※本記事は、Aiロボティクス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Aiロボティクスは、自社開発AIシステム「SELL(セル)」を活用したD2Cブランド事業を展開しています。化粧品や美容家電、ヘアケア製品を中心に、企画・開発から販売までを一貫して手掛けています。
単体従業員数は36名です。事業セグメントはD2Cブランド事業の単一です。
Aiロボティクスは、自社で企画・開発した商品をOEMに製造委託し、「自社ECサイト販売」「ECモール販売」「店頭卸販売」のチャネルを通じて顧客に直接販売しています。
Aiロボティクスは、効率的な事業成長のため、事業をD2Cブランド事業の単一セグメントとしています。また、2025年6月にはヘアケアブランド「Straine」を新たに立ち上げ、商品ラインナップを拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
AIを活用したD2Cブランド事業を展開するAiロボティクスは、成長フェーズにある企業です。若手社員が多く活躍しており、高い給与水準が特徴となっています。新しい環境でキャリアを築きたい方にとって、同社の給与水準や働き方は重要な情報となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若い組織構成となっており、平均勤続年数も短めであることから、新しい人材が継続的に加わり、組織が成長している傾向が見られます。若手社員が中心となって活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 16,020,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.9年 |
| 平均年齢 | 33.2歳 |
| 単体従業員数 | 36人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
Aiロボティクスは、「組織力」と「人財力」の両方を高め、新たな価値を提供し続ける組織基盤の構築を人材戦略の中核としています。人財への積極的な投資を通じて、AIを活用したD2Cブランド事業の成長やM&Aを牽引する専門スキルの向上を図っています。従業員の給与は、年齢や性別、国籍、勤続年数に関わらず、個々の役割・職務の大きさに加え、担当業務における成果や会社業績への貢献度を客観的かつ公正に評価する人事評価制度に基づき決定されます。
人材の採用においては、経験豊富な中途採用に加え、新卒・第二新卒の継続採用により人員増強を図っています。育成はOJTを基本としつつ、若手社員向けの社外研修も実施し、必要なタイミングでのスキルアップを支援しています。人事制度では四半期ごとの目標設定と人事評価を通じて、従業員の自己啓発を推進しています。
組織風土の形成においては、「対面によるコミュニケーション」を重視しており、組織の活性化のため原則出社方針を採用しています。これにより、組織の分化が進む中でも、統合と相互理解を深め、組織成果の最大化を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Aiロボティクスは、自社開発のAIシステム「SELL(セル)」を核として、D2Cブランド事業を展開しています。このシステムを活用し、商品の企画・開発から販売、顧客対応までを一貫して行うことで、効率的な事業成長を追求しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、事業開始当初に女性向けのライフスタイルに関する動画配信サービスの運営と広告配信を行っていました。その後、広告運用業務の自動化・効率化を目指して自社開発AIシステム「SELL(セル)」を開発し、「AIマーケティング事業」を開始しました。
現在は、この「AIマーケティング事業」で培ったノウハウやデータを自社ブランドのマーケティングに活用し、「D2Cブランド事業」を単一事業として成長させています。同社の「SELL(セル)」は、商品開発、需要予測、広告クリエイティブ作成、広告運用、CS対応、CRM施策、さらには店頭販売領域まで、ブランド運営の多岐にわたる業務に活用されています。
販売チャネルは「自社ECサイト販売」「ECモール販売」「店頭卸販売」の3つです。自社ECサイト販売では、SNS広告等で獲得した顧客に直接商品を販売しており、特に「Yunth」ブランドでは定期購入サービスが中心のストック型ビジネスモデルとなっています。ECモール販売では、楽天市場やAmazon等の主要ECモールに出店し、戦略的な販促施策により各ブランドでランキング上位を獲得しています。店頭卸販売では、ドラッグストア、バラエティーショップ、家電量販店等を通じて商品を販売しており、「Yunth」や「Straine」はドラッグストア・バラエティーショップ向け、「Brighte」は家電量販店向けに展開しています。
同社は、スキンケアブランドの「Yunth」、美容家電ブランドの「Brighte」、ヘアケアブランドの「Straine」を主要ブランドとして展開し、各ブランドで商品ラインナップを拡大しています。「Yunth」は「生VC美白美容液」を主力とし、エイジングケアラインやスムージングケアラインも展開する中心的ブランドです。「Brighte」は中価格帯の美容家電ブランドとして、美顔器やヘアドライヤーなどを展開し、ECサイトと家電量販店での販売を強化しています。「Straine」は2025年6月にローンチしたヘアケアブランドで、シャンプートリートメントを中心にドラッグストアやバラエティーショップで販売を拡大しています。
同社の売上高は本邦の外部顧客からのものが90%を超えており、国内事業が中心です。特定の相手先への販売実績が総販売実績の10%以上を占めることはありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期と比較して大きく増加しています。特に売上高は前年同期比で100%を超える伸びを示しており、利益も大幅に増加する傾向が見られます。これは、主力ブランドの確立や商品ラインナップの拡充、新たなブランドの立ち上げなどが寄与した結果です。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員に関する情報を見ると、単体の従業員数は36人となっています。平均年齢は33.2歳、平均勤続年数は2.9年であり、比較的若い組織であることがうかがえます。平均年間給与は16,020千円で、前事業年度から28.70%増加しています。これらの情報から、同社が成長フェーズにあり、従業員への還元も進んでいる傾向が見られます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況を見ると、事業活動や投資活動において資金の動きが見られます。将来に向けた投資を積極的に行っている段階にあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で32.8%となっています。これはプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。また、ROE(自己資本利益率)は当期で43.9%と、プライム市場平均を大きく上回る高い水準です。これらの指標は、同社が安定した財務体質を維持し、効率的に利益を生み出していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 47.5% | 32.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 51.4% | 43.9% |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスに転じています。これは主に売上債権や棚卸資産の増加によるもので、事業規模の拡大に伴う運転資金の需要が増加していることを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなっており、有形固定資産の取得など、事業拡大に向けた投資が継続的に行われています。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。一方で、財務活動によるキャッシュ・フローはプラスであり、短期・長期借入による資金調達を通じて、事業拡大に必要な資金を確保している状況です。これらの資金の流れは、同社が成長フェーズにあり、積極的な事業展開を進めていることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1,314百万円 | △5,881百万円 |
