【平均年収585万円】KYORITSU 転職ガイド(共立印刷など):知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収585万円】KYORITSU 転職ガイド(共立印刷など):知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

KYORITSUは、共立印刷、暁NEXTなどを傘下に持つ持株会社です。グループ連結従業員数は626名で、情報デジタル、プリントメディアなど4つの事業を展開しています。直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社KYORITSU の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


KYORITSUは持株会社であり、単体従業員数は3名、グループ連結従業員数は626名です。

同社グループは、情報デジタル事業、プリントメディア事業、環境事業、BPO事業の4つの事業を展開しています。連結子会社13社、非連結子会社2社から構成されています。

主な国内グループ会社は、共立印刷、暁NEXT、西川印刷、バッハベルク、東京アド、M&C、その他2社、共立印刷、暁印刷、西川印刷、その他2社(うち1社非連結)などです。

KYORITSUは2022年10月1日付で共立印刷を株式交換完全子会社とする株式交換を実施し、持株会社体制に移行しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括し、人材を重要な資本と位置づけています。従業員一人ひとりの専門性を高め、多様な個性を尊重する組織文化の構築に注力しています。長期的な視点での人材育成と、公平な機会提供を通じて、安心して活躍できる環境づくりを推進していることが特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社単体の平均勤続年数は短く、平均年齢は高めとなっています。これは、持株会社としての組織構成や、グループ全体の人材配置戦略が反映されている可能性があります。多様な事業を展開する同社グループにおいて、各事業会社でのキャリア形成が中心となる傾向がうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 5,854,000円
平均勤続年数 1.8年
平均年齢 52.1歳
単体従業員数 3人
連結従業員数 626人
単体のグループ内比率 0.5%


なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。

会社名 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
共立印刷株式会社 42.9歳 17.6年 4,887,000円


同社グループでは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を導入しています。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は9.7億円、年金資産は98百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、持続的な価値創造と競争力強化のため、社員一人ひとりの専門性向上と多様な個性の発揮を重視しています。人材育成、多様性の受容、公平な機会提供、個々の活躍推進を経営の核と位置づけ、挑戦するすべての人が安心して活躍できる環境づくりを積極的に進めています。

給与等の決定においては、会社業績と個人の成果を適切に反映させる業績連動と公正性を基本方針としています。市場競争力のある水準を目指し、政府統計や外部調査データ、職種ごとのマーケットバリューを勘案しています。職責やスキル、専門性に応じた適切な処遇と複線型の人事制度により、多様な人材の確保と育成を図っています。

具体的には、基本給はスキルや役割、職責に基づいて決定され、賞与は業績連動要素により年2回支給されます。役職手当や住宅手当などの各種手当に加え、部長職以上の社員には長期的な企業価値向上を意識した株式報酬制度も導入されています。年1回の定期昇給と人事評価を通じて給与等が決定され、男女間格差や不均衡が生じないようモニタリングされています。

同社グループは、従業員を単なる労働力ではなく「人材」と捉え、グループ一体で採用・育成・活用を行っています。性別や国籍に関わらず人権を尊重し、多様性を受け入れ、一人ひとりの能力やアイデアを尊重する方針です。専門性を高め活躍の場を広げるための多角的な教育プログラムや、リーダー・技術者の育成、キャリア形成のサポートを推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 共立印刷株式会社

対象期間は、2025年1月~2025年12月となっており、正規雇用労働者については、社外への出向者を除きます。

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 78.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 81.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 69.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社KYORITSUは持株会社であり、情報デジタル事業、プリントメディア事業、環境事業、BPO事業の4つの事業を展開しています。同社グループは、これらの事業を通じて多岐にわたる顧客ニーズに応えています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、多角的な事業展開により収益を上げています。主力であるプリントメディア事業は印刷市場の縮小傾向が続く中で、品質管理や内製化による利益率向上に努めています。一方、情報デジタル事業、環境事業、BPO事業は成長事業と位置付けられ、M&Aや技術力向上を通じて事業拡大を図っています。

