グリーンエナジー&カンパニー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

グリーンエナジー&カンパニー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

同社は東京証券取引所(グロース市場)に上場しており、太陽光発電設備や系統用蓄電所の開発・販売、ネットゼロ・エネルギー・ハウス事業等の「再生可能エネルギー事業」を展開しています。当連結会計年度の業績は、売上高が116億円で前期比増収となった一方、経常利益は4億円で減益となりました。


※本記事は、株式会社グリーンエナジー&カンパニー の有価証券報告書(第17期、自 2024年5月1日 至 2025年4月30日、2025年7月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. グリーンエナジー&カンパニーってどんな会社?


同社は、太陽光発電等の再生可能エネルギー事業と、省エネ住宅の開発・販売を行うクリーンテック企業です。

(1) 会社概要


2009年に徳島県徳島市で設立され、2012年に再生可能エネルギー事業へ参入しました。2016年に東京証券取引所マザーズ(現グロース)へ上場を果たしています。2024年には持株会社体制へ移行し、現在の商号であるグリーンエナジー&カンパニーへ変更しました。2025年には株式会社GREEN ACTIONを子会社化するなど、事業基盤の強化を進めています。

連結従業員数は160名、単体では37名です。筆頭株主は親会社である株式会社エフピーライフで、第2位は同社代表取締役社長の鈴江崇文氏、第3位はTOFU合同会社です。

氏名 持株比率
エフピーライフ 58.83%
鈴江 崇文 10.34%
TOFU合同会社 3.28%

(2) 経営陣


同社の役員は男性4名、女性1名の計5名で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表者は代表取締役社長の鈴江崇文氏です。社外取締役比率は80.0%です。

氏名 役職 主な経歴
鈴江 崇文 代表取締役社長 三井ホーム、ゴーイングホーム等を経て、2009年同社を設立し代表取締役社長に就任。ソーシャルファイナンス代表取締役等を兼任し、2024年より現職。


社外取締役は、山中哲男(トイトマ代表取締役)、三谷恭也(日本APセンター代表取締役副社長)、山田善則(日本M&Aセンターホールディングス社外取締役)、飯田花織(Chairs代表取締役)です。

2. 事業内容


同社グループは、「再生可能エネルギー事業」の単一セグメントで事業を展開しています。

(1) フロービジネス


主に個人投資家や法人需要家向けに太陽光発電設備や系統用蓄電所等のGXグリーンエネルギー発電施設を開発・販売しています。また、一般消費者や投資家向けにGXゼロエネルギーハウスの開発・販売を行い、「いえとち本舗」ブランドの直営店およびフランチャイズ展開を推進しています。

発電施設や住宅の引き渡しにより収益を得ています。運営は、株式会社グリーンエナジー・プラス、株式会社グリーンエナジー・ネックス、株式会社GREEN ACTIONが発電施設関連を、株式会社グリーンエナジー・ライフが住宅関連を担当しています。

(2) ストックビジネス


同社グループが保有する太陽光発電施設からの売電収入を得るほか、販売したGXグリーンエネルギー発電施設の管理受託を行っています。O&M(オペレーションアンドメンテナンス)サービスを中心とした継続的な収益確保を目指しています。

売電収入および管理受託による手数料が収益源です。運営は主に株式会社グリーンエナジー・ファシリティーズ、合同会社フィットクリーン発電各社などが担当しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は着実に増加傾向にあり、事業規模の拡大が続いています。利益面では、経常利益率が低下傾向にあり、当期は前期から減益となりました。当期純利益も減少しており、売上拡大に伴うコスト増や先行投資の影響が見られます。

項目 2021年4月期 2022年4月期 2023年4月期 2024年4月期 2025年4月期
売上高 60億円 72億円 89億円 97億円 116億円
経常利益 3億円 5億円 5億円 5億円 4億円
利益率(%) 4.6% 6.8% 5.8% 5.2% 3.5%
当期利益(親会社所有者帰属) 2億円 3億円 3億円 3億円 3億円

