※本記事は、株式会社ザッパラス の有価証券報告書(2025年4月期、2024年5月1日 ~ 2025年4月30日、2025年7月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ザッパラスは、モバイル・PC向けの占いデジタルコンテンツの企画制作・開発・運営を主力とし、電話・チャット占いや対面占いなどの占い関連サービスを一般消費者向けに提供しています。同社グループは、ネットワーク回線やリアル店舗を通じて、占いを中心としたサービスを展開しています。
単体従業員数は14名、連結従業員数は87名です。同社グループの事業セグメントは、モバイルサービス事業、海外事業、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、光通信、cocoloni(モバイルサービス事業)などです。
当連結会計年度では、M&Aにより電話占い「ウラナ」などを譲り受けオンライン占いサービスを拡充しました。一方で、事業の選択と集中の観点から、米国子会社が運営していた海外占いサービスを事業譲渡しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ザッパラスは、モバイルサービス事業を中心に展開する企業です。従業員の平均年齢や勤続年数から、一定の経験を積んだ人材が安定して在籍している傾向が見られます。多様な働き方を推進するための制度も導入されており、従業員が能力を発揮しやすい環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が8.0年、平均年齢が40.4歳となっており、比較的長く勤める従業員が多い傾向が見られます。単体従業員数は連結従業員数に対して少数であり、グループ全体の管理部門を担う従業員が中心となっていることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,644,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.0年 |
| 平均年齢 | 40.4歳 |
| 単体従業員数 | 14人 |
| 連結従業員数 | 87人 |
| 単体のグループ内比率 | 16.1% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材の多様性を中長期的な企業価値向上の重要な要素と認識しています。性別、国籍、キャリア等の属性にとらわれず、意欲と能力によって人材を登用する方針を掲げています。
リモートワークの最適化を推進するためのペーパーレス化やRPA導入による業務効率化を進めています。時差勤務制度や法定以上の育児休業制度を設けるなど、多様な従業員が働きやすい環境の構築に努めています。
また、コンプライアンス研修や管理体制の整備を通じてハラスメント防止策を講じています。全ての従業員が最大の能力を発揮できるよう、就業環境の整備に力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ザッパラスは、主に占いデジタルコンテンツの企画制作・開発・運営を手がけ、モバイルやPCを通じて一般消費者向けに占いを中心としたサービスを提供しています。グループ会社の経営管理を当社が担い、子会社が各事業を展開する体制です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、占いデジタルコンテンツの提供を主力としており、電話・チャット占い、対面占いなどの占い関連サービスも提供しています。占いファンをメインターゲットとしつつ、動画やSNSを活用したプロモーション、新たなコンテンツの創出を通じて新規ユーザーの獲得にも取り組んでいます。収益は主にこれらの占い関連サービスの提供から得ています。
モバイルサービス事業
この事業は、スマートフォンやPC向けの占いデジタルコンテンツの提供を主力としています。電話・チャット占いなどのオンライン占いも含まれます。メディア露出の多い人気占い師が監修するコンテンツの維持や、新規コンテンツの継続的な投入、YouTubeを活用したプロモーションにより、収益を上げています。M&Aにより電話占い「ウラナ」などを譲り受け、オンライン占いサービスを拡充しました。
海外事業
米国に拠点を置くZappallas,Inc.(U.S.)が、各種占いサイトの運営を通じて広告販売やコンテンツ販売を行っています。事業の選択と集中の観点から、一部の海外占いサービスは事業譲渡されています。人員最適化などのコスト改善を進めた結果、営業利益を計上するに至りました。
その他の事業セグメント
この事業では、モバイルコンテンツで培ったノウハウを活かし、法人向けに占い配信のASPサービスや占いコンテンツ制作などを提供しています。法人向けサービスの導入提案に注力しており、売上高はわずかに減少しましたが、利益面では増加となりました。
同社グループの主要な顧客は、SBペイメントサービス株式会社、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社などの決済代行業者であり、これらの企業がユーザーからの代金回収を代行しています。
| セグメント | 売上高(2024年4月期) | 売上高(2025年4月期) |
|---|---|---|
| モバイルサービス事業 | 38.5億円 | 38.8億円 |
| 海外事業 | 4.0億円 | 3.2億円 |
| その他の事業セグメント | 1.2億円 | 1.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は43億円台で推移しており、直近の2025年4月期は前期から微減となりました。経常利益は変動が見られ、2023年4月期には経常損失を計上しましたが、直近2期は黒字を維持しています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動があり、2023年4月期には純損失を計上しましたが、直近2期は黒字を維持し、2025年4月期は前期から微減となりました。
