※本記事は、シンプレクス・ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月11日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
シンプレクス・ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は146名、グループ連結従業員数は1,850名です。
同社グループは1997年の創業以来、大手金融機関のテクノロジーパートナーとして事業を展開し、金融領域で高い競争優位性を築いてきました。現在では、金融・非金融を問わず、官公庁を含む幅広い顧客に対し、AIやweb3などの先端技術を活用した高付加価値サービスをEnd-to-Endで提供しています。当連結会計年度末における連結子会社は6社です。
主な国内グループ会社は、シンプレクス、Xspear Consulting、Deep Perceptなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、人材を競争力と持続的な企業価値向上を左右する最も重要な経営資源と位置付けています。ビジネスとテクノロジー双方に精通した「ハイブリッド人材」の確保・育成・定着を人材戦略の中核に据えています。完全実力主義のもと、年次を問わず「仕事の成果・質」で評価を決定する方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代半ばで、平均勤続年数が比較的短い傾向にあります。これは、若手人材が中心となって活躍し、キャリアアップの機会が豊富にある環境を示唆していると言えるでしょう。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,385,342円 |
| 平均勤続年数 | 4.4年 |
| 平均年齢 | 33.6歳 |
| 単体従業員数 | 146人 |
| 連結従業員数 | 1,850人 |
| 単体のグループ内比率 | 7.9% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| シンプレクス | 31.2歳 | 4.8年 | 9,860,362円 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を重視し、ビジネスとテクノロジーの双方に精通した「ハイブリッド人材」の確保・育成・定着を人材戦略の中核に据えています。報酬制度においては、年齢や勤続年数ではなく、個々人が発揮した成果と提供した付加価値に基づいて処遇を決定する「Pay for Value」の考え方を採用しています。
具体的には、年に一度、複数の上位者による多面的な評価会議を実施し、その結果を踏まえて翌年度の年俸を決定しています。給与水準は、高度な専門性を持つ人材を確保・定着させるため、人材市場における競争力を意識して設計されており、2025年4月入社の新卒社員の初年度年俸引き上げや、既存社員の一部職層における給与水準の見直しも実施されています。
人材育成では、新卒採用内定者向けにテクノロジーと金融の基礎を学ぶ研修を実施し、入社後も「テクノロジー×ビジネス」の基礎スキル習得を目指す新入社員研修を行っています。現場配属後は、先輩社員が伴走するユニット・リーダー制度を通じて早期成長を支援しています。
その他、部門横断の社内研修会「Simplex Biz Day(Week)」や「Simplex Tech Day」を企画・実施し、社員が自らの意思で能力向上を図れる機会を提供しています。資格取得費用や書籍購入費の補助、Eラーニングツールの導入、大学院進学・留学のための休職制度、社内短期留学制度など、多様な自己研鑽支援策も充実しています。社内環境整備においては、「健康経営宣言」のもと、定期健康診断の費用支援、ストレスチェック、産業医・公認心理師の配置、特別有給休暇制度、リラクゼーションルームの設置など、従業員の心身の健康維持・増進に努めています。また、柔軟な働き方を支援するコミットメントスタイル制度、フレックスタイム制、裁量労働制、勤務間インターバル制度を導入し、育児休業の延長制度やベビーシッター割引券の配布など、ライフイベントと仕事の両立支援も行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は、グループ全体で一体的に管理されているため、連結会社のデータとして開示されています。提出会社単体の数値は本記事では取得できていません。労働者の男女の賃金の差異は、評価方針が一定の貢献をしていると考えられますが、女性比率が大きい一般職社員の給与などがその他の差異の要因となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 93.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 94.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 62.1% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 連結会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 55.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 81.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 82.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 56.6% |
▼ シンプレクス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 77.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 77.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち非正規雇用労働者) | 66.0% |
人材の多様性
| 指標の内容 | 実績 当連結会計年度 |
|---|---|
| 期末従業員数(契約社員を除く。) | 1,850人 |
| うち原価部門(コンサルタント・エンジニア) | 1,671人 |
| うち管理部門 | 179人 |
