※本記事は、TANAKEN株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
TANAKENは、建築構造物の解体工事およびそれに付随する各種工事の施工管理を専門としています。長年の経験とノウハウを活かし、現況調査から施工管理、安全管理、行政対応まで業務全般をワンストップで提供しています。
単体従業員数は110名です。事業セグメントは「解体事業」の単一セグメントとなっています。
TANAKENは工事の施工管理、安全管理、近隣対応等を行い、協力会社を指導、監督して解体工事等の施工を行っています。
また、TANAKENは中期経営計画「TANAKEN “Vision NEXT 10” Primary Phase」の最終年度において、社名変更と本社移転を実施し、人財・技術・アライアンスの拡充を通じてブランド価値向上を図っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
TANAKENは、長期的な視点での人材育成と働きやすい環境整備に力を入れています。社員の成長を企業の成長と捉え、給与制度の見直しや研修制度の拡充を通じて、社員一人ひとりのキャリア形成を支援する方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員の定着とキャリア形成を重視しており、平均勤続年数や平均年齢から安定した就業環境がうかがえます。人事制度や給与制度の見直しを通じて、社員のエンゲージメント向上と組織の活性化を図っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,215,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.0年 |
| 平均年齢 | 44.6歳 |
| 単体従業員数 | 110人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は確定給付型の退職一時金制度を設けています。退職給付引当金及び退職給付費用は簡便法により計算されています。
ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、長期ビジョン「TANAKEN“Vision NEXT10”」の実現に向け、競争力の源泉である「人財」の量的・質的な充実を喫緊の課題と位置付けています。そのため、就労環境の整備と人財育成に注力しています。
具体的には、本社移転によるオフィス環境の充実、完全週休二日制の全社導入、休暇制度や子供手当等の福利厚生制度の拡充を進めてきました。2024年度には人事制度及び業績評価体系の再構築を行い、2026年4月からは採用競争力の確保と若手層の処遇改善を目的とした給与制度の見直しを実施しています。
人財育成においては、経営理念である「思いやり・信頼・感謝」を実現する人財の育成を目的として、管理職向け研修や役割別・職務別研修を拡充しています。また、社員の自己研鑽を後押しする任意研修制度も整備し、配置転換やジョブローテーションを通じて社員の多能化とスキルアップを図る方針です。
従業員給与等の額及び内容に関する決定方針は、「社員の成長が企業の成長である」という考えに基づいています。社員の努力や成果に対する適切な評価と処遇を通じてエンゲージメントの向上を図り、社員一人ひとりのウェルビーイングに資する労働環境の実現を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率および男女賃金差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率 | 50.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 施工管理者数 | 2026年3月期までに55名 | 53名 |
| 施工管理者数(新たな目標) | 2029年3月期までに80名 | - |
育児・介護支援
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 男性育児休業取得率 | 2026年3月期までに50% | 50% |
| 男性育児休業取得率(新たな目標) | 50%以上を維持 | - |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
TANAKENは、建築構造物の解体工事を専門とする企業です。長年の経験とノウハウを活かし、解体工事全般の施工管理をワンストップで提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
TANAKENは、建築構造物の解体工事とその付随工事の施工管理を主な事業としています。現況調査から工法の提案、設計、施工計画、資機材手配、施工管理、安全管理、原価管理、行政対応、近隣対応まで、一連の業務を提供しています。
また、建物構造物解体工事に関連する土木工事、山留工事、基礎解体工事、杭抜き工事等の施工管理も行っています。工事に伴い発生するアスベストやPCB、ダイオキシン等の有害汚染物質の除去、地下水の浄化、土壌改良といった特殊な工事にも対応しています。同社はこれらの工事において、関連法令を遵守し、コスト・工期・安全性に優れた提案と提供を行っています。
同社の事業セグメントは「解体事業」の単一セグメントです。収益は、主にデベロッパーからの受注が最も大きな割合を占めており、次いで再開発等、エンドユーザー、ゼネコンからの受注が続いています。海外の外部顧客への売上高はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の業績は、売上高が増加傾向を示しました。一方で、営業利益、経常利益、当期純利益は減少傾向となりました。
売上総利益は減少傾向を示しており、施工難易度の高い工事の増加に伴う安全対策費などの売上原価が増加したことが要因となっています。営業利益の減少は、売上総利益の減少に加え、ブランド認知拡大のための広告宣伝や人財採用強化による販売費及び一般管理費の増加も影響しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
(該当するデータがないため、このセクションは省略します。)
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業拡大に伴う資金需要に対応しながら、安定した経営基盤を維持している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社は高い自己資本比率とROEを維持しており、強固な財務基盤を示しています。手元資金は減少傾向にありますが、事業運営に必要な資金の流動性を確保する方針です。これにより、安定した事業継続と雇用環境が期待できる状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 8,223百万円 | 9,325百万円 |
| 自己資本比率 | 72.2% | 76.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 20.5% | 17.1% |
