。経常利益と純利益は直近期に損失を計上しています。


目次

※本記事は、株式会社ZUU の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、金融領域における情報の非対称性を解消し、個人がお金と時間について積極的に考えられるよう支援するフィンテック企業です。金融領域特化型ウェブ/スマートフォン・メディア運営のフィンテック・プラットフォーム事業と、企業の資金調達支援などを手掛けるフィンテック・トランザクション事業を展開しています。

単体従業員数は65名、連結従業員数は96名です。セグメントはフィンテック・プラットフォーム事業、フィンテック・トランザクション事業の2つです。

主な国内グループ会社は、Xpro、COOLなどです。

2025年3月期に実施された送客事業の合弁会社化により、ZUUグループのフィンテック・プラットフォーム事業は金融・不動産DX支援を中心とした事業構成に変化しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループはフィンテック事業を展開しており、少数精鋭の組織体制が特徴です。給与水準や働き方については、専門性を重視し、個人の成長と挑戦を支援する環境が整っている傾向が見られます。具体的な給与水準や多様性に関する取り組みは、以下の詳細で確認できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均年齢が30代半ばであり、比較的若い年齢層の従業員が中心となっている傾向が見られます。平均勤続年数は4年弱であり、新しい人材が継続的に加わり、組織が活性化している状況がうかがえます。若手層が活躍しやすい環境であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 7,225,000円
平均勤続年数 3.9年
平均年齢 35.8歳
単体従業員数 65人
連結従業員数 96人
単体のグループ内比率 67.7%


同社は、確定拠出型年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。この制度は提出会社に適用されています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「Growth&Finance」への移行とBtoBビジネスモデルへの変革を推進しており、この経営戦略達成のため、営業力の強化とそれを担う人材の確保・育成を最重要課題と位置付けています。継続的な新卒採用に加え、若手層の採用強化と早期活躍を促す育成プログラムを推進し、年齢や社歴にとらわれない若手社員の抜擢や女性活躍の推進を通じて、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織づくりに努めています。

従業員の給与報酬は、社内規程に基づき、各社員の職務内容、役割、能力、勤務成績等を総合的に勘案して決定されています。特に、ビジネスモデル変革を牽引する優秀な営業人材や専門人材の確保・定着を重視し、労働市場の賃金水準を考慮した処遇に努めています。成果や挑戦に対する報償の連動性を高めるため、新たな報酬・評価体系のアップデートも検討されています。

また、「機会格差を解消し、持続的に挑戦できる世界へ」というパーパスのもと、人的資本の向上と多様性の確保に注力しています。「個のキャリア支援」として、全社員との四半期ごとのキャリア面談や、人材育成部門によるキャリア形成サポート、新卒向け「ジュニア研修」やリーダー向け「マネジメント研修」、希望者向けの「金融リテラシー研修」などを実施しています。

さらに、「挑戦する機会の提供」として、自ら手を上げる人材の意思を尊重し、社内公募によるプロジェクト参画機会や、四半期ごとの面談で「挑戦したいテーマ」について対話し、データを活用した機会提供を行っています。「多様性の推進」では、2019年度から「性別」「経験」「国籍」の3つの多様性を掲げ、リモートワーク推進や人事部門のフォロー体制強化に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務対象外のため、記載を省略しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 13.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 42.9%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 70.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働労働者) 33.7%

多様性・登用


当社グループの人的資本に関する任意開示指標です。

指標 目標 実績(当連結会計年度)
新規採用におけるジェンダー比率(男性) 50% 60.0%
新規採用におけるジェンダー比率(女性) 50% 40.0%
新規採用における外国籍人材比率 10%以上 0.0%
新規リーダー職以上登用者数 15名以上 8名

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ZUUグループは、金融領域に特化した情報提供と金融関連サービスを展開し、個人の金融リテラシー向上と企業の資金調達・運用を支援しています。フィンテックを活用した事業を通じて、金融機関と個人の間の情報格差解消を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


ZUUグループは、金融領域に特化したフィンテック・プラットフォーム事業とフィンテック・トランザクション事業の二つの事業を展開しています。金融商品に関する情報の非対称性を解消し、個人が積極的にお金と時間について考えられるよう支援することを目的としています。