| 総従業員数に対する女性比率 | 15.9% |
| 管理職に対する女性比率 | 7.9% |
| 新卒採用者に対する女性比率 | 13.3% |
| 取締役 男女別人数(女性比率) (単体) | 男8人 女2人 (20.0%) |
| 取締役 社内社外別人数(社外比率) (単体) | 社内4人 社外6人 (60.0%) |
| 定年再雇用在籍者数 | 12人 |
| 当年度における定年再雇用者数 | 3人 |
組織文化
| 指標の内容 | 実績 当連結会計年度 |
|---|---|
| 従業員エンゲージメント・サーベイ 実施回数(参考:満足度) | 4回(74点) |
| 社内留学実施件数 | 13件 |
| 部門横断全社研修会の実施回数 | 3回(37セッション) |
採用・離職
| 指標の内容 | 実績 当連結会計年度 |
|---|---|
| 採用者数(新卒) | 233人 |
| 採用者数(中途) | 257人 |
| 離職率 | 9% |
社内環境整備
年次有給休暇は、毎年1月1日を基準日として付与するため、2024年及び2025年暦年の実績を記載しています。
| 指標の内容 | 実績 当連結会計年度 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 74.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異 | 81.1% |
| うち正規労働者 | 82.3% |
| うち非正規労働者 | 56.6% |
| 育児休業取得者数 | 男31人 女10人 |
| 産前産後休業取得者数 | 10人 |
| 男女別育児休業取得率 | 男55.4% 女100% |
| 介護休業取得者数 | 1人 |
スキル・能力
業務関連資格として、Amazon Web Service(AWS)が実施する認定資格である「AWS Certification」及び独立行政法人情報処理推進機構が実施する情報処理技術者試験(情報処理安全確保支援士を含む高度試験)について集計して記載しています。
| 指標の内容 | 実績 当連結会計年度 |
|---|---|
| 資格取得補助申請件数 | 179件 |
| 業務関連資格保有件数 AWS認定資格保有件数 | 504件 |
| 情報処理技術者資格保有件数 | 1,866件 |
| うち高度試験等 | 318件 |
| 人材開発及び研修コスト | 1,112百万円 |
| うち内定者・新卒入社者研修期間人件費 | 659百万円 |
| 能力開発のための研修に要した時間 | 184,398時間 |
| 期末従業員一人当たり研修時間 | 100時間/人 |
セキュリティ
| 指標の内容 | 実績 当連結会計年度 |
|---|---|
| 年次セキュリティ理解度測定受講率 | 100% |
| 情報リスク管理委員会開催回数 | 51回 |
| セキュリティインシデント対応訓練実施回数 | 1回 |
| セキュリティ教育テーマ社内周知回数 | 12回 |
| ISMS認証取得 | 一部ソリューションにおいて取得済 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
シンプレクス・ホールディングスは、日本を代表する大手金融機関のテクノロジーパートナーとして事業を展開し、金融領域で高い競争優位性を築いてきた持株会社です。金融分野で培った実績や先端技術を活かし、現在は金融・非金融を問わず、官公庁を含む幅広い顧客に対して高付加価値サービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、顧客ビジネスの成功に貢献するITソリューションの提供を中心に事業活動を展開しており、単一セグメントとしています。事業会社であるXspear Consultingとシンプレクスがそれぞれの強みを活かし、戦略/DXコンサルティングからシステム開発、運用保守までを一貫して支援するEnd-to-Endのサービスを提供しています。
主なビジネス領域としては、AI、UI/UX、クラウド、web3などの先端技術に立脚したDX特化型の戦略立案と実行支援を行う「戦略/DXコンサルティング」があります。これはXspear Consultingが主要な提供会社となっています。また、大手銀行や総合証券等の金融機関向けにトレーディング・リスク管理プラットフォーム等のITソリューションを提供する「キャピタルマーケット」も展開しています。
さらに、ネット証券やネットFX会社、暗号資産交換業者等の金融機関向けに個人投資家向け金融商品取引プラットフォーム等を提供する「金融リテール」も手掛けています。生命保険会社や損害保険会社向けの保険業務支援ITソリューションもこの領域の一部です。官公庁、通信、製造、エンターテイメント等の非金融機関向けには、DX支援に特化したITソリューションを総称する「エンタープライズDX」を提供しており、Xspear Consultingとのシナジーを最大化しています。
サービス形態別に見ると、戦略/DXコンサルティング、システムインテグレーション、運用サービスが主要な収益源です。戦略/DXコンサルティングとシステムインテグレーションは、案件別に発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)によって進捗度を測定し、収益を認識しています。運用サービスは、期間に応じた対価を収益として認識しています。
同社グループの売上収益のうち、SBIグループへの売上収益が連結売上収益の10%以上を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり売上収益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも増加傾向にあります。特に直近の当連結会計年度においては、売上収益が前期比で23.8%増加し、売上総利益は30.5%増加、営業利益は33.5%増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は35.4%増加と、大幅な伸びを示しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 306億円 | 349億円 | 407億円 | 474億円 | 587億円 |
| 税引前利益 | 61.9億円 | 73.0億円 | 87.4億円 | 107億円 | 144億円 |
