※本記事は、株式会社早稲田学習研究会 の有価証券報告書(2026年5月期、2025年4月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
早稲田学習研究会は、学習塾の運営を主軸とする企業です。同社は「ゼミ」「ハイ」「ファースト個別」の3部門に分け、小中高校生を対象とした集団指導および個別指導を展開しています。
単体従業員数は401名です。同社の事業セグメントは、ゼミ部門、ハイ部門、ファースト個別部門の3つです。
同社は、群馬県、栃木県、埼玉県、東京都を中心に、ゼミ部門で41校舎、ハイ部門で13校舎、ファースト個別部門で12教室を展開し、学習塾事業を直接運営しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社早稲田学習研究会は、教育事業を通じて社会に貢献するという理念のもと、人材への積極的な投資と社員が働きやすい環境整備に注力しています。社員を「生徒を全力でサポートする教師」として育成し、その成長を支援する企業文化が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若手から中堅層の社員が中心となっており、一定の勤続年数を持つ社員が多く在籍している傾向が見られます。社員の定着を促し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,143,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.3年 |
| 平均年齢 | 36.5歳 |
| 単体従業員数 | 401人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は確定拠出型の退職給付制度を設けており、国内グループ会社に適用されます。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「生徒第一主義、社員第二主義」を企業理念に掲げ、人的資本への積極的な投資を持続的な成長と企業価値向上の最重要施策と位置付けています。全従業員が能力を最大限に発揮できる環境整備を推進し、質の高い教育サービスを提供できる人材の確保と育成に努めています。
給与・報酬体系は、従業員が豊かな生活を送り、安心して仕事に打ち込める環境を提供することを前提に構築されています。新卒初任給を月額40万円に設定するなど、教育業界および他産業と比較しても高い競争力を有する水準で、若手人材の確保に力を入れています。基本給および役職手当は、年齢や勤続年数ではなく、授業力・営業力・マネジメント力、ならびに担当職務における成果に応じて決定されます。特に授業力は生徒からのアンケート評価によって年に数回直接的に評価され、若手社員でも高いパフォーマンスを示せば早期に重要職務への抜擢とそれに連動した役職・給与改定が実施される風土です。
また、2025年3月には譲渡制限付株式報酬制度を導入し、中長期的な企業価値向上への意識とインセンティブを高めています。指導の質を担保するため「正社員教師」による指導体制を堅持し、数か月から1年近くに及ぶ手厚い初期研修を通じてプロフェッショナルな教師を育成しています。現場配属後も専門教科別の研究会や授業品質を競うコンテスト、次世代リーダー育成研修など、多様な成長機会を提供しています。今後は障がい者や女性など、多様な人材の雇用や活用推進にも取り組む方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者それぞれの男女の構成比率が大きく異なることが主な要因とされています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 1.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 76.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 28.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 49.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(非正規雇用労働者) | 81.1% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
早稲田学習研究会は、学習塾の運営を主軸とする会社です。生徒第一主義を掲げ、質の高い教育サービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
早稲田学習研究会は、学習塾事業を単一セグメントとして展開しています。同社は「生徒第一主義」を経営理念に掲げ、質の高い指導と徹底した面倒見の良さを強みとしています。
事業は主に「ゼミ部門」「ハイ部門」「ファースト個別部門」の3つの部門に分かれています。ゼミ部門は小学生・中学生を対象とし、高品質な授業とオリジナル教材、オンライン学習システム「Wovie」や学習支援プログラム「Wスタディサポート」を提供しています。ハイ部門は高校生を対象に、担任制の学習・進路指導や定期テスト対策、自習室の設置など、きめ細やかなサービスを展開しています。ファースト個別部門では、生徒一人ひとりに合わせたオーダーメイドの個別指導を提供しており、講師・教室長・受験指導教師・アシスタント教師の4名体制で手厚いサポートを行っています。
同社の特徴として、全国から厳選された正社員教師による指導体制、効率的な学習を促すオリジナル教材、無料補習や自習室の充実といった快適な学習環境の提供、そして大型の郊外型校舎展開による集客力とコスト抑制が挙げられます。収益は、これらの学習塾サービスを通じて生徒から得られる授業料や講習費が主な源泉となっています。海外の顧客からの売上高はないため、海外比率や為替リスクに関する言及はありません。特定の顧客への収益集中に関する記載もありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、決算期変更に伴い当事業年度が14か月の変則決算となっているため、前事業年度との比較は行われていません。当事業年度の売上高は、新規校舎の開校や新規オプション講座の開設、各種講習の好調により増加しました。
一方で、決算期の変更により業績が低調となる期間が2回分含まれたことや、将来の事業拡大に向けた投資を先行投入したことにより、営業利益率は目標水準を下回る結果となりました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたりの収益性および生産性を示す指標については、構造化データに記載がありません。そのため、従業員1人あたりの売上高や利益に関する具体的な数値の推移を提示することはできません。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の経営の安定性を評価する上で、財務基盤とキャッシュフローの状況は重要な指標となります。これらの情報は、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の将来的な成長性を見極める上で役立ちます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
