※本記事は、株式会社倉元製作所 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
倉元製作所は、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス等の基板事業、半導体加工事業、不動産賃貸事業、業務用支援ロボット事業を主に展開しています。多岐にわたる分野で事業を営んでいます。
単体従業員数は56名、連結従業員数は74名です。セグメントは基板事業、半導体加工事業、不動産賃貸事業、業務用支援ロボット事業、その他事業の5つです。
主な国内グループ会社は、アイウイズロボティクス(業務用支援ロボットの販売)、KURAMOTOペロブスカイトなどです。
2025年12月15日には、ペロブスカイト太陽電池の製造販売を行うKURAMOTOペロブスカイトを設立し、新たな事業領域に進出しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
倉元製作所は、従業員の平均年齢や勤続年数から、長期的なキャリア形成が期待できる環境であると考えられます。人材育成に関する具体的な方針は現在検討中ですが、性別や国籍にとらわれず、個人の業務内容や適性に基づいた公正な評価を重視する姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も高めであることから、安定して長く働く従業員が多い傾向にあることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,318,000円 |
| 平均勤続年数 | 23.1年 |
| 平均年齢 | 50.9歳 |
| 単体従業員数 | 56人 |
| 連結従業員数 | 74人 |
| 単体のグループ内比率 | 75.7% |
退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を併用しています。国内の従業員を対象としています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。年金資産は90百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
倉元製作所グループでは、性別や国籍を理由とした形式的な登用は行っておらず、各人の業務内容や適性に基づき公正かつ適切に評価する方針です。人材の多様性の確保を含む人材育成に関する具体的な方針や計画は現在作成中ではありませんが、同社グループの実情を踏まえた現実的かつ実効性のあるものを今後検討していくとしています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
倉元製作所は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
倉元製作所は、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス等の基板事業、半導体加工事業、不動産賃貸事業、業務用支援ロボット事業を主軸に展開する同社グループです。近年ではペロブスカイト太陽電池の製造販売事業も立ち上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、多岐にわたる事業を展開しており、それぞれの事業が異なる収益モデルを持っています。主に製品や商品の販売、および不動産の賃貸から収益を得ています。国内の顧客からの売上が大半を占める事業構造です。
業務用支援ロボット事業
AIを活用した全自動の業務用お掃除ロボットの販売を行っています。同社グループの事業の中で最も大きな収益を上げており、前期と比較して大きく拡大しています。収益は、商品の販売から得ています。
基板事業
液晶ガラス基板や成膜ガラス基板などの加工販売を手掛けています。前期と比較すると収益は減少しています。収益は、製品の販売から得ています。
半導体加工事業
半導体製造装置に関連する部品の加工販売を行っています。前期と比較して収益は減少しており、当期は損失を計上しています。収益は、製品の販売から得ています。
不動産賃貸事業
不動産の賃貸を行っており、安定した収益源となっています。前期と比較して収益はわずかに減少していますが、利益は増加しています。収益は、賃貸事業から得ています。
その他事業
派遣事業など、報告セグメントに含まれない事業を展開しています。当期に売上と利益を計上しています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 業務用支援ロボット事業 | 3.9億円 | 10.2億円 |
| 基板事業 | 7.3億円 | 6.1億円 |
| 半導体加工事業 | 3.4億円 | 2.3億円 |
| 不動産賃貸事業 | 1.0億円 | 94百万円 |
| その他事業 | - | 61百万円 |
主要な顧客としては、業務用支援ロボット事業において株式会社サンエー化研や株式会社ヨシノトレーディング、基板事業においてシャープ株式会社からの売上が大きな割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近の業績は、売上高が前期から増加した一方で、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な損失を計上する結果となりました。売上高は前期比で28.3%の増加を示しています。
営業損失は、ペロブスカイト太陽電池の設備取得資金を研究開発費として一括計上したことが主な要因です。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、子会社株式の取得に関するのれんの未償却残高を一括償却し、特別損失に計上したことが大きく影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは前期に引き続きマイナスですが、その使用額は前期から減少しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 15.7億円 | 20.1億円 |
| 経常利益 | - | - | - | 30百万円 | △14.8億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | 1.9% | △73.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | 31百万円 | △30.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | 0.83 | △64.21 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しています。これは、売上高の増加と連結従業員数の微増が影響していると考えられます。
一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から大きく減少し、当期はマイナスとなっています。これは、ペロブスカイト太陽電池関連の研究開発費の一括計上やのれんの一括償却といった一時的な要因が、利益に大きな影響を与えたためです。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 21.8百万円 | 27.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.3百万円 | △19.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業再生計画の実施途上にあり、財務基盤の改善と新たな資金調達に取り組んでいます。現在の資金の流れは、事業活動と投資活動において資金を使用している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期の79.8%から当期は39.3%に減少しました。これはプライム市場の製造業平均46.8%と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は前期1.6%のプラスでしたが、当期は△139.1%と大幅なマイナスとなっています。
現金及び預金は前期の6.4億円から当期は97百万円に減少しました。手元資金が減少している状況です。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 37.4億円 | 7.4億円 |
| 自己資本比率 | 79.8% | 39.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.6% | △139.1% |