| 税引前利益率 | 20.2% | 20.9% | 21.5% | 22.6% | 24.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 42.0億円 | 54.3億円 | 61.9億円 | 77.8億円 | 105億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 20.76 | 24.23 | 26.89 | 33.45 | 46.42 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益は、当期において前期から増加しました。また、従業員1人あたり営業利益も当期において前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化と組織効率化の進展を示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 30.4百万円 | 31.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 6.9百万円 | 7.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動からも資金を取得しています。これにより、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROEの推移から安定した状況にあることが示されています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を大きく上回る水準で推移しており、財務の健全性が高い状態です。ROEもプライム市場平均を上回る水準で、効率的な資本活用ができていることを示しています。手元資金も確保されており、事業運営における安定性がうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 488億円 | 514億円 |
| 自己資本比率 | 61.8% | 58.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 16.2% | 21.0% |
| 現金及び現金同等物 | 134億円 | 144億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは106.9億円の資金取得となり、前期から増加しています。これは主に税引前当期利益の計上や償却費の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは19.7億円の資金取得となり、前期から増加しています。これは持分法で会計処理されている投資の売却収入や投資有価証券の売却収入が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは116.6億円の資金使用となり、自己株式の取得や配当金の支払額、リース負債の支払、借入金の返済による減少が主な要因です。
これらの結果、フリーキャッシュフローは126.6億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回るだけでなく、投資活動からも資金を取得し、自由に使える資金を確保できていることが示されています。この資金状況は、事業の安定的な運営と将来への再投資の余力を示しており、雇用や給与の安定性にもつながる財務基盤であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 97.5億円 | 106.9億円 |
| 投資CF | 5.3億円 | 19.7億円 |
| 財務CF | △105.7億円 | △116.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 102.8億円 | 126.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、売上収益のうち国内金融機関向けの比率が依然として高い水準にあります。このため、当該分野のIT投資動向や事業環境が急変した場合、同社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、生成AIをはじめとする先端技術の急速な進展やデジタル化の高度化に対応できない場合、同社グループの競争優位性が低下し、受注機会の減少や収益性の悪化に繋がるおそれがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業において、ビジネスとテクノロジーの双方に精通した優秀な人材の確保・定着は最重要戦略の一つです。技術や業界の急速な変化に対応できる人材の育成ができない場合や、高水準の報酬確保による費用負担が過大になる場合、顧客の要求を満たすソリューションの開発・提供ができない可能性があります。また、労務環境の悪化等により、労働生産性の低下や人材の流出が発生する可能性も示されています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シンプレクス・ホールディングスは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という経営理念のもと、顧客の本質的な課題解決を通じて価値を創造することを目指しています。ビジネスとテクノロジーの双方に深く精通したプロフェッショナル集団として、持続的な成長と高い収益性を追求する企業文化を持っています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という経営理念を掲げています。顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を追求し、持続的な成長と高い収益性を実現することを経営の基本方針としています。
ビジネスに深く精通したテクノロジーパートナーとして、顧客ビジネスの成功に貢献する高付加価値サービスの提供を目指しています。また、社会全体の未来を見据えた事業を行い、社会全体の課題解決に貢献する責任を果たすことをサステナビリティ全般の考え方としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、創業以来「最高のプレイヤーに最高の報酬を、そして次なる最大のチャンスを」という考え方を大切にしています。完全実力主義のもと、年次を問わず「仕事の成果・質」で評価を決定する企業風土があります。
