【平均年収686万円】オーウエル 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収686万円】オーウエル 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

オーウエルは、コーティング関連事業とエレクトロニクス関連事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は618名です。直近の当期は減収増益となりました。


目次

※本記事は、オーウエル株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


オーウエルは、連結子会社15社、非連結子会社1社、持分法適用関連会社4社を含む計21社で構成されるグループです。コーティング関連事業とエレクトロニクス関連事業の2つの事業を展開し、約3,000社の販売先と約2,000社の仕入先と取引があります。

単体従業員数は370名、連結従業員数は618名です。セグメントはコーティング関連事業、エレクトロニクス関連事業の2つです。

主な国内グループ会社は、当社、サンマルコ、オーウエルスーパービルド、オー・エー・シー、オーウエルカラーセンターなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、日本のものづくりを支える事業を展開しており、長期的な視点での人材育成と働きやすい環境づくりに注力しています。従業員の安定したキャリア形成を支援し、多様な人材が活躍できる職場を目指していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定して長く働くことができる環境が整っていると考えられます。経験豊富な人材が多数在籍し、キャリアを築きやすい傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 6,857,000円
平均勤続年数 15.9年
平均年齢 45.1歳
単体従業員数 370人
連結従業員数 618人
単体のグループ内比率 59.9%


同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社に適用されています。退職一時金制度もあり、資格等級と勤務期間に基づいて一時金が支給されます。確定給付制度における退職給付債務は23.3億円、年金資産は33.5億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


オーウエルは、人材を「将来価値を創造する主体」と捉え、人的資本経営を推進しています。中期経営計画「MAP24-26」では「人的資本を充実する」ことを重点方策に掲げ、2026年度からは新たな人事制度を運用開始しました。この制度は、業績貢献に応じた処遇と外部環境変化への対応を目指し、役割に応じた等級に基づき給与が決定され、役割が大きくなるほど報酬が増える仕組みです。

同社グループは、「日本のものづくり」への愛情を持ち、ビジネス創造や提供価値の革新、海外挑戦ができる人材を求めています。計画的な研修や教育、定期的な人事異動を通じて知見を広げる育成を行い、女性活躍推進や仕事と子育ての両立支援にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、出産時における育児目的の休暇(20日以上)取得者を含まない数値です。労働者の男女の賃金の差異(正規雇用)および(非正規雇用)は、本記事では数値を取得できていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.6%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 64.3%

指標及び目標

指標 目標 実績(当連結会計年度)
管理職に占める女性労働者の割合 2030年3月までに13%以上 7.5%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


オーウエルは、コーティング関連事業とエレクトロニクス関連事業の2つの事業を展開し、幅広い産業に商品・サービスを提供しています。同社グループは、約3,000社の販売先と約2,000社の仕入先と取引関係を築いています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、オーウエルと連結子会社15社、非連結子会社1社、持分法適用関連会社4社の計21社で構成されています。主力事業であるコーティング関連事業とエレクトロニクス関連事業を通じて、顧客の多様なニーズに応えるワンストップソリューションの提供を目指しています。

コーティング関連事業では、塗料・表面処理剤、化成品・物資、塗装・計測機器の販売、および塗装ラインに関連する完成工事を手掛けています。特に自動車業界で培った塗膜形成技術を基盤とし、新材料や新工法の開発にも取り組んでいます。エレクトロニクス関連事業では、ホールIC(磁気センサー)、車載向けソフトウエア、LED照明製品の販売が中心です。

収益は、主に商品の販売と工事請負から得ています。地域別の売上高を見ると、日本が大部分を占めており、アジア、北米・中米がそれに続いています。特定の顧客への収益集中は見られず、幅広い顧客基盤を持っています。

コーティング関連事業

塗料・表面処理剤、化成品・物資、塗装・計測機器の販売、および塗装ラインに関連する完成工事を手掛けています。特に自動車産業向けの塗膜形成技術を基盤とし、顧客の課題解決に貢献しています。
収益は、塗料や化成品、機器の販売、および塗装請負やリフォーム関連工事から得ています。運営は、オー・エー・シー、サンマルコが行っています。

