※本記事は、令和アカウンティング・ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月11日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
令和アカウンティング・ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は244名、グループ連結従業員数は326名です。
同社グループは、企業情報に係る重要な社会インフラである経理業務・経理業界の活性化を目指し、経理に関わるコンサルティング事業を主軸としています。連結子会社6社及び非連結子会社1社により構成されており、コンサルティング、システム開発、教育・派遣・紹介といった多角的な事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、ミラクル経理.6、令和ヒューマン・ファースト、令和インベストメント、ソフツ.5、HSK事業承継支援などです。
2025年4月には、システム開発・販売を目的としたミラクル経理を設立し、同年11月にはAI資産判定ソリューション「ミラクルX」をリリースするなど、新たな事業領域への展開も進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、「High Quality」「Workers First」を経営理念に掲げ、人的資本を重視した経営を行っています。経理業務を支えるソフトインフラとしての役割を担い、人間力の育成を継続的な経営方針としています。従業員が長く活躍できる職場環境づくりに注力しており、ジェンダー平等と人材育成を重視する姿勢がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活気ある組織構成がうかがえます。これは、2021年4月に本格稼働を開始したという同社の歴史的背景も影響していると考えられます。同社は、従業員が長く勤められる職場環境づくりを目標としており、今後の勤続年数の伸長を目指しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,854,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.66年 |
| 平均年齢 | 31.79歳 |
| 単体従業員数 | 244人 |
| 連結従業員数 | 326人 |
| 単体のグループ内比率 | 74.8% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、優秀な人材の採用と育成を最重要テーマとする人材戦略を掲げています。知的集約サービスを提供する上で、専門スキルと人間力の双方の向上を重視し、会計を中心とした高度な専門性を持つ人材を積極的に採用しています。従業員が高いモチベーションを保ち、安心して長期的に働けるよう、就業環境と採用優位性のある待遇の整備にも注力しています。
給与やその他の給付は、人事評価規程に基づき、年2回の人事評価会議を経て決定されます。個々人の評価は、基本姿勢、能力スキル、パフォーマンスの区分で詳細な指標が設定され、上長協議、複数層の人事評価会議、人事部門の照査を経て役員が最終決定する仕組みです。
また、育成した人材が男女ともに平等に活躍し、長く勤められる職場環境づくりにも力を入れています。育児休業取得率の維持向上や、育児休業取得者の業務を分担しやすい環境づくりに取り組んでいます。平均勤続年数の伸長を目標に、採用時のミスマッチ防止、キャリアデザインのサポート、人事制度改定、生産性向上のためのシステム・ツール開発などを実施しています。教育事業の拡大を通じて、経理に興味を持つ人材を採用する循環の構築も進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 41.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 72.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 81.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 195.5% |
育児・介護支援
各指標は、海外子会社における制度・運用方針の差異や同社グループに占める同社単体の重要性を勘案し、提出会社単体の数値を記載しています。
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 男女別の育児休業取得率(女性) | 71.43%以上 | 105.88% |
| 男女別の育児休業取得率(男性) | 100.0%以上 | 100.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 平均勤続年数 | 取り組み開始時(2025年3月期末)平均の15%増へ | 33.0%増加 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
令和アカウンティング・ホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括し、経理業務・経理業界の活性化を目指しています。同社グループは、主に経理に関わるコンサルティング事業を主軸に、システム開発、教育、人材派遣・紹介といった多角的な事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、企業情報に係る重要な社会インフラである経理業務・経理業界の活性化を目標に掲げ、経理に関わる継続的なコンサルティング業務を中心としたコンサルティング事業を主たる業務としています。主要なクライアントは上場企業をはじめとする大企業であり、強固な経営基盤を持つ企業を対象とすることで、安定的な事業基盤を維持しています。
コンサルティング事業は、大きく「コンサルティング業務(Long)」と「コンサルティング業務(Short)」に分けられます。コンサルティング業務(Long)は、会計方針の策定から決算書作成サポート、有価証券報告書等の開示書類作成サポートまで、経理業務全般にわたる戦略的な実務支援を特徴としています。この業務は継続性が高く、同社グループ全体の収益の大部分を占める主力事業となっています。
一方、コンサルティング業務(Short)は、経理に関わるデューデリジェンス、株式価値評価、IPO支援、M&A支援など、専門性を要するプロジェクト型のコンサルティング業務です。これらの業務は、長期的なコンサルティング業務から派生して追加受注されることが多く、クライアントとの信頼関係を基盤に比較的安定して受注しています。