| 現金及び預金 | 6.4億円 | 97百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期は△2.3億円の資金使用となりました。これは主に営業損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、当期は△4.5億円の資金使用となっています。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものです。
その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期は△6.8億円の資金使用となりました。財務活動によるキャッシュフローは、当期は1.3億円の資金獲得となっています。これは主に株式の発行による収入によるものです。
これらの資金の流れは、同社グループが事業活動と投資活動で資金を使用しており、その資金を財務活動で調達している状況を示しています。この状況は、今後の雇用や給与の安定性を検討する上で留意すべき点となります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △3.7億円 | △2.3億円 |
| 投資CF | △4.3億円 | △4.5億円 |
| 財務CF | 13.9億円 | 1.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △8.1億円 | △6.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、当連結会計年度において営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。また、事業再生計画の実施途上にあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しています。現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる状況です。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの基板事業においては、得意先による加工の内製化比率の上昇や液晶ディスプレイ業界の需給バランスの崩れが、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、国内外の競合他社との厳しい競争状況や、販売比率が高い得意先の購買方針の変更も業績悪化のリスクとなっています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
倉元製作所は、現在の事業環境を鑑みながら、価格競争力の向上と採算性の維持による売上拡大を目指しています。研究開発を強化し、付加価値の高い新製品開発を積極的に進める方針です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、デフレ経済の長期化や原材料価格の上昇といった厳しい収益状況が予想される中で、価格競争力の向上と採算性の維持を図りながら売上の拡大に努めることを経営方針としています。また、研究開発を強化し、付加価値の高い新製品の開発を積極的に進めていく方針です。
中長期的な経営戦略としては、基板事業においてFPD向けガラス基板加工のコストダウンと生産性向上による価格競争力の一層の強化を図ります。さらに、ガラスメーカーや最終ユーザーとの連携強化による受注拡大、および保有技術を応用展開できる非FPD事業等の新規事業分野の開拓に注力しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループでは、性別や国籍などを理由とした形式的な登用は行わず、各人の業務内容や適性に基づき公正かつ適切に評価することを大切にしています。人材の多様性の確保を含む人材育成に関する具体的な方針や計画は現在作成中であり、今後、同社グループの実情を踏まえた現実的かつ実効性のあるものを検討していくとしています。
サステナビリティに関する基本方針は現状定めていませんが、今後、基本方針の策定と併せて、サステナビリティ推進の観点からも管理体制の見直しを検討していく方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、営業と技術の両面から顧客ニーズを的確に捉え、顧客ニーズに資する製品を供給することに努めています。また、新たな市場開拓を通して受注の安定と拡大を図ることを重点テーマとしています。
サステナビリティに関しては、現時点では基本方針を定めていませんが、今後、基本方針の策定と併せて、同社グループの実情に合わせた指標及び目標の設定を検討していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
倉元製作所は監査役会設置会社として、取締役会が経営上の意思決定と業務執行の監督を担っています。監査役会が経営の健全性を確保する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
倉元製作所の株主構成を見ると、筆頭株主はニューセンチュリー有限責任事業組合です。次いで個人株主のWANG CHI氏、そして那須マテリアルが上位に名を連ねています。同社の資本構成は、事業会社や個人、有限責任事業組合など多様な主体によって支えられていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ニューセンチュリー有限責任事業組合 | 13.41% |
| WANG CHI | 13.34% |
| 那須マテリアル | 6.52% |
| 渡邉 敏行 | 3.28% |
| 楽天証券 | 1.92% |
なお、ニューセンチュリー有限責任事業組合の持ち株数は、上記のほかEquity First Holdings LLCに対して担保契約に基づき保有株式6,850,000株を担保として差し入れております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
倉元製作所の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長兼CFOは小峰衛氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 星 彰治 | 取締役CEO (代表取締役) | 2001年那須マテリアル取締役、2003年同社代表取締役。2021年同社取締役を経て、2026年3月より同社代表取締役CEOに現職。 |
| 小峰 衛 | 取締役社長兼CFO (代表取締役) | 1984年矢野経済研究所入社、2000年ディー・ブレイン代表取締役。2012年インターバルブテクノロジー代表取締役を経て、2020年同社取締役。2026年3月より同社代表取締役社長兼CFOに現職。 |
| 渡邉 敏行 | 取締役 | 1997年武田製薬工業入社、2003年ベビーピュア代表取締役。2024年同社顧問、同社代表取締役社長を経て、2026年3月より同社取締役に現職。 |
| 王 馳 | 取締役 | 2006年中国比亜迪股份有限公司入社。2013年深圳市図瑞科技有限公司設立、2021年小达人智能科技(深圳)有限公司代表取締役。2025年3月より同社取締役に現職。 |
| 江幡 誠 | 取締役 | 1988年レヴァン入社、2000年フィットネス・コミュニケーションズ代表取締役。2017年日本M&Aセンター入社、2022年ユニコン外部顧問を経て、2026年3月より同社取締役に現職。 |
社外取締役は、本郷邦夫氏(元RS Technologies取締役事業本部長)です。
同社は監査役会設置会社であり、監査役3名のうち2名が社外監査役で構成されています。社外監査役は専門的見地から経営監視を行い、経営の健全性維持に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
倉元製作所の役員報酬は、基本報酬を月例の固定報酬としています。役位や職責、常勤・非常勤の別などを考慮し、経営環境や業績、他社水準を総合的に勘案して決定される仕組みです。報酬限度額は株主総会で決議されており、その範囲内で各役員の職務に応じた報酬額が定められています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 22百万円 | 5.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 6百万円 | 2.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 4百万円 | 1.0百万円 |
なお、取締役の報酬額には使用人兼務の使用人給与相当額(賞与含む)は含まれておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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