エレクトロニクス関連事業

ホールIC(磁気センサー)、車載向けソフトウエア、LED照明製品の販売を行っています。車載向けセンサーの分野で強みを発揮し、国内外の複数拠点で安定供給体制を整えています。
収益は、ホールICやソフトウエア、LED照明製品の販売から得ています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
コーティング関連事業 490億円 479億円
エレクトロニクス関連事業 204億円 204億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


過去5期間の売上高は、変動はあるものの、直近2期は減少傾向にあります。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去5期間を通じて増加傾向を示しています。

特に直近の当期においては、売上高が減少したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に支出となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 569億円 643億円 710億円 694億円 683億円
経常利益 5.0億円 9.8億円 12.1億円 15.9億円 16.8億円
経常利益率 0.9% 1.5% 1.7% 2.3% 2.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.6億円 6.5億円 15.3億円 17.8億円 18.0億円
1株当たり当期純利益(円) 25.27 63.79 149.37 173.98 178.85

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけてわずかに減少しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期から当期にかけて横ばいとなっています。これらの指標は、同社グループの事業規模と収益創出能力を測る上で参考となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 112.1百万円 110.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.0百万円 2.0百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、当期において営業活動および投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなりました。これは、今後の成長市場への進出や事業拡大のための投資計画と合わせて、資金の使途に注目が集まる状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの純資産は前期から増加し、自己資本比率も前期より上昇しています。プライム市場の製造業平均と比較しても高い水準にあり、財務基盤の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期からわずかに減少しましたが、プライム市場平均に近い水準を維持しています。一方で、現金及び預金は減少しており、手元資金の動向は今後の事業運営において注視すべき点です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 215億円 228億円
自己資本比率 46.6% 53.4%
ROE(自己資本利益率) 8.4% 8.2%
現金及び預金 65.5億円 39.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に△15.2億円の支出となりました。これは主に仕入債務の減少による支出が影響しています。投資活動によるキャッシュ・フローも当期は△6.4億円の支出となり、出資金の払込や投資有価証券の取得、固定資産の取得による支出がありました。その結果、フリーキャッシュ・フローは△21.6億円の支出となっています。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払により△4.3億円の支出となりました。同社グループは今後、グローバルな事業展開の継続にあたり、成長市場への進出や事業拡大のための投資を行っていく予定です。現在のキャッシュ・フローの状況は、今後の事業展開や投資計画と合わせて慎重に見ていく必要があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 6.2億円 △15.2億円
投資CF 10.4億円 △6.4億円
財務CF △15.7億円 △4.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 16.7億円 △21.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、経済情勢や需給環境の変動、取引先の購買方針の変更等により、納入品に対する需要が減退し業績に影響を及ぼすリスクを認識しています。また、売上高の大きな割合を占める自動車業界の生産・販売動向や取引先の購買方針変更等により、納入品に対する需要が減退し、業績に影響を及ぼすリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

労働市場の流動化や競争激化により、必要な人材を確保できないリスクがあります。また、エンゲージメントの低下により、組織の生産性低下や優秀な人材の流出で業務遂行に必要なノウハウの維持、継承に支障をきたし、事業運営及び業績に影響を及ぼすリスクを認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


オーウエルは、社会課題の解決と株主の期待に応える企業グループを目指し、明確な理念とビジョンを掲げています。ものづくり現場の発展と進化をリードし、持続可能な世界の創造に貢献することを使命としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、企業理念として「社会的使命」を「最適整合の創造」、そして「企業目標」を「意欲あふれる快心企業」と定めています。これらを通じて、社会課題を解決し、株主の期待に応える企業グループを目指しています。

