岩井コスモホールディングス 転職ガイド(岩井コスモ証券など):知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

岩井コスモホールディングス 転職ガイド(岩井コスモ証券など):知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

岩井コスモホールディングスは、岩井コスモ証券などを傘下に持つ純粋持株会社です。グループ全体で金融商品取引業を展開し、連結従業員数は848名です。直近の業績は、営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも過去最高を記録し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、岩井コスモホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


岩井コスモホールディングスは純粋持株会社であり、グループ連結従業員数は848名です。

同社グループは、連結子会社2社を中心に、金融商品取引業を中心とした事業活動を営んでいます。有価証券の売買や引受け、売出しなど、顧客に対して幅広い金融サービスを提供しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


岩井コスモホールディングスグループは、金融サービスを通じて国民経済の発展に貢献するという経営理念のもと、持続可能な社会の実現を目指しています。同社グループは人的資本への投資を重視し、多様な人材が能力を最大限に発揮できる職場環境の構築に努めています。従業員のウェルビーイングと成長機会を重視し、柔軟な働き方やキャリア形成支援、継続的な賃上げなどに取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社グループは、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。平均勤続年数から、従業員が長く働き続ける傾向が見て取れます。また、平均年齢は中堅層が中心となっており、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
単体従業員数 0人
連結従業員数 848人
単体のグループ内比率 0.0%


なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。

会社名 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
岩井コスモ証券株式会社 43.2歳 17.1年 9,039,934円


同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度における退職給付債務は1.1億円、年金資産も1.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、証券営業部門における「人財」を最も重要な経営資源と位置づけ、人材の育成と確保に注力しています。第6次中期経営計画のビジョンであるDX推進と新たな成長軌道への躍進を実現するため、自律型人材、金融のプロフェッショナル人材、次世代を担う人材の育成を重点テーマとしています。

人事制度においては、社員の行動と成果を公正に評価し、役割や職務に応じた処遇を推進しています。給与体系は、役割・職能に基づく月例給与、会社業績と個人評価に連動する賞与、特定の成果に対する報奨金で構成されています。月例給与は管理職層が役割等級に基づく実力給、非管理職層が職能等級に基づく職能給となっており、人事考課規程に基づく総合考課と人事会議での調整により決定されます。

人材育成では、金融知識やコンプライアンス意識の強化を目的とした研修を継続的に実施しています。また、自己啓発奨励制度を充実させ、各種資格取得を後押しすることで、従業員の自律的な成長を支援しています。社内環境整備においては、ICTを活用した柔軟な働き方や、育児・介護とキャリア形成の両立支援、全世代が挑戦できる人事制度の整備を進め、多様な人材が活躍できる組織づくりを推進しています。

さらに、人的資本への投資を強化するため、2026年度は5年連続となるベースアップの実施を決定し、新入社員の初任給も引き上げています。若手人材の育成支援として基本給加算も導入しており、多様なライフステージに応じた柔軟なキャリア形成を可能にする相互転換制度も運用しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 岩井コスモ証券株式会社

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 19.8%
男性労働者の育児休業取得率 43.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 80.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 78.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 82.7%

人的資本の指標及び目標


岩井コスモ証券株式会社の人的資本に関する指標と目標です。

指標 実績(当連結会計年度) 目標
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 19.8% 25.0%
男性労働者の育児休業取得率 43.0% 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異 80.3% 80.0%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


岩井コスモホールディングスは、金融商品取引業を中心とした事業活動を展開する持株会社です。同社グループは、多岐にわたる金融サービスを通じて顧客の資産運用を支援し、収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、持株会社である岩井コスモホールディングスを中心に、金融商品取引業を中核とする事業を営んでいます。有価証券の売買やその委託の媒介、有価証券の引受け・売出しといった金融商品取引業に加え、これらに関連・付随する事業やその他の関連ビジネスも手掛けており、顧客に対して幅広いサービスを提供しています。