(2) 損益計算書


売上高の増加に伴い売上総利益も増加しましたが、販売費及び一般管理費の増加率が高く、営業利益の伸びは小幅にとどまりました。売上総利益率は低下傾向にあります。

項目 2024年4月期 2025年4月期
売上高 97億円 116億円
売上総利益 25億円 28億円
売上総利益率(%) 25.7% 24.1%
営業利益 5億円 5億円
営業利益率(%) 5.3% 4.7%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び賞与が8億円(構成比36%)、支払手数料が4億円(同16%)を占めています。

(3) セグメント収益


同社は単一セグメントですが、サービス別の販売実績を見ると、太陽光発電設備・系統用蓄電所事業、ネットゼロ・エネルギー・ハウス事業ともに前期比で伸長しています。特に太陽光発電設備関連の伸びが大きく、O&M事業及び発電事業も堅調に推移しています。

区分 売上(2024年4月期) 売上(2025年4月期)
太陽光発電設備・系統用蓄電所事業 31億円 38億円
ネットゼロ・エネルギー・ハウス事業 55億円 65億円
O&M事業及び発電事業 11億円 13億円
連結(合計) 97億円 116億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


同社は本業の営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスである一方、借入等の財務活動で資金を調達し、投資活動を行っている「勝負型」の状態です。なお、同社は在庫を多く抱える事業を主力としているため、営業CFのマイナスは棚卸資産(商品・販売用不動産等)の増加(事業拡大)に起因している可能性があり、必ずしも業績悪化を意味するものではありません。

項目 2024年4月期 2025年4月期
営業CF 6億円 -10億円
投資CF -3億円 -7億円
財務CF -7億円 10億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は5.3%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は39.0%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「サステナブルな社会の実現を新しい常識で」というPURPOSEのもと、「個人参加型、持続可能エネルギー社会の実現」をビジョンとして事業を推進しています。再生可能エネルギーを個人の家計や地域企業の財務基盤に組み込むことで、「個人や企業の永続性」と「再生可能エネルギー社会」の同時実現を目指しています。

(2) 企業文化


個人や社会にとって正しい選択肢を届けるため、最適解を考え、常識を疑い、新しい手段を取っていくことにチャレンジし続けています。事業を通じて社会の発展に貢献できる新たな価値を生み出し、各個人が幸せになれる選択肢を提案できる企業として、世の中に必要とされる存在であり続けることを重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は、長期ヴィジョン「サステナグロース2035」および中期経営計画「Green300」を策定しています。「開発数最大化」戦略を基盤とし、既存エリアの深耕や全国展開により売上拡大を図っています。

* 2029年4月期:売上高300億円
* 2029年4月期:営業利益20億円

(4) 成長戦略と重点施策


再生可能エネルギー市場の成長に対応し、NonFIT発電所や系統用蓄電所の開発拡大に注力します。また、PPA事業やO&M事業の強化によりストックビジネスを拡大し、安定収益基盤を構築します。さらに、AI技術活用による生産効率向上や、グリーンエナジー大学を通じた人材育成、コーポレートガバナンスの強化にも取り組みます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供することを方針としています。活躍する社員の待遇・環境向上を目的とした「グリーン制度」の拡充や、ビジネススキル等を習得できる「グリーンエナジー大学」の開設、積極的なジョブローテーションなどを通じ、人材が育つ環境づくりを強化しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年4月期 38.9歳 3.9年 5,748,555円


※平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表項目として選択しなかったため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性比率(42.3%)、男性育児休業取得率(16.6%)、有給休暇平均取得日数(12.0日)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) GXグリーンエネルギー発電施設工事の遅延について


同社グループの売上は、工事完了後の顧客への引渡しや電力会社との系統連系時に計上されます。そのため、自然災害等による工事の遅延や電力会社との系統連系の遅れが発生した場合、当該期間の売上が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 個人消費動向等の影響について


主な販売先が個人顧客であるため、景気動向、金利、地価等のマクロ経済要因や消費者所得の減少の影響を受けやすい傾向があります。また、住宅税制やFIT制度の改正、消費税率の変更等により需要が減退した場合、業績に影響を与える可能性があります。

(3) 政府の施策について


同社の脱炭素事業は政府の施策に密接に関連しており、「改正FIT法」における制度変更やルールの厳格化、系統連系の遅れなどが生じた場合、顧客の購入意欲が減退し、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。