※本記事は、株式会社交換できるくん の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
交換できるくんは持株会社であり、単体従業員数は79名、グループ連結従業員数は277名です。
同社グループは、住宅オーナー向けに住宅設備機器と工事をセットで販売するeコマース事業を展開しています。大規模なリフォームは行わず、住宅設備機器の交換事業に特化しており、Web媒体「交換できるくん」を通じてITを駆使したインターネット完結型のビジネスモデルを強みとしています。連結子会社6社とともに事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、KDサービス(住設DX事業)、アイピーエス(ソリューション事業)などです。
直近では、2025年8月に株式会社IMI、同年11月に株式会社キッチンワークスの株式を取得し、事業領域を拡大しています。また、2025年12月には株式会社カインズとの資本業務提携も締結しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、「人への投資」を成長の原動力と位置づけ、優秀な人材の獲得・育成・定着を最重要経営課題と認識しています。持続的な業容拡大と高い顧客満足度を維持するため、多様な人材の確保と育成、そして働きがいのある環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若い年齢層の従業員が多く、勤続年数は中程度の傾向が見られます。人材の定着と成長を重視し、働きがいのある環境づくりに努めていることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,387,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.2年 |
| 平均年齢 | 35.5歳 |
| 単体従業員数 | 79人 |
| 連結従業員数 | 277人 |
| 単体のグループ内比率 | 28.5% |
同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。これらの制度は国内グループ会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「人への投資」を成長の原動力と位置づけ、優秀な人材の獲得・育成および定着を最重要の経営課題と認識しています。持続的な業容拡大と高い顧客満足度を維持するため、人材戦略を推進しています。具体的には、「生産性向上にともなう成果還元」を実践しており、定期昇給時のベースアップや、多能工化の進展による施工効率の向上、業績目標達成に連動した賞与(インセンティブ)の原資拡大を行っています。今後も持続的な企業価値向上と連動した適切な給与水準の引き上げを行っていく方針です。
人材育成においては、業界全体の課題である職人不足に対応するため、未経験者を独自の教育インフラ「交換技能アカデミー」等を用いて自社で育成し、早期に戦力化する方針を掲げています。これにより、安定的な施工リソースを確保し、高い施工技術と優れた接遇マナーを兼ね備えたプロフェッショナル「交換士」を増員することで、サービス品質の均一化を図っています。また、一人のエンジニアが複数の住設機器に対応できる「多能工化(マルチエンジニア化)」を推進し、従業員一人あたりの生産性最大化を目指しています。
M&Aを通じた業容拡大も戦略の一つであり、グループ加入後の従業員に対しては、同社の持つDXノウハウの共有や労働環境の整備を速やかに進め、グループ全体での労働生産性の向上と多様なキャリアパスの提供を行う方針です。採用活動では、中途採用による中枢人材の登用と新卒者の定期採用を組み合わせ、多様な人材の確保を意識しています。働く環境と働きがいの両面の向上を図るため、賃金ベースアップや人事制度の見直し、働き方改革による残業時間の削減、日々やりがいを感じられる企業文化の醸成に努めています。従業員のキャリアアップ支援として、入社時から定期的に階層別・部門別の研修を実施しており、社内に施工エンジニア向けの研修専用施設を設置する等、より体系的かつ実践的な人材育成を推進しています。さらに、「健康経営優良法人認定」を取得し、育休・産休後に復帰しやすい環境整備や健康増進支援など福利厚生の充実を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社交換できるくんは、住宅設備機器の交換サービスをインターネット上で提供するeコマース事業を主軸としています。ITを駆使したインターネット完結型のビジネスモデルを強みとし、住宅オーナーの機器交換ニーズに応えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、住宅設備機器と工事をセットで販売するeコマース事業を展開しており、大規模リフォームは行わず機器交換事業に特化しています。Web媒体「交換できるくん」を通じて、見積もり依頼から受注、工事日程調整までを原則ネットで完結させることで、営業工数を削減し、低価格でのサービス提供と顧客の利便性向上を実現しています。収益は、商品代と工事費をWebサイト上で明朗に開示する透明性の高い料金体系から得ています。
海外への売上高はなく、事業は国内に集中しています。また、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の10%以上を占める相手先は存在しません。
同社グループは「住設DX事業」と「ソリューション事業」の2つの報告セグメントで構成されています。
住設DX事業
住宅設備機器のチェンジ領域において、Web完結型の見積もりで交換工事のデジタル変革(DX)を進めています。工事からアフターサポートまでをワンストップで提供しています。
収益は、住宅設備機器の販売と工事売上から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加し、同社グループの売上高の大部分を占める主要な事業となっています。
ソリューション事業
要件定義から運用保守まで一気通貫して様々なITシステムの提供を行っています。