岩井コスモホールディングス

同社グループの経営戦略の策定と推進を担っています。収益は、投資有価証券の配当金などによる営業外損益が主な源泉となっています。

岩井コスモ証券株式会社

お客様の資産運用を支援する金融商品取引業を主に行っています。米国株式の提案営業や、低リスクから高成長が期待できるファンドまで多様な投資信託の取り扱いを通じて、顧客のポートフォリオ構築に貢献しています。収益は、委託手数料、トレーディング損益、金融収益が主な柱となっています。

その他の事業セグメント

証券等バックオフィス事業を営む岩井コスモビジネスサービス株式会社が該当します。同社グループの事業活動を支える役割を担っています。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期)
岩井コスモホールディングス株式会社 28.8億円 42.8億円
その他の事業セグメント 2.4億円 2.4億円
岩井コスモ証券株式会社 15百万円 24百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績は、営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向にあります。特に直近の当連結会計年度においては、これらの項目が過去最高を記録しました。これは、委託手数料の増加に加え、米国株式の店頭取引を主とするトレーディング損益の増加が主な要因となっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 207億円 197億円 240億円 258億円 323億円
経常利益 58.0億円 51.6億円 80.0億円 91.5億円 136億円
経常利益率 28.0% 26.2% 33.3% 35.5% 42.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 37.6億円 35.6億円 55.5億円 67.2億円 104億円
1株当たり当期純利益(円) 159.93 151.73 236.49 286.34 444.61

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの営業収益は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、収益性の改善がうかがえます。これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を通じて、従業員一人ひとりの稼ぐ力を高めていることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 31.2百万円 38.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 10.5百万円 15.3百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出しながら、事業への投資も行っていることを示しています。資金の流れからは、堅実な経営基盤がうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、純資産は増加傾向にあり、自己資本比率はプライム市場の非製造業平均(24.2%)を上回っています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均(9.4%)を大きく上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金である現金及び預金も一定の水準を維持しており、事業運営の安定性を支える要素となっています。これらの財務状況は、同社グループが安定した事業運営を継続していく上での基盤となっていると言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 677億円 743億円
自己資本比率 36.5% 34.9%
ROE(自己資本利益率) 10.0% 14.7%
現金及び預金 82.5億円 81.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、当期における営業活動による資金の出入りは23.1億円のプラスとなりました。これは、税金等調整前当期純利益や預り金、受入保証金の増加による収入があった一方で、顧客分別金信託や信用取引資産の増加による支出が主な要因です。前期と比較すると、営業活動によるキャッシュフローは減少しています。

投資活動によるキャッシュフローは△7.0億円のマイナスとなりました。これは投資有価証券の売却による収入があったものの、定期預金の預入による支出が主な要因です。前期と比較して、投資活動によるキャッシュフローのマイナス幅はわずかに拡大しています。

財務活動によるキャッシュフローは△44.2億円のマイナスとなりました。これは主に配当金の支払額によるものです。前期と比較すると、財務活動によるキャッシュフローのマイナス幅は拡大しています。

これらの結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは16.1億円のプラスとなりました。同社グループは資金を安定的に生み出しつつ、事業に必要な投資も行っている状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 31.3億円 23.1億円
投資CF △6.7億円 △7.0億円
財務CF △28.2億円 △44.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 24.7億円 16.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主たる事業である金融商品取引業は、国内外の経済情勢や株式、金利、為替市況等の動向に影響を受けやすい特性があります。市況の変動によっては、同社グループの収益が減少する可能性があります。

また、金融商品取引法等の法令や自主規制機関の定める諸規則による規制を受けており、自己資本規制比率の適正維持が求められています。この水準を継続できなかった場合、業務停止や登録取消しとなる可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループでは、役職員による事故や不正、または事務処理の不備によって損失が発生するオペレーショナルリスクを認識しています。これにより、同社グループの社会的信用が損なわれ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


岩井コスモホールディングスは、お客様の最善の利益を最優先とする「顧客第一主義」を基本方針とし、持続的な企業価値の向上を目指しています。すべてのステークホルダーから信頼され、発展し続ける企業グループを目指すとともに、「持続可能な社会の実現」に貢献することを掲げています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「お客様にご満足いただける金融サービスの提供を通じて、国民経済の発展に貢献する」ことを経営理念としています。お客様の最善の利益を最優先とする「顧客第一主義」を基本方針に掲げ、個々の取引志向やリスク許容度に応じた最適な商品・サービスの提供を通じて、お客様との強固な信頼関係の構築に努めています。