評価においては、個々人の持つ「再現性のある実力」を重視し、成長幅の限度を定めずに正当に評価する方針です。出産や介護等、ライフステージが変化する社員に対しても、成果に対して正当な評価を行う「Pay for Value」の観点も取り入れています。
「自己実現」を応援できる会社として、法令遵守のもと可能な限り柔軟性を持ち、目標にチャレンジできる「働きがいのある」職場環境づくりを推進しています。多様な人材を受け入れ、継続的に価値を発揮できる状態(Diversity and Inclusion(D&I))を目指すプロジェクトも社員有志の主導で立ち上げています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、「中計2030 -Vision1000-」の実現に向けて、マテリアリティ(重要課題)を整理し、持続的な企業価値の向上を目指しています。顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を起点に、人的資本及び知的資本の蓄積・高度化を進めることを重要視しています。
ガバナンスやリスク管理、気候変動問題への対応を含む実行基盤の強化も重点テーマとしています。特に、ビジネスとテクノロジー双方を横断しながら新たな価値を創出できるハイブリッド人材の獲得・育成・最適配置を通じて、価値提供の再現性と生産性を高めることに取り組んでいます。
先端領域で獲得した知見やソフトウェア資産を組織的に活用し、価値提供の高度化につなげる知的資本の進化・活用も推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シンプレクス・ホールディングスは、企業統治の確立を重要な経営課題と位置づけています。取締役会は社外取締役を積極的に登用し、経営の透明性を高める体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家が上位に名を連ねています。また、代表取締役社長である金子英樹氏やSBIホールディングスも主要な株主となっています。
創業メンバーや代表取締役社長が実質的に保有する株式も上位に位置しており、特定の株主グループが経営に影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 12.58% |
| 金子 英樹 | 12.20% |
| SBIホールディングス | 5.89% |
| MLPFS CUSTODY ACCOUNT | 5.36% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.11% |
なお、創業メンバーである五十嵐充氏が実質的に保有する株式、および同社代表取締役社長である金子英樹氏が実質的に保有する株式が含まれています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長CEOは金子英樹氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 金子 英樹 | 代表取締役社長CEO | 1987年アーサー・アンダーセン・アンド・カンパニー入社後、CATS Software Inc.、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、1997年シンプレクス・リスク・マネジメント入社。2000年8月より同社代表取締役社長、2016年12月より同社設立代表取締役社長CEOより現職。 |
| 助間 孝三 | 取締役副社長共同COO | 1996年アンダーセン・コンサルティング入社後、㈱ACCESS、アクセンチュア㈱、㈱USENを経て、2008年シンプレクス・テクノロジー入社。2021年3月より同社取締役副社長共同COOより現職。 |
| 早田 政孝 | 取締役副社長共同COO | 2002年アクセンチュア㈱入社後、シンプレクス・テクノロジー、アクセンチュア㈱を経て、2011年シンプレクス・コンサルティング入社。2021年3月より同社取締役副社長共同COOより現職。 |
| 江野澤 慶亮 | 取締役CFO | 2007年シンプレクス・テクノロジー入社。2017年1月より同社に転籍し、2021年3月より同社取締役CFOより現職。 |
社外取締役は、秋山良三氏(エランヴィタール代表取締役社長・監査等委員会委員長・指名・報酬委員会委員)、小笠原範之氏(産業革新投資機構社外取締役・監査等委員会委員・指名・報酬委員会委員長)、杉田庸子氏(ブルパスキャピタル代表取締役・監査等委員会委員)、高橋麻理氏(Authense法律事務所弁護士・監査等委員会委員)、浜西泰人氏(霞ヶ関キャピタル社外取締役・監査等委員会委員)、廣田直人氏(千歳コーポレーション取締役会長・監査等委員会委員)です。
同社は監査等委員会制度を採用しており、独立性を有する監査等委員が取締役会での議決権を持ち、内部統制システムを活用して経営監視機能を強化しています。取締役会は10名で構成され、そのうち6名が社外取締役です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、取締役の報酬制度における透明性と客観性を高めるため、指名・報酬委員会を設置しています。監査等委員を除く取締役の報酬は、株主総会で定められた報酬限度額の範囲内で、指名・報酬委員会の答申を最大限尊重し、取締役会で決定されています。
取締役(監査等委員を除く)の報酬は、全て業績に連動しない金銭報酬として、月額金銭報酬と金銭報酬たる賞与で支給されます。業績連動報酬や非金銭報酬は支給しない方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 7.2億円 | 1.81億円 |
| 社外役員 | 6名 | 70百万円 | 11.7百万円 |
取締役(監査等委員を除く)の報酬限度額は年額900百万円以内、取締役(監査等委員)の報酬限度額は年額100百万円以内と決議されています。
個人別報酬が開示されている役員は、金子英樹氏(2.55億円)、助間孝三氏(1.85億円)、早田政孝氏(1.85億円)、江野澤慶亮氏(1.00億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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