| 現金及び現金同等物 | 3,936百万円 | 2,798百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは、売上債権の増加や法人税等の支払いにより減少しています。これは大型元請工事の増加に伴う運転資金需要が主な要因です。投資キャッシュフローも定期預金の預入や投資有価証券の取得により減少しており、事業に必要な投資を行っている状況を示しています。財務キャッシュフローは短期借入金の返済と配当金の支払いにより減少しています。全体として、事業拡大に伴う資金需要に対応しながら、資金の流動性を確保する経営方針がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2,142百万円 | △578百万円 |
| 投資CF | △78百万円 | △81百万円 |
| 財務CF | △348百万円 | △478百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2,063百万円 | △659百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
マクロ経済環境の変化によるリスクとして、民間建設需要の大幅な減退や資材・人件費の高騰が挙げられています。また、大型工事において当初見積もった原価が大幅に超過した場合、不採算工事となる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人財の確保に関するリスクとして、今後必要な人財を継続的に確保できなかった場合、施工能力に問題が発生する可能性が指摘されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
TANAKENは、解体事業を「環境ビジネス」と位置づけ、持続可能なエコ社会の実現を目指しています。同社は「思いやり・信頼・感謝」を経営理念に掲げ、人にやさしい環境づくりへの貢献を重視する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
TANAKENは、「思いやり・信頼・感謝」を経営理念に掲げています。お客様・社員・家族・地域社会・環境への思いやり、会社・技術・社員への信頼、お客様・家族・仲間・仕事への感謝を標榜し、解体事業を「環境ビジネス」と捉えています。社業を通じて人にやさしい環境づくりに貢献し、持続可能なエコ社会の実現を目指すことを企業理念としています。また、2023年5月には「TANAKEN“Vision NEXT 10”」を策定し、10年後のありたい姿を明確にしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
TANAKENは、経営理念である「思いやり・信頼・感謝」を大切にする企業風土を育んでいます。社員の自律的なキャリア形成を促進するため、給与制度の見直しや研修制度の充実を進めています。また、安全で働きやすい環境の実現を目指し、労働時間の適正化やDX化による設備更新、各種制度の見直しに取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、従業員エンゲージメントの向上と組織の活性化を図り、競争力強化につなげていく方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
TANAKENは、持続的な企業価値向上に向けた経営基盤の強化を課題としています。2027年3月期の重点項目として、人財採用・育成の強化、安全施工体制の強化、技術開発及び施工管理を中心としたアライアンスの強化を進めています。具体的には、採用チャネルの拡充や採用ブランディングの推進、人財マネジメント体制の強化、研修制度の拡充により働き方改革を推進しています。また、現場マネジメント研修制度の確立や現場ITサポートシステムの強化を通じて、安心安全施工のための体制強化を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、執行役員制度を導入し、経営監督機能と業務執行機能を分離しています。監査役会設置会社として、公正性と透明性の高いガバナンス体制の構築に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はスリーハンドレッドホールディングスです。上位株主には事業会社や個人が名を連ねており、特定の株主が過半数の株式を保有している資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| スリーハンドレッドホールディングス | 59.56% |
| 富士倉庫運輸 | 2.56% |
| 田中 俊昭 | 2.56% |
| 大栄不動産 | 1.52% |
| 吉岡 和利 | 1.32% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員は中尾安志氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中尾 安志 | 代表取締役(社長執行役員) | 1984年埼玉銀行(現埼玉りそな銀行)入行。りそな銀行執行役員、常務執行役員、りそなホールディングス執行役、埼玉りそな銀行代表取締役副社長兼執行役員を歴任。2020年富士倉庫運輸代表取締役社長を経て、2021年6月より同社代表取締役社長執行役員。 |
| 内田 政美 | 取締役(専務執行役員)本社統括兼コーポレート本部長 | 1988年協和銀行(現りそな銀行)入行。りそな銀行川崎支店支店統括部長兼営業第一部長、埼玉りそな銀行支店長、執行役員、常務執行役員を歴任。2023年4月同社常務執行役員管理本部長に就任し、2026年4月より同社取締役専務執行役員本社統括兼コーポレート本部長。 |
| 白石 憲治 | 取締役(常務執行役員)施工本部長 | 1984年五洋建設入社。同社で建築企画課長、建築部部長を経験。アフラック生命保険でファシリティマネジメント室長等を務める。2018年5月同社入社後、工務部長、施工本部長を経て、2025年4月より同社取締役常務執行役員施工本部長。 |
社外取締役は、中目隆夫氏(丸広百貨店顧問)、鈴木和宏氏(PwCJapan有限責任監査法人公益監督委員)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役が中立的かつ客観的な視点から経営を監督することで、健全性と透明性の高い経営監視体制を確立しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役報酬は、月例の基本報酬と役位に応じた手当で構成されています。報酬総額は株主総会で定められた限度額の範囲内で、代表取締役社長執行役員が個々の職責と実績を考慮して決定しています。監査役の報酬は、株主総会で決定された限度額内で監査役の協議により決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 95百万円 | 31.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 29百万円 | 5.8百万円 |
役員報酬の個別開示対象となる1億円以上の報酬額を受け取った役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。