また、経営陣・管理職・一般社員が一体となった「全員参加型経営」を実践し、持続的な企業価値の向上を目指しています。すべてのステークホルダーから信頼され、発展し続ける企業、そして「持続可能な社会の実現」に寄与する企業グループを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、お客様の最善の利益を最優先とする「顧客第一主義」を基本方針としています。経営陣・管理職・一般社員が三位一体となった「全員参加型経営」を実践し、グループ一丸となって企業価値の向上に取り組むことを大切にしています。

信用を第一とする金融機関として、高い倫理観とコンプライアンスの徹底を重視しています。サステナビリティへの取り組みを経営の重要課題と位置づけ、社会的価値の創出と持続的な企業価値の向上を両立させています。従業員のウェルビーイングを重視し、多様な価値観を尊重し受け入れる企業風土を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、さらなる発展に向けて、DX推進によるお客様の満足度向上と業務効率化の推進を課題としています。デジタル技術の活用とDX教育を通じて、生産性向上とサービス高度化を図っています。

また、持続的な成長に向けた人材育成と組織基盤の強化も重点テーマであり、若手社員の育成とシニア層からの知見継承を加速させています。コンプライアンスの徹底も重要な課題であり、役職員への研修に加え、AIを活用した「AIコンプラ」の取り組みを充実させ、企業の信頼性向上に努めています。中長期的な企業価値向上と持続可能な社会への貢献も掲げ、サステナビリティへの取り組みを経営の重要事項と位置づけています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


岩井コスモホールディングスは持株会社体制を採用し、グループ全体の監視・監督を行っています。取締役会と監査役会を設置しており、社外役員を招聘することで経営の透明性と健全性を高める体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


岩井コスモホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、その後に事業会社や金融機関が続いています。特定の創業家や関連会社が上位を占める構成ではなく、多様な株主によって支えられている状況がうかがえます。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 11.11%
りそな銀行 4.29%
トーターエンジニアリング 4.26%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性7名・女性3名)で構成され、女性役員比率は30.0%です。代表取締役会長CEOは沖津嘉昭氏、代表取締役社長COOは笹川貴生氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
沖津 嘉昭 取締役会長 CEO (代表取締役) 1984年8月岩井証券(現同社グループ)入社。1995年6月代表取締役社長就任。2016年11月同社代表取締役会長CEO就任より現職。
笹川 貴生 取締役社長 COO (代表取締役) 2004年11月岩井証券(現同社グループ)入社。2016年11月同社代表取締役社長COO就任。2017年1月岩井コスモビジネスサービス代表取締役社長就任より現職。
松浦 康弘 取締役 1988年4月コスモ証券(現岩井コスモ証券)入社。2017年6月同社取締役就任。2019年6月岩井コスモ証券専務取締役就任より現職。
菅野 欣也 取締役 1987年4月コスモ証券(現岩井コスモ証券)入社。2025年6月同社取締役就任より現職。


社外取締役は、更家悠介氏(サラヤ代表取締役社長)、井垣貴子氏(健康都市デザイン研究所代表取締役社長)、武智順子氏(弁護士法人御堂筋法律事務所パートナー)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による意思決定と監査役会による監査を通じてガバナンスを強化しています。社外取締役は、独立した立場から経営全般に関与し、業務執行の監督と牽制機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、取締役については役職位に応じた固定報酬と、経常利益や親会社株主に帰属する当期純利益、ROEなどを考慮した業績連動の変動報酬で構成されています。監査役の報酬は、株主総会で決議された限度額内で、職務執行の対価として適正な水準が監査役の協議により決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 4百万円 1.0百万円
監査役(社外除く) 1名 1百万円 1.0百万円
社外役員 6名 33百万円 5.5百万円


役員報酬の総額は38百万円であり、対象となる役員の合計人数は11名です。

個人別報酬が開示されている役員は、沖津嘉昭氏(1.10億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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