グリーンエナジー&カンパニー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

グリーンエナジー&カンパニー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

グリーンエナジー&カンパニーは東証グロース市場に上場し、太陽光発電設備・系統用蓄電所事業やネットゼロ・エネルギー・ハウス事業等の再生可能エネルギー事業を展開する企業です。直近の業績は、旺盛な脱炭素ニーズに対応し開発規模が拡大したことで、売上高、営業利益ともに大幅な増収増益を達成しています。


※本記事は、株式会社グリーンエナジー&カンパニーの有価証券報告書(第18期、自 2025年5月1日 至 2026年4月30日、2026年7月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. グリーンエナジー&カンパニーってどんな会社?


同社グループは、再生可能エネルギー施設の開発から運用までを一貫して手掛けるクリーンテック企業です。

(1) 会社概要


同社は2009年4月に建設・不動産分野の規格型商品開発・販売を目的として設立されました。2012年10月に太陽光発電施設の開発・販売を開始しグリーンエネルギー事業へ参入し、2016年3月に上場を果たしました。2024年5月に持株会社体制へ移行し、現在の商号に変更しています。直近では系統用蓄電所事業やアグリゲーション事業の強化を進めています。

現在の従業員数は連結で159名、単体で27名体制となっています。筆頭株主はエフピーライフで、第2位は創業者の鈴江崇文氏、第3位は日本証券金融です。

氏名 持株比率
エフピーライフ 58.70%
鈴江 崇文 10.32%
日本証券金融 2.18%

(2) 経営陣


同社の役員は男性4名、女性1名の計5名で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は鈴江崇文氏が務めています。社外取締役比率は80.0%です。

氏名 役職 主な経歴
鈴江 崇文 代表取締役社長 1997年三井ホーム入社。2001年現LIXIL住宅研究所入社。2008年現スズケン&コミュニケーション代表取締役就任。2009年同社設立、代表取締役社長就任。


社外取締役は、山中哲男(トイトマ代表取締役)、三谷恭也(日本APセンター代表取締役副社長)、山田善則(元明治安田生命保険相互会社常務取締役)、飯田花織(表参道パートナーズ法律事務所共同代表パートナー)です。

2. 事業内容


同社グループは、「再生可能エネルギー事業」の単一セグメントで事業を展開しています。

(1) 太陽光発電設備・系統用蓄電所事業


用地及び案件の開拓から、企画、設計、調達、建設、販売までを一貫して行っています。個人向け投資商品や法人需要家向けに太陽光発電設備及び系統用蓄電所を提供しています。

開発した設備の販売によるフロー収益を得ています。事業の運営は、主にグリーンエナジー・プラスなどが担当しています。

(2) ネットゼロ・エネルギー・ハウス事業


一般消費者や投資家向けに、太陽光発電設備等を搭載したネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを中心とする住宅の企画、開発及び販売を行っています。また、既存不動産を再生・販売する取り組みも進めています。

住宅等の開発・販売によるフロー収益を得ています。事業の運営は、主にグリーンエナジー・ライフなどが担当しています。

(3) O&M事業及び発電事業


販売後の設備を対象としたO&M、設備管理、アグリゲーションなどの運用サービスを提供しています。また、開発した発電施設や蓄電所等の一部を自社で保有・運用しています。

運用サービスによる運用・サービス収益と、保有設備からの売電収入等による保有・運用収益といったストック収益を得ています。事業の運営は、主にグリーンエナジー・ファシリティーズやGREEN ACTIONなどが担当しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は順調に拡大しており、直近では184億円に達しています。利益面では経常利益が直近で10億円まで増加した一方で、当期利益は直近2期において0.8億円から5.0億円で推移しています。

項目 2022年4月期 2023年4月期 2024年4月期 2025年4月期 2026年4月期
売上高 72億円 89億円 97億円 116億円 184億円
経常利益 5億円 5億円 5億円 4億円 10億円
利益率(%) 6.8% 5.8% 5.2% 3.5% 5.6%
当期利益(親会社所有者帰属) 3億円 3億円 3億円 3億円 5億円