プリントメディア事業

カタログ、チラシ、パンフレット、書籍、雑誌などの印刷を手がけています。大ロット案件を高品質かつ短納期で生産する体制を維持し、内製化を進めることで固定費の削減と生産性の向上に取り組んでいます。
収益は、印刷物の受注から得ています。

情報デジタル事業

ダイレクトメールサービス、電子書籍事業、総合広告代理業、映像制作、WEB広告、WEBマーケティングなどを提供しています。M&Aによりデジタルマーケティング会社をグループ化し、販促ソリューションの融合と提案力強化に努めています。
収益は、購買履歴を活用したダイレクトメール媒体や、多様なデジタルマーケティングサービスから得ています。

環境事業

生分解性プラスチックの製造販売、プラスチック類再生、RPF燃料製造、一般・産業廃棄物処理などを行っています。M&Aによるリサイクルネットワークの構築や、環境商材の生産に取り組んでいます。
収益は、環境商材の生産とリサイクル関連サービスから得ています。

BPO事業

小売店舗で使用する消耗資材の保管発送業務を中心に展開しています。取り扱い店舗の拡大や発注システムの利便性向上、多様な得意先へのサービス提供のため、取扱品目の増加や倉庫の充実に取り組んでいます。
収益は、保管発送業務や商業流通事業から得ています。

同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高がなく、事業は国内に集中しています。また、外部顧客への売上高のうち連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はいないため、特定の顧客への収益集中は見られません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
プリントメディア事業 294億円 292億円
情報デジタル事業 88.9億円 108億円
環境事業 15.6億円 19.9億円
BPO事業 5.3億円 9.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で概ね増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も変動はあるものの、当連結会計年度においては前期から大きく増加しました。特に当連結会計年度は、売上高が前期と比べて増加し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益もそれぞれ増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 - 403億円 400億円 404億円 429億円
経常利益 - 12.2億円 15.2億円 11.5億円 12.9億円
経常利益率 - 3.0% 3.8% 2.8% 3.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 - 4.6億円 9.1億円 7.2億円 11.7億円
1株当たり当期純利益(円) - 10.36 20.73 16.37 27.51

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、生産性の向上がうかがえる結果となっています。これらの指標の改善は、同社グループが事業活動を通じて効率的に収益を生み出す体制を強化していることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 64.3百万円 68.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.0百万円 2.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。これにより、事業の持続性と安定性が保たれています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、安定した自己資本比率を維持しており、プライム市場の製造業平均と比較しても遜色ない水準です。ROE(自己資本利益率)は前期から改善傾向にあり、収益性の向上が見られます。手元資金も十分に確保されており、不測の事態にも対応できる体制が整っていると言えます。これらの状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 176億円 178億円
自己資本比率 41.7% 43.3%
ROE(自己資本利益率) 4.1% 6.6%
現金及び預金 92.2億円 81.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローがプラスで推移しており、仕入債務の減少などにより前期から増加しています。これは、事業活動を通じて安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得や子会社株式の取得による支出があったものの、投資有価証券の売却による収入もあり、資金を使用する状況です。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金やリース債務の返済による支出が主な要因で、資金を使用しています。結果として、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金も生み出している優良なキャッシュフローパターンを示しており、事業の持続的な成長と安定した経営基盤が期待できます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 12.0億円 22.6億円
投資CF △32.7億円 △19.9億円
財務CF △12.9億円 △12.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △20.7億円 2.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは装置産業であるため、売上高の急激な減少により操業度が低下した場合、労務費や減価償却費などの固定費負担が増大し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、プリントメディア事業においては、印刷会社間の価格競争や顧客からの価格引き下げ要求により、受注価格の低下が続いています。さらなる価格競争の激化は、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