フィンテック・プラットフォーム事業

この事業では、金融資産3,000万円以上または年収700万円以上のアッパーマス層から富裕層を主なターゲットとした「ZUU online」などの金融領域特化型自社メディアを運営しています。また、そのノウハウを活かし、金融や不動産企業向けにDX支援としてメディア・プラットフォームの構築・運営やデジタル・マーケティングのコンサルティングを提供しています。
収益は、自社メディアに掲載する記事広告の広告料や、顧客企業へのメディア・プラットフォーム構築・運用支援、コンサルティング報酬から得ています。

フィンテック・トランザクション事業

この事業では、ファンドを活用した企業の資金調達支援や資金運用支援、株式型および融資型クラウド・ファンディングを展開しています。さらに、金融機関から独立した立場で資産運用アドバイスや金融商品の紹介を行うIFA事業、保険代理業、経営者・富裕層向けのウェルスマネジメントサービスも提供しています。PDCA関連サービスや経営コンサルティングも手掛けています。
収益は、資金調達におけるアドバイザリー報酬、資産運用の手数料、クラウド・ファンディングの手数料収入、貸付による利息、コンサルティングサービス報酬などから得ています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
フィンテック・トランザクション 18.9億円 20.3億円
フィンテック・プラットフォーム 11.0億円 6.0億円


同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%超を占めており、国内市場が中心となっています。特定の主要顧客への売上高集中は見られません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績は、売上高が変動しながら推移しています。経常利益は黒字を計上した期もありましたが、当期は損失となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動しており、当期は損失を計上しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 33.8億円 34.0億円 29.0億円 29.9億円 26.2億円
経常利益 △2.4億円 2.1億円 1.3億円 55百万円 △67百万円
経常利益率 △7.2% 6.2% 4.4% 1.8% △2.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 △2.3億円 90百万円 △45百万円 1.2億円 △4.0億円
1株当たり当期純利益(円) △48.71 18.96 △9.51 25.29 △83.82

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期はわずかながらプラスでしたが、当期はマイナスに転じています。これらの指標は、同社グループの事業規模と従業員数の変化、および収益性の状況を示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 24.7百万円 27.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.1百万円 △3.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況を見ると、自己資本比率が低下し、営業活動と投資活動で資金を使用している状況です。これは、積極的な投資フェーズにあることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から低下し、プライム市場平均と比較して低い水準にあります。ROEも当期はマイナスとなっており、収益性には課題が見られます。手元資金である現金及び預金も減少傾向にあります。

これらの状況は、同社グループの財務の安定性や将来の成長性、ひいては雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 63.0億円 119億円
自己資本比率 13.7% 5.9%
ROE(自己資本利益率) 9.5% △4.4%
現金及び預金 26.2億円 17.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失の計上や売上債権の減少があったものの、匿名組合出資預り金の増加や営業貸付金の増加により、資金を使用する状況となりました。投資活動によるキャッシュフローは、主に投資有価証券の取得による支出が大きく、多額の資金を使用しています。この投資活動による資金使用は、主に投資事業組合等における非支配株主からの出資受入による収入など、財務活動によるキャッシュフローで賄われています。

フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、事業活動と投資活動を合わせた資金は外部からの調達に依存している状況です。これは、同社グループが積極的な投資フェーズにあることを示唆していますが、今後の事業の動向が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △7.4億円 △2.1億円
投資CF △5.6億円 △50.6億円
財務CF 20.8億円 46.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △13.0億円 △52.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、未上場企業への投資サービス市場において、大手証券会社の参入などによる競争環境の変化が生じるリスクを認識しています。また、AIの普及による検索アルゴリズムの変化が、「ZUU online」等の自社メディアへの訪問ユーザー数に影響を及ぼし、フィンテック・プラットフォーム事業の広告・マーケティング収益に影響を与える可能性も指摘されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、今後の事業拡大のために、営業やコーポレート等に係る優秀な人材の確保が必要であると認識しています。人材の獲得及び社内人材の育成に加え、人材の外部流出を防止することが重要な課題であり、これらの施策が計画どおりに進まない場合、事業拡大の制約要因となり、事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ZUUは、「機会格差を解消し、持続的に挑戦できる世界へ」というパーパスを掲げ、挑戦を加速させる資本へのアクセシビリティを自由に解放することを目指しています。社会の機会格差を解消し、人々が夢に熱狂し挑戦を楽しむ世界を実現するというビジョンを持つ会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ZUUグループは、「機会格差を解消し、持続的に挑戦できる世界へ」というパーパスを掲げています。ビジョンとしては、「挑戦を加速させる資本へのアクセシビリティを自由に解放し、世の中に存在する様々な機会格差を解消する。そして、90億人が自分の夢や人の夢に熱狂し、心から応援し合いながら、ともに挑戦を楽しみ続けている世界を実現する」ことを目指しています。