| 投資CF | △157百万円 | △492百万円 |
| 財務CF | △1.4億円 | 64.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 11.6億円 | △63.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が属する化粧品市場は、競合企業の存在や新規参入事業者の出現により競争が激化しています。既存の競合他社との競争激化や、大規模な資本を持つ企業の新規参入により、顧客流出やコスト増加のリスクがあります。また、仕入れの約40%を海外輸入に依存しており、為替相場の変動や原油価格の変動に伴う原材料価格、包装資材価格、物流費等の上昇が、同社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の成長を支える人材の確保と育成は重要な課題と認識されています。事業内容の急速な変化や事業規模の急拡大に伴う業務量の増加、人材マーケットの需給バランスの変化により、必要な人材の確保や育成ができなかった場合、または重要な人材の流出が発生した場合、同社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Aiロボティクスは、「新しい自由を創造する会社」をミッションに掲げ、人々に「今までにない選択肢」をもたらすことを追求しています。多様な人材と対面でのコミュニケーションを重視し、持続的な成長を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「新しい自由を創造する会社」をミッションに掲げています。世界中の人々に「今までにない選択肢」をもたらすことに価値を見出し、より良い未来を実現することを目指しています。同社はD2Cブランド事業を主要事業と位置づけ、ジャンルに捉われず、今までにない商品やサービスを提供していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「自由」を「選択肢」と捉え、選択肢が多いことが幸せに繋がるという考え方を経営方針の根幹に置いています。このミッション実現のため、共通価値観として3つのバリュー(従業員の行動基準)を掲げています。人的資本を様々な資本の価値創造の源泉と捉え、最重要視して投資を行うことで、持続的に人的資本やその他の資本を増強することを目指しています。「組織力」と「人財力」の向上を重視し、人材確保のための各種制度整備や社内外における社員教育の機会提供を図っています。組織風土の形成においては「対面によるコミュニケーション」を大切にしており、原則出社方針により組織の活性化を図っています。人事制度では四半期に一度の目標設定と人事評価を通じて、従業員の自己啓発を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、事業拡大に向けた優先的な課題として、ブランド及び商品の開発、サプライチェーンの拡充を挙げています。特に優秀な人材の確保を不可欠と認識しており、即戦力となる中途採用に加え、将来を担う新卒・第二新卒採用を積極的に行っています。学生時代から経験を積むインターン制も導入し、年齢や国籍等に制限なく、高いスキルや潜在的な能力を持つ人材を積極的に登用していく方針です。また、情報セキュリティ体制の更なる整備や内部管理体制の強化、M&Aへの対応も重点テーマとしています。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用によるコーポレート・ガバナンス機能の充実に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、経営の効率化、健全性、透明性を高め、中長期的かつ安定的な株主価値向上をコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。2025年6月24日より監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行し、取締役会による経営上の重要事項の決定と、監査等委員会による独立した監査体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長である龍川誠氏です。上位株主には、信託銀行である日本カストディ銀行(信託口)や、同社の執行役員である桑山友美氏などの個人株主が名を連ねています。特定の株主グループが経営に影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 龍川 誠 | 18.38% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 6.39% |
| 桑山 友美 | 3.64% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は龍川誠氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 龍川 誠 | 代表取締役社長 | 2013年12月にロケットベンチャー(現:4MEEE)を設立し代表取締役に就任。2016年4月に同社を設立し代表取締役社長より現職。 |
| 山本 幸央 | 専務取締役 | 2008年4月サイバー・エージェント入社後、複数社を経て2020年4月に同社入社。2021年1月取締役、2023年5月専務取締役より現職。 |
| 坂元 優太 | 取締役 管理本部長 | 2010年2月エイベックス・グループ・ホールディングス入社後、監査法人等を経て2022年12月に同社入社。2023年6月取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、川名麻耶氏(Spiber代表取締役CEO)、岡田雅史氏(合同会社WIZM代表社員CEO・監査等委員)、杉本佳英氏(あんしんパートナーズ法律事務所設立者・監査等委員)、須田将啓氏(エニグモ代表取締役最高経営責任者・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名はいずれも社外取締役です。社外取締役は、客観的な立場から経営の重要事項の決定や業務執行の監督を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、株主総会で決議された報酬総額の限度内で、各役員の担当業務や経済情勢を考慮して決定されます。取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬は、月例の固定報酬と半期ごとの業績連動報酬で構成されています。報酬額は代表取締役社長が素案を作成し、社外取締役や監査等委員である社外取締役との協議を経て取締役会で決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 1.3億円 | 26.2百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 34百万円 | 5.7百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した社外役員2名を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。