企業の財務基盤の安定性は、自己資本比率や手元資金の厚みによって測られます。自己資本比率が高いほど財務的な安全性が高く、不測の事態への耐性があると言えます。また、十分な現預金残高は、事業活動を継続するための重要な要素です。これらの指標は、同社の雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローは、同社が事業活動、投資活動、財務活動を通じてどのように資金を調達し、使用しているかを示すものです。営業活動によるキャッシュフローは本業でどれだけ資金を生み出しているかを示し、投資活動によるキャッシュフローは将来の成長に向けた投資の状況を表します。また、財務活動によるキャッシュフローは、借入や返済、配当などによる資金の動きを示しています。これらの資金の流れは、同社の事業の持続可能性や成長戦略、ひいては雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、少子化の進行や教育制度の大きな改革が財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、教育業界における競合の激化により、市場占有率が停滞するリスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、質の高い教育サービスを提供するため、人材の採用・育成を重要な課題としています。計画どおりに人材の確保や育成が進まない場合、サービスの質の低下を招き、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社早稲田学習研究会は、「生徒第一主義」を掲げ、未来を担う子供たちへの質の高い教育と手厚いサポートを通じて、社会に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「生徒第一主義」を経営方針に掲げ、「生徒の成績を上げる指導を通じて社会に貢献します。」という経営理念の実現に日々取り組んでいます。日本の未来を担う次世代の子供たちを育てる教育の重要性を認識し、開校以来「最も生徒の面倒見がよく成績の上がる塾」を目指して事業を推進しています。生徒の可能性を無限に広げることを通じ、社会に貢献していくことをビジョンとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「生徒第一主義」を行動規範とし、生徒一人ひとりのやる気を引き出し、夢の実現を導く「教師力」を事業の根幹と捉えています。この教師力を高めるため、社員を最も重要な経営資源と考え、「社員第二主義」を掲げています。好待遇での採用や長期間にわたる手厚い研修、働きやすい職場環境の整備に注力し、社員が全力で生徒をサポートできる体制を重視する企業風土があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、企業価値の増大を目指し、いくつかの経営課題に取り組んでいます。教師の指導力向上を重視し、優秀な人材の正社員採用、長期研修、指導力チェック、幹部候補の育成に注力しています。また、「生徒第一主義」に基づき、無料補習や担任制、三者面談、新たな学習支援プログラム「Wスタディサポート」の導入を通じて、生徒への面倒見の更なる充実に努めています。
さらに、高い成長性の実現に向けて、優秀な教師の確保や新卒採用の強化、新築社宅の整備による受け入れ体制の強化、働きやすい職場環境の提供に取り組んでいます。企業ブランドの向上も重点テーマであり、独自のサービスレベルの構築、部門間のノウハウ共有、ICTを活用したオンライン授業の展開、コーポレートガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底を通じて、企業ブランドの維持・向上を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
早稲田学習研究会は、監査等委員会設置会社として、社外取締役が過半数を占める指名報酬委員会を設置するなど、透明性の高い経営体制を構築しています。取締役会は業務執行の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
早稲田学習研究会の筆頭株主は株式会社YMMであり、同社代表取締役会長である吉原俊夫氏が代表を務める資産管理会社です。吉原俊夫氏個人も第2位の大株主であり、創業家が同社の資本構成において大きな影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| YMM | 44.93% |
| 吉 原 俊 夫 | 17.38% |
| 三 木 正 浩 | 1.14% |
| ワセダ従業員持株会 | 0.82% |
| 岩 渕 拓 | 0.72% |
株式会社YMMは、同社代表取締役会長である吉原俊夫氏が代表を務める資産管理会社です。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は佐藤誉氏が務めています。社外取締役比率は45.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 吉 原 俊 夫 | 代表取締役会長 | 1987年早稲田家庭教師センター創業、1990年同社設立取締役、1993年早稲田学習研究会代表取締役社長、2023年同社代表取締役会長より現職。 |
| 佐 藤 誉 | 代表取締役社長 | 2000年同社入社、2012年同社取締役、2023年同社常務取締役、2025年同社代表取締役社長より現職。 |
| 松 尾 有 希 | 取締役 | 2016年弁護士登録、2017年森・濱田松本法律事務所入所、2019年同社取締役より現職。 |
| 山 崎 晴 也 | 取締役 | 1995年日本債券信用銀行入行、2007年ザ・サードプラネット取締役、2020年同社入社、2022年同社取締役より現職。 |
| 木 村 貴 之 | 取締役 | 2001年同社入社、2015年同社太田校塾長、2025年同社人材開発部兼教務部長、2025年同社取締役より現職。 |
| 植 田 伸 広 | 取締役 | 2007年ベンチャーバンク入社、2012年同社入社、2025年同社運営企画部長、2025年同社取締役より現職。 |
社外取締役は、川島渉氏(川島公認会計士事務所代表)、藤井智氏(元群馬県警察本部総務統括官兼総務課長)、鎌川拓哉氏(鎌川税理士事務所開業)、吉村祐一氏(大総合法律事務所代表)、尾中直也氏(尾中直也公認会計士事務所代表)です。
同社は2022年6月20日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しています。これにより、社外取締役を含めた取締役会が業務執行を監督し、監査等委員が経営の意思決定に加わることで、取締役会の監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、役位や職責、在任年数などを考慮した基本報酬と、企業価値向上へのインセンティブを目的とした譲渡制限付株式報酬(社外取締役を除く)で構成されています。監査等委員である取締役の報酬は基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 7名 | 2.7億円 | 39.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 23百万円 | 4.6百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した取締役1名を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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