同社グループは、フィンテック・トランザクション事業とフィンテック・プラットフォーム事業を成長の二軸としています。今後は、それぞれファイナンスセグメントとグロースセグメントへ改称し、グループ全体の収益多様化と持続的な成長を追求する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ZUUグループは、M&Aを通じたグループ強化とPMIの推進、営業組織の高度化とクロスセルの実現、AI活用による生産性の抜本的向上を経営戦略として掲げています。特に「全社BtoB営業組織化」や「AI駆動型組織への変革」を重要テーマとして推進しています。

サステナビリティにおいては、情報セキュリティ強化と人的資本の向上・多様性の確保を重要な項目としています。人的資本の向上では、「個のキャリア支援」「挑戦する機会の提供」「多様性の推進」をテーマに施策を進めています。

「個人が夢や目標に向かって成長できる組織」や「多様な人材ひとりひとりに、挑戦する機会が与えられた組織を作る」という理念を持ち、性別、経験、国籍の多様性を重視した組織改革に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


ZUUグループは、組織体制の整備・拡充を重要な課題と認識しています。業務効率化の徹底と合わせて、社内体制や人員の強化を図り、企業としての基盤を確立することを目指しています。

また、内部統制・ガバナンス・コンプライアンス体制の抜本的強化も重点テーマです。過去の資金流出事案を受け、送金承認プロセスの見直し、経理部門の人員増強、内部監査機能の強化、サイバーセキュリティ対策研修の継続実施などを再発防止策として実施しています。

さらに、リスク管理委員会や監査等委員会の実効性強化、専門性を持つ取締役・執行役員の招聘も進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ZUUは監査等委員会設置会社であり、取締役会が取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を含む構成となっています。これにより、取締役会の監督機能と監視体制の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ZUUの筆頭株主は代表取締役である冨田和成氏です。同氏が発行済株式の過半数を保有しており、経営に対して強い影響力を持つ資本構成となっています。上位株主には、事業会社であるACNホールディングスや、個人株主である吉岡裕之氏などが名を連ねています。

株主名 持株比率
冨田 和成 50.62%
ACNホールディングス 9.00%
吉岡 裕之 7.39%
内藤 真一郎 2.84%
赤羽 雄二 2.72%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役は冨田和成氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
冨田 和成 代表取締役 2006年野村證券入社後、2013年に同社を設立し代表取締役に就任。ZUU SINGAPORE PTE. LTD.、ZUU Funders、ZUU WealthManagement、経済界の取締役・代表取締役を兼任し現職。
樋口 拓郎 取締役 2007年リクルート入社、カカクコムを経て2016年に同社入社。執行役員を経て2021年より同社取締役に就任。グローバルマーケティング取締役も兼任し現職。


社外取締役は、五味廣文氏(元金融庁長官)、髙橋正利氏(元野村證券執行役・常勤監査等委員)、髙見由香里氏(ウィルウィル代表取締役・監査等委員)、駒林素行氏(元野村證券ウェルス・マネジメント業務部長・監査等委員)、長南伸明氏(元EY新日本有限責任監査法人パートナー・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は監査等委員である取締役を含む構成です。すべての社外取締役は東京証券取引所の定める独立役員として指定されています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ZUUの役員報酬は、企業価値への貢献意欲を高めることを基本方針としています。取締役(監査等委員を除く)の報酬は、月額固定報酬と業績連動報酬で構成されており、業績連動報酬の割合は合計額の0%から35%の範囲で変動します。監査等委員である取締役の報酬は、基本報酬(固定報酬)のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 64百万円 21.5百万円
社外役員 4名 27百万円 6.8百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。