また、同社グループは「その他の事業」として、システム開発事業と経理実務に関わる教育・派遣・紹介事業も展開しています。システム開発事業では、2025年4月に設立した株式会社ミラクル経理がAI資産判定ソリューション「ミラクルX」をリリースし、経理DXに資するシステムの開発・販売を進めています。教育・派遣・紹介事業では、「経理部プロフェッショナル・スクール」の運営や企業研修の実施を通じて経理人材の育成を行い、専門特化した人材派遣紹介業も手掛けています。
同社グループの収益は、主に既存クライアントからの委託業務範囲拡大と新規クライアントの獲得によって増加しています。特定の顧客への収益集中は見られず、また、海外の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えることはないため、国内市場に事業基盤を置いています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去4期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに順調な増加傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度においては、売上高が前期から増加し、それに伴い経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も大幅に増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 38.8億円 | 44.2億円 | 49.8億円 | 57.1億円 |
| 経常利益 | - | 7.7億円 | 8.2億円 | 14.8億円 | 19.9億円 |
| 経常利益率 | - | 19.8% | 18.6% | 29.7% | 35.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 3.3億円 | 5.7億円 | 10.1億円 | 14.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 8.72 | 15.33 | 26.96 | 37.81 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高および営業利益は、前期と比較して増加しています。これは、生産性向上施策の効果が現れたことや、子会社設立に伴う親会社からの出向などにより、従業員数が減少した一方で売上高が伸びた結果です。組織全体の効率化が進み、従業員一人ひとりの稼ぐ力が高まっている状況がうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 15.0百万円 | 17.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.5百万円 | 6.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
令和アカウンティング・ホールディングスは、堅実な財務基盤を維持し、安定した経営状況を示しています。本業で得た資金を効率的に活用し、事業の成長と安定性を両立させている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率とROEを示しています。自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準にあり、財務の安定性がうかがえます。ROEもプライム市場平均を大きく上回っており、効率的な資本活用による収益性の高さが特徴です。手元資金も潤沢に確保されており、事業運営における安定性が保たれています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 31.2億円 | 26.9億円 |
| 自己資本比率 | 65.7% | 65.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 37.3% | 49.6% |
| 現金及び預金 | 32.6億円 | 23.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは前期から増加しており、税金等調整前当期純利益の増加などが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは、敷金の差入や無形固定資産の取得による支出が増加したことで、前期に比べて支出が増えています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや自己株式の取得による支出が増加したため、前期から大きく減少しています。
フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金が投資活動の支出を上回っています。これは、事業の成長に向けた投資を行いながらも、資金を自力で生み出す力が強いことを示しています。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた基盤を築いていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる傾向があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 10.3億円 | 13.5億円 |
| 投資CF | △24百万円 | △84百万円 |
| 財務CF | △2.7億円 | △18.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10.0億円 | 12.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのコンサルティング事業は参入障壁が低い業界であり、他社との価格・サービス競争に適切に対応できない場合、業績に影響を与える可能性があります。また、景気変動リスクとして、コンサルティング業務(Short)は景気悪化に伴う受注減少により業績に影響を受けるおそれがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、会計を中心とした高度な専門性と人間力を兼ね備えた人材を資本としています。必要とする人材を十分かつ適時に確保できない場合や、重要なプロフェッショナルが大量に流出する場合には、事業拡大や将来性に影響を与えるおそれがあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