収益は、開発受託売上から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しており、セグメント利益も増加しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 住設DX事業 | 92.1億円 | 113億円 |
| ソリューション事業 | 10.8億円 | 13.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で一貫して増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の前期で一時的に減少したものの、当期は再び増加に転じています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 48.1億円 | 60.4億円 | 75.7億円 | 103億円 | 126億円 |
| 経常利益 | 1.0億円 | 3.0億円 | 3.4億円 | 1.7億円 | 1.8億円 |
| 経常利益率 | 2.1% | 5.0% | 4.4% | 1.7% | 1.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 66百万円 | 1.9億円 | 2.3億円 | 91百万円 | 92百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 9.79 | 27.30 | 33.73 | 13.19 | 12.70 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて減少する結果となりました。これらの指標は、事業拡大に伴う従業員数の増加や先行投資の影響を示している可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 60.5百万円 | 45.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.0百万円 | 0.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業活動を通じて着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っています。財務基盤の状況から、現在の経営状態を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は36.0%となっており、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。これは、事業運営の安定性を示す一つの指標となります。一方で、ROE(自己資本利益率)は4.9%であり、プライム市場平均と比較すると低い水準にあります。手元資金である現金及び預金は15.6億円と前期から増加しており、事業活動に必要な流動性を確保している状況です。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用環境の安定性に関わる要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 16.9億円 | 20.8億円 |
| 自己資本比率 | 42.3% | 36.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.1% | 4.9% |
| 現金及び預金 | 8.3億円 | 15.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは2.2億円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは1.3億円の減少となっており、基幹システムの改修や有形・無形固定資産の取得による支出が主な要因です。一方で、保険積立金の解約による資金増加もありました。財務活動によるキャッシュフローは6.4億円の増加となり、カインズ社への第三者割当増資に伴う新株発行収入が主な要因です。結果としてフリーキャッシュフローは0.9億円のプラスとなっており、本業で生み出した資金を投資に回しつつ、資金の余剰も確保している状況がうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 0.5億円 | 2.2億円 |
| 投資CF | △5.3億円 | △1.3億円 |
| 財務CF | 3.3億円 | 6.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.7億円 | 0.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、EC市場やリフォーム市場における競争激化のリスクを認識しています。異業種からの参入もあり、今後競争が激化した場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、Webサイトへの集客の大部分を占める検索サイトにおいて、検索エンジンのロジック変更によりSEO対策が機能しなくなった場合も、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、主力事業である住宅設備機器の交換工事サービスを拡大する上で、施工協力パートナーを増やす方針です。そのため、施工品質の維持向上に資する技術力とサービス力を兼ね備えた社員人材の確保及び育成が重要な課題となっています。必要な人材が十分に確保できない場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
交換できるくんは、「『出会えて良かった!』のために」を経営理念に掲げ、お客様と従業員双方にとって価値のある企業を目指しています。住宅設備機器のeコマース事業を通じて、社会に必要とされる存在であり続けることを追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
交換できるくんは、「『出会えて良かった!』のために」を経営理念としています。同社グループは、お客様には「心から頼んで良かった」と、従業員には「心から働いて良かった」と誇りを持って働ける会社であることを目指しています。
お客様に嘘をつかず、がっかりさせないことを大切な信条とし、安心と納得のサービス提供を第一としています。