(2) 損益計算書


売上高の拡大に伴い売上総利益も増加していますが、売上総利益率は前期の24.1%から21.2%へと低下しています。一方で、営業利益率は4.7%から6.5%へと上昇しており、本業の収益性が改善していることがわかります。

項目 2025年4月期 2026年4月期
売上高 116億円 184億円
売上総利益 28億円 39億円
売上総利益率(%) 24.1% 21.2%
営業利益 5億円 12億円
営業利益率(%) 4.7% 6.5%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び賞与が9億円(構成比33.2%)、支払手数料が5億円(同18.0%)を占めています。

(3) セグメント収益


同社は再生可能エネルギー事業の単一セグメントですが、内訳として太陽光発電設備やネットゼロ・エネルギー・ハウスの販売、O&M事業などを展開しており、旺盛な脱炭素ニーズを捉えて売上を大きく伸ばしています。

区分 売上(2025年4月期) 売上(2026年4月期)
再生可能エネルギー事業 116億円 184億円
連結(合計) 116億円 184億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFがプラス、投資CFがマイナス、財務CFがプラスとなっており、営業で利益を出し、借入によって積極投資を行う「積極型」の状態です。

項目 2025年4月期 2026年4月期
営業CF -10億円 13億円
投資CF -7億円 -3億円
財務CF 10億円 1億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は9.1%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は34.3%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「新しい常識で、地球と人をグリーンにする。」をパーパスとし、「1000万人が、『自分でつかうエネルギー』を『自分で創る』社会を実現する。」をビジョンに掲げています。再生可能エネルギーの経済的利得性を個人の家計や地域中小企業の財務基盤に組み込むことで、個人や企業の永続性と再生可能エネルギー社会の同時実現を目指しています。

(2) 企業文化


個人や社会にとって正しい選択肢を届けていくため、最適解を考え、常識を疑い、新しい手段を取っていくことにチャレンジし続けています。事業を通じて社会の発展に貢献できる新たな価値を生み出し、各個人が幸せになれる選択肢を提案できる企業として、世の中に必要とされる存在であり続けたいという考え方を重視しています。

(3) 経営計画・目標


「開発数最大化」戦略を基盤として既存事業エリアの深耕や全国展開を進め、売上高を拡大しつつ以下の数値目標の達成を目指しています。

* 2029年4月期売上高:300億円
* 2029年4月期営業利益:20億円

(4) 成長戦略と重点施策


脱炭素化の進展やエネルギー安全保障への関心の高まりを成長機会と捉え、太陽光発電施設や系統用蓄電所等の開発規模を拡大します。また、事業開発プロセスの標準化やAI技術の活用による生産性向上、多様な資金調達手法を用いた財務基盤の強化、専門性を有する人材の確保と経営人材への投資などを重点的に推進します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する方針です。社員の成長を促進する教育機会の提供や、将来の管理職・経営層の育成、多様な仕事を経験させる活力ある人材配置を行っています。具体的には、「グリーンエナジー大学」の開設や社内FA制度の導入などを通じて、自律的なキャリア構築を支援しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年4月期 41.2歳 5.2年 6,491,033円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 -
男性育児休業取得率 0.0%
男女賃金差異(全労働者) -
男女賃金差異(正規雇用) -
男女賃金差異(非正規雇用) -


※同社および連結子会社は女性管理職比率および男女の賃金の差異について、公表項目として選択しなかったため有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性比率(36.5%)、有給休暇平均取得日数(11.4日)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 発電施設工事の遅延リスク


自然災害等の要因により工事が遅延し、期中の引き渡しに支障が生じた場合や、電力会社との系統連系が遅れた場合には、当該期間の売上高が減少し、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2) 再生可能エネルギー政策の変更リスク


政府の「改正FIT法」における制度変更やルールの厳格化、系統連系の遅れ等により、顧客の購入意欲が減退した場合には、同社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 材料・建材価格の高騰リスク


太陽光発電施設のソーラーパネル等の材料や住宅の建材において、為替相場の変動等により仕入価格が高騰することが考えられ、収益性が悪化して同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。