| 項目 | 2021年4月期 | 2022年4月期 | 2023年4月期 | 2024年4月期 | 2025年4月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 47.9億円 | 48.0億円 | 43.8億円 | 43.7億円 | 43.2億円 |
| 経常利益 | 3.8億円 | 2.1億円 | △3.4億円 | 3.5億円 | 2.4億円 |
| 経常利益率 | 7.8% | 4.4% | △7.8% | 8.0% | 5.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.9億円 | △8百万円 | △4.7億円 | 1.6億円 | 1.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 22.44 | △0.65 | △36.86 | 13.41 | 13.56 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの稼ぐ力を見ると、従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加となりました。これらの指標の改善は、経営合理化による組織のスリム化や事業強化の取り組みが、生産性の向上に寄与していることを示唆しています。
| 指標 | 2024年4月期 | 2025年4月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 44.6百万円 | 49.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.9百万円 | 3.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ザッパラスは自己資本比率が高く安定した財務基盤を持つ一方で、当期は積極的な投資活動によりフリーキャッシュ・フローがマイナスとなっています。これは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた成長投資を活発に行っている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ザッパラスの財務基盤は、高い自己資本比率によって安定していることが示されています。しかし、ROEはプライム市場平均を下回っており、手元資金は前期から減少しています。
| 指標 | 2024年4月期(前期) | 2025年4月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 56.8億円 | 49.6億円 |
| 自己資本比率 | 91.5% | 90.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.8% | 3.0% |
| 現金及び預金 | 49.0億円 | 13.8億円 |
自己資本比率は当期で90.6%となっており、プライム市場平均(製造業46.8%・非製造業24.2%)と比較して非常に高い水準を示しています。これは、外部からの借入に依存せず、自社の資本で事業を運営する安定した体制が構築されていることを示しています。
一方で、ROE(自己資本利益率)は当期で3.0%であり、プライム市場平均の9.4%と比較すると低い水準となっています。現金及び預金は前期の49.0億円から当期は13.8億円へと減少しています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ザッパラスの当期のキャッシュ・フローは、営業活動で資金を生み出しつつも、投資活動による支出が大きく、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。これは、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況を示しています。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2.6億円の資金収入となりました。これは前期の3.0億円から減少しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出等により、△24.0億円の資金支出となりました。前期の△0.7億円から大幅に増加しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により、△11.4億円の資金支出となりました。前期の△1.7億円から増加しています。
これらの結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは△21.4億円の資金支出となり、前期の2.3億円の資金収入からマイナスに転じています。本業で資金を稼ぎながらも、投資有価証券の取得や自己株式の取得といった戦略的な資金支出を積極的に行っている状況がうかがえます。
| 項目 | 2024年4月期(前期) | 2025年4月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.0億円 | 2.6億円 |
| 投資CF | △0.7億円 | △24.0億円 |