住宅設備機器の故障や劣化による交換ニーズに対し、「透明性のある料金体系を提示し安心施工を約束すること」を事業コンセプトに、eコマース事業を展開しています。Web媒体「交換できるくん」での情報蓄積とコンテンツ強化を通じて、新規顧客の獲得と成長サイクルを確立しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
交換できるくんは、お客様に嘘をつかず、がっかりさせないことを大切な信条とし、安心と納得のサービス提供を第一とする企業風土を重視しています。
持続可能な社会の実現に貢献するため、「まだ使えるところはそのままに、必要な部分だけを交換する。昨日よりもすこしだけ人にも地球にも優しい住まいに。」という理念を掲げています。
多様性に対応した取締役会を中心に経営基盤を強化し、ガバナンスの徹底を推進しています。また、従業員がやりがいを感じられる企業文化の醸成や、働く環境と働きがいの両面の向上にも努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
交換できるくんは、事業の安定性確保と拡大、リスク低減のため、いくつかの重要課題に取り組んでいます。
同社グループは、インターネット上でのサービス提供において、システムの安定稼働と強化を重要視しており、継続的なシステム投資と人材補強を進めています。
また、コーポレート・ガバナンスとコンプライアンスの徹底を通じて企業価値向上を目指し、経営管理体制の強化に取り組んでいます。
さらに、サイト流入者の集客歩留まりを向上させるため、スマートフォン/PC向けサイトの読み込み速度やUI/UX(User Interface/User Experience)の改善にも注力しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
交換できるくんは持株会社制を採用しており、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会と監査等委員会を中心に、経営の意思決定と業務執行の監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
交換できるくんの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長が設立したCRESCUNTです。また、代表取締役社長の栗原将氏や栗原剛氏といった創業家が上位株主として名を連ねています。これにより、創業家と関連会社が同社の経営を支える主要な株主グループとなっていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| CRESCUNT | 40.17% |
| 栗原 将 | 15.47% |
| 栗原 剛 | 4.34% |
| 伊藤忠エネクスホームライフ | 4.02% |
| カインズ | 4.02% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表取締役社長は栗原将氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 栗原 将 | 代表取締役社長 | 1996年4月株式会社メガ入社。1998年11月有限会社ケイシス(現同社)設立、代表取締役社長に就任。2017年11月CRESCUNT設立、代表取締役に就任。2024年10月KOUKANDEKIRUKUN ASIA PTE. LTD.代表取締役に就任。2025年11月株式会社キッチンワークス取締役に就任。 |
| 佐藤 浩二 | 取締役副社長コーポレート本部長 | 1992年4月日本ユニシス株式会社(現BIPROGY株式会社)入社。2007年7月イー・ベンチャーサポート株式会社代表取締役社長に就任。2018年6月株式会社豆蔵ホールディングス代表取締役社長に就任。2022年6月同社取締役副社長コーポレート本部長に就任。 |
| 吉田 正弘 | 取締役アドバイザリーセールス本部長 | 1992年4月株式会社エヌ・シー・アイ入社。2004年4月日設エンジニアリング株式会社(現株式会社テクノプロ)執行役員海外事業部長に就任。2012年4月株式会社フォスターネット代表取締役に就任。2023年6月同社取締役に就任。 |
社外取締役は、吉野登氏(元上場会社取締役)、鈴木謙吾氏(弁護士・元同社社外監査役・監査等委員)、野田優子氏(公認会計士・野田綜合会計事務所代表・監査等委員)、服部道子氏(プロゴルファー・オリンピックゴルフ競技日本代表女子コーチ・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と経営の公正性・透明性・効率性向上を図っています。独立性の高い監査等委員である社外取締役3名が経営監視を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
交換できるくんの役員報酬は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対しては役位や職責に応じた固定報酬を基本としています。業績連動報酬は設けていませんが、企業価値向上へのインセンティブとして株式報酬型ストックオプションを支給しています。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で決議された限度額内で、常勤・非常勤の別や業務分担に応じて固定報酬として決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 99百万円 | 32.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 19百万円 | 4.8百万円 |
なお、非金銭報酬等は、ストックオプションとして付与した新株予約権に係る当事業年度中の費用計上額です。
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬は開示されていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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