令和アカウンティング・ホールディングスは、経理業務を社会のソフトインフラと捉え、人材育成とシステム開発を通じて業界の変革を目指す持株会社です。お客様への最高品質のサービス提供と、関係者すべての幸福を追求する「Workers First」の理念を掲げています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
令和アカウンティング・ホールディングスグループは、「High Quality」と「Workers First」を経営理念に掲げています。お客様へ最高品質のサービスを提供し、それを通じて社会に貢献することを目指しています。
また、個人が幸福になるために会社は存在するという考えのもと、従業員だけでなくクライアントや関係者を含むすべての人々(Workers)が精神的・経済的に安心して活躍できる場を提供することを重視しています。同社グループの経営方針は、ソフトインフラとしての経理業務・経理業界の改革、人間力の育成、持続可能な企業(社会)の実現の3つです。経理業務を社会の重要なソフトインフラと位置づけ、その魅力を広め、有能な人材が興味を持つことを目標としています。日本を代表する企業のビジネスパートナーとなることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
令和アカウンティング・ホールディングスグループは、「High Quality」と「Workers First」の経営理念に基づき、人的資本を重視する企業風土です。従業員やクライアント、関係者を含むすべての人々が幸福になることを目指し、充実した組織形成を通じて信頼を高めることを大切にしています。
企業倫理規程に基づき、会計を軸に社会課題に対応し、持続可能な社会の実現に貢献することを役割と認識しています。コンプライアンスや情報セキュリティの強化にも継続的に取り組んでいます。
また、専門知識を横断的に配置する組織構造により、クライアントの多様なニーズに柔軟に対応する体制を構築しています。AIやソフトウェアを使いこなし、高いコミュニケーション能力と常識に対する懐疑心を持つ人材の育成に注力するカルチャーがあります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
令和アカウンティング・ホールディングスグループは、優秀な人材の採用と育成を重要な経営課題としています。知的集約サービスを提供する上で、専門スキルと人間力(ソフトスキル)の双方を向上させることが必要であると考えています。
そのため、高度な専門性を持つ人材の積極的な採用と、従業員が安心して長期的に働ける就業環境や待遇の整備に注力しています。専門スキルとソフトスキルの両面を強化する育成体制を継続的に強化しています。
また、スクールや研修事業を通じて経理に興味を持つ人材を増やし、資質の高い人材を採用する循環の構築も進めています。システム・ソフトウェアの開発も重点テーマであり、自
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、2025年6月16日に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。これにより、取締役会の監督機能を強化し、経営の機動性を確保しながら意思決定の透明性を高めることを目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
令和アカウンティング・ホールディングスは、個人株主である須貝信氏が筆頭株主となっています。上位株主には、須貝信氏のほか、株式会社myskyや須貝舞氏といった個人や関連会社が名を連ねています。特定の株主グループが上位を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 須貝 信 | 24.77% |
| 株式会社mysky | 5.35% |
| 須貝 舞 | 5.35% |
| ヤーマン | 5.01% |
| 繁野 径子 | 4.28% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性3名・女性2名)で構成され、女性役員比率は40.0%です。代表取締役社長執行役員は繁野径子氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 繁野 径子 | 代表取締役 社長執行役員 | 1999年1月繁野径子公認会計士事務所、2010年1月ひなた監査法人代表社員、2019年7月税理士法人令和会計社代表社員、2022年4月同社入社、2022年7月同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 中村 樹 | 取締役 専務執行役員 事業本部本部長 | 2005年4月税理士法人平成会計社入社、2019年7月税理士法人令和会計社社員、2020年6月令和インベストメント代表取締役、2021年4月同社入社、2026年4月同社取締役専務執行役員事業本部本部長より現職。 |
社外取締役は、石田和男氏(元りそな銀行常務執行役員・監査等委員)、鴛海量明氏(税理士法人おしうみ総合会計事務所代表社員・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役2名を含む監査等委員である取締役3名が取締役会の監督機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は役員の報酬等について、固定報酬を基本としています。取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、株主総会で決議された総額の限度内で、代表取締役が原案を作成し取締役会で決定されます。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で決議された総額の限度内で監査等委員会の協議により決定されます。業績連動報酬は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 92百万円 | 30.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 13百万円 | 2.6百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、社外役員の人数および総額には、期中に退任した社外監査役3名が含まれます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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