10年後の目指す姿として「グローバルブランドO-Wellの樹立」を掲げ、ビジョンは「ものづくり現場の発展・進化をリードし、持続可能な世界の創造・実現に貢献する」としています。中期経営方針では「提供価値を革新し、創造する」ことを重視し、お客様への提供価値を「商材提供」型から「ワンストップソリューション提供」型へと強化する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業理念の達成に向けたポリシーとして「顧客志向の実践」「理と情との調和」「社会との共感」を掲げています。また、行動指針には「違いをつくる思考」「先を行く元気」「あたたかい言動」を設定し、日々の業務における行動の規範としています。

人財の多様性確保にも力を入れており、性別や国籍等の個人属性に関係なく人財を活用することを基本としています。女性の管理職登用や外国人・キャリア採用者の管理職登用を推進し、多様な人財が活躍できる環境を整備しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な発展と成長のために、人的資本経営の実現を重要な課題としています。人財の獲得競争が激化する中で、人財の確保から育成、活躍までを見据えた「必要な人物像~最適な人的ポートフォリオ」を描くことを重視しています。

その解決策として、新しい人事制度(等級、評価、報酬)の策定を進めています。これにより、働く人々が持続的に「将来価値を生み出す資本」となり得る制度と運用を目指しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


オーウエルは、取締役会の監督機能強化と経営の透明性向上を目指し、監査等委員会設置会社を採用しています。取締役会は、取締役の業務執行の監督と監視を行う最高意思決定機関として機能しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


オーウエルの株主構成を見ると、筆頭株主は従業員持株会であり、従業員が会社の重要な支えとなっていることがうかがえます。また、日本ペイントや関西ペイントといった事業会社が上位株主として名を連ねており、幅広いステークホルダーに支えられた資本構成となっています。

株主名 持株比率
オーウエル従業員持株会 13.50%
日本ペイント 8.94%
関西ペイント 6.95%
大日本塗料 5.46%
三菱UFJ銀行 3.18%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は川戸康晴氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。

氏名 役職 主な経歴
川戸 康晴 代表取締役社長 1994年4月同社入社。Iプロジェクトマネージャー、執行役員総務人事部・経理部担当などを経て、2020年6月取締役。2022年6月代表取締役社長業務部門管掌に就任し、2023年4月より現職。
原 一裕 専務取締役 1984年4月同社入社。Nプロジェクトマネージャー、理事東日本第2販売部長などを経て、2013年6月取締役。2018年9月常務取締役営業部門管掌に就任し、2025年4月より現職。
大野 善崇 常務取締役 1991年4月同社入社。経営企画室長、執行役員経営企画室担当などを経て、2022年6月取締役。2023年4月常務取締役業務部門管掌に就任し、2026年4月より現職。
冠 一基 取締役 1992年4月同社入社。営業部長、理事営業部長などを経て、2016年4月執行役員。2022年6月取締役営業部門管掌補佐営業推進部担当に就任し、2026年4月より現職。


社外取締役は、佐戸井麻美氏(富士通ミドルウェア代表取締役社長・指名・報酬委員会委員長)、植田祥裕氏(大阪ソーダ取締役上席執行役員・指名・報酬委員会構成員)、渡辺徹氏(弁護士法人北浜法律事務所代表・粧美堂社外取締役監査等委員・監査等委員)、横山誠二氏(横山誠二公認会計士事務所設立・SCREENホールディングス社外監査役・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役会の44.4%を占めています。社外取締役は、経営の監督や意思決定の公正性・透明性確保に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


オーウエルは、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指し、役員の報酬を役位、貢献度、業績、経営環境を考慮して決定しています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬と、業績連動報酬、非金銭報酬(譲渡制限付株式)で構成されています。一方、社外取締役および監査等委員である取締役には、その職務に鑑み基本報酬のみを支払う方針です。業績連動報酬は、中期経営計画の目標達成度や連結営業利益、連結当期純利益を指標としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.3億円 26.8百万円
監査等委員(社外除く) 1名 19百万円 19.0百万円
社外役員 5名 27百万円 5.4百万円


同社の役員報酬等の総額は1.80億円であり、報酬の支給対象となった役員の総数は11名です。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。