| 財務CF | △1.7億円 | △11.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.3億円 | △21.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループのモバイルサービス事業は、モバイルコンテンツ市場の動向や競合他社の存在により、顧客数の減少を招き業績に影響を与える可能性があります。また、株式会社NTTドコモに対する売上高比率が比較的高い状態にあり、同社の事業方針に変更等があった場合には、同社グループの事業戦略及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後更なる業容の拡大、多様化に対応していくために、グループ内の各部門において一層の人材強化が必要であると考えています。人材育成や外部からの人材登用等が計画どおりに進まず、適正な人材配置が困難となることにより、同社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ザッパラスは、顧客の生活に潤いと精神的活力を提供することを目指し、信頼されるパートナーとしての地位を築くことを重視しています。顧客の個性を尊重し、安心して楽しめるサービスを提供することを企業文化の基盤としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、サービスを通じて顧客の日々の生活に潤いと精神的活力を生み出すという価値の提供を目指しています。顧客それぞれの個性を尊重し、安心して楽しめるサービスを提供することで、信頼できるパートナーとしての地位を築くことを重視しています。
これにより、顧客のライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を向上させ、同社グループの企業価値向上につなげていくことをビジョンとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、全ての従業員が最大の能力を発揮できるよう就業環境の整備に注力しています。リモートワークや時差勤務制度、法定以上の育休制度を導入し、多様な働き方を支援しています。
また、コンプライアンス研修や管理体制の整備を通じてハラスメント防止策を講じています。人材の多様性を中長期的な企業価値向上の重要な要素と認識しており、性別、国籍、キャリア等の属性にとらわれず、意欲と能力によって人材を登用する方針です。各人の持つ力が最大限に発揮できる社内環境整備と人材育成を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長を目指す上で、新技術への対応を重要な経営課題の一つとしています。モバイルインターネット業界の変化に対応し、ユーザーにとって魅力的なサービスを提供し続けるため、新技術の迅速な展開が重要であると認識しています。
このため、引き続き人材面での強化を図るとともに、新技術を持つ企業との提携・協業も視野に入れています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ザッパラスは監査等委員会設置会社へ移行し、経営の効率性と監督機能の強化を図っています。
取締役会は社外取締役を含む構成で、経営に関する重要事項の審議・決定と業務執行の監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は光通信であり、複数の事業会社や投資会社が上位株主として名を連ねています。
これらの株主が同社の資本構成を支え、経営基盤を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 光通信 | 19.27% |
| UH Partners 2 | 14.96% |
| エスアイエル | 14.27% |
なお、前事業年度末において主要株主であった川嶋真理氏は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。
代表取締役社長は溝上雅俊氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 溝上 雅俊 | 代表取締役 社長 | 2006年株式会社ベンチャー・オンライン入社後、株式会社ガネットを経て2009年同社入社。執行役員、株式会社cocoloni取締役、株式会社コンコース代表取締役などを歴任し、2023年7月より同社代表取締役社長に現職。 |
| 永井 裕恭 | 取締役 | 2022年株式会社光通信入社。2024年7月より同社取締役経営管理・資産管理担当に現職。同年10月より株式会社光通信投資マネジメント部課長に現職。 |
| 大田太佳生 | 取締役 | 2004年同社入社。2024年6月より同社管理グループ執行役員、2025年7月より同社取締役管理グループ担当に現職。 |
社外取締役は、市川雅彦氏(元株式会社日立ソリューションズ・クリエイト常勤監査役・常勤監査等委員・監査等委員会委員長)、竹中由重氏(馬車道法律事務所弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会において議決権を有することで監督機能を強化しています。
社外取締役は独立した立場から、組織マネジメントやコンプライアンス、法令に関する専門知識に基づき、経営の監視と助言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、社外取締役を除く取締役に対しては固定報酬と譲渡制限付株式による非金銭報酬で構成されています。
社外取締役の報酬は固定報酬のみであり、各役員の役割責任や他社水準を参考に決定されています。
報酬額の決定においては、指名報酬委員会が客観性と透明性を確保するために諮問を受け、答申に基づいて個別支給額を決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 30百万円 | 10.1百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 13百万円 | 4.4百万円 |
なお、監査等委員である取締役3名の報酬額は社外役員の報酬総額に含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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