KYORITSUグループは、お客様やお取引先様、そして全てのステータスの方々と共に立つという創業理念を掲げ、社会貢献を重視する企業です。ホールディングス体制のもと、多様な事業展開を通じて持続的な成長を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


KYORITSUグループは、「お客様やお取引先様、また全てのステータスの方と共に立つ」という創業理念を大切にしています。ホールディングス体制のもと、多様な従業員とともに利益追求だけでなく、企業責任として感謝の心を忘れずに社会貢献に努めることを経営方針としています。

経済情勢や市場環境の変化に対応するため、同社グループは2022年10月にホールディングス体制を採用しました。従来の印刷・製本事業に加え、データを活用したマーケティングや幅広い販促ソリューション、環境事業などへ事業領域を拡大することで、企業の永続的な発展を目指しています。多種多様な人材の登用やポートフォリオ経営を進め、筋肉質で発展性のある企業となることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


KYORITSUグループは、品質保証を事業の原点と捉え、品質と生産性向上を通じて顧客からの信頼を得ることを重視しています。安全安心な職場環境を整えるための仕組みづくりと設備投資にも取り組んでいます。

同社グループは、従業員を単なる労働力ではなく「人材」として捉え、グループ一体となった人材採用・育成・活用を推進しています。性別や国籍に関わらず全ての人権を尊重し、多様性を受け入れることで、従業員一人ひとりの能力やアイデアを尊重する企業風土です。長く安心して活躍できる環境を整え、従業員自らが専門性を高め、活躍の場を広げるための多角的な教育プログラムやキャリア形成サポートを推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


KYORITSUグループは、持続的な社会貢献と利益追求、健全な財務管理を不可欠な要素と捉え、複数の課題に注力しています。品質保証と労働環境への取り組みとして、高品質な製品提供と安全安心な職場環境の整備を進めています。

事業の発展に向けては、ホールディングス体制のもと、印刷・製本事業だけでなく、データ活用マーケティングや販促ソリューション、環境事業などへ事業領域を拡大しています。多種多様な人材の登用やポートフォリオ経営を通じて、グループ全体の事業シナジーを高めることを目指しています。

環境への取り組みとしては、マテリアルリサイクルやサーマルリサイクルなどの事業を強化し、製造時の環境負荷低減に努めています。省エネルギー・低CO2の製造体制を目指し、デジタル化による生産性向上や3Rの取り組み、生分解性プラスチックの製造研究も進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


KYORITSUは監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役が経営監視機能を担う体制を構築しています。これにより、経営の客観性と中立性を確保し、企業価値の向上を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


KYORITSUの株主構成は、個人株主が筆頭株主であり、関連団体や事業会社、そして同社の役員や社員持株会も上位に名を連ねています。多様な株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
野田 勝憲 8.26%
共栄会 6.59%
INTERACTIVE BROKERS LLC 5.60%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


KYORITSUの役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は景山豊氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
景山 豊 代表取締役社長 1988年に末広印刷株式会社(現 ダイオーミウラ株式会社)に入社し、2004年からは共立印刷株式会社で要職を歴任しました。2021年に同社代表取締役社長に就任し、2022年10月よりKYORITSUの代表取締役社長を務めています。
田坂 優英 専務取締役 1998年に共立印刷株式会社に入社し、管理本部経理部長、管理本部長、執行役員管理本部長を歴任しました。2021年に同社取締役管理統括に就任し、2022年10月よりKYORITSUの取締役に、2026年4月より専務取締役を務めています。


社外取締役は、藤本三千夫氏(シロキ顧問)、後藤博之氏(大創産業常勤監査役)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名が経営監視機能を担っています。これにより、経営の客観性と中立性を確保する体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


KYORITSUの業務執行取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成されています。基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬の比率の目安は4:2:1です。監査役の報酬は基本報酬のみで構成されており、経営の独立性と客観性を重視した設計となっています。また、中長期的な企業価値向上と株主との価値共有を目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 1.0億円 52.4百万円
社外役員 6名 